猫のブラッシングはメリットばかり!コツや注意点、ブラシの種類を解説

猫へのブラッシングは抜け毛を取り除く、毛玉予防のほか、健康状態のチェックができたり被毛を美しくツヤツヤにする効果もあります。

ブラッシングタイムは、飼い主さんとのコミュニケーションにも欠かせません。しかし、「猫がいやがる」「なかなかうまくできない」と悩む飼い主さんさんもいるのではないでしょうか。

この記事では、猫のブラッシングのコツや注意点、ブラシの種類などを解説します。

猫のブラッシングの5つのメリット

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猫はきれい好きで自分でもよくお手入れをしていますが、飼い主さんのブラッシングも加わるとさらに効果的。猫にとっても飼い主さんにとってもメリットがあります。

1. 抜け毛を取り除く

ブラッシングをすることで猫の抜け毛を取り除けます。すっきりするだけでなく、猫が飲み込む抜け毛の量も減らせるのも大きなメリット。

猫は毛づくろいの際、口に入った毛を吐き出さずに飲み込んでいます。飲み込んだ抜け毛は便と一緒に排出されますが、毛玉として吐くことも多いでしょう。

吐くことがあまりに続くと猫にとっては負担です。シニアの猫や体調不良の猫などは力が弱っているため、うまく吐き出せません。胃の中で毛がたまったままになると「毛球症(もうきゅうしょう)」などトラブルになる恐れもあります。

換毛期は特に抜け毛が大変な量になるので、飲み込みすぎて腸閉塞になるリスクも。ブラッシングをすれば、抜け毛によるさまざまなトラブルを防げます。

2. 毛玉やからまり予防

毛玉ができる、毛がからまるなどのトラブル予防にもなります。長毛種の猫は、こまめなブラッシングにくわえ、コーミング(クシでとかすこと)が効果的です。

3. 被毛が美しくなる

ブラッシングで汚れを取ることで、被毛が美しくなります。特に獣毛ブラシで仕上げると、ツヤツヤになるでしょう。

4. 猫の健康状態を確認できる

ブラッシングは猫に触れるので、健康状態の確認ができるのもメリットです。

皮膚のできものやケガ、フケの量、ノミにもすぐに気づけます。毛がボサボサになっていれば、「猫が自分でお手入れをしていない、関節に痛みがあるのかも」などの確認ができ、病気の早期発見にも繋がります。

5. 飼い主さんとのコミュニケーション

ブラッシングは、猫と飼い主さんとのコミュニケーションにもなります。仲の良い猫同士がなめ合っているように、飼い主さんと猫との絆も深まります。触れ合うことで、お互いにストレス解消も期待できるでしょう。

猫用ブラシの種類と使い分け

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猫のブラッシングに使うブラシを解説します。短毛種や長毛種など、ご自分の猫に合ったブラシをそろえてください。人間用のブラシは、猫の皮膚には刺激が強すぎるので使わないようにしましょう。

ピンブラシ(長毛・短毛)

金属製のピンの先が球形になっています。全体的に整えたいときや、からまった毛をほぐしたいときに向いています。マッサージ効果もあります。

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ラバーブラシ(長毛・短毛)

ラバーのほかにも、シリコンタイプもあります。抜け毛をごっそり取り除けるので、スッキリするでしょう。弾力があり、マッサージ効果もあります。ただし、やりすぎると抜け毛以外の毛まで取れてしまう恐れがあるので注意が必要です。

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ミトンタイプブラシ(長毛・短毛)

ミトンなので、撫でるような感覚でブラッシングができます。力の入れ具合も調節しやすいでしょう。ブラシそのものが嫌いな猫におすすめです。

コーム(くし)(長毛・短毛)

長毛種の毛を整えて、もつれを取り除くために使用します。短毛種には仕上げ使うといいでしょう。抜け毛を取り除くのにはあまり向いていません。

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スリッカーブラシ(長毛)

先が針のようにくの字に曲がった、金属製のピンが細かく並んだブラシです。特に長毛種の毛玉を取るのに向いています。皮膚を傷つけやすいため、短毛種にはあまり向いていません。

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獣毛ブラシ(長毛・短毛)

豚の毛などでできたブラシです。仕上げに使用すると、被毛につやが出ます。抜け毛をとったり、もつれをほぐしたりする効果はありません。柔らかいので、子猫のブラッシングにも向いています。

ブラッシングのコツと注意点

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猫がいやがっているのにブラッシングを続けるとブラッシングが苦手になるだけでなく、飼い主さんとの関係も悪くなってしまいます。そうならないためにも、猫が喜ぶブラッシングを行ってあげましょう。

ブラッシングはリラックスタイムに

猫がリラックスしているタイミングでブラッシングをします。膝の上に乗ってきたときなどはチャンスです。その他、ご飯を食べてゴロゴロとくつろいでいるときなども向いています。

猫に合わせたブラッシングを

短毛種も長毛種も、基本的には毎日行います抜け毛の多い時期は、朝晩行ってもいいでしょう。

シニアの猫は、だんだん自分で毛づくろいをしなくなるのでこまめにブラッシングをしてください。肥満気味の猫は、背中に舌が十分届いていない場合があります。ていねいにブラシをかけてあげましょう。

ラバーブラシは、毛が抜けすぎてしまうので毎日のブラッシングには使わないようにしましょう。

ブラッシングの順序

次のような順序で行うのがおすすめです。基本的には猫の嫌がらない場所からスタートしましょう。途中でいやがったらストップします。首輪は外しておきましょう。

  1. 頭のてっぺん
  2. 首の後ろ
  3. 背中
  4. お尻周辺
  5. 背中からお腹(乳首を傷つけないように注意)
  6. 首の前
  7. しっぽ
  8. 顔周辺

1回3分程度でOK

1回につき3分程度から始めます。ブラッシングに慣れていない猫は、1分以下でもかまいません。決して無理強いをせず少しずつ慣らしていきましょう。一気に全部仕上げようと気負わないことがコツです。

慣れていない猫は好きなおやつを用意

「一回ブラシをしたら、おやつ」など、ごほうびをあげながらブラッシングに慣れさせるといいでしょう。「ブラッシングをすると、美味しいものが食べられるし、気持ちいい」と認識するようになります。

猫がいやがったらすぐSTOP!

