猫用ドアでお悩み解決!キャットドアの設置方法と注意点とは?
自由気ままに、部屋から部屋へと家中を歩き回る猫は、とても愛らしいですよね。
しかし、時にその自由さが飼い主さんを困らせてしまうこともあります。
「猫がドアの前で鳴き続ける」「夜中でもドアの開け閉めをしなければならない」「開けっぱなしは冷暖房の効率が下がる」などと、猫とドアの問題で悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そんな中、ここ数年で注目されているのが猫専用のドア「キャットドア」です。
今回はキャットドアの利点、設置方法、そして注意点をご紹介します。
キャットドアとは?
キャットドアとは、猫専用の出入り口ドアのことです。
キャットドアは家の中の人用のドアや壁に穴を開けて設置します。猫が通る部分には軽い仕切りがついているので、そこを猫が頭や手で押して通り抜けることで、自由に部屋を行き来できるのです。
犬用のものもあるため、「ペットドア」と総称されることもあります。
キャットドアで猫飼いのこんなお悩みを解消
キャットドアを設置することで、猫との生活で生じる悩みを解消することができます。
猫トイレを生活スペースとは別の部屋に置ける
キャットドアがあれば、普段の生活スペースとは別の部屋に猫トイレを置くこともできます。においの心配をする必要がなくなりますね。
夜中にドアを引っ掻き回したり鳴いたりされることがなくなる
猫は、例え夜中であっても、ドアを開けろと鳴いたり引っ掻いたりすることがあるかもしれません。
いくら可愛い愛猫のためでも、ドアに傷がついたり、寝不足になっては困りますよね。
キャットドアがあれば、そんなお悩みも解消されるでしょう。
冷暖房の効率が上がる
猫が行き来出来るようにドアを開けっぱなしにしてしまうと、どうしても冷暖房の効率が悪くなってしまいます。
キャットドアを設置すればドアを閉めたままにできるため、電気代の節約にもなります。
【キャットドアの設置方法①】 業者に頼む
キャットドアの設置を業者に頼む場合、ユニット(一体型)と後付け型の2つの選択肢があります。
ユニット(一体型)のキャットドア
ユニット(一体型)のキャットドアは、初めからドアと猫用のドアがセットになっているものです。これを取り付けるためにはドアを丸ごと交換する必要があります。
元々組み込まれているため、製品として収まりが良く、数年後のガタつきも少ない傾向にあります。
施工費の相場は、ドア本体を含めておおよそ10万円ほどになります。別途取り外したドアの処分費が加算されます。
「この際ドアも交換してもらおう」「一生ものだから壊れにくいものが良い」という方ははぜひユニット(一体型)のキャットドアを考えてみてください。
後付け型のキャットドア
後付け型は今あるドアにキャットドアを後付けするものです。既存のドアに合うキャットドアを購入し、それをリフォーム業者に取り付けてもらいます。
キャットドア単体だと安いもので2000円程で売っており、施工費は1カ所1万円〜2万円ほどです。手軽に安価に済ませたい方にはこちらがお勧めです。
【キャットドアの設置方法②】 DIYをする
基本的にDIYできるのは後付け型キャットドアになります。通販サイトなどで購入したキャットドアを、自宅のドアに取り付けます。
ドアの形や種類によって多少変わりますが、基本的なキャットドアの取り付け手順は以下になります。
キャットドアの設置方法
用意するもの
筆記用具、通常のノコギリ(あるいは引き回しノコギリ)、ドライバー(あるいは電気ドリル)1.既存の扉に、鉛筆などで切り抜く範囲の印をつける。
キャットドアに型紙が付属している場合は、型紙よりも5mmほど大きめに印をつけておくと、失敗を防げる。
2. 印に従って、ノコギリで切り抜く。
この際電気ドリルで4つ角に穴をあけると切りやすくなる。あるいは、真ん中に穴を開けて、角に向けてノコギリを入れるときれいな仕上がりに
3.ネジでキャットドアを取り付ければ完成!
