ペット保険に入るべき?入らなくても良い?大事なのは後悔しないことと事前の準備

「愛犬にずっと健康でいて欲しい」という思いは、多くの飼い主さんの共通の思いではないでしょうか。しかし、ワンちゃんも病気にかかってしまったり、ケガをしてしまうことがあります。

人の場合は健康保険制度が整備されているため、保険適用外の治療でなければ、基本的には全額を負担することはありません。しかし、ペットにはそのような保険制度がないため、民間のペット保険に加入していなければ、ペットの治療費は全額飼い主負担となります。民間のペット保険の加入にも、それなりのお金が必要で、すぐに加入すべきかどうかは正直わからないという方が多いのではないでしょうか。

もしもの時にお金を負担してくれる、民間のペット保険。ペット保険のメリットとデメリットを整理し、ペット保険に加入しても、加入しなくても、万一の時に後悔しないよう備えておくことが大事です。

ペットの医療費は10割負担

貯金箱
私たち人間の場合は、医療費の一部に健康保険がおります。2019年現在では、基本的には実際にかかった医療費のうちの3割を病院の窓口で支払えば良いことになっています。3千円の支払いだった場合、実際には1万円かかっているということです。

しかし、ペットの場合は、公的な健康保険がないため10割負担です。つまり、1万円人間の医療費の負担とは異なるため、自分が治療を受けるときの感覚のままペットを連れて動物病院に行くと、会計時にびっくりしてしまうかもしれません。

また、近年ではペットの寿命が伸び、同時に医療も高度に進歩をしてきました。愛犬が長生きをすることはとても喜ばしいことです。しかし、高度医療には高額な医療費がかかってしまうのも事実です。そして、高齢期はどうしてもケガや病気にかかるリスクも高まりますので、若年期よりも治療費が増えるだろうことは想像に難くありません。

飼い主さんは、これらのことを事前に理解しておき、不測の事態に備える必要があります。

ペットにかかる医療費

獣医と犬

年間費用

ペット保険のアニコムが毎年行なっているアンケート結果によると、病気やケガの年間治療費は犬の場合で7万円ほど、猫の場合で4万円ほどかかるそうです。ただし、これは平均値です。とても健康でほぼゼロに近いというケースもあれば、重い病気を患ってしまい、何十万円と費用がかかってしまうケースもあります。

それでは、思わぬ事故や病気にあってしまった場合、いくらぐらいお金がかかるものなのでしょうか?

誤飲事故の場合

0歳の犬に多く見られます。本来食べるべきでないものを飲み込んでしまい、吐き出せなくなってしまう事故です。何かを吐き出そうとえずいていたら誤飲事故の疑いがあります。

手術をした場合の医療費は13万円、手術をしなかった場合は2万円ほどかかると言われています。

骨折の治療

0歳から1歳の犬に多く見られます。成長期の犬の骨はまだ弱く、特に小型犬はちょっとした段差などでも骨折してしまうことがあります。足を引きずって歩いていたり、急に極端に動かなくなったら骨折の可能性があります。

手術をした場合の医療費は23万円、手術をしなかった場合は6万円ほどかかると言われています。

目の病気の治療

多く見られる目の病気は角膜炎、外傷性の角結膜炎、網膜剥離などです。目の病気は気づきにくく、重症化する恐れがあるので要注意。

手術をした場合の医療費は13万円、手術をしなかった場合は1万円ほどかかると言われています。

ペット保険とは

医療
ペット保険とは、月々いくらかの保険料を支払うことで、大きな医療費がかかったときにその費用の一部を保険会社が負担してくれる、というサービスです。月々の費用は保険会社やプラン、ペットの年齢にもよりますが、だいたい月々千円~4千円が相場です。

ペット保険によって異なりますが、基本的には補償には年間の上限額があります。年間100万円を超える金額を上限としているところもあれば、数十万円が上限になっていることもあります。また、プランによって、補償額の割合も異なります。半分しか補償してくれないものもあれば、9割まで補償してくれるものもあり、さまざまです。このあたりをきちんと見て、加入するプランを決める必要があります。

