犬の方が水を飲むのが下手?犬と猫の水の飲み方の違い
突然ですが、犬や猫はどのように水を飲んでいるか知っていますか?舌をスプーンのように水をすくって飲んでいると考えている人も多いかもしれませんが、実はそうではありませんでした。
また、一般的には、犬の方が水を飲むのが下手だと言われることが多いですが実際のところはどうなのでしょうか?
この記事では、犬と猫の水の飲み方の違いについてご紹介します。
犬や猫は人間のように水を飲めない
人間には厚い頬があり、液体を吸い込んだり、蓄えて飲み込むことができます。しかし、犬も猫も人間のような頬をもたないため、人間と同じ方法で水を飲むことはできません。
もちろん器用に手でコップを持って、口の中に水を流し込むこともできません。
では、犬や猫は一体どのように水を飲んでいるのでしょうか。実際には犬や猫はほぼ同じような舌の使い方をして水を口の中に運んでいます。詳しく見ていきましょう。
犬の水の飲み方
犬が水を飲む際、特に大型犬の場合は「ガポッガポッ」と少し大きな音を立てていることが多いかもしれません。豪快な飲みっぷりで、周りに水が飛び散ってしまうこともしばしばで、「犬は水を飲むのが下手」といわれるのはこれが理由です。犬を飼っている方なら身に覚えもあるでしょう。
そんな犬は、水の中に舌をしっかり入れて「J」のように丸め、舌の裏側で水をすくって勢いよく引っ込めます。その際、水面と口の間に水柱ができるため、水柱を口に含むことで水を飲み込みます。冒頭で述べたような、スプーンのように水をすくっていたわけではありませんでした。
なお、犬は1秒間に3回程度舌の出し入れをしているようです。
猫の水の飲み方
猫は水を飲むときも犬とほぼ同様な動きをして水柱を作り、素早く口を閉じることで水を飲んでいます。
ただし、犬と比べると水面付近までしか舌を入れないため、口の周りを濡らしたり、周りに水が飛び散ったりしにくいです。そのため、「巧みで優雅な飲み方」といわれることもあります。
猫は1秒間に4回程度舌を出し入れしており、一度の動作で0.14ml程度の水を飲んでいるといわれています。
犬と猫の飲水ASMR
ASMRとは、人の聴覚や視覚を刺激する、ゾクゾクしたり心地よくなる音を収録した動画のことで、耳かきの音や咀嚼音が人気を集めています。
今回ご紹介するのは、犬と猫がひたすらに水を飲んでいるだけの動画です。「それだけ?」と感じるかもしれませんが、不思議と見入ってしまうのでぜひ再生してみてください。
こうやって聴き比べてみると、犬の方が豪快に飲んでおり、猫の方がスピードが速いことにも気づきますね。普段は意識しなかった愛犬や愛猫の水を飲む様子が、余計に愛おしく感じるかもしれません。
犬と猫の飲水量の目安
犬や猫の飲水量で、体調の良し悪しがわかることもあります。いつもより多く飲んでいる、もしくは少ないというときは、何らかの体調不良を抱えている可能性があります。特に猫の場合は、高齢になると腎臓病になってしまうことが多いので、若い頃からしっかり水を飲ませることが大切です。
ここでは犬と猫の適切な飲水量について解説していきます。
犬と猫の飲水量の目安
犬も猫も1kgあたり50ml程度が目安です。
なお、普段ドライフードを食べているかウエットフードを食べているか、持病の有無によっても必要な飲水量は異なります。夏や冬といった外的環境により飲水量が変化することもありますので、多少増減があっても神経質になる必要はありません。しかし、様子がおかしいと感じたら、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
給水量を把握するには
犬や猫がどのくらいの水を飲んでいるか、なるべく普段からチェックしておきましょう。
水を容器に入れる前に計量カップなどで水の量を量ってから犬や猫に与えます。2、3時間後に容器に残っている水の量を量り、最初に入れた水の量から差し引くと飲水した量が算出できます。
また、目盛りがついた水飲みの容器もおすすめです。正確な値まではわかりませんが、どのくらいの量の水を飲んでいるかの目安にはなります。毎日計量カップなどで測定するのが負担な場合はこちらも検討してみてください。