こちらのキャットドアは、「出入り自由」「ロック」「出るだけ」「入るだけ」の4段階に設定できます。猫を外に出したくない時はロックをかけておけるので便利でしょう。
キャットドアをDIYをする際に気をつけること
個人で施工することになるため、メーカー保証の対象外になります。
また、うまく取り付けられないと、短期間で壊れてしまう可能性があるので気をつけてください。
キャットドアを設置する際の注意点
キャットドアは猫にとっても飼い主にとっても便利なものですが、使用にあたっていくつかの注意点があります。
賃貸住宅の場合は大家さん・不動産会社の許可が必要
キャットドアを賃貸住宅に設置したい場合は、事前に大家さんや不動産会社の許可を取りましょう。賃貸は退去時に「原状回復」を求められるため、勝手に取り付けると金銭を請求されることがあります。
開閉時の音や思わぬ事故に注意
開閉の際に音が鳴ってしまうタイプのキャットドアだと、猫が勢いよく通った時の音がうるさく感じられる場合があります。購入前に確かめておくとよいでしょう。
また、成長や肥満で体が大きくなった猫や、一緒に飼っている犬が通り抜けようとして怪我をしてしまうことがあります。
ペットの大きさに合っているのか、定期的に確認をすることが大切です。
猫を無理に通そうとするのはNG
臆病な猫や警戒心の強い猫は、最初のうちは通ってくれないかもしれません。
そんな時は、無理に通そうとせず、しばらくはキャットドアの入り口を開放しておきましょう。
向こう側が見えることで安心感を与えることができます。
また、ぬいぐるみなどで開閉の様子を見せてあげたり、おやつやおもちゃを使って訓練することで、少しずつ慣れていくでしょう。
まとめ
今回は猫用のドア「キャットドア」の利点、設置方法、注意点についてご紹介しました。
愛猫と飼い主さんがおうちで快適に過ごすために、ぜひキャットドアの設置を考えてみてはいかがでしょうか?
キャットドアにはたくさんの種類があるため、愛猫とおうちに合ったものを探してみてくださいね。
日本のペットショップは少し特殊?動物の福祉の観点から考えてみる
皆さんが「新たに、犬や猫をおうちに迎えよう」と思った時、一番最初に向かう先はどこでしょうか。
多くの方が「ペットショップ」をイメージしたかもしれませんね。
「ペットショップから」が多いけど…?
2016年にペット総研から発表された「ペットのお迎え」アンケートによると、犬猫合わせてペットショップから迎えたという回答が4割ほどになりました。
ペットショップから犬猫を迎えるケースが、現在は一般的なようです。
日本でペットショップと言えば、ショーケースで展示販売されることが一般的でしょう。
しかし、動物愛護先進国と言われる欧米では、そのような形で販売することは動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)の観点からあまり推奨されていないのです。
ペットショップや生体販売の状況を比較することによって、「欧米諸国の動物の福祉に対する意識」と、「日本の意識」の違いに迫ってみました。
犬猫が生まれて、ペットショップに販売されるまで
ペットオークションの存在
これは一つの例ですが、日本において、犬や猫が、親犬や親猫から生まれてからペットショップで販売されるまで、どのようなルートを辿るのかを追いかけてみましょう。
まず、繁殖業者やブリーダーさんがいて、繁殖された犬猫がペットオークションへ持ち込まれます。そして、ペットショップはそのオークションに行き、犬猫を買い付けて自分のお店で販売します。
最終的には、ペットショップで販売されている犬猫を、消費者が買います。
繁殖業者やペットショップにとって、ペットオークションにさえ行けば売れる/買えるという、便利なシステムになっています。ここで留意しておきたいのは、動物のことを考えて成り立ったシステムではない、ということですね。
もちろん、全てのペットショップが当てはまるわけではありませんので、このようなことが起きうる状況である、という程度に受け取って頂ければと思います。
オークションで売り買いされることの問題点
ペットオークションからペットショップで販売されることは何が問題になってくるのでしょうか?