そして、最大の違いは、窓口精算ができるかできないか、です。窓口精算ができるペット保険の場合は、人間と同様、動物病院の窓口で保険証を提示し、自己負担額のみを負担すればOKです。これができないペット保険の場合は、窓口では全額を支払い、後で保険会社に請求することになります。

現在では、ペット保険専門の会社から、携帯電話会社に至るまで、とても多くの企業がペット保険を提供しています。その中でも代表的なペット保険をいくつかご紹介します。

ペット保険「うちの子」

アイペット損害保険が提供するペット保険です。通院から入院・手術まで幅広くカバーしています。また、入院・手術のみをカバーした「うちの子ライト」も。どちらも12歳11カ月まで新規加入できます。

無事故継続割引や多頭割引、全国のカフェ・トリミング施設等で使える優待サービスが付いており、契約内容はいつでも専用webページで確認できます。

ペット保険「うちの子」
https://www.ipet-ins.com/campaign/lify/

SBIいきいき少短のペット保険

SBIいきいき少額短期保険が提供するペット保険です。通院から入院・手術までカバーしており、11歳11カ月まで申し込みOKです。

また、インターネットから申し込むと、保険料が全期間10%オフになります。

SBIいきいき少短のペット保険
https://www.i-sedai.com/pet/

PS保険

ペットメディカルサポート株式会社が提供するペット保険です。8歳11カ月まで新規加入できます。

免責金額の設定と最低診療費に関する制約がなく、ちょっとしたケガや病気のときにも利用できます。

PS保険
https://pshoken.co.jp/

もしもに備えて

人と犬
ペット保険に入っておけば、もしもの時の負担を減らすことができます。しかし、ペット保険への加入にもお金はかかります。その費用は様々ですが、月に数千円は必要になるでしょう。

そして、負担を減らせると言っても、全額を負担してくれる内容なのか、年間の上限額はないか等、詳細を確認すると安い保険は保証もそれなりなことが多いのも事実です。さらには、人間の民間の生命保険や医療保険も同様ですが、ペットも年齢が上がるにつれ、保険にかかる金額も上がることが多く、途中でペット保険を解約するという飼い主さんも少なくありません。

しかし、ペットがいつ事故や病気などで動物病院にかかることになるかは誰にも予想できません。もし、ペットが大きな病気、ケガをしたとき、お金がないがために取り返しのつかないことになってしまえば、一生後悔が残ってしまうかもしれません。

ペット保険に入るか入らないかは自由です。いずれにしても、いざという時にお金がなくて治療が受けられないというのは避けたいところ。後悔しないように、日頃から準備をしておいたほうが良いことは間違いありません。

犬に関するお金は「治療費」などが増加し、終生飼養に掛かる支出合計額は700万円以上にも!?

犬に関する支出はここ10年でどう変わってきているのでしょうか?ペット保険のアニコム損害保険株式会社が同社の契約者に対し毎年行っている調査結果をもとに、2009年から2018年の10年間の推移を分析しました。

現在、犬を飼っている人も、これから飼いたいと思っている人も、何にどのくらいお金が掛かるのか、ぜひ参考にしてみてください。

「ドッグランなど遊べる施設」に使う金額が10年で1.5倍に

チンチラ
10年間で最も増加率が高かったのが、「ドッグランなど遊べる施設」に関する支出でした。

2009年の「ドッグランなど遊べる施設」に使う年間金額は平均して7,904円。2010年に増加するものの、そこから減少傾向にあり、2015年には5,661円まで下がります。しかし、2016年に一気に9,706円まで増加し、その後も上がり続けて、2017年には1万円台に到達し、2018年には11,990円となりました。

2016年を境に「ドッグランなど遊べる施設」への支出傾向が大きく変わっています。また、ここ3年間は愛犬と一緒に遊びに行く機会が増加していることが分かります。現在はまだ年間1万円程度ではありますが、今後は愛犬と一緒に旅行するという人も増加し、旅費も含めると大きな金額になっていくかもしれませんね。

ドッグラングラフ

サロン通いが定着化

チンチラ
昔ながらの日本犬には必ずしも必要ではなかった「シャンプー・カット・トリミング料」ですが、最近人気のトイプードルなどの犬種にはトリミングが必要です。

そういった人気犬種の影響か、この項目の年間支出額は多少のばらつきはあるものの、大きく見ると年々増加傾向にあると言えるでしょう。2009年には32,547円でしたが、2018年には47,653円と約1.4倍になっています。ここでも2016年を境にした3年間は、45,000円台から47,000円台を保っています。