ブラッシング中に猫がしっぽをブンブン振り始める、耳を後ろに寝かせる場合「やめて」のサイン。すぐに中止しましょう。押さえつけて続けると、ブラッシングが嫌いになってしまいます。「コラ!」などと叱るのもNGです。

毛玉が取れないときは

固まった毛玉がどうしてもほぐれない場合は、無理をせずトリマーさんにお願いしましょう。

乾燥しているときは静電気予防を

部屋が乾燥しているときは、ブラッシングの際に静電気が生じる恐れがあります。静電気が生じると、猫も飼い主さんも不愉快です。

静電気防止のためにも、乾燥しているときは加湿器などで部屋の湿度を上げておきましょう。猫の被毛には、霧吹きで軽く水を吹きかけておくのもおすすめです。無理にオイルなどを使う必要はありません。

トラブルを見つけたら動物病院へ

「皮膚にできものがある」「傷がある」などに気付いたら、動物病院を受診しましょう。特にこれまではブラッシングが好きだったのに、急にいやがるようになったらなんらかの不調があるかもしれません。念のため、動物病院の受診をおすすめします。

まとめ

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猫のブラッシングは、抜け毛や毛玉を取り除くだけでなく健康状態のチェックにも役立ちます。ブラシを上手に使い分けて、ツヤツヤの被毛をキープしてあげましょう。ただし無理強いは禁物。リラックスタイムを狙って、短い時間からスタートするのがコツです。

飼い主さんとのコミュニケーションとしても効果的なブラッシングで、猫との絆をたくさん深めてくださいね。

飼う前に知っておきたい!モルモットの抜け毛事情とは

ペットを飼ったときに、思っていたより抜け毛が気になったということはありませんか?本当は抜け毛が多い品種なのに、「なんとなく」や「毛が抜けないイメージがあった」などの思い違いにより、ギャップが生じてしまう可能性もあります。

犬には換毛期があり、抜け毛が気になる犬種がいることは知っていても、モルモットの抜け毛事情については詳しく知らない方も多いかもしれません。

飼ってから想像と現実のギャップに苦労しないよう、モルモットの抜け毛について飼育を始める前にしっかり知っておきましょう。今回は、モルモットの抜け毛事情について詳しく解説していきます。

モルモットにも換毛期はある

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モルモットは犬や猫と同じように、春と秋の年に2回の換毛期があります。

ただし、ペットとして飼われているモルモットの場合は、室温がほぼ一定に保たれていることが多く、野生のモルモットと比べると換毛期がない場合や、不定期に換毛する場合もあるようです。

モルモットの抜け毛は多い

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では、部屋の温度を常に一定に保っておけば抜け毛は気にならないの?と考える方もいるかもしれません。しかし、換毛期以外の時期でもモルモットは抜け毛が多い動物です。

まずはこの動画をご覧ください。

モルモットを抱っこしただけで、こんなにも多くの毛が洋服についてしまっています。犬や猫に比べると体も小さく、抜け毛は少ない印象があるかもしれませんが、どちらかというとモルモットは抜け毛の多い動物と言えるでしょう。実際にモルモットの抜け毛に苦労している飼い主も少なくありません。

抜け毛が多いと毛球症になる危険も!

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ここまで飼い主の視点からモルモットの抜け毛についてご紹介してきましたが、モルモットにとっても抜け毛が多いのは良いことではありません。

モルモットは、毛繕いをする際に、被毛を飲み込んでしまうことがありますが、猫のように被毛を吐き出すことはできません。少しならうんちと一緒に排泄されるため問題ありませんが、特に換毛期などは被毛を飲み込む量が増え、「毛球症(もうきゅうしょう)」という病気になってしまうこともあります。

毛球症は、消化管に被毛の塊が形成されることで起こり、急に食欲がなくなったり、元気がなくなったりします。重篤な場合は外科的な手術で毛球を取り出さなければいけないこともあります。

お手入れをしっかりしよう!

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モルモットの健康のためにも、そして飼い主のためにも、モルモットの抜け毛対策にはブラッシングが重要です。

換毛期は2〜3日に1回、それ以外は1週間に1回程度のブラッシングが必要です。ただし、長毛種の場合は、換毛期関係なく、毎日ブラッシングをした方が良いでしょう。

ブラッシングのやり方

モルモットのブラッシングは以下の手順で行います。
時間をかけてしまうとモルモットが嫌がる可能性が高くなりますので、5分程度で素早く終わらせるようにしましょう。また、モルモットの皮膚は繊細なため、優しく撫でるように行ってあげてください。

  1. 安定した場所か膝の上で行う。
  2. お尻から頭にかけて毛並みに逆らうようにブラッシングする。
  3. 頭からお尻に沿ってブラッシングする。こうすることで、効率よく抜け毛を取り除ける。
  4. 終わったらご褒美の野菜を与える。

モルモットは臆病な性格なため、ブラッシングを怖がって怯えたり、その場から逃げ出したりすることもあります。その際は無理矢理行わず、日を置いて少しずつ慣れてもらいましょう。特に、お腹とお尻あたりは触られるのを嫌がる子も多いため、まずは頭や背中だけをブラッシングしてもいいかもしれません。

服を着せるのはNG

いくらモルモットの抜け毛が気になっても、抜け毛対策に服を着せるのはやめましょう。抜け毛が体に留まるのもよくありませんし、服を着ることに慣れていない子は大きなストレスがかかってしまいます。

抜け毛の量は品種によっても違う!