まとめ
人間のように水を吸い込めない犬や猫は、舌を器用につかって水柱を作り、それを口に含むことで水を飲んでいました。どちらもほぼ同じ方法ですが、犬は周りに水を飛ばしながら豪快に、猫は素早くかつ優雅に飲む点が異なります。
犬や猫を飼っている場合は、飲水量の把握がとても重要です。特に環境の変化がないのに飲水量が減ってきたり、逆に増えてきた場合は、何かしらの異常が生じている可能性もあるため注意しましょう。
愛犬や愛猫が水を飲んでいる姿は何時間でも見られるような気がしますね。今まで意識したことがなかった方も、ぜひ一度水を飲んでいる様子を観察してみてください。
猫に水を飲ませるには?猫の健康のために試したい5つの方法
猫にとって「水」を飲むことは大変重要です。しかし、愛猫があまり水を飲まず心配になっている飼い主さんもいるでしょう。実際に猫は砂漠原産であるためか、積極的に水を飲みたがらない動物です。
飲水量が少ないと、腎臓病やFLUTD(猫下部尿路疾患)などに罹りやすくなるなど体調不良の原因になることもあります。猫の健康維持のためには、飲水量を増やすことがとても重要です。
今回は、猫になるべく多く水を飲ませる方法や工夫について、解説します。
猫に水を飲ませる4つのメリットとは?
猫が水を飲むことは、猫の体調や健康維持に複数のメリットがあります。
1. 腎臓の負担を減らす
水分を多く取ることで、猫の腎臓への負担を軽減できます。リビア砂漠周辺原産の猫は、水分をたくさん飲まなくても生きていける能力があります。そのため、猫はなるべく水分を体内から出さないため濃縮した尿を作ることが可能なのですが、この能力があるために、かえって腎臓に負担がかかっています。
人や犬に比べてネフロンという腎臓の組織が少ない点も猫の特徴です。ネフロンは血液をろ過して尿を生成する働きがありますが、一度壊れると元に戻らず腎臓病の原因になります。
水を飲ませて腎臓の負担を減らすことは、猫の健康維持そのものに深くかかわりがあるのです。
2. FLUTD(猫下部尿路疾患)を予防する
水分の摂取は、特発性膀胱炎や尿路結石などのFLUTD(猫下部尿路疾患)予防にもつながるといわれています。秋や冬は、尿路結石が増える傾向にあるというデータがありますが、これは気温が低下して水分摂取量が減るためと考えられています。
3. 便秘の改善
水分は、排便を促してくれます。水を飲むことで、便秘の改善も期待できるでしょう。
4. 熱中症の予防
水分摂取は熱中症の予防にも効果的です。暑い時期はもちろん、暖房が効いた部屋の中では新鮮な水の摂取が欠かせません。
猫に水を飲ませる方法
家の猫があまり水を飲まないときは、次の方法を試してみてください。
1. 容器を変えてみる
猫それぞれ好みの容器があるようです。どのような容器でも、ヒゲや毛が濡れる形状は嫌います。飲むたびにグラグラしたり、動いたりする容器も避けてください。
水入れの素材は陶器やガラス、セラミック、プラスチックなどさまざま。いろいろなタイプを用意して好みを探ってみましょう。調理用のガラスのボウルなどを好む猫もいます。
飲水量が把握できるように目盛りが付いていて、猫が飲みやすい高さになっている容器はおすすめです。滑り止めも付いています。
流れる水が好きな猫もいます。給水機を置くと水分摂取量が増えるかもしれません。水が跳ねにくいタイプがいいでしょう。
2. 複数の水をあちこちに置く
あちこちに水があると「ついでに水を飲むか」と飲む回数が増えます。猫がいつも過ごす場所、移動する際の通り道、猫のベッドのそばなど、いろいろな場所に水を置いてみましょう。
多頭飼いの場合は、飼っている猫の数より多く用意しましょう。ただし、トイレの横には置かないでください。排泄物のニオイなどがあると水を飲みません。
3. 肉や白身魚の茹で汁を加える
水に肉や白身魚の茹で汁を加えてみましょう。香りが立って、猫が興味を示します。フードにかけても水分補給になるでしょう。特に、飲水量が減りやすいシニアにはおすすめです。
