【犬図鑑】独特な外見と文化!中国、チベット原産の犬たちをご紹介
近代まで一般家庭で犬を飼うことが難しかった中国。犬の文化も独特で、西洋の犬種との交配をあまりしてこなかったため、見た目も個性的な犬たちが多く、強く印象に残ります。
今回は、そんな中国、チベット原産の犬たちやその歴史、文化などをご紹介していきます。
カッコ内は2022年におけるジャパン・ケネル・クラブ(JKC)の登録頭数と順位を表します。
中国原産の犬
中国原産の犬種については歴史的な資料が乏しく、はっきりとわかっていないことが多いのですが、一見しただけでもとても独特な外見をしている犬が多いという特徴があります。
ここからは、そんな中国原産の犬種をご紹介していきます。
パグ(12位、5,274頭)
日本でも人気のあるパグは、鼻ぺちゃでシワシワの顔、大きな瞳と愛嬌のある顔が特徴的です。チベットに紀元前からいたとされ、チベタン・スパニエルやペキニーズなどの交配によって小型化したと伝えられています。
その後、仏教を通じて中国に入り、パグを飼うことで「魔よけになる」として宮廷で大切に飼われていました。17世紀頃オランダに渡ったことでヨーロッパに広がり、貴族や上流階級の愛玩犬として大変な人気犬種になりました。
ペキニーズ(19位、3,132頭)
首周りの豊かな被毛が特徴で、小型ですが、まるで獅子のような貫録のある堂々とした姿をしています。
「神聖な獅子犬」とされ、宮廷のみで飼育されており、庶民が飼うことは許されていませんでした。仮に、ペキニーズを盗もうとした人間がいた場合、死罪に処せられたと言われる程です。
西太后にも寵愛されており、彼女の葬儀の際には棺の先導役を「モータン」という名のペキニーズが担いました。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグ(50位、177頭)
チャイニーズ・クレステッド・ドッグには「ヘアレス」と「パウダー・パフ」の2種類のタイプがいます。ヘアレスは頭部と足の先、しっぽなど体の一部分にだけに毛が生えており、パウダー・パフは全身が毛で覆われています。
非常にユニークな犬種ですが、その歴史はよくわかっていません。アフリカ産の無毛の犬と似ていることから、その血を引いているのではないかとする説があります。
チャウ・チャウ(51位、161頭)
紀元前から飼育されている、歴史のある土着犬のチャウ・チャウ。古くから猟犬、番犬、そり犬、荷車の牽引犬、牧畜犬、護衛犬など様々な仕事をこなし、犬肉食や毛皮のためにも使われてきました。
チャウ・チャウが西洋に広まったのは19世紀頃で、ロンドンの動物園では「中国の野生の犬」として展示されました。愛犬家で知られたヴィクトリア女王が迎えたことで、家庭犬としての改良が行われるようになりました。
シャー・ペイ(91位、25頭)
チャウ・チャウと同様に独特な青黒い舌を持つシャー・ペイは、チャウ・チャウと同じ起源を持つと考えられています。
特徴的な深いシワは、闘犬として活動する際に、咬まれても深手を負わないように改良されたと言われています。
ちなみに、中国語の「シャー・ペイ(沙皮)」には、砂のような(ざらざらした)皮という意味があります。
チベット原産の犬
チベット原産の犬種はチベット仏教と密接な関係があり、寺院でとても大切に飼われていた犬が多いという特徴があります。
ここからは、そんなチベット原産の犬たちをご紹介していきます。
シー・ズー(10位、7,686頭)
日本でも人気のあるシー・ズーは、ラサ・アプソとペキニーズを交配して作られた犬種だと言われています。一部はヨーロッパに渡ったものの、ペキニーズと同様にほとんどが中国の宮廷で飼育され、「神聖な獅子犬」として大切にされていました。
1930年代に本格的にヨーロッパに渡ったシー・ズーですが、現地ではよく似た犬種のラサ・アプソと混同され「アプソ(Apsos)」として明確に区別されない時代もありました。
そこで、鼻ぺちゃで脚が短い犬を「シーズー」、口も脚もやや長い犬を「ラサ・アプソ」と犬種として区別するように繁殖されて、現在のスタイルに至ったと言われています。
ラサ・アプソ(95位、19頭)
ラサ・アプソの起源は、チベット仏教の寺院で飼育されていた犬だと考えられています。チベットでは「人が亡くなった後に魂が宿る犬」と言われており、僧侶たちによって長く庇護を受けてきました。そのため、数世紀に渡って高僧や貴族が独占し、門外不出の犬として扱われてきました。