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単に「モルモット」と言っても、実はたくさんの品種があり、毛の長さも品種によってまちまちです。

イングリッシュやクレステッドといった短毛種は、抜け毛やお手入れの観点から見ると比較的飼いやすい種類です。毛のないスキニーギニアピッグという品種もいます。
一方で、ペルビアンやテッセル、コロネットは長毛種で毛量が多いため、抜け毛が気になる場合はオススメしません。

しかし、毛の長さや量によって違いはあるものの、無毛種を除いてほとんどのモルモットは抜け毛が多い動物だという認識をしておくことが大切です。

まとめ

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モルモットは体の大きさの割に抜け毛が多い動物です。飼ってから「こんなに毛が抜けるとは思わなかった」とならないように、どのような動物なのかしっかり理解した上で飼うようにしましょう。

また、モルモットのお手入れは毛の長さによって頻度が異なります。定期的なブラッシングは大変かもしれませんが、モルモットと過ごす、かけがえのないスキンシップの時間でもあります。
もし、モルモットを飼うことを決めたら、欠かさずにお手入れをしてあげてくださいね。

【クイズ】ノルウェージャン・フォレスト・キャットって知ってる?

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、ふわふわな被毛を持ち、穏やかな性格からとても人気な猫種です。しかし、一体どのような猫なのかよく知らないという方も多いでしょう。

今回は、ノルウェージャン・フォレスト・キャットについてクイズ形式でご紹介します。

それではさっそく、ノルウェージャン・フォレスト・キャットクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 ノルウェージャン・フォレスト・キャットの歴史の説明として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「メインクーンなどと交配して生まれた」です。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、遠い昔からノルウェーを中心に「スコウガット(森林の猫)」として親しまれてきた猫で、北欧神話にも登場します。なお、メインクーンは、ノルウェージャン・フォレスト・キャットとアメリカの土着の猫との交配により誕生したという説が有力です。

昔は、農場で飼われたり、バイキングの船に一緒に乗ったりして、ネズミ駆除の役割を担い人々に重宝されてきました。
Q.2 ノルウェージャン・フォレスト・キャットの特徴として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「運動は得意ではない」です。
大きめでがっしりとした身体をしており、運動能力は高く、高いところに登るのが大好きです。そのため、頑丈なキャットタワーを用意するといいでしょう。

長くて美しいダブルコートの被毛が特徴的で、寒さには比較的強く、暑いのは苦手です。熱中症の危険もありますので、夏場の室温はきちんと管理しましょう。

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは長い時間をかけて成長します。身体の基礎は1年でできあがりますが、その後筋肉がさらに発達し、完全に成長しきるのには3〜5年ほどかかると言われています。
Q.3 ノルウェージャン・フォレスト・キャットがかかりやすい毛球症の説明として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「重症になると治療する術がない」です。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、被毛が長いため毛球症になりやすく、嘔吐や便秘、食欲不振などの症状が見られます。

軽症であれば薬で治療できますが、重症化すると治療する術がないということではありませんが、胃を切開するといった大掛かりで負担の大きい手術が必要になるため、毛球症にならないよう対策する必要があります。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
北欧の猫「ノルウェージャン・フォレスト・キャット」の特徴と飼い方
結果発表
問正解/ 問中
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【獣医師監修】サイベリアンの好発疾患と健康管理の4つのポイント

サイベリアンとは、「シベリア」のことで、ロシア原産の猫種です。寒い地方に適応した長い被毛が特徴です。 日本でも飼育頭数が増えてきている人気の猫種ですが、かかりやすい病気がいくつかあることをご存知でしょうか? 今回の記事では、サイベリアンでが好発疾患と、日常生活で心がけたいお手入れや健康管理についてご紹介します。

サイベリアンの基本情報

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歴史

サイベリアンは、なんと1,000年もの歴史を持つとされる猫種です。ロシアが原産で、長い間ロシアでのみ繁殖されてきました。 19世紀後半にイギリスで行われたショーに登場しましたが、当時は冷戦の最中だったため、西側諸国への猫の流通は難しかったのです。 1990年代に入ると、冷戦が終結に向かい、ようやくサイベリアンもアメリカに渡りました。 その後、世界各地でサイベリアンは人気のある猫種となっていきました。

身体的特徴

極寒の地、シベリア出身だけあって、寒さに強く、とても頑丈な体をしています。全体的に丸くてどっしりとした体格ですが、太っているわけではありません。 雪の上でも歩けるように、足裏には「房毛」と呼ばれるふさふさの被毛があります。 成長の速度が遅く、成猫になりきるまでに約5年もかかると言われています。

性格

基本的にはおとなしく、飼い主に対しては従順で甘えん坊ですが、知らない相手に対してはそっけない一面があります。 また、猫には珍しく水を嫌がらない子が多く、獲物を追いかけて水の中に飛び込むこともあるようです。

サイベリアンの好発疾患

サイベリアン,猫,好発疾患,病気,対策 サイベリアンには、発生しやすい遺伝疾患がいくつかあります。これらはサイベリアンという猫種を作るため、あるいは存続させるために生まれてしまったものです。 また、毛が長いなどの身体的特徴も、健康維持のためには注意したい点です。

肥大型心筋症

【症状】 胸水貯留や腹水貯留による呼吸困難、運動不耐性(疲れやすい)、元気消失、食欲低下、嘔吐など。 【原因】 心筋が厚く硬くなることで心臓の拡張能が低下し、一度にたくさんの血液を拍出できなくなることで循環不全を呈する。 【備考】 左心房に血栓が形成されやすくなり、それが血流に乗って細い血管に詰まる血栓塞栓症を併発することが多い。塞栓しやすい部位は腹大動脈遠位(太ももの付け根辺り)や腎動脈付近で、それぞれ後肢の麻痺や尿産生停止を引き起こす。肥大型心筋症と診断された後は血栓形成予防の処置も同時に行っていく必要がある。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】 貧血、頻脈、運動不耐性(疲れやすい)、元気消失など。 【原因】 酵素であるピルビン酸キナーゼが先天的に欠損することで溶血性貧血が起こる。これは常染色体劣性遺伝によって伝達されることが知られている。 【備考】 年齢とともに骨髄線維症や骨硬化症が進行し、造血能が低下する。また赤血球の寿命が短くなることで肝機能障害が現れることもある。