4. ぬるめの水を与えてみる
ほんのり温かい水が好きな猫もいます。ぬるま湯を与えてみてください。
5. ウエットフードを与える
水そのものをどうやっても飲まない猫には、水分が多く含まれているウエットフードを与えるのもおすすめです。ただし、開封後は傷みやすいので注意してください。
ちなみに、未開封なら賞味期限が長いウエットフードは災害に備えてストックしておくのもおすすめです。水がなかなか手に入らない状況でも「水分補給プラス食事」が同時にできます。
猫に水を飲ませるときの注意点
猫に水を飲ませるときは、次の点に注意してください。
いつも新鮮な水を与える
最低でも一日一回は水を取り替えて、新鮮な水が飲めるようにしておきましょう。食べカスやゴミが浮いていたら、すぐに容器を洗い水を替えてください。
容器は清潔に!
水入れもこまめに洗って清潔を保つようにします。猫はデリケートな面があり、水入れが汚れていると飲まなくなる可能性があります。
ミネラルウォーターに注意
市販のミネラルウォーターの「硬水」は与えないようにしましょう。マグネシウムやカルシウム、カリウムなどミネラルがたくさん含まれているため、尿路結石ができやすくなる恐れがあります。
与える水は水道水で問題ありませんが、気になる方はペット専用のミネラルウォーターを与えてもいいでしょう。
多頭飼いはそれぞれの猫の飲水量を確認
どの猫がどのくらい水を飲んでいるかを確認するようにしましょう。水の量が減っていても、飲んでいない猫がいる可能性があるためです。
ケージに取り付けるノズルタイプは飲み口に注意!
舐めることで水が出てくるノズルタイプは、飲み口が汚れやすく細菌も繁殖しやすいデメリットがあります。顔を上げて飲まなくてはいけないので、飲みにくい猫もいるでしょう。
ケージに取り付けたい場合は、お皿が付いたタイプに変更するのもおすすめです。
こんなときは動物病院へ
次のような状況が見られたら、動物病院の受診をおすすめします。
水分の摂取量が多くなった
猫の飲水量が増えたら動物病院を受診してください。腎臓疾患や糖尿病などの病気になっている可能性もあります。特に水をがぶ飲みしておしっこの量が多い場合は注意が必要です。
水を飲むと吐く
水を飲んだあと嘔吐をする場合も、体調を崩しているかもしれません。早めに受診しましょう。
まとめ
猫の健康維持にとって、水はとても大切なものです。好みの容器や置き場所を探って、しっかり水分補給ができるようにしてあげましょう。いつも新鮮な水が飲めるように心を配り、容器もこまめに洗うことも重要です。
もし、急に飲水量が増えたり、水を飲んだあと吐いたりする場合は動物病院を受診してください。
【5分で分かる】保護猫や野良猫がご飯を食べない時の原因と対処法
「家に来てから全然ご飯を食べてくれない……」保護猫や野良猫出身の猫を飼い始めてからご飯を食べてくれなくて悩んでいる飼い主さんは多いのではないでしょうか。
猫は環境の変化が苦手なので、警戒をしてなかなかご飯を食べないことも少なくありません。筆者が猫(野良猫出身)を飼い始めた時もご飯を食べてくれるまで2〜3日かかりました。
今回は、筆者の実体験に基づき「保護猫や野良猫出身の猫がご飯を食べない理由やご飯を食べさせるためのポイント」をわかりやすくご紹介します。
保護猫がご飯を食べない2つの原因
保護猫や野良猫出身の猫がご飯を食べてくれない場合は、以下の2つの原因が考えられます。
1.環境が変わったことによるストレスや警戒
猫は環境の変化が苦手な動物です。そのため、ただでさえ環境の変化が多かった保護猫や野良猫出身の猫は突然知らない場所に連れて来られて不安と緊張でいっぱいになっています。
猫が警戒している状態では、安心してご飯を食べたり水を飲んだりすることもできません。
2.食の好みが合っていない
野良猫時代、もしくは前の飼い主時代に、猫缶や人間の食べ物ばかり食べていたことが原因の場合もあります。
猫缶ばかり食べていた猫はドライフードを嫌がって食べないことがあります。また、猫は濃い味のものが好きなため、濃い味に慣れてしまうと、薄味のご飯を食べなくなってしまうこともあります。