特別な犬として中国の宮廷へ雄犬が送られたことがあり、この犬がシー・ズーやペキニーズの祖先になったと考えられています。
チベタン・スパニエル(98位、17頭)
チベットに古くからいた犬種で、数百年もの間チベット仏教の寺院で大切に飼育され、歴代のダライ・ラマにも寵愛されていました。犬種名に「スパニエル」と入っていますが、猟犬のスパニエルのような活動はしていません。そのため、英語圏では「ティビー(Tibbie)」の愛称で親しまれています。
チベタン・テリア(104位、14頭)
全身が長い被毛に覆われ、体高が40cm程度、体重が8~14㎏の中型犬です。
チベタン・テリアはチベット仏教の寺院で「幸福を招く守護犬」として神聖化され、厳重に管理されてきました。そのため、手放すと幸せも逃げると信じられており、売買されることがなく、幸福をもたらす贈り物として大切に扱われてきた歴史があります。海外に知られるようになったのは1920年頃で、ここ100年程のことです。
名前に「テリア」と付いていますが、テリア種とは血縁関係がなく、容姿がテリアに近かったためこう呼ばれています。
チベタン・マスティフ(2022年は登録0頭)
体重が64~82kgと超大型犬のチベタン・マスティフ。中でも被毛の長いタイプは「大獅子頭型」と呼ばれ、まるでライオンのような姿をしています。
ヒマラヤ山脈付近の遊牧民家畜を守ったり、軍用犬として活躍してきました。一説にはチベタン・マスティフが、すべてのマスティフ系犬種の基礎になったとも言われています。
近年では、中国人の富裕層のステータスシンボルとされ、8億円という衝撃の価格で落札されたこともありましたが、飼育が難しく、捨てられて野生化し深刻な問題になったり、一部地域では法律によって一般家庭での飼育が禁止されています。
政治の影響で絶滅しかけた犬種も
1950年代に共産主義革命が起こると、「犬の飼育は非常に贅沢なこと」とみなされるようになり、多くの飼い犬が処分されてしまいました。
「シャー・ペイ」、「シー・ズー」、「チベタン・マスティフ」などは、絶滅寸前まで追い込まれましたが、それ以前に欧米に渡っていた犬たちを繁殖させることで、危機を脱したという歴史があります。
また、多くの犬の命と共に、歴史的な記録も処分されてしまい、中国やチベット原産の犬たちの起源や犬種の歴史の多くが謎に包まれています。
宮廷や寺院で大切にされる
「パグ」、「ペキニーズ」、「シー・ズー」は中国の宮廷で、「ラサ・アプソ」、「チベタン・スパニエル」、「チベタン・テリア」などはチベットの寺院で寵愛されてきた歴史があります。
そして、ただ可愛がられたというより、神聖な存在として大切に扱われていた点は、非常に独特な文化で興味深く感じられるのではないでしょうか。
また、宮廷や寺院のみで伝統的に飼育されていて、近代まで海外に出ていない犬種が多いのも特徴的です。
最後に
非常に独特な外見の犬種や犬の文化を持つ中国。
昔から犬の肉を食べる文化もありましたが、現代では「犬はパートナーや家族」という意識や、動物保護団体の活躍など、犬との付き合い方も変化しつつあります。
一般市民と犬との歴史が浅い国でもあるので、動物福祉の面でどう変わっていくのか、注目していきたい国の一つですね。
【犬図鑑】世界最大の犬大国!イギリス原産の犬たちをご紹介
犬の歴史が非常に長く奥深い国、イギリス。ジャパンケネルクラブ(以下JKC)には206の犬種が登録されていますが、その中でイギリス原産の犬は56種にものぼり、なんと全体の25%以上を占めています(2022年4月時点)。
今回は、そんなイギリス原産の犬たちと、その傾向を解説していきます。
日本で人気のイギリス原産の犬
先述した通り、イギリス原産の犬はご紹介しきれないほど数多くいますので、ここからは日本で人気があるイギリス原産の犬たちをご紹介していきます。
カッコ内は2021年におけるジャパン・ケネル・クラブの登録頭数と順位を表します。
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(14位、4,654頭)
「ロイヤルドッグ」と呼ばれエリザベス2世の愛犬としても知られる、イギリスを代表する犬種です。
ウェルシュは「ウェールズ地方の」、コーギーは「小さい犬」という意味があります。1934年にそれまで同一犬種とされてきた「ウエルシュ・コーギー・カーディガン」と別犬種として登録されるようになりました。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(19位、3,075頭)