毛球症

【症状】 便秘、嘔吐、食欲不振、腹痛、腸閉塞など。 【原因】 グルーミング(毛づくろい)によって口から入った被毛が腸に詰まることによる。 【備考】 腸閉塞から腸穿孔、腹膜炎に進行することもあるため油断はできない。毛玉を溶解するフードやサプリメントを利用するのも良い。

多発性嚢胞腎

【症状】 元気消失、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、貧血といった腎不全症状。進行すると無尿や乏尿となり意識障害、発作、重度の脱水が見られる。 【原因】 腎臓に多数の嚢胞が形成されることで腎機能が低下する。これには遺伝性が示唆されている。 【備考】 猫では年齢とともに腎不全を呈することが多いが、多発性嚢胞腎では比較的若い年齢でも腎不全を発症することがある。健康診断によって腎臓に嚢胞が無いか、腎機能が低下していないかはチェックすべきであろう。

サイベリアンの健康管理

サイベリアン,猫,好発疾患,病気,対策 サイベリアンの好発疾患には、遺伝子の異常によるものも少なくありません。 遺伝疾患は発生予防が困難だと思われますが、毎日の生活の中でしっかりと観察をすれば、取り返しのつかない事態は避けられるかもしれません。 ここでは、サイベリアンの好発疾患に基づき、日常生活でできる健康管理を見ていきましょう。

1. 毛玉を作らないように注意する

長毛のサイベリアンは、皮膚に毛玉ができやすいです。 猫はグルーミング(毛づくろい)によって被毛や皮膚の健康を守っています。 しかし、年齢を重ねるとグルーミングの頻度も減りますし、体型によっては口が届かない部位もあるかもしれません。 定期的にブラッシングを行い、毛玉を作らないようにすることが重要です。もし毛玉ができてしまっても、小さいうちに解いてあげましょう。

2. 余分な毛は取り除く

ブラッシングには、抜けた毛を取り除くという役割もあります。 グルーミングによって口から入った被毛が、消化管に詰まることもあります。飲み込んだ毛玉を上手に吐き出せる子も多いのですが、毛球症発生のリスクを下げるに越したことはありません。 柔らかめのブラシを用い、愛猫のストレスにならないような頻度でブラッシングをしてあげましょう。

3. 熱中症に注意

猫はもともと暑さに強い動物ですが、毛が長いサイベリアンは暑さに弱い猫種です。特に日本の夏の高温多湿は、猫にとって危険です。 エアコンなどを使用し、できるだけ過ごしやすい環境にしてあげましょう。 熱中症の症状としては以下のようなものがあります。異変に気づいたらすぐに動物病院に連絡しましょう。
  • ぐったりしている
  • 意識がはっきりしない
  • 体が異常に熱い
  • 歯茎などの粘膜が赤い
  • 発作や嘔吐といった症状

4. 十分な運動量の確保

健康的な体型維持やストレス発散のためには、適度な運動が必要です。 毎日食べて寝てを繰り返すだけでは、不健康であることは明らかです。 水平方向だけでなく、上下の三次元的な動きができるよう、キャットタワーなどを設置してあげるといいでしょう。また、時間がある時には遊んであげたり、少しでも運動させることを意識してください。

まとめ

サイベリアン,猫,好発疾患,病気,対策 愛猫も生き物である以上、いつ病気をしてもおかしくありません。 万が一の時に迅速に対処できるよう、健康に関する情報は常に集めていきたいですね。 また、日頃から健康管理を徹底することで、愛猫との生活がより良いものになるように願っています。

【獣医師監修】ラグドールの好発疾患と健康管理のポイント

ラグドールはモフモフの毛が特徴的な、ぬいぐるみのような猫種です。実際に、「ラグ・ドール(rag doll)」は英語で「ぬいぐるみ」という意味があります。 日本でも飼育している方が多い猫種ですが、いくつか発生しやすい病気が存在するのをご存知でしょうか? 今回の記事では、ラグドールの好発疾患や、日常生活での飼い方のポイントについて獣医師が詳しく解説します。

ラグドールの基本情報

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歴史

ラグドールは、1960年代、アメリカ・カリフォルニア州に住んでいたブリーダーの手によって誕生しました。ペルシャやバーマン、バーミーズなどとの交配によって生まれた子猫が基礎だと考えられています。 ラグドール(ragdoll)という名前は、英語で「(布製の)ぬいぐるみ」を意味し、「大人しく抱かれる姿が、まるでぬいぐるみのようだ」として、この名前がつけられました。

身体的特徴

被毛の各部分にある「ポイント」と呼ばれるまだら模様が特徴です。 大きめの頭に、ややつり上がった青い瞳、低めの鼻が真ん中についた丸顔をしており、被毛の長さはミディアムロングです。 体格は大きめでがっしりとしていて、中には体重が10kgを超える場合もありますが、オスで約7〜9kg、メスで約5〜7kgが平均とされます。

性格

おおらかでおっとりとしており、知らない人にもよく懐きます。鳴き声は小さく、成猫になるとあまり激しい運動をしなくなる子も多いようです。 ただし、帰巣本能が強いため、譲渡や引っ越しの際には脱走やストレスに注意しましょう。

ラグドールの好発疾患

ラグドール,猫,好発疾患,健康管理 まずは、ラグドールに発生しやすい遺伝的疾患や、身体的特徴からかかりやすい病気をいくつか紹介します。 聞きなれない疾患もいくつかあると思いますが、どんな病気があって、どんな症状が現れるのか、しっかりと理解しましょう。

肥大型心筋症

【症状】 運動不耐性(疲れやすい)、胸水や腹水貯留、呼吸困難、食欲不振、嘔吐など。 【原因】 心臓の筋肉が肥厚することで心臓が膨らみにくくなり、循環障害を呈する。 【備考】 左心房に血栓が形成されやすく、それが大動脈に詰まり大動脈塞栓症を引き起こすことがある。塞栓を起こしやすいのは腹大動脈遠位端(太ももの付け根)や腎動脈で、それぞれ四肢の麻痺や尿産生停止が認められる。