保護猫にご飯を食べさせるためのポイント
ご飯をあげても食べてくれない場合に、飼い主さんができる工夫をご紹介します。
ご飯をあげたらそっとしておく
ご飯をあげたら猫が食べてくれるかどうか気になってしまいますが、ご飯を置いた後は猫をそっとしておきます。最低限のお世話以外は極力関わらないようにしましょう。
数日間は猫がご飯を食べなくても、静かに様子を見てあげてください。しかし、3〜4日経ってもご飯を食べない場合は、一度動物病院に連れていくことを検討しましょう。
猫が警戒するようなことはしない
飼い猫が元野良猫だった場合、警戒心が特に強いでしょう。猫は警戒しているとなかなかご飯を食べてくれません。
また、とても音に敏感なので、数日間はそわそわと動いたり、掃除機などの大きい音を立てないようにしましょう。
また、猫をケージに入れている場合は、ケージに毛布やタオルをかけてあげましょう。余計なものが猫の視界に入らなくなり、警戒している猫でも安心しやすくなります。
ドライフードはバラエティパックがおすすめ
猫にも魚や肉など好みがあるため、フードが気に入らず食べない場合があります。ドライフードを購入する場合は、色々な味が試せる200〜300gほどのバラエティパックを選ぶと良いでしょう。
筆者は、2kgの同じ味のフードを買ったものの、野良猫出身の子はあまり食べず困ってしまったことがありました。
筆者が飼っている野良猫出身の子が食べてくれたフードは「モンプチ ボックスタイプ バラエティパック 4つのこだわりお魚バラエティ」です。1食分の小分けで4種類の味が入っているので、どれかは食べてくれる可能性が高いでしょう。
ウェットフードの方が食べてくれる
ドライフードをどうしても食べられない場合は、ウェットフードと混ぜ合わせてあげましょう。
ウェットフードとドライフードが混ざっていないと、ドライフードのみ残してしまう場合があるのでスプーンでしっかり混ぜてあげてください。
ドライフードの上にトッピングをかける
ドライフードを食べない時に、フードの上ににぼしや鰹節、チャオちゅーるなどをトッピングすると食べてくれる場合があります。
もし、煮干しや鰹節をかける場合は、人間用のものは塩分が濃いため必ず猫用をあげてください。
保護猫がご飯を食べ始めたら
猫が少しでもご飯を食べ始めたら、徐々に食べる量が増えていくので安心してください。
ここでは保護猫や野良猫出身の猫がご飯を食べ始めた後の注意点やポイントをご紹介します。
最初は飼っている猫が好きなご飯をあげる
好き嫌いが多い猫も少なくありません。
保護猫や野良猫出身の猫が偏食気味で気になる飼い主さんも、猫が家に慣れるまで最初の1ヶ月ほどは食べることを優先してご飯をあげてください。
好き嫌いが激しい場合、お腹が減っても食べないこともあり、驚くほどにすぐに痩せてしまう可能性もあります。筆者が飼っている野良猫出身の子は、好き嫌いがあってドライフード単体では食べてくれず、痩せてしまった経験があります。
そのため、保護猫や野良猫出身の猫の場合は、その子が家に慣れるまでは、しっかりご飯を食べられるように甘やかしてあげてください。
偏食気味でも気にしない
たとえ最初は偏食気味でも、その好みは徐々に変わっていきます。
筆者が飼っている野良猫出身の子の場合は少しずつウェットフードやトッピングを減らしたりすることで、今ではドライフード一筋に変わりました。
トッピングなしのドライフードに切り替わるまで2〜3ヶ月かかりましたが、猫もわがままを言わず、だんだんと変化していくので安心してください。
まとめ
今回は、保護猫(または元野良猫)がご飯を食べない時の対処法を中心にご紹介しました。
最初はなかなかご飯を食べず心配だとは思いますが、保護した猫がご飯を食べられるようになるまで優しく見守ってあげてください。敵意を見せなければ、時間がかかってもいつかは警戒を解いてくれます。
まずは、ウェットフードなど猫が好むエサをあげて、ゆっくり時間をかけて環境に慣らしていきましょう。
【獣医師監修】猫が水を飲まないのは病気?動物病院を受診すべき?