「キャバリア」とは騎士という意味で、「キング・チャールズ・スパニエル」という犬種を改良して作られました。
キング・チャールズ・スパニエルは、スパニエルと短頭種の犬を交配して作られましたが、呼吸器疾患などにかかりやすいことが問題視されました。そこで、鼻の長い初期のタイプに戻すための交配をさせ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが作られました。
ゴールデン・レトリーバー(11位、6,138頭)
ゴールデン・レトリーバーの起源は、イギリスのスコットランドにあります。猟で撃ち落とされた鳥を咥えて運ぶ、鳥猟犬として活躍しました。
かつては、イエロー・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーと呼ばれていましたが、1920年にゴールデン・レトリーバーの名称に統一されました
シェットランド・シープドッグ(25位、2,508頭)
「シェルティ」の愛称で親しまれているシェットランド・シープドッグ。
イギリス最北端にあるシェットランド諸島の大型の牧羊犬が、ボーダー・コリーの祖先やラフ・コリーなどとの交配を経て、徐々に小型化されていったと伝えられています。
ジャック・ラッセル・テリア(16位、3,473頭)
ジョン・ラッセル牧師により、フォックス・テリアを改良して作られた犬種です。
その際、体高が高く、よりスクエアに近い体格のものが「パーソン・ラッセル・テリア」、体高が低くわずかに体長が長い体型の犬が「ジャック・ラッセル・テリア」に分けられました。
ビーグル(23位、2,862頭)
ビーグルは「スヌーピー」のモデルになったことでも知られる犬種です。
古代ギリシャ時代から優れた嗅覚を使ってウサギ狩りに使われていた犬が祖先だといわれていますが、イギリスを中心に品種改良が進んで現在のビーグルのが作られたため、原産国はイギリスになります。日本では空港の探知犬としても活躍しています。
ブルドッグ(30位、925頭)
イギリスの国犬であるブルドッグ。もともと闘犬としての古い歴史をもち、牛と戦う犬として人気を得ました。
しかし、動物虐待法の成立と共に競技が禁止されると、愛好家たちにより攻撃的な性格が取り除かれ、現在のような温和で穏やかなブルドッグになりました。
ボーダー・コリー(22位、2,994頭)
ボーダー・コリーの「ボーダー」とは国境という意味で、イングランドとスコットランドの国境付近で活躍したことからこの名がつきました。
牧羊犬としての作業能力のみが重視されていたため、牧場以外の都市部や海外に知られる機会がなく、純血種と認定されたのは1987年と、比較的新しい犬種です。
ラブラドール・レトリーバー(13位、5,294頭)
ラブラドール・レトリーバーの起源はカナダのニューファンドランド島だと言われています。漁師のアシストをする水中作業犬だった犬がイギリス貴族の目に留まり、イングランドで改良を重ねて、現在のラブラドール・レトリーバーが出来上がったとされています。
※ラブラドール・レトリーバーについては、カナダ原産とされることもありますが、今回はJKCの犬種情報に合わせてイギリス原産としています。
ヨークシャー・テリア(8位、9,690頭)
「ヨーキー」の愛称で呼ばれ、美しい絹のような毛質から「動く宝石」とも称されるヨークシャー・テリア。
優雅な雰囲気とは裏腹に、19世紀の中頃はヨークシャー地方の工業地帯で、家屋に生息していたネズミを捕らえるために活躍してきました。その後は愛玩犬として、主に富裕層から愛されてきた歴史があります。
イギリス原産の犬の傾向
前項でご紹介した犬たちは日本でもよく知られている犬種ですが、その他のイギリス原産の犬たちを調べてみると、また違った角度からイギリスの犬の傾向が見えてきます。
1. テリアがすごく多い
「テリア」とはキツネ、ネズミ、アナグマなどの小動物を狩る犬です。端的に「農家の害獣駆除犬」などと言われることもあります。
JKCに登録されているテリア犬種は32種。そのうち原産国がイギリスの犬は23種です。これはテリアに分類される犬種の70%近くが、イギリス原産だと言えます。
