[犬の雑学]人気犬種の毛色を知ろう(後編)

犬の毛色にはたくさんの種類がありますが、どの犬種にはどのような毛色があるのか、きちんと知らないという人も多いのではないでしょうか。

前編では、人気犬種TOP3のトイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドの毛色をご紹介してきましたが、後編ではTOP5位・6位の柴犬とポメラニアンの毛色をご紹介します。

前編をまだご覧になっていない方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
https://cheriee.jp/dogs/31119/

人気犬種TOP5(おさらい)

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まずはおさらいとして、アニコム「家庭どうぶつ白書2021」の飼育頭数ランキングを確認しましょう。

1位・・・トイ・プードル
2位・・・チワワ
3位・・・ミニチュア・ダックスフンド
4位・・・MIX犬(毛色紹介からは除外)
5位・・・柴犬
6位・・・ポメラニアン
(アニコム「家庭どうぶつ白書2021」より)

今回は5位の柴犬・6位のポメラニアンの毛色を詳しく見ていきます。

柴犬の毛色

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柴犬と聞いて多くの方がイメージするのが、明るい茶色の赤柴ではないでしょうか。それ以外にも、JKCが公認している色は合計5色あります。

  • :レッドと同じだが、主に日本原産犬種の毛色を表現する際に用いられる色。見た目は赤よりも明るい茶色。現状、日本の柴犬の多くがこの赤柴。
  • 黒褐色:黒っぽい茶色をしているが、実際は黒に薄茶色の下毛が生える。
  • 胡麻赤、黒、白の3色が混ざり合った毛色で、ベースの色に黒の差し毛が散らばったような見た目になる。毛色の比率によって胡麻・赤胡麻・黒胡麻の3通りが存在する。
    黒胡麻:胡麻よりも、黒の差し毛が多く、全体的に黒っぽくなる。
    赤胡麻ベースの赤毛に、黒の差し毛が入った色。

いずれも背中の面を表と考えた場合、裏となるマズル(口先)の両側、頬、顎、首、胸、腹、尾の裏側、脚の内側が白い「裏白」となっているのが特徴です。また、白色は現状JKCでは非公認ですが、人気も高く、見かける機会が多い毛色です。

ポメラニアンの毛色

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ポメラニアンは毛色が非常に多い犬種のひとつです。詳しく紹介していきます。

  • ブラック:ブラック一色。純粋な一色の子は少なく、非常に珍しいとされている。
  • ブラウン:レッドよりも少し暗めの褐色。
  • チョコレート:ブラウンと非常に似ており、ブラウンよりも若干薄めの色。
  • レッド:オレンジにも似ているが、赤みを帯びた茶色。原産国であるドイツではポメラニアン本来の色といわれている。
  • オレンジ:レッドよりも少し薄い色で、ポメラニアンの中では最も多い定番カラー。
  • クリーム:薄くて明るい茶褐色。この色も比較的ポメラニアンでは多く、日本では親しまれている。
  • オレンジ・セーブル:ベースはオレンジで、毛先に少しブラックが混ざった色。
  • ウルフ・セーブル:ベースは灰色と黄褐色が混ざり、毛の先端に黒っぽい差し色が入っている。
  • ビーバー:動物のビーバーのようなブラウンや灰色の混じった色。非常に珍しいとされている。
  • ブルー:青みがかった灰色または、ブラックに灰色の毛が混じっていることもある。
  • ホワイト:白一色。成長と共に一部分または全体的にクリーム色になることもある。祖先であるジャーマンスピッツやサモエドの毛色が基になっており、最も古くからあるカラー。
  • パーティーカラー:ベースの色に加えて1色または2色のはっきりとした斑があるもの。
  • ブラック&タン:ベースがブラックで、鼻や目、足や胸などに黄褐色の毛色が入る。

毛色によって性格は違うのか

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同じ犬種でも、同じ毛色同士の犬の性格は似る、毛色が違えば性格も異なる、という話を聞いたことはあるかもしれませんが、これは本当なのでしょうか?

結論としては、NOだと思います。よくインターネット上の記事などで、「●色の子の性格」という書き方をされることもありますが、ドッグトレーナーの筆者がこれまで接してきた犬たちを振り返ってみても、同じ毛色でも性格は全く違っていました。

人間でも髪の色が同じでも性格は全然違いますよね。恐らく犬も同じだと思っています。毛色よりも、環境やこれまでの経験が大きくその子の性格形成に影響しているでしょう。

まとめ

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今回は5犬種のみ紹介しましたが、毛色は非常に多くの種類があります。呼び方や色の解釈が人によっては異なるかもしれませんが、たくさんの交配を繰り返した結果であると思うと、ただただすごいなと思います。

毛色が何色でも愛犬が一番かわいいのは間違いないですが、毛色を知っておくと街で他の犬を見るのがより楽しくなるかもしれませんね。

[犬の雑学]人気犬種の毛色を知ろう(前編)

みなさんは犬の毛色をどれくらいご存知でしょうか。街を歩くと、同じ犬種でも毛色の違う子たちを多く見かけますよね。

今回は、MIX犬を除く、人気犬種の毛色をジャパンケンネルクラブ(以下JKC)の基準を基に紹介します。犬種だけでなく毛色も言えると、愛犬家の中でも一目置かれるかもしれません。

人気犬種TOP5

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ペット保険で知られるアニコムの「家庭どうぶつ白書2021」による飼育頭数のランキングは以下の通りです。