猫の飼い主さんであれば、日常生活の中で愛猫の食事量や尿量、排便回数などを気にしている方も多いでしょう。
しかし、猫が飲む水の量はいかがでしょうか?目には見えづらいこともあり、なかなか把握できていない飼い主さんもいることと思います。
もしも猫の飲水量が少ないのなら、猫の体に異変が起きている可能性があります。
今回の記事では、猫の飲水異常について、獣医師が詳しく解説していきます。
そもそも飲水異常とは
飲水異常は、「水を飲めない」、あるいは「水を飲む量が少ない」状態のことを指します。
ややこしいですが、水をたくさん飲むようになる「多飲」とは区別しています。
猫が水を飲まなくなる理由
猫が水を飲まなくなる原因は主に口の中にあります。水を飲まない以外にも、食欲不振などの症状を伴うことが多いです。
飲水量の低下は脱水状態を引き起こし、循環する血液量が減少してしまいます。
これによって尿を産生する腎臓への負担が増大し、慢性腎不全のリスクが高まることになります。
猫の飲水異常で受診した際に聞かれること
動物病院内では緊張もあって、猫の飲水の様子を確認できないことがあります。
そのため、自宅での猫の様子が、飲水異常の原因を探る手掛かりとなります。
- 飼育環境:食物の種類や形状(カリカリ、缶詰など)、飲水用容器の形状など
- 元気、食欲の有無:飲水行動をするか
- 嘔吐や下痢の有無:そのほかにも体調に異変はないか
- 飲水量:どの程度、飲水量が減少したのか
猫の様子を動画撮影しておこう
猫が水を飲みにくそうにしている様子を動画で撮影しておくと、診断の役に立つかもしれません。
しかし、水飲み場でカメラを構えていては、猫も落ち着いて水を飲めません。
遠くから、さりげなく撮影しましょう。また、猫の手が届かないところからに定点カメラを設置しておくと便利です。
猫の飲水異常で考えられる疾患
なぜ愛猫が水を飲まないのか、考えられる理由はいくつかあります。
もし健康上の問題があるとしたら、速やかに異常を取り除く必要があります。
衰弱
猫が弱ってしまって、水を飲もうにも動けない状態です。
衰弱する原因は様々ですが、猫が弱っていることが確認できた場合はすぐに動物病院を受診してください。
猫は、本能的に体調不良を隠そうとする動物です。気が付いた頃にはすでに衰弱していることもあります。
口内炎
猫が口を痛がり、飲食に支障を来たしている状態です。
猫では、猫カリシウイルスの感染、慢性腎不全による粘膜の傷害、リンパ球形質細胞性口内炎がよく見られます。
抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与によって改善されることもあれば、治療がなかなか効かないこともあります。
また、肥満傾向のある猫では、食欲不振が継続することで「肝リピドーシス」という病気を発症することもあるため、たかが口内炎と言って甘く見てはいけません。
歯肉炎
「3歳以上の猫の80%以上が歯周病」というデータもあるように、今や歯周病は猫にとっても一般的な疾患になりつつあります。
大抵の場合、飲水障害が見られる前に固いものを食べづらそうにする様子が見られます。
ドライフードを常食としている猫は、歯周病を見つけやすいかもしれません。
破歯(はし)細胞性吸収病巣
猫では、歯肉縁の歯質に吸収が起こることが報告されています。
つまり、歯が溶けてしまっているのです。