イギリスでは都市部でも地方でも関係なく、どこでもテリアが見られるそうです。そして、誰もが毛並みの美しい「ヨークシャー・テリア」や、純白の被毛の「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」を連れているわけではなく、ボサボサの毛をした素朴なテリアやテリア系の雑種も良く見られるようです。
これは日本で例えると、柴犬や日本犬系の雑種が全国各地にいるのと同じ感覚なのかもしれません。
2. 牧羊犬や猟犬として現役で活躍する犬も多い
JKCに登録されている牧羊犬種のうち、イギリス原産の犬種は約30%を占め、イギリスの牧羊の歴史を感じさせられます。
現在でも地方の牧場では多くの牧羊犬が活躍しています。イギリスにはプロの牧羊犬訓練士がおり、訓練士により予めトレーニングされた牧羊犬たちが牧場に買われていきます。
また、スパニエルやレトリーバーといった、「ガンドッグ」と呼ばれる猟犬もイギリス原産の犬種が圧倒的に多くいます。犬種として昔から馴染みがあり一般家庭で飼われている場合もありますが、現役の猟犬として活躍している犬が多いのも興味深い点です。
3. 愛玩犬が意外と少ない
イギリス原産で愛玩犬として登録されている犬種は「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」と、その元となった「キング・チャールズ・スパニエル」の2種類のみ。両方ともイギリス王室で長らく愛されてきた犬種です。
愛玩犬種の少なさから、元々イギリスの人々にとっては、犬はただ可愛がるペットという感覚より、仕事を共にするパートナーという感覚のほうが近かったのかもしれません。
王室や上流階級以外では動物を家族のように可愛がる風潮はありませんでしたが、17世紀頃から都市部の中流階級を中心にペットを飼う文化が始まりました。
4. プリミティブタイプ(原始的な犬)がいない
日本とイギリスで対照的な点がこのプリミティブタイプの犬種の有無です。プリミティブタイプとは、あまり人の手が入っておらず本来の犬らしさを色濃く残している犬種のことであり、柴犬、秋田犬などの日本犬やシベリアンハスキーなどが該当します。
日本原産の犬は半数以上がこのプリミティブタイプに該当しますが、イギリス原産の犬にはプリミティブタイプがいません。このことから、イギリスがいかに犬の品種改良に積極的だったかがわかります。
最後に
今回ご紹介したイギリスは、原産犬種の数や歴史の長さだけではなく、「ペット先進国」とも呼ばれ、動物福祉が充実しています。
しかし、イギリスの歴史を紐解いてみると、牛に犬をけしかけて、その命を奪う様子を楽しむ「ブルベインディング」や、猟犬が獲物を仕留める光景を馬上から見て楽しむ「キツネ狩り」が盛んに行われていた時代がありました。
その後、そういった残酷な娯楽を批判する風潮が高まり、法律により禁止されていくわけですが、現在のイギリスの充実した動物福祉があるのは、発展した犬の文化があることはもちろん、その様な悔い改められた過去があることも関係があるのかもしれません。
とはいえ、素晴らしい犬の文化を持つイギリス。見習いたい点も多い、素敵な国ですね。
【クイズ】ノルウェージャン・フォレスト・キャットって知ってる?
今回は、ノルウェージャン・フォレスト・キャットについてクイズ形式でご紹介します。
それではさっそく、ノルウェージャン・フォレスト・キャットクイズにチャレンジしてみましょう!
昔は、農場で飼われたり、バイキングの船に一緒に乗ったりして、ネズミ駆除の役割を担い人々に重宝されてきました。
長くて美しいダブルコートの被毛が特徴的で、寒さには比較的強く、暑いのは苦手です。熱中症の危険もありますので、夏場の室温はきちんと管理しましょう。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは長い時間をかけて成長します。身体の基礎は1年でできあがりますが、その後筋肉がさらに発達し、完全に成長しきるのには3〜5年ほどかかると言われています。
軽症であれば薬で治療できますが、重症化すると治療する術がないということではありませんが、胃を切開するといった大掛かりで負担の大きい手術が必要になるため、毛球症にならないよう対策する必要があります。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
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世界で最も古い飼い猫は?