進行性網膜萎縮

【症状】 昼盲や夜盲、徐々に進行する視覚障害、失明。 【原因】 網膜に存在する光を感じる細胞が変性することによる。この変性は遺伝的に起こる。 【備考】 猫の視覚機能を正確に評価することは難しいが、物を目で追いにくくなった、家具によくぶつかるようになったなどの症状が現れたら要注意。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】 貧血、運動不耐性(疲れやすい)、頻脈など。 【原因】 酵素であるピルビン酸キナーゼの遺伝的欠損によって溶血性貧血が起こる。常染色体劣性遺伝によって伝達されるので、両親に本疾患の素因があるかどうかは要チェック。 【備考】 健康診断では赤血球数やヘマトクリット値などの貧血を評価する項目に注意する。

ムコ多糖症

【症状】 顔面骨の形成異常、関節の運動機能障害、後肢麻痺、角膜混濁など。 【原因】 ムコ多糖を分解する酵素の欠損によって全身臓器(骨、軟骨、角膜、心臓など)にムコ多糖が蓄積し、症状が現れる。 【備考】 検査会社によっては遺伝子検査が可能。

毛球症

【症状】 嘔吐、便秘、腸閉塞など。 【原因】 グルーミング(毛づくろい)の際に口から入った被毛が消化管に詰まる。 【備考】 毛玉を溶解するフードやサプリメント用いて予防することもできる。上手に毛玉を吐けない子は利用も検討。

ラグドールの健康管理

ラグドール,猫,好発疾患,健康管理 ラグドールの好発疾患には、先天的な遺伝子異常に基づくものもあります。遺伝疾患の予防は難しいかもしれませんが、発見を早く行い、迅速に対応することが肝心です。 また、毛球症などについては、日々の生活環境を見直すことで発生を少なくできるかもしれません。 ラグドールと一緒に生活する上でどんなことに注意すべきか、見ていきましょう。

1. 定期的なブラッシング

猫はキレイ好きな動物なので、ある程度は自身で毛づくろい(グルーミング)をして被毛や皮膚を清潔に保っています。 しかし、加齢とともにグルーミングの頻度は減ってきますし、ラグドールは元々毛が長いので毛が絡まって毛玉ができやすい猫種です。 毛玉を放置すると皮膚が引っ張られ、そこに炎症が起きます。 また、グルーミングによって口から被毛が体内に入り、消化管に毛玉が詰まることもあります。 長毛のラグドールには、定期的なブラッシングを心がけましょう。

2. 尿の状態を毎日チェック

尿の状態を日頃から観察することで、病気の早期発見に繋がります。 腎泌尿器系の疾患はラグドールに限らず、猫で非常に多い疾患です。 健康な状態の尿量や尿の色を把握しておくことで、異常にいち早く気づきましょう。

3. 季節に合わせた温度管理

長毛のラグドールは、夏の暑さには弱い猫種です。 猫は犬のようにパンティング(口でハーハーしながら行う体温調節)もしませんので、熱中症には十分に注意しなければなりません。 夏場はクーラーを適切に使い、涼しい環境を作りましょう。27度前後を目安に、人間が快適だと感じる温度で大丈夫です。 ちなみに猫が安静時に口呼吸をしていたら、心臓病や呼吸器疾患の疑いがあるため動物病院を受診してください。

4. 定期的に健康診断を受けよう

外見では判断しにくい病気もたくさんあります。 血液検査や画像検査など、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。 7歳までの若い時期は年に1回、7歳以上のシニアは半年に1回くらいを目安に受けておくと安心です。 猫にとっての半年は人間の年齢で換算すると2年程になりますので、決して短い期間ではありません。 病気は早期に発見し、適切な治療を受けることが望まれます。ぜひ健康診断は検討してみてください。

まとめ

ラグドール,猫,好発疾患,健康管理 本記事では、ラグドールの好発疾患と、日常生活でできる健康管理をご紹介しました。 病気になってしまったときに十分な対応ができるような環境が大切です。 愛猫との生活がより良いものとなるように願っています。

【獣医師監修】ノルウェージャン・フォレスト・キャットの好発疾患

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは長毛で大型、筋肉質で野性味のある猫種です。モフモフの体には思わず顔を埋めたくなります。 そんなノルウェージャン・フォレスト・キャットですが、猫種ならではのかかりやすい病気がいくつかあるのをご存知でしょうか。 今回の記事では、ノルウェージャン・フォレスト・キャットの好発疾患や日常生活でできる病気の予防などについて、獣医師が詳しく解説します。 なお、猫種の名前が長いので、以降は「ノルウェージャン」と記載します。

ノルウェージャンの基本情報

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歴史

ノルウェーを中心に、古くから「スコウガット(森林の猫)」として親しまれてきた猫で、北欧神話にも登場します。 昔のノルウェーの人たちと暮らしていたノルウェージャンは、農場で飼われたり、バイキングの船に一緒に乗ったりして、ネズミの駆除役として活躍しました。 その後、第二次世界大戦の影響で個体数が激減し、一時は絶滅の危機に。 しかし戦後、ノルウェージャンを愛する人たちの力によって、再び個体数を増やすと、1970年代にはヨーロッパの「国際猫協会」に品種登録され、世界中にファンを持つ人気の猫となりました。

身体的特徴

大きめでがっしりとした体つきで、体重は3〜9kgほどです。長くて美しいダブルコートの被毛が特徴的な猫です。 毛色や模様は、ブラック、ホワイトなどの単色や、シルバー、ブラウンが混ざったバイカラー、タビー柄などがいます。季節によって、毛色のトーンが変わることもあるようです。

性格

性格はとても穏やかで、他のペットに対してもフレンドリーです。飼い主さんにも従順で、知らない人や子供と遊ぶのも大好きです。 好奇心が旺盛で賢く、いたずら好きの猫や、簡単な芸を覚えられる猫もいるようです。