1976年に初めて報告された疾患で、原因は不明ですが、猫の60%に発生していると言われています。
歯肉炎と同様に、口の痛みによって飲食が障害されます。
破折(はせつ)
ケンカや不慮の事故などによって、歯が折れてしまうことがあります。
先端が欠けている程度であれば無症状のことも多いですが、深く折れている場合は歯髄が露出し、痛みが生じます。
ケンカでの破折はほとんどが犬歯であるため、外からでも発見することは難しくありません。
口腔内腫瘍
猫の口腔内腫瘍はほとんどが悪性で、扁平上皮癌と線維肉腫が多いとされています。
食欲不振、口臭、嚥下(えんげ)障害(物をうまく飲み込めない状態)が見られることが多いため、飲水障害以外の症状にも注意が必要です。
咽喉頭麻痺
のど(咽頭)から食道への食物の移送がうまく行えない状態を咽頭麻痺と言います。
原因は中枢神経系の異常や、神経筋接合部の異常などが考えられますが、ほとんどが先天性のものと言われています。
飲み込むことがスムーズでなくなるため、誤嚥性肺炎のリスクもあります。
眼疾患
白内障や網膜剥離などによって、視力の低下、あるいは失明が起こると飲水行動が減少します。
猫の視力の測定は非常に困難ですが、あまり動かなくなる、慣れている場所で家具にぶつかるなどの徴候が見られた際には要注意です。
猫の飲水で普段から気をつけたいこと
飲水量の減少は、よほど注意していないと見逃してしまう徴候です。
普段から、猫の健康に関するデータは揃えておきましょう。
飲水量の把握は日頃から
置き水や多頭飼育の場合には、正確な飲水量の測定は困難というか不可能です。
しかし、最初に器に入れておく水の量を把握し、一日でどのくらい水が減ったのかを見ることはできます。
メモリがついている器などを選ぶとよいかもしれません。
飲水用の器を変えてみる
猫の中には、気に入らない器からは水を飲まない子もいます。
また、成長などによって体の構造が変化すると、ずっと使用している器でも水が飲みにくくなることもあります。
病気の可能性も疑いつつ、猫の器を試しに変えてみるとよいでしょう。
まとめ
腎不全のリスクを低下させるためにも、猫にはたくさん水を飲んで欲しいところです。
そのためにも、猫の飲水量の異常に一早く気付くことは大切です。
猫の飼い主さんは、愛猫の飲水状態を日頃から観察し、何か異常があれば早目に動物病院を受診しましょう。
猫は「水」以外も飲める?猫にあげても良い飲み物7選
飼い主のみなさんは、飼い猫にどんな飲み物をあげていますか?おそらくほとんどの方が、「水」をあげているのではないでしょうか。
映画やアニメで猫がミルクをなめているところを見たことがあるかもしれませんが、普通の牛乳では猫ちゃんの体には合いません。カフェインを含む飲み物やアルコールは、もちろん与えてはいけません。
そして、実は水は水でも、ミネラルが多い硬水はあまりよくありません。
それでは、猫は水の他に何を飲めるのでしょうか?猫ちゃんが好きな味の飲み物が見つかれば、体の水分が不足しているのになかなか水を飲んでくれない時などにも役立つかもしれません。
今回は、水以外に猫が飲める飲み物を7つご紹介します。
猫にあげてもいい飲み物①麦茶
麦茶には血圧を下げて血液をさらさらにする効果があると言われています。