猫が日本に来たのは弥生時代?

8世紀に中国から日本に来た説
猫は古代メソポタミアから古代エジプトに、そしてヨーロッパから中国へと長い時間をかけて伝わってきました。そして中国から日本にやってきたといわれています。 猫が日本に渡ってきた時期は、1200~1300年前の8世紀ごろの奈良時代あたりとされていました。中国の大切な経典をネズミから守るために、一緒に船に乗せられたと推測されていました。 ところが、2007年の土器の発掘でこの説が翻ってしまいます。古墳時代の土器に猫の足跡
2007年、兵庫県姫路市にある見野古墳の発掘調査で猫の足跡がついた須恵器が発見されました。須恵器とは、古墳時代の中期から平安時代に作られていた土器です。 足跡の付いた須恵器は、今からなんと1400年前の古墳時代後期(6~7世紀)のものと判明しました。足跡付きの土器の発掘により、猫は8世紀以前に日本にすでに来ていたとわかります。【あにまる×Zoom!】兵庫県姫路市で出土した古墳時代終末期の須恵器。「ネコ踏んじゃった文様」とでも言いましょうか、器が生乾き状態の時にネコが踏んだと考えられ、肉球の跡がくっきり残っています。須恵器工房にいたネコの仕業でしょうか。今と変わらない自由気ままなネコの姿が思い浮かびますね。 pic.twitter.com/fTH2Kcn44T
— 福島県立博物館【公式】 (@fukushimamuseum) October 19, 2019
猫の足跡つき土器は福井県にも
2018年には、福井県美浜町にある興道寺廃寺跡周辺の古墳周溝からも、猫らしい動物の足跡が付いた須恵器が発掘されました。見野古墳とほぼ同じ、古墳時代後期のものです。 古墳時代後期には、日本人の暮らしの中にすでに猫がいたと考えて間違いないでしょう。 「土器についた足跡の発見」というのがいかにも猫らしいですね。猫はいたずら心から、乾燥中の土器を踏んで歩いたのかもしれません。せっかく作った土器に足跡がついて、当時の人たちはどのような反応をしたのでしょうか。本日から第10回企画展「ネコ踏んじゃった!?」が始まりました 令和2年11月29日まで
— 美浜町歴史文化館@miha_reki (@miha_reki) September 19, 2020
今回の企画展では、原始古代から続く猫と人々の関わりの一端をご紹介します‼️ 今回の一押し展示品はネコ科と考えられる動物の足跡🐾がついた須恵器✨https://t.co/ja10fiOH6M#猫 #足跡 #考古学のおやつ pic.twitter.com/5HQMMlb1ij
弥生時代の遺跡から猫の骨?
2008年には、長崎県壱岐にある「カラカミ遺跡」の発掘調査で猫と思われる動物の骨が発掘されました。カラカミ遺跡は今から2000年前、弥生時代後半(紀元前3世紀ごろ)の遺跡です。 海に囲まれた壱岐は、魚が豊富に獲れます。漁で獲れた魚のおこぼれをもらいながら、穀物をネズミから守っていたのかもしれません。そもそもどこから、誰が壱岐に猫を連れてきたのでしょうか。原の辻遺跡と並ぶ弥生の大集落カラカミ遺跡。記事では製鉄関係の出土品を紹介しましたが、収蔵品展でひときわ目立ったのは「ネコの骨」。家畜のイエネコが日本に来たのは奈良時代と考えられていましたが、同遺跡でイエネコの骨が見つかりました。漁村でもあったカラカミで、何を食べていたのでしょう。 pic.twitter.com/fh62ztvc1L
— 今井邦彦 Kunihiko Imai (@imaikuni) May 27, 2020
猫はどこから来た?
今から2000年前の弥生時代から猫がいたとなると、猫が中国からやってきた説も不確かなものになります。なぜなら、中国に猫が来たのは、およそ2000年前とされているからです。 つまり、中国に猫がやってくる前に日本に来ていた可能性も十分考えられるのです。または中国からとは別のルートがあったとも推測できます。まとめ

