絶対に気をつけたい!げっ歯類の不正咬合とはどんな病気?
ペットが健康に生きるためには、日々の健康チェックや定期的な健康診断はもちろん、気をつけなければいけない病気をしっかり理解し、病気にかからないように普段から気を付ける必要があります。
今回は、うさぎやモルモットなどのげっ歯類の飼い主が絶対に知っておきたい不正咬合について解説していきます。
不正咬合(ふせいこうごう)とは
「不正咬合」とは歯の噛み合わせが悪いことで、歯が生えている動物であれば人間はもちろん、犬や猫も起こりますが、うさぎやモルモット、ハムスター、リスなどのげっ歯類で起こった場合には特に注意が必要です。
げっ歯類は、歯が一生伸び続けるという特徴があります。そのため、野菜や牧草を食べることで歯をすり潰し、歯並びを整えています。しかし、何らかの原因で歯並びのバランスが崩れると、歯が曲がってしまったり伸び過ぎてしまいます。
不正咬合になってしまった場合は歯をカットして治療を行いますが、一度バランスを崩した歯は完治せず一生の付き合いになってしまうことも少なくありません。また、口の小さなげっ歯類の歯をカットするのは容易ではなく、全身麻酔が必要になることもあります。
そのため、これらの動物を飼育している場合は、一年に一度は歯が伸びていないかチェックし、普段の食生活も気をつけなければいけません。
不正咬合が起こる原因
不正咬合の原因はいくつか考えられます。
遺伝によるもの
先天的に歯のバランスが悪い場合があります。しかし、小さい頃はなかなか異常に気づけないため、定期的な検査が重要です。
牧草を与えていない
げっ歯類は、硬い牧草を食べることで歯を削り、長さを一定に保っています。
そのため、ペレットタイプの柔らかい餌や食べやすい野菜ばかりを与えていると、歯が削られずに伸びてしまい、不正咬合の原因になります。
ケージの齧り癖がある
げっ歯類はケージをガシガシと齧る癖がある子が多いです。しかし、この行動により歯に負担をかけバランスが崩れてしまいます。
不正咬合の症状
不正咬合はなかなか気付きにくく、おかしいなと思って動物病院を受診した段階で、すでに進行してしまっている可能性が高いです。以下のような症状が見られたらすぐに動物病院で検査してもらうことをおすすめします。
エサを食べなくなる
伸び過ぎてしまった歯が当たって口の中で炎症を起こしてしまい、痛みからエサを食べられなくなってしまいます。うさぎやモルモットの食欲不振の半分近くは不正咬合が原因と考えられています。
なお、当然ですが、食事量が減ると同時に体重も落ちてきます。
あごがよだれで濡れている
口の中に炎症が起こっていたり歯が伸びていると、口を閉じられずによだれが垂れ、あごのあたりが常に濡れたような状態になります。水を飲んだ時に濡れただけであれば問題ありませんが、そうでなければ要注意。
なお、放置すると皮膚が炎症したり、カビが生えたりしてしまうため、お手入れも十分に行ってあげる必要があります。
眼球が出てきた
下の奥歯が伸びてくると、歯で眼球を圧迫し、目が飛び出てきます。また、目やにや涙が出ることもあります。
不正咬合の治療法
伸びてしまった歯を切ることで治療を行います。しかし、口の小さいげっ歯類の歯を切るのは容易ではありません。特に、奥歯が伸びてしまっている場合は、全身麻酔が必要になります。
一度歯を短く切っても、数週間〜数ヶ月で元に戻ってしまうことも珍しくなく、完治が難しい病気です。そうなると、定期的に全身麻酔をかけることになるため、かなりの負担がかかるでしょう。
場合によっては安楽死をすすめられることもあります。
シリンジを用いた強制給餌
うまく食べられなくなってしまった場合は、エサを強制的にでも食べさせなければいけません。
ペレットを水でふやかしたり、野菜や果物をミキサーにかけたりして液体状にし、シリンジで与えます。不正咬合の場合は物理的に食べられなくなってしまうだけで食欲はあることが多いので、シリンジでエサを口の中に入れてあげれば飲み込んでくれるはずです。
不正咬合を予防するには?
げっ歯類にとって、不正咬合は命にかかる病気です。普段から注意し、不正咬合にならないように予防しましょう。
毎日の食事で牧草を必ず与える
バランスのとれたペレットを与えることも大切ですが、不正咬合を予防するには牧草を与えることがとても大切です。柔らかいエサばかり与えていると、歯が削られずに伸びてしまうため、毎日の食事やおやつに牧草を必ず与えてあげてください。
ケージを齧らせないようにする
構ってもらいたい、ご飯を食べたいなど、何かを要求したいときやストレスが溜まっている時にケージを噛むことがあります。できるだけストレスが溜まらないよう、遊ぶ時間やケージ外で過ごせる時間を増やしましょう。また、ケージ内に齧れるおもちゃを用意してあげるのもいいすでしょう。
ケージを齧ることが癖づくと、治すのは難しいため小さい頃からストレスが溜まらないよう気を付ける必要があります。
定期的に健康診断を受ける
不正咬合が奥歯で起こった場合は目視ではなかなか気づけません。気づいたときには既に進行している可能性が高いため、定期的に健康診断を受けて早期発見に努めましょう。
まとめ
げっ歯類の不正咬合は、命に関わるとても重大な病気です。ただでさえ痛みで食事を摂れないのに、歯を切るために全身麻酔が必要であったりと、苦しい思いをたくさんさせてしまいます。
少しでも長く健康でいてもらうためにも、定期的な健康診断だけでなく、普段の食事や生活などにも気を遣い、あらゆる対策を行ってあげてください。それでも不正咬合になってしまう可能性もあります。げっ歯類を飼うなら、不正咬合と付き合う覚悟も必要となるかもしれません。
【クイズ】で楽しく学ぼう!犬の歯の基本
今回は、意外と知らない?犬の歯についてクイズ形式でご紹介します。これから子犬や保護犬を迎えようとお考えの方にもきっと役立つハズ。
それでは、早速、犬の歯クイズにチャレンジしてみましょう!
この28本の歯は、一度すべて抜け42本の永久歯に生え変わります。
その後、生後7ヶ月〜12ヶ月頃には全ての歯が生え変わります。
乳歯が抜ける順番は、「切歯(前歯)→犬歯(牙)→前臼歯(側面の歯)→後臼歯(奥歯)」です。
ただ、きちんと全て生え変わったのかを確かめるのは素人には難しいでしょう。そのため、1歳になった頃に、検診等のついでに動物病院で歯をチェックしてもらうことをおすすめします。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
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しかし猫の8割は◯◯に侵されている

対策:歯磨き

歯磨きに慣れてもらう方法

1.口周りを触る
いきなり歯ブラシを口の中に入れてしまうと、びっくりして嫌いになってしまいます。まずは、口の周辺を触ることから始めましょう。 慣れたら、口の中を触ってみましょう。歯や歯茎に触れ、慣れてもらいます2.歯ブラシに歯磨き粉を塗って、舐めてもらう

3.指or歯ブラシを口に含ませる
いきなり磨くというよりは、徐々に磨く動作に持っていきましょう。できれば、子猫のうちから歯磨きをはじめるのが一番です。成猫の場合は、徐々に焦らず慣れていってもらいましょう。口内環境を整えて、長生きに!