麦茶をなぜ飲むことができるのかというと、ミネラルが少なく、カフェインが含まれていないからです。麦茶は麦茶でも、中にはミネラルの多いものもありますので、与えるのであれば、赤ちゃん用麦茶が良いでしょう。
麦茶、黒豆茶、タンポポ茶以外のお茶はカフェインが含まれているため、絶対に与えてはいけません。
猫にあげてもいい飲み物②黒豆茶
黒豆茶にはアントシアニンが含まれており、老化予防に役立つと言われています。また、血流の改善や血圧の抑制という効能も。
美容に良いと言われ、さらにはダイエットのときに用いる女性も多数。高齢の猫にはぴったりのお茶です。
猫にあげてもいい飲み物③タンポポ茶
タンポポの根は別名、「おねしょのハーブ」とも言われています。その理由は、利尿作用がすごいから。身体のなかの毒素を一気に吐き出してくれます。
普段おしっこの頻度が低い猫ちゃんには是非飲ませてあげたいお茶ですね。
しかし、あまりおしっこが上手でない子に飲ませてしまうと、家のなかが大変なことになってしまうかもしれないので注意しましょう。
猫にあげてもいい飲み物④肉や魚の茹で汁
猫用に肉や魚を茹でた時にでるゆで汁を、水分補給の1つとして与えるのは問題ありません。
一緒に新鮮な水も置いておいてあげると良いでしょう。
ただし、肉や魚に味が付いておらず、茹で汁に調味料が入っていない場合に限ります。
また、熱い場合は必ず冷ましましょう。
猫にあげてもいい飲み物⑤無乳糖牛乳
なぜ普通の牛乳ではなく無乳糖の牛乳でなければならいかというと、猫は乳糖の分解があまり得意ではないからです。猫にもよりますが、牛乳を飲むと下痢をしてしまうという子は多いようです。
それでも、牛乳を好んで飲む猫もいるでしょう。そんな子には、ぜひ無乳糖の牛乳か、下記で紹介する猫用のミルクを飲ませてあげてください。
猫にあげてもいい飲み物⑥猫用ミルク
無糖乳の牛乳もそうですが、当然猫用のミルクも大丈夫です。
離乳前・離乳食時の子猫には子猫用のミルク。成猫には成猫用のミルクをあげましょう。
猫にあげてもいい飲み物⑦ペット用スポーツドリンク
ペット用のスポーツドリンクは、水分補給が素早くできるので、夏バテ防止策で与えている飼い主さんが多いようです。
人間用のスポーツドリンクは糖分が多く含まれているため、与えてはいけません。必ずペット用のものをあげるようにし、あげすぎにはくれぐれも注意しましょう。
それでも普段は「水」が1番!
中には「飲み物が水ばかりではかわいそう」と感じてしまう飼い主さんもいるようですが、普段飲ませるのは基本的に、「水」にしましょう。
いくら与えても大丈夫だからと言って、上記で挙げた飲み物を、普段から飲ませるということはやめた方が良いでしょう。
それでも普通の水道水ではなく、何か特別なものを与えたいという飼い主さんは、猫ちゃんは、水の味に敏感だと言われていますから、おいしい水にこだわってあげると、喜んでくれるかもしれません!
愛猫のために。
猫ちゃんが口にするものは、健康に大きく関わっています。水をあまり飲まないという猫には、上記の7つの飲み物を試してあげてください。麦茶は特に気に入る子が多いようです。
猫ちゃんと飼い主さんが、いつまでも健康で、幸せな毎日が過ごせますように!
【猫クイズ】愛猫が水を飲まない!?気をつけたい病気と対策法
水分を摂取できないと猫の身体にどういった影響が出るのか、どうやったら飲んでくれるのかをクイズ形式でまとめてみました。
それではさっそく、猫クイズにチャレンジしてみましょう!