【犬図鑑】実は穏やかでやさしい!ブルドッグの特徴と抱える問題とは
ブルドッグの歴史

日本のソースブランドにも
ブルドッグといえば、「ブルドックソース」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。これは1900年頃に日本でブルドッグブームが起こり、「ブルドッグのように可愛がってもらいたい」という意味を込めて命名したそうです。 なお、ブルドックソース株式会社の英語表記は「Bull-Dog」ですが、創業者が濁音が続くのを避けたため、日本語では「ブルドック」と表記します。ブルドッグの特徴

身体的特徴
ブルドッグの体高は31〜36cm、体重はオスで25kg、メスで23kgほどです。 大きな頭、広い肩幅、大きく飛び出た目、がっしりとした四肢が特徴的で、小さな耳はバラの花のように広がっていることから、「ローズイヤー」と呼ばれています。被毛
被毛はダブルコートで、換毛期には多くの毛が抜けます。 毛色は、ブリンドル(地色に黒や茶などの色が縞模様になったもの)、レッド、フォーン(金色)、ファロー(淡い黄色)などの単色か、これらの色とホワイトを組み合わせたパイドがあります。ブルドッグの性格
やさしく穏やかで、他の犬や子どもとも仲良くできます。我慢強く、誰からも愛される犬種です。 一方で、マイペースで頑固な一面もあり、嫌なことや口に合わないご飯は頑なに拒否したり、散歩中に動かなくなったりしてしまうこともあるため、小さい頃からしつけをしておくことが重要です。ブルドッグの好発疾患

- 皮膚病…シワの間に汚れがたまり、雑菌が繁殖して皮膚に炎症が起こる。
- チェリーアイ…目頭にある瞬膜が赤く腫れて、目の外に飛び出してしまう。
- 呼吸器障害…気道が狭くなり呼吸が困難になる。いびきや呼吸音が気になったら要注意。
- 熱中症…体温が上昇し、呼吸が速くなったり意識が混濁したりする。
ブルドッグが抱える問題

遺伝的な多様性が低い
人間にとって理想的な見た目にするために少ない集団で交配が行われたことから、ブルドッグは遺伝的な多様性が低くなってしまいました。 2016年に報告された研究によると、北米、ヨーロッパ、アルゼンチンで暮らす計139匹のブルドッグのゲノム構造がほぼ同じであったことがわかっています。 遺伝的多様性が低いと、遺伝病を発症しやすくることから、ブルドッグの疾患は今後急増する可能性が示唆されました。自然分娩ができない
ブルドッグの8割は帝王切開により生まれています。 これは、ブルドッグの胎児の頭が大きい一方で、親の骨盤が小さいことから、自然分娩はほぼ不可能なためです。ブルドッグの飼い方のポイント

過度な運動を
ブルドッグはあまり運動が得意ではありません。20〜30分程度の散歩を1日2回行えば十分ですので、過度な運動をさせないように気をつけましょう。 体が重いため、激しい運動をしすぎると足や関節に負担がかかってしまいます。シワの間を清潔に保つ
シワの部分は蒸れやすく、細菌が繁殖しやすいことから、放置してしまうと皮膚病の原因になります。 濡れたタオルでしっかり汚れを落とし、キレイにしたあとは水分を拭き取ってあげましょう。夏場は室温に気をつける
短頭犬種であるブルドッグは、熱中症になりやすいため、室内で飼いましょう。その際、室温だけでなく湿度にも注意することが大切です。 また、夏の散歩は暑い日中を避けて、なるべく早朝か夜の涼しい時間帯にするようにしましょう。まとめ

【クイズ】話題のモルモットってどんな動物か知ってる?
しかし、モルモットにはどんな歴史があり、どんな見た目や性格をしているのか、きちんと知らない方も多いでしょう。本記事では、モルモットについてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、モルモットクイズにチャレンジしてみましょう!
「モルモット」という名前は、日本にモルモットを持ち込んだオランダ商人が、リス科の動物である「マーモット」と勘違いしたことが由来だとされています。
穏やかな性格をしていますが、臆病で警戒心が強く、小さな音でもびっくりします。
大きさは、ハムスターよりは大きく、うさぎよりは小さい子が多いです。他のネズミの仲間と異なり、しっぽがないのも特徴です。
モルモットは人間のように自分でビタミンCを合成できません。そのため、ビタミンCが含まれているモルモット用のペレットを与える必要があります。また、ペレットの他に牧草も与え、歯が伸びすぎるのを防ぐ必要があります。
春と秋の年に二回、換毛期があります。毛を飲み込んでしまうと、猫のように吐き出すことができず手術になることもありますので、こまめにブラッシングをしてあげましょう。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
モルモットを飼うなら最低限知っておきたい3つの知識
【犬図鑑】ウェルシュ・コーギーの歴史や性格、飼い方のポイント
ウェルシュ・コーギーの歴史

