パピーミルとは?日本の事件と世界の法律を知り動物たちを守ろう

ペットショップのショーケースに並ぶ可愛らしい子犬や子猫たち。皆さんは、この無垢であどけない動物たちがどのような所で生まれてきたのか考えたことがあるでしょうか。その場所は、もしかしたら恐ろしいパピーミルだったかもしれません。

この記事では、日本のパピーミルで起きた事件や世界のパピーミルに関する法律などを紹介します。不幸な動物たちを減らすために私たちができることについて考える一助となれば幸いです。

パピーミルとは

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パピーミル(Puppy mill)とは、直訳すると「子犬工場」を意味し、子犬の販売による利益のみを追求し、犬たちを劣悪な環境で大量に繁殖させる施設を指します。イギリスなどではパピーファーム(Puppy Farm)とも呼ばれます(以下、パピーミル)。

パピーミルでは、多くの犬が狭く不衛生なケージに押し込められ、十分な運動や社会的な交流ができない状態で飼育されているため、犬たちの多くは精神的・肉体的な健康を害し、深刻な状況に置かれています。

また、本来ブリーダーは犬種の特性や遺伝的な疾患の有無などを考慮して繁殖を行いますが、パピーミルの繁殖業者は利益を優先するあまり、それらの点が考慮されない交配が行われます。その結果、健康問題を抱えた子犬が生まれてしまう点も問題視されています。

日本のパピーミルで起きた残虐な事件

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パピーミルで起きた動物虐待事件として有名なのは、2021年に発覚した長野県松本市のペット繁殖業者の事件です。450頭余りの犬が劣悪な環境で飼育されていたことが明らかになり、11月には繁殖業者の社長と社員が動物愛護法違反の疑いで逮捕されました。

さらに、麻酔なしで犬たちを帝王切開していたという非常にショッキングな事実も明らかになり、多くの人々の記憶に残っていることでしょう。

※事件の詳細はこちらの記事をご覧ください。

「死んだ犬は弁当ゴミと一緒に処理」「餌は2日に1回、水は川から」…元従業員が告発 悪質ペット繁殖業者逮捕《ペットブームで飼育頭数は2倍強に》 | 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/50582

事件の判決

2024年5月10日に開かれた判決公判では、被告に懲役1年・罰金10万円、執行猶予3年の判決が言い渡されました。

このあまりにも軽い判決に対し、動物の福祉に関心を持つ人々からは落胆や憤り、日本が動物福祉後進国であることを嘆く声が聞かれます。

動物たちを劣悪な環境に置き、精神的・肉体的な健康を害するパピーミルは、今や日本だけでなく世界的な問題となっています。しかし、世界にはこの問題の解決を目指して、一歩進んだ法律を制定している国もあります。

アメリカ・ニューヨーク州「パピーミル・パイプライン法」

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2024年12月にはアメリカのニューヨーク州で「パピーミル・パイプライン法」が施行されます。この法律は、ペットショップでの犬、猫、うさぎの販売を禁止し、シェルターからの引き取りを推奨する内容となっています。

アメリカでは、カリフォルニア州やイリノイ州などですでにペットショップでの犬、猫、うさぎの販売が禁止されていますが、ペットショップが多いニューヨーク州でこの法律が可決されたことで大きな注目を集めています。

法律制定の背景とは

アメリカにおいても、以前からパピーミルの存在は動物福祉の観点から大きな問題とされてきました。具体的な事例として、以下のものがあります。

2021年、アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)は、米国農務省(USDA)が認可しているアイオワ州の繁殖施設から500頭以上の犬を救出しました。この施設は2019年にUSDAの認可を受けていましたが、数年間にわたり施設の調査が行われていませんでした。

2021年になってUSDAがようやく施設を視察したところ、パルボウイルスやジステンパーなどの病気の発生、水や食料の不足、犬の死骸や瀕死の犬の発見など、合計190件以上の動物福祉法の違反が明らかになりました。

さらに、ニューヨークで子犬を販売しているペットショップの3分の1以上が、このブリーダーから子犬を仕入れていたことも判明しています。

参考:
The Connection Between a Cruel Iowa Puppy Mill and New York Pet Stores | ASPCA

このようなパピーミルはアメリカ中西部に多く存在し、各地に供給ルートを張り巡らせており、ニューヨーク州のペットショップがその供給先となっています。そこで、パピーミルから子犬をニューヨークへ運ぶ「パイプライン」を遮断するため、ニューヨーク州ではペットショップの規制に乗り出しました。

イギリス「ルーシー法」

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イギリスには2020年に導入された通称「ルーシー法」と呼ばれる法律があります。この法律では、第三者(ペットショップなど)による子犬や子猫の商業販売を禁止することで、パピーミルからの子犬や子猫の大量供給を阻むことを目的としています。これにより、イギリスで新たに子犬や子猫を飼いたい人は、ブリーダーから直接購入するか、保護センターから引き取ることになりました。