糖尿病は免疫異常や肥満、肺水腫は心臓の疾患により発症します。もちろん、どの病気も水を飲ませたから発症しないというわけではありません。しかし、水分が不足するとそれだけで身体に負担がかかりますので、水分補給には特に気をつけるようにしてください。
ドライフードに水やお湯をかけてふやかすという方法もあります。ささみの茹で汁などをかけるとよく食べたというケースも聞きますので、どうしても飲まないという方は試してみてはいかがでしょうか。また、猫は新鮮で流れる水が大好きです。蛇口から直接飲む子もいますが、ずっと水を流しているわけにもいきませんので、循環式の給水機を使うといいでしょう。
カルキ臭が苦手な子には、一度沸かした水を冷ましてあげると良いでしょう。また、猫は体温に近いくらいのお湯をあげると嬉しそうに飲んでくれることも多いようです。
ウェットフードは80%が水分でできているため、5-10%が水分のドライフードとは得られる水分量にかなり大きな差があります。今までドライフードをあげていたのならば、それをウェットフードに変えてみるといいかもしれません。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
猫が水を飲まない!その理由と、試してみたい10の対策
金魚の飼い方クイズ。正しい飼い方を知っていますか?
今回はクイズを交えて金魚の飼い方を学びましょう!
まずは、塩素を取り除いた水道水で0.5%塩水を作り、1、2週間ほどその中で金魚を休ませてあげください。塩分を加えることで水と金魚の体内が近い浸透圧になり、余計な負担がかからずリラックスできます。さらに、金魚に付着した雑菌が弱り、病気の予防もできます。
また、お迎えしてすぐに餌を与えると移動などのストレスから消化不良になり、金魚に負担がかかってしまうことがあります。3日程度は餌を与えるのを控え、新しい環境に慣れてきてから少しずつ与えましょう。
カルシウムやマグネシウムの多すぎる硬水は飼育には適していませんので注意しましょう。
天然飼料を喜んで食べますが、値段が高いのが難点です。栄養バランスも人工飼料の方が良いので、天然飼料は特別な時に与えることをオススメします。
詳細が知りたい方はこちらをぜひ見てみてください。
水質管理が大事!意外と知らない金魚の飼い方
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お祭りの金魚すくいってどうなの?長生きさせるコツなど
金魚をお迎えしたらまず最初にやること

金魚に適した水の作り方

水を太陽光の下に置いておく
バケツに水を入れ、2、3日屋外に置いておくことで塩素を抜きます。 夏場など紫外線が強い日では丸一日で抜けるとされていますが、冬や天気の悪い日はしっかり太陽光を当てましょう。 この方法だとすぐに水を使用できません。しかし、数日間放置しておけばいいのでお金もかかりません。計画的に行える方には一番おすすめの方法です。水を沸騰させる
水を沸騰させることで水道水の塩素を除くこともできます。 ヤカンのふたを外し、5分程度沸騰させます。最近の電気ケトルや電気ポットは、沸騰すると電源が切れるようになっているものが多く、この方法には適していませんので注意しましょう。 もちろん、沸騰したあとはしっかり冷ましてから使用してください。人間にとってぬるいと感じる温度でも、金魚にとっては熱いことがあります。また、沸騰させたあとの水は、溶け込んでいる酸素の量が少なくなっています。ペットボトルなどに入れて振ることで酸素量を十分に増やしてあげると良いでしょう。市販の中和剤を使用
時間がないときは、市販の中和剤を入れることですぐに使用可能です。 量が多く安いため、慣れている方は市販の中和剤を使っている方も多いようです。 ちなみに、家庭用浄水器を用いる方法が紹介されているサイトもありますが、塩素を完全に取り除くことはできないので、あまりおすすめできません。多少手間でも、確実な方法で塩素を除去しましょう。金魚を水槽に入れる

水換えの方法

金魚のエサ

金魚とコミュニケーションを取る

最後に

見た目はいつもと同じなのに金魚が動かない…!?その原因と改善策。