ウェルシュ・コーギー・カーディガン
カーディガンは紀元前1200年頃に生まれたと伝えられており、中央アジアのケルト民族により、ヨーロッパに導入されてイギリスにやってきました。 その後、イギリスのカーディガン地方で牧畜犬として活躍していましたが、有用な犬であることから世間に知られることを拒み、長い間知られていませんでした。 1925年頃にその存在が徐々に表面化し、1933年にのちのイギリス国王となるジョージ6世が飼育したことをきっかけに、世間に知られるようになりました。ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
カーディガンと比べると新しい犬種ではありますが、1107年にフランドル(ベルギーからフランス北部にまたがる地域)の織工がウェールズに移住した際に一緒にやってきたとされています。 ウェールズのペンブロークシャーで牧畜犬として飼われ、スピッツなどと交配して改良されていきました。 その後、ヘンリー2世の時代にブリーダーによりさらに改良が進み、現在のペンブロークに近い形になりました。以来、イギリス王室で愛され続けています。最初は同じ種と考えられていた
原産国も同じ、見た目もそっくりのこの2種のウェルシュ・コーギーは、同じ犬種だと考えられており、交配も行われていました。 しかし、体の特徴が異なり、同じ犬種として評価することが困難になったため、多くの国で別の品種として扱われるようになりました。ウェルシュ・コーギーの身体的特徴

ウェルシュ・コーギー・カーディガン
ガーディガンの体高は約30cmで、体重は11kg~17kg程度です。 毛色はさまざまで、白のみでなければ、基本的にどんな色でも認められています。ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
ペンブロークの体高は約25〜30cmで、体重は11kg~14kg程度と、カーディガンと比べると少し小柄です。 ペンブロークの毛色は、レッド、セーブル、フォーン、ブラック・アンド・タンで、白地はあってもなくても認められます。ウェルシュ・コーギーの断尾

ウェルシュ・コーギーの性格

ウェルシュ・コーギーの好発疾患

- 変性性脊髄症:後肢の麻痺に始まり、泌尿・排便機能の低下、呼吸障害などを引き起こし死に至る。
- 椎間板ヘルニア:首や背中に激しい痛みがあり、進行すると下半身が完全に麻痺してしまう。
- 股関節形成不全:歩きが足らない、腰を振るように歩く、座り方がおかしいなどの症状が見られる。
- 尿管結石:腎臓から尿道の間に石ができ、激しい痛みを伴う。腎臓に石ができた場合は痛みを伴わず、腎不全になることも。
ウェルシュ・コーギーを飼うときに気をつけたいポイント

肥満に注意する
食欲旺盛で、食べ物に対する執着が強いため、太りやすい傾向があります。 肥満にならないよう、食事管理は徹底して行いましょう。お散歩は毎日欠かさない
30分程度の散歩を毎日朝夕の2回しましょう。ウェルシュ・コーギーは遊ぶのが大好きなため、運動不足はストレスにも繋がります。 ボールを使ったスポーツもおすすめですが、腰に負担がかかるジャンプなどはさせないようにしましょう。小さい頃からしつけをする
牧畜犬として働いていたときは、他の犬や動物を吠えて追い回したり、足を咬んで動物の動きをコントールしたりしていました。 その名残りで、吠え癖や噛み癖がある子もいます。トラブルや事故を防ぐためにも、小さいうちからしっかりしつけをしましょう。お手入れはこまめに
ウェルシュ・コーギーはダブルコートなので、こまめにブラッシングをし、換毛期は特に念入りにお手入れしましょう。 また、足が短いため、お腹が汚れてしまいがちです。お散歩のあとは、固く絞ったタオルなどで拭いて清潔にしてあげましょう。腰に負担のかからない環境をつくる
胴長短足というウェルシュ・コーギーの特徴から、腰に負担がかかりやすいです。 段差は極力なくす、滑りやすいフローリングにはカーペットを敷くなどして、負担のかかりにくい住環境を整えてあげてください。まとめ

【獣医師監修】目と関節の疾患に注意!マルチーズの好発疾患と予防法
マルチーズの基本情報

歴史
紀元前1500年頃に、フェニキア人により地中海のマルタ島に持ち込まれた犬がマルチーズの祖先だと考えられています。マルチーズは、最初から愛玩犬として飼われていたため「世界最古の愛玩犬」と呼ばれることもあります。 15世紀には愛玩犬として貴族の間で人気となり、19世紀にはヴィクトリア女王もマルチーズを飼育していました。日本では1960年代後半から人気を博し、現在でも多くの人に愛されています。身体的特徴
体高は20〜25cm、体重は3.2kg以下で、小型犬に分類されます。 純白で光沢のある被毛のイメージがありますが、淡いタンやレモン色の被毛をもつ子もいます。シングルコートのため抜け毛は少ないですが、美しい被毛を維持するためにもお手入れは大切です。性格
明るく活発で、好奇心が旺盛です。運動が好きで甘えん坊なため、一緒に遊んでコミュニケーションをたくさん取りましょう。 一方で、警戒心が強く、自分よりも大きい犬や騒がしい子供に対して吠えることもあります。無理やりしつけられるのは嫌いなため、褒めながらゆっくりしつけてあげてください。マルチーズの好発疾患