1位・・・トイ・プードル
2位・・・チワワ
3位・・・ミニチュア・ダックスフンド
4位・・・MIX犬(毛色紹介からは除外)
5位・・・柴犬
6位・・・ポメラニアン
(アニコム「家庭どうぶつ白書2021」より)

街でもこれらの犬種をよく見かけるので、納得の結果です。

前編では、トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドの毛色について詳しく解説していきます。

トイ・プードルの毛色

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街でも様々な毛色の子を見かけるトイ・プードルですが、大きくわけて5種類の毛色があります。

  • ブラック:黒一色。
  • ホワイト:白一色。
  • ブラウン:深みがあり、非常に濃く、均一で、暖かみがある。
  • グレー:均一な深い灰色。
  • フォーン:金色がかった色。ペール・フォーンからレッド・フォーン、あるいはオレンジ・フォーン(アプリコット)まである。

JKCでは単色のみ認めており、ベージュ及びそこから派生した明るい色は非公認となっています。

また、一般的に知られているアプリコットレッドクリームフォーンに属し、そこから派生された色であることがわかります。

チワワの毛色

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チワワには非常に多くの毛色があり、マール以外の全ての色調及び組み合わせが認められています。毛色のパターンは大きく3種類にわけられます。

  • 単色ソリッドカラーとも呼ばれる
  • 2色パーティーカラーとも呼ばれる
  • トライカラー:基本的にはブラックとタン(黄褐色)とホワイトの3色からなる

さらに詳しく見ていくと、多くの毛色の種類があります。

  • ホワイト:白単色からややくすみがかった白まで様々で、白単色は珍しいとされている。多くは薄茶色やクリームっぽい色が混ざる。

  • クリーム:薄くて明る目の黄褐色。基本的にはクリームが全体を占めるが、一部ホワイトが混ざったり、足先・耳などが部分的に濃くなることが多い。

  • フォーン:金色がかった色で、黒い差し毛があったり、薄く黄色がかっていたりと様々な色の出方をすることが多い。

  • レッド:赤みを帯びた茶色を指し、淡いものから濃いものまで様々。成長と共に色が退色することもよくある。

  • チョコレート&タン:濃いレバー色に黄褐色の斑があることが多い。

  • ブラック&タン:ブラックとタン(黄褐色)からなる2色。全体的にブラックで、タンが差し色として目や眉・頬など顔周りに斑点模様で入る。

  • ブラック&ホワイト:ブラックとホワイトからなり、2色の割合は犬によって様々。

  • ブラック&タン&ホワイト:ブラックとタン(黄褐色)からなる2色にホワイトが入る。色の割合は犬によって様々。

  • イザベラ:薄い栗毛色(茶色がかった灰色)でチョコレートよりもさらに色味が薄く、チワワの中では珍しい。

マールはなぜ認められていないのか

マールとは「マール遺伝子」を持つ犬種で見られる毛色を指します。体表の色が線状または斑点状に薄く、全体的に退色したような毛色になることが多いとされています。

このマール遺伝子を持った犬同士が繁殖を行うと、高い確率で退色した毛色や盲目・難聴といった先天的な疾患を持った子が生まれてしまうため、マールは認められていません。

ミニチュア・ダックスフンドの毛色

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ミニチュア・ダックスフンドの被毛はスムースヘアードワイアーヘアードロングヘアードの3種類があります。
今回は最もメジャーなロングヘアーの毛色についてみていきます。

毛色の特徴は大きく4種類にわけられ、その中でも複数の毛色の種類があるものもあります。

  • 単色:基本の鮮明な1色のみ。
    レッド:レッドの地色にブラックのオーバーコート。小さなホワイトの斑が胸にある場合もある。

  • 2色:濃いブラックまたはブラウンが毛色のベース。従来「チョコレート」としていた毛色もブラウンに含まれる。
    ブラック&タン:ベースの色はブラック。黄褐色の斑(タン)が目の上、あごの両側、下あご、胸や尾の下にあることが多い。
    チョコレート&タン:ベースの色がチョコレート色でブラック&タン同様に黄褐色の斑(タン)がある

  • ダップル:ベースの色が濃いブラックまたはブラウンで、不規則なグレーまたはベージュの小さい斑がある。

  • ブリンドル:ベースの色がレッドで、ダークなブリンドル(濃い縞)がある。

JKC公認と非公認の理由は

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JKCが一部の毛色を認めないのは、主に2つの理由からです。

1. 標準的または理想的な容姿を保護するため

犬種ごとに決められた容姿を犬種標準またはスタンダードといいます。
このスタンダードを永続的に保つために、公式の色を含めた容姿が定められています。

2. 先天的異常を持つ個体が生まれるリスクを減らすため

前述のマールのように、遺伝子の組み合わせにより、生まれつきの疾患がある子が多く生まれることがわかっており、そういった組み合わせでの交配を防止する意味もあります。

もし新たに犬をお迎えする際は、一概には言えませんが、先天的な病気のリスクを検討する上で、毛色が公認・非公認かを判断材料のひとつにしても良いかもしれませんね。

また、毛色の扱いがJKCの規定上変更されることもあるようですが、一般家庭で飼う場合には大きな影響はないかと思います。
(毛色基準:一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2022年4月時点)

前編はここまでです。
後編では柴犬とポメラニアンの毛色を詳しく見ていきます。お楽しみに!