ノルウェージャンの好発疾患

ノルウェージャン,好発疾患,獣医師,猫,病気,予防 慢性腎疾患など一般的に猫に多い疾患の他に、ノルウェージャンには遺伝的に発生しやすい疾患があります。 遺伝子の異常があるからといって必ずしも病気になるわけではありませんが、どんな疾患があり、どんな徴候が見られるのかは、しっかりと把握しておきましょう。

グリコーゲン貯蔵異常(糖原病)

【症状】 筋力の低下、易疲労性、低血糖、昏睡など。 【原因】 糖代謝に関わる酵素の先天性異常により、グリコーゲンが肝臓や筋肉に蓄積する。ノルウェージャンでは遺伝疾患として報告がある。 【備考】 非常に稀な病気で、まだ解明されていないことが多い。

毛球症

【症状】 便秘、食欲不振、嘔吐など。腸閉塞が引き起こされると腹痛、排便困難、便臭の嘔吐物なども見られる。 【原因】 グルーミングによって口から取り込まれた被毛が消化管内で絡まり、閉塞を来たす。 【備考】 毛玉対策用フードや毛玉溶解サプリメントによって毛玉の排泄を促す、あるいは定期的なブラッシングなどによって口に入れる被毛の量を減らすことで予防する。

糖尿病

【症状】 多飲多尿、体重減少、肥満、嘔吐、下痢、便秘、脱水、昏睡、感染症にかかりやすい、傷が治りにくいなど様々。 【原因】 遺伝的要因(インスリンの分泌が少ないことやインスリンの効果が低いなど)と環境要因(肥満やストレスなど)が相互に関与することで発症する。肥満、老齢、感染症、膵炎などが危険因子となる。 【備考】 猫は元々肉食動物であり、アミノ酸からグルコースを作り出す代謝系が活発である。よって興奮やストレスで血糖値が上昇しやすく、血糖値を上昇させる因子や血糖値を下降させられない因子が関与すると糖尿病になりやすい。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】 貧血、運動不耐性(疲れやすい)、頻脈など。 【原因】 ピルビン酸キナーゼが遺伝的に欠損することによる溶血性貧血が見られる。常染色体劣性遺伝で伝達されるため、遺伝子変異がある場合は繁殖には供しない。 【備考】 年齢とともに骨髄線維症および骨硬化症が進行し、造血能は低下していくので注意。

ノルウェージャンの飼育で注意したいこと

ノルウェージャン,好発疾患,獣医師,猫,病気,予防 ノルウェージャンという猫種だからこそ、日常の中で注意したい点があります。 好発疾患を踏まえて、普段の生活でどんなことに注意すればよいのかを見ていきましょう。

1. 肥満に注意

ノルウェージャンは、元々体の大きな猫種です。それに加えて被毛が長いため、肥満には非常に気付きにくいです。 しっかりとしたカロリー管理と適度な運動によって太りすぎを予防しましょう。 一般的に、被毛の下の皮膚を触ってみて、肋骨が軽く触れるくらいが適正な体型と言われています。 スキンシップの際に定期的に肋骨に触れて、肥満チェックをしてみてください。ただし、あまり強く触ると痛いので注意が必要です。

2. 大きな体でも運動できるスペースを

室内で生活をしていると、簡単に運動不足になります。 特に大きいサイズのノルウェージャンでは、「体を動かす場所がない→脂肪がついてさらに体が大きくなる」という悪循環に陥りやすいです。 大きめのキャットタワーなどを用意し、体を動かせる環境を整えましょう。

3. 季節に合わせた温度調整

元々寒い地方の猫であるノルウェージャンは、暑さに弱い猫種です。 そのため、猫の中でも熱中症にかかりやすいと言われています。 夏場はクーラーなどで室温を下げ、逆に冬場は暖かくなりすぎないようにしましょう。 人間が快適に生活できる温度であれば問題ないと思います。

4. ブラッシングは定期的に

長い被毛は、放置すると簡単に毛玉になってしまいます。 毛玉によって皮膚が引っ張られて痛みを感じると同時に、大きくなっていく毛玉によってだんだんと身動きが取りにくくなっていきます。 また、猫は自身で定期的にグルーミング(毛づくろい)を行うことによって被毛や皮膚の健康を守っています。 その際に長い被毛を飲み込んでしまうことで、毛球症に陥ることもあります。 定期的にブラッシングをしてあげることによって無駄な被毛を除去し、毛玉が大きくなる前に処理してあげることが必要です。 ムダ毛の除去には柔らかいブラシを、毛玉を少し梳かす時にはスリッカーを使用します。
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まとめ

ノルウェージャン,好発疾患,獣医師,猫,病気,予防 ノルウェージャンとの生活は、特別なことに満ちています。 愛猫が与えてくれるものはかけがえのないものであり、飼い主は愛猫の健康を最大限守らなければなりません。 愛猫との生活が素晴らしいものになることを願っています。何か変わったことがあれば遠慮なく動物病院にご相談ください。

猫が顔を洗うと雨が降るのは本当だった!グルーミングの驚くべき理由

「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えを聞いたことはありますか?猫が顔を洗うのはグルーミングの一種で、実は猫が顔を洗うことと雨が降ることの間には因果関係があると科学的に証明されています。 猫のグルーミングをする姿はとてもかわいらしいですが、グルーミングには生命や健康を維持するための大切な役割があります。 今回は、猫がグルーミングを行う理由と、過剰なグルーミングを起こす原因について解説していきます。

猫のグルーミングとは?

猫,毛繕い,グルーミング,雨,病気,皮膚病,ストレス グルーミングとは毛繕いのことで、猫にとって大切なライフワークの一つです。 猫は1日の大半を寝て過ごしており、平均睡眠時間は16〜18時間とされています。 起きている時間の約30%をグルーミングに費やしていると言われている猫は、1日に約2.5時間ほどグルーミングをしています。

なぜ猫はグルーミングを行う?