ペットショップの生体販売では、子猫や子犬が主に販売されています。それは、ペットショップへ犬や猫を買い求めにくる消費者のニーズが、若ければ若いほど良いという意見が大半であるからです。
しかし、もしオークションで売れ残ってしまった場合は、どうなるでしょうか。
価値が下がり、買い手がつかなかった犬猫は、どこかで飼い犬や飼い猫として育てられる機会を逃し続けることになるかもしれません。
「若ければ若いほど良い」という価値観で犬猫を売買することは、道徳的な問題だけでなく、犬猫にとっての自由を制限することになりかねません。動物の福祉の観点から考えても疑問が残ります。
動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)って?
日本にはすでに「動物愛護」という考え方があります。動物愛護管理法における「愛護」の意味は以下の通りに定義されています。
実体的な行為 :動物に対する虐待防止、適正な取扱い、適正な管理などを行うこと。動物の習性等に配慮しつつ、愛情や優しさをもって取り扱うことを含む。
生命尊重などの理念:動物や動物の命を大切にする気風や思想のこと。
対して、動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)とは、イギリスの家畜福祉協議会(FAWC)が提唱した「5つの自由」を基本とする考え方です。
国際的な動物福祉の標準として各国の法令にも反映されています。
5つの自由
①飢えと渇きからの自由
②肉体的苦痛と不快感からの自由
③傷害や疾病からの自由
④おそれと不安からの自由
⑤基本的な行動様式に従う自由
動物の福祉の視点は、人間から見た動物ではなく、動物自身がどう感じるか、という科学的な研究を根拠にする側面が強いのです。
この考えに照らして見た場合、繁殖業者・ブリーダー→ペットオークション→ペットショップというシステムのなかで、犬猫の自由を抑制することが起こりうるのではないか、ということを考えてみることが必要かもしれません。
欧米諸国の生体販売に対する意識
動物保護・福祉の意識の高まりから、生体販売する場合は展示販売をしない、などの配慮が考えられています。生体販売が完全に禁止されているわけではないようです。
欧米ではなぜこのような意識が進んでいるのでしょうか。
例えばイギリスでは、ペットを購入したい人は、売られているのを買うのではなく、ペットショップやブリーダーさんに予約して産まれてくるのを待つという方法があります。
予約制にすることで、繁殖による犬の負担を減らすことができるのです。
アメリカでも、ブリーダーさんから直接購入したり、仲介業者を通してブリーダーさんから購入する、というように、「産まれてきた個体を見て選ぶ」のではなく「良いブリーダーさんかどうか」を重視して選ぶという方向へシフトしているようです。
生体販売が全て良くないということではない
主に日本のペットオークションやペットショップの販売などについて追いかけてみましたが、生体販売が全ていけないという、主張をしたい訳ではありません。
しかし本来、子どもを産む行為は、動物にとって完全にコントロールできることではありません。
この犬種のメスの子犬が欲しいと思った時、ペットショップで探せばすぐに手に入る、言い換えればお金さえ払えば、いつでも誰でも好きな動物を買うことができてしまう、今の状況が少し不自然なのかもしれません。
豊かな社会になったからこそ、「欲しいものがすぐ手に入る」という大量生産・大量消費のルートに、動物の命まで預けてしまっていいのだろうか?ということを考える必要があるのではないでしょうか。
まとめ
ペットショップの中にも、もちろん動物の福祉をきちんと考えているブリーダーさんに育てられた犬猫を販売しているところもあるということは、前提として話を進めてきました。
ペットショップから購入する場合、並べられたなかで「かわいい!この猫(犬)にしよう」というような出会いもあります。
しかし、「どんな親から生まれたのだろう?」「どんな人たちに、どんな環境で育てられたのだろう?」「元々どんな国で生まれた種なんだろう?」ということを、一旦立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。
特に、犬の場合は、ブリーダーさんが遺伝学をきちんと学んでいるかどうかで、その後の病気の発症率などに差が出ると言われています。「犬猫をお迎えしたいと思った時、自分ならどんな選び方をするのか?」ということを、一度考えてみませんか?