トリミンググラフ

「病気やケガの治療費」の年間支出額は7万円台

チンチラ
ペットの医療も人間並みに進み、癌(がん)など医療費がかかる病気も増加しています。愛犬家にとって「病気やケガの治療費」は気になるところでしょう。この調査で最も高額な支出額だったのが「病気やケガの治療費」でした。

2009年は51,318円で、2010年には少し減少したものの、2011年からは増加し続け、2014年には80,912円に達します。一気に高額になってきた治療費ですが、2015年と2016年には約2万円強も減少して57,000円台になリます。その後、2017年は71,135円、2018年は70,358円と7万円台に増加しています。

治療費グラフ

治療費は小型犬よりも大型犬の方が高くなる傾向があります。人気犬種の影響もあるのか、年によって波がある「病気やケガの治療費」ですが、年間7万円の支出となると家計にはかなり響く項目だと言えそうです。

サプリメントなど健康志向へ

チンチラ
治療費の次に高額だったのが犬の食費である「フード・おやつ」です。

2011年の44,061円から少しずつ増加し続け、2017年には約1万円増の58,601円にまで上がりました。2018年は微減したものの、10年間では124%に上がっており、月額にすると5,000円近く多く出費していることが分かります。

フードグラフ

食事と同じように犬が口にするものとして、2017年から新たに「サプリメント」の項目が調査に加えられ、2017年には23,902円、2018年には23,355円と、ともに2万円台という結果が出ました。

サプリメントはフードのように必ず必要というわけではないため、全くお金をかけていない飼い主もいるでしょう。2万円という数値はあくまで平均値であるため、さらにお金をかけてサプリメントを愛犬に与えている健康志向の飼い主が増えてきているのではないでしょうか。

生涯飼養にかかる支出は480万円から700万円以上に

支出
この調査では、前述の4項目の年間支出額に加え、「しつけ・トレーニング料」「ペット保険料」「ワクチン・健康診断等の予防費」「ペットホテル・ペットシッター」「日用品」「洋服」「首輪・リード」の7項目の年間支出額を算出しています。これらの金額を合算し「共通項目の合計」としてまとめたものがグラフの青色の部分です。

2009年は314,103円で、2014年までは緩やかな増加傾向で35万円台でした。2015年と2016年は33万円台に下がり、2017年以降は再び増加に転じています。

2011年からは「防災用品」の支出額が加わり、さらに2017年から「サプリメント」「交通費」「光熱費(飼育に伴う追加分)」が加わっています。それらの項目を全て加えた2018年の年間支出合計額は、480,420円となりました。

犬の寿命は10年から15年程度と言われていますので、単純計算すると犬1頭の生涯の飼養には4,804,200円から7,206,300円という金額が掛かることが、この調査結果からわかります。

ただし、これらの数値はあくまでアニコムの契約者を対象にした調査の「平均値」であり、実際にかかる費用は、犬のサイズ、病気の頻度、嗜好品への関心度合いなどによって個体差があります。
合計額グラフ

合計額グラフ

最後に

犬と女性
このように支出額だけを見ても「かわいい」というだけで犬を買うべきではないことが分かります。

もちろんお金の問題だけでなく、命ある動物を飼うからにはさまざまな責任が発生しますが、経済面でも終生飼養をする覚悟や準備が必要だと思わされる調査結果だったのではないでしょうか。

調査結果を分析してみると、お出かけやトリミング、健康食品など、嗜好品への出費が増えていることがわかります。ワンちゃんとより楽しい生活を送るためには、最低限の出費だけでなく、こうした嗜好品への出費がある可能性を考えておくと良いかもしれませんね。

出典
2018年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2018/news_0190315.html
2017年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2017/news_0180315.html
2016年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0170322.html
2015年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2015/news_0160314.html
2014年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2014/news_0150202.html
2013年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2013/news_0140129.html
2012年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2012/news_0130129.html
2011年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2011/news_0120124.html
2009年・2010年調査結果
 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2010/news_0110309.html