流涙症(りゅうるいしょう)
【症状】 涙焼け、眼の周りの皮膚の炎症。 【原因】 涙管の閉塞(先天的、涙管周囲の炎症など)、眼瞼内反、逆さ睫毛、マイボーム腺機能不全など。 【備考】 小型犬の流涙症は涙焼け症候群とも呼ばれる。
膝蓋骨脱臼
【症状】 跛行(足を引きずる)、患肢の挙上(足を地面に着けない)など。 【原因】 膝蓋骨(膝のお皿)が嵌まっている大腿骨の溝が浅い、膝蓋骨に付着している筋肉の左右不均衡、大きな物理的衝撃など。 【備考】 膝蓋骨脱臼が長期にわたると関節炎が深刻になってくる。前十字靭帯断裂のリスクも上昇する。
気管虚脱
【症状】 「ガーガー」というガチョウのような特徴的な咳、呼吸困難など。 【原因】 生まれつき気管を構成する軟骨が弱く吸気時に気管が潰れてしまう、過度な皮下脂肪による気管の圧迫など。 【備考】 重度の場合は酸素交換が十分に行えず、舌が青くなることもある(チアノーゼ)。
水頭症
【症状】 痙攣、てんかん発作、運動失調、行動異常、発育障害など。 【原因】 先天的異常により、脳室に脳脊髄液が過剰に貯留することによる。他にも脳腫瘍や外傷によっても起こることがある。 【備考】 先天性の場合、通常は1歳以下に発症する。子犬に痙攣発作が見られた場合は速やかに動物病院を受診すること。
糖原病
【症状】 筋力の低下、易疲労性(疲れやすい)、失神、空腹時や運動後に見られる低血糖性の痙攣など。 【原因】 糖代謝に関わる酵素の先天的異常により、肝臓や筋肉にグリコーゲンが異常に蓄積する。 【備考】 生存には鼻カテーテルによる栄養給餌が不可欠。誤嚥性肺炎による呼吸困難にも陥りやすいので注意。マルチーズではⅠa型(フォンギルケ病)と呼ばれる型が報告されている。
免疫介在性血小板減少症(IMTP)
【症状】 皮膚や歯肉などの点状出血、血尿、血便、鼻出血、貧血など。 【原因】 止血を担う血小板を自己免疫が攻撃し、破壊することによる。 【備考】 他の血小板減少を示す疾患を除外することで診断するので、時間がかかる。しかし肺の出血や重度の急性出血以外では状態は良好なことが多い。
マルチーズの飼育環境

滑りにくい床
床が滑りやすくブレーキが効きにくい状態だと、膝関節や腰に大きな負担がかかります。特に、膝関節への負荷は膝蓋骨脱臼を引き起こすことがあります。 床がフローリングの家庭は、カーペットやマットを敷いてあげることで、床を滑りにくくしてあげましょう。爪切りと足裏の定期的な処置
犬の肉球はブレーキの役割を担っています。 伸びた爪や足裏の毛によって肉球が床と接触しなくなると、ブレーキの効きが悪くなり、これもまた膝や腰に負担がかかります。 定期的に爪切りなどの処置は行ってあげましょう。もし嫌がってしまうようであれば、かかりつけの動物病院スタッフまで相談してみてください。目ヤニを取ってあげる
マルチーズは顔の周りの毛が長い犬種です。そのため、目ヤニが毛に付いてガビガビになってしまうことがよくあります。 目ヤニは病気でなくても生理的に出ることがありますので、見つけたらティッシュなどで拭き取ってあげましょう。目の周りの毛は眼球を刺激するので、定期的にトリミングしてあげることも大切です。 目ヤニが多い、目が赤いなどの症状が出た場合はすぐに動物病院にかかるようにしてください。肥満に注意
マルチーズは太りやすい犬種と言われています。 過度な体重増加は関節に負担をかけるだけでなく、糖尿病などの全身疾患のリスクとなります。 日頃の食事や運動によって太らない、太りにくい体質にするように心がけましょう。首輪よりハーネスを利用する
マルチーズの中には生まれつき気管が弱い子がいます。 首輪を使用すると首に圧迫が生じ、気管を潰れて咳が出ることがあります。 動物福祉の観点からも近年では首輪ではなく、首に負担の少ないハーネス(胴輪)を使用することが推奨されています。まとめ