猫,毛繕い,グルーミング,雨,病気,皮膚病,ストレス そもそも猫のグルーミングは何のために行われているのでしょうか。ここでは、猫がグルーミングを行う理由を4つご紹介します。

1. 健康を維持するため

猫はグルーミングをすることで、毛についた汚れや毛玉を取り除いています。 毛玉や汚れが溜まってしまうと皮膚病の原因となってしまうため、猫はグルーミングによりこれを防いでいるのです。 また、体を舐めることで身体中の血行が良くなったり、唾液の持つ殺菌効果により感染症を予防することができます。

2. 体温調節のため

また、猫はグルーミングをすることで体温を調節しています。 暑い時は体を舐め、毛についた唾液が蒸発する時の気化熱を利用して体温を下げています。 気化熱には16℃程度の冷却効果があると言われており、夏場にグルーミングをしていたらそれは体温を下げるためでしょう。 また、冬場にはグルーミングによって毛の間に空気を含ませ、熱が外に逃げないよう保温しているとされています。

3. 体をきれいにするため

猫のグルーミングには体をきれいにする効果があります。そのため、食後などは特に、顔を洗っている様子を見ることができます。 これは、体をきれいにして、においを消すためでもあります。 狩りをして生活していた頃の名残とも言われており、獲物が逃げないように自身から出るにおいを消そうとしているのです。

4. リラックスするため

猫はストレスを感じた時や不安になった時にグルーミングをし、そのストレスを発散しようとします。 こうした行動は「転位行動」と呼ばれ、猫の場合は爪研ぎやグルーミングなどがこれに該当します。 そのため、もしひっきりなしに顔を洗ったりグルーミングしていたら、ストレスを解消しようとしているのかもしれません。

猫が顔を洗うとは本当に雨が降るのか

猫,毛繕い,グルーミング,雨,病気,皮膚病,ストレス 古くから伝わる「猫が顔を洗うと雨が降る」という言葉ですが、果たして猫は本当に雨を予知しているのでしょうか。 実は、猫が顔を洗うことと雨が降ることの間には因果関係があると科学的に示されています。 雨雲が近づき湿度が高くなると、猫のひげに水滴がつき重くなってしまいます。すると猫は、ひげの手入れをしてハリを取り戻すために、頻繁に顔を洗うようになるのです。 また、湿度が高くなると猫の顔にいるノミが活発に動き出すため、猫は痒みを感じて顔を洗うこともあります。 つまり、猫が顔を洗うと雨が降るのではなく、雨が降りそうな天気に猫が顔をよく洗うという方が正しいのかもしれません。

過剰なグルーミングは注意!

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1. 強いストレスを感じている

猫のグルーミングにはストレスの解消を目的とする場合があります。 もし、猫が頻繁にグルーミングをしているようであれば、強いストレスを感じているのかもしれません。 急な環境の変化や騒音など、ストレスの原因が明確な場合はすぐに取り除いてあげましょう。 また、猫が落ち着けるような場所を用意してあげることも重要です。

2. ノミやダニがついている

体にノミやダニがついており、痒く感じているために過剰にグルーミングをしてしまっている可能性があります。 あらかじめ予防薬を投与しておくことで、ノミ、ダニの寄生は予防できます。 また、ブラッシングでも、ある程度除去することができるため、定期的にしてあげましょう。

3. 皮膚病を患っている

皮膚病によって感じる痒みを和らげるためにグルーミングをしている場合もあります。 毛が抜けてしまっていたり、床や壁に体を擦り付けるような仕草を見せていたら、痒みを感じてしまっているサインなので、動物病院を受診しましょう。 グルーミングを無理に辞めさせるとストレスを感じてしまい、むしろ過剰なグルーミングの原因となってしまうため、気をつけましょう。

猫がグルーミングをしなくなったら?

猫,毛繕い,グルーミング,雨,病気,皮膚病,ストレス 猫が頻繁にグルーミングをしていたら、病気やトラブルのサインかもしれないことはすでにお伝えした通りです。一方で、猫がグルーミングをしなくなった場合も、病気などの可能性があります。 猫にとってグルーミングは生活に欠かせませんが、何らかの異常が起きている場合、グルーミングをしなくなることがあります。

1. 高齢のため

高齢の猫の場合、グルーミングをするのが億劫になってしまう場合があります。 筋肉の衰弱や痴呆によって、体をグルーミングをする力が出なくなってしまうのです。

2. 口内炎などの疾患のため

口内を怪我していたり口内炎があったりすると、グルーミングをしたくても口に痛みを感じてできないというケースもあります。 よだれや口臭、食事時の異変などが見られたら動物病院を受診しましょう。

毛球症に気をつけよう

猫,毛繕い,グルーミング,雨,病気,皮膚病,ストレス 猫はグルーミングの際に、被毛を飲み込んでしまうことがあります。 通常であれば便とともに体の外に排出されますが、量が増えると口から吐き出すことがあります。さらに量が増えて大きな毛玉になると口から吐き出すことができなくなります。その場合、内視鏡を使って摘出したり、開腹手術をしたりする場合もあります。 猫が飲み込む毛の量を少しでも減らすために、定期的にブラッシングをしてあげましょう。換毛期は特に念入りにしてあげてください。

まとめ

猫,毛繕い,グルーミング,雨,病気,皮膚病,ストレス 今回は、猫が行うグルーミングについてご紹介しました。 昔からの言い伝え通り、猫が顔を洗うことと降雨には実際に関係があるようですね。 猫のグルーミングの理由は様々ありますが、過剰にグルーミングをしている場合には病気などの可能性も考えられます。また、逆にグルーミングをしなくなってしまうと、汚れや毛玉により皮膚疾患の原因になってしまう場合もあるため、よく観察するようにしてあげてください。

【獣医師監修】手足が短いマンチカンの好発疾患と予防法

マンチカンは猫の中でも短足が特徴の猫種です。
それゆえに走り回る姿などがかわいらしく、日本でも人気を誇っています。
ペットショップなどで見かけることも多いでしょう。 マンチカンという猫種を飼う上で、特に気をつけたい病気があるのをご存知でしょうか。
今回はマンチカンの好発疾患についてまとめました。現在、マンチカンを飼っている人や、飼おうと思っている人はぜひ参考にしてください。

マンチカンの名前の由来と歴史

猫,猫種,マンチカン,好発疾患,症状,対策, 「マンチカン」には「小さい子供」「小人」という意味があり、『オズの魔法使い』に登場する、短い足で小柄な体つきが特徴の種族の名前に由来するそうです。 もともと、短足の猫は突然変異種として古くから確認されていましたが、1983年にアメリカのルイジアナ州で短足の猫が発見されたことをきっかけに、遺伝子検査などの研究が進められました。 その後、ブリーダーにより繁殖が行われました。交配を肯定する人と、遺伝子疾患を心配する人の間で論争が巻き起こりましたが、足の短い猫がさまざまな場所で見つかり、近親交配のリスクが低下したことから、1995年にアメリカでマンチカンが新種として認定されました。

マンチカンの好発疾患


猫,猫種,マンチカン,好発疾患,症状,対策, マンチカンには、遺伝的な背景や解剖学的特徴から発生しやすい疾患がいくつかあります。 特にアメリカンショートヘアやスコティッシュフォールドが掛け合わさっている子は、これらの猫種に特徴的な遺伝性疾患が見られるかもしれません。
 どんな病気があり、どんなサインを発するのかを知ることで、病気の早期発見・早期治療に繋がります。
病気について理解を深め、異変に気付いたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

多発性嚢胞腎


【症状】 ・多飲多尿 ・尿色が薄い ・嘔吐 ・食欲不振などの腎不全症状 
【原因】 遺伝的な要素が大きい【備考】 腎臓に多数の嚢胞が形成され、腎機能不全を引き起こす。両親の既往歴の確認は重要で、本疾患に罹患した猫は繁殖させるべきではない。



肥大型心筋症


【症状】 ・呼吸速迫 ・呼吸困難 ・開口呼吸 ・嘔吐 ・突然ニャーニャー鳴く ・後肢麻痺 ・後肢冷感
 【原因】 アメリカンショートヘアの血筋では遺伝性に伝播することが知られている。
 【備考】 肥大型心筋症では心臓内で血栓が形成されやすくなる。形成された血栓が大腿動脈に閉塞し、動脈塞栓症を引き起こすことが多い。

骨軟骨異形成症

【症状】 骨の成長が不十分で身体が大きくなりにくい。 【原因】 マンチカンの短足は常染色体優性遺伝の軟骨異形成による。見た目を追求するあまり、病気になりやすくなることもある【備考】 人間では「小人症」とも呼ばれる。軟骨異形成によって変形性関節症が発症しやすくなる。

変形性関節症


【症状】 ・四肢の痛み ・跛行(歩くときに足を引きずる) 【原因】 関節に存在する軟骨が骨になり、動かすときに痛みを生じる。 【備考】 スコティッシュフォールドの血筋は要注意。定期的に関節(特に肘関節)のレントゲンでチェックしていく。

毛球症

【症状】 ・嘔吐 ・便秘 ・食欲不振 ・腹痛などの消化器症状 【原因】 グルーミングによって口から摂取された被毛が、腸に閉塞することによる。 【備考】 長毛の子は定期的なブラッシングで余分な被毛を除去してあげる必要がある。毛玉をコントロールするフードやサプリメントを利用する方法も。

椎間板ヘルニア


【症状】 ・首から腰への痛みや違和感 ・ふらつき ・歩行困難 ・排尿障害(尿失禁や排尿困難)
 【原因】 背骨の間にある椎間板が脊髄を圧迫し、刺激することによる。 【備考】 普段の生活から歩き方や排尿の様子を観察し、異常があればすぐに動物病院へ。


マンチカンの飼育環境

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ご紹介した疾患はマンチカンだからといって必ずかかるものではなく、
普段の生活習慣を意識することで、発症のリスクを低減させることが可能です。 
では、どんなことに注意すべきなのか、4つのポイントを順番に見ていきましょう。



1.太らせないための食事管理


短い手足のマンチカンは、常に膝や肘などの関節への負担が大きくなります。
そのため、体重が増加するとさらに関節への負担が増し、関節炎などのリスクが高まります。 
運動量を増やすことで体重の維持を目指すのではなく、食事管理をしっかり行い、関節軟骨に優しい生活を心がけましょう。

2.適度な運動


摂取するカロリーを制限することによって体重の増加は抑えられますが、全く運動しないのではストレスが溜まってしまいます。 
激しく運動をさせる必要はありませんが、キャットタワーを設置するなど、日常的に体を動かせる環境を用意してあげるといいでしょう。



3.交配に注意


マンチカンは、手足が短くなるように品種改良された猫種です。
 ある形質(見た目)同士の掛け合わせは、死産のリスクを高めることが知られていますが、短足の遺伝子もその一つです。
つまり、短足の親同士の交配では、死産リスクが高いということです。
 よって短足のマンチカンでは、短足マンチカン×長足マンチカン、あるいは短足マンチカン×雑種猫で交配をさせる必要があります。
マンチカンの多頭飼いをしている方は注意しましょう。
また、短足のマンチカンが産まれてくる割合は2〜3割程度と言われています。

4.被毛のお手入れ


中には毛の長いマンチカンもいます。長毛の子は、被毛のお手入れをしないと簡単に毛玉が形成され、皮膚病に繋がる恐れがあります。
また、グルーミング(毛づくろい)によって大量の毛を口にすることで、毛球症のリスクも上がります。

 
病気のリスクを減らし、美しい被毛を維持するために、定期的にブラッシングをしてあげましょう。

まとめ

猫,猫種,マンチカン,好発疾患,症状,対策, マンチカンは見た目にも非常にかわいらしい猫種であることは間違いありません。しかし、その一方でかかりやすい病気も多く、一緒に暮らす上では覚悟しなければならないことも少なくありません。 大切な家族の一員として病気に関する知識をしっかり身につけ、たくさんの愛情を注いであげてください。