ブリーダーから購入する場合でも、ブリーダーは認可が必要であり、生まれた場所で子犬が母親と交流している様子を見せることや、無許可で子犬や子猫を販売した場合は無制限の罰金、または最長6か月の懲役刑が科せられるという厳しい内容となっています。

きっかけはキャバリアの「ルーシー」

ルーシー法の制定のきっかけとなったのは、2013年にウェールズのパピーミルから救出されたキャバリア・キングチャールズ・スパニエルのルーシーです。ルーシーは繁殖用の犬として、劣悪な環境下で5年もの間、飼育されていました。

救出された当時のルーシーは、狭い檻に閉じ込められていた影響で背骨や骨盤が変形し、真っ直ぐ立つこともできず、極度の栄養失調やてんかん、ドライアイ、皮膚炎など、さまざまな健康問題を抱えていました。そして、3年後の2016年に他界しました。

ルーシーを引き取り、飼い主となったリサさんは、パピーミルにおいて非人道的な扱いを受けている犬や猫たちの実態を多くの人に知らせ、パピーミルや同様の繁殖業者を撲滅するために、「ルーシー法」キャンペーンを展開しました。

そして、多くの人々の賛同や協力を得て、第三者による子犬や子猫の販売禁止が政府の方針に盛り込まれるに至ったのです。

まとめ

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同様の法律は2021年にフランスでも可決され、2024年から施行される予定です。ヨーロッパにはすでにペットショップでの犬や猫の生体販売を禁止している国があり、その流れは今後さらに広く浸透していくと思われます。

動物福祉後進国と言われる日本に住む私たちも、パピーミルへの規制強化だけでなく、ペットショップに並ぶ子犬や子猫たちがどこから来ているのかを考え、不幸な動物たちを減らすために声を上げる時が来ているのではないでしょうか。

危険&違法行為に注意を!愛犬とのドライブを見直そう

皆さんは愛犬とのドライブの際、どのように犬を載せていますか。街を歩いていると、飼い主に抱っこされている犬や窓から顔を出している犬を見かけたことがあるかもしれませんね。

しかし、これらの行為は犬にとって非常に危険であり、法律違反にもなり得ます。この記事では、愛犬を車に乗せる時のNG行為を解説します。愛犬と安全に楽しいお出かけをするために、今一度ドライブの方法を見直してみましょう。

SNSで話題になった「クレートは愛犬の命を守る」

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2023年6月、SNS上である交通事故が話題になりました。投稿者は、後続の車に時速50キロ、ノーブレーキで追突され、頑丈な車として知られるフォレスターの後部が大破し、リアガラスがなくなってしまいました。このことから、事故の衝撃の大きさが分かります。

その車には3頭の犬が同乗していましたが、幸運にも彼らは全員無傷で助かったとのことです。これは、全ての犬がきちんとクレートに入っていたためでした。この事故を経て、ドッグトレーナーでもある投稿者は、車に乗る際のクレートの重要性を広めるため、「クレートは愛犬の命を守る」という言葉と共に大破した車の写真を投稿しています。

※詳しい事故の様子はこちらをご覧ください。

「クレートは愛犬の命を守る」 追突事故で大破した車の中、犬たちが無傷だった理由は…飼い主さんの注意喚起が話題に|まいどなニュース
https://maidonanews.jp/article/14944335

NG行為①犬をフリーにしたまま

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前述の事故の状況から、犬をクレートに入れることの重要性をご理解いただけたかと思います。しかしながら、街中では時折、フリーにした状態で車に乗せられている犬を見かけることがあります。これは冒頭でも触れた通り、非常に危険であり、法律違反にもなり得る行為です。なぜこれが危険なのか、どのような法律に違反するのかについて、詳しく見ていきましょう。

走行時の危険性

急ブレーキ、急ハンドル、急発進などをした際、人間はシートベルトやチャイルドシートによって体が固定されるため、危険が軽減されます。しかし、フリーにされている状態の犬は踏ん張ることができず、転倒して体を強く打ち、骨折したり、最悪の場合は命を落としたりする可能性があります。

法律に違反する可能性

犬を膝の上に乗せて運転するドライバーが見られますが、これは完全に道路交通法に違反しています

道路交通法第55条2項
車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。

要約すると、「車の運転手は、運転手の視野やハンドルなどの操作を妨げるような荷物を載せて車を運転してはいけない」となります。

犬を膝の上に乗せる行為はこれに該当し、実際に逮捕者も出ています。膝の上でなくても、車内で犬が自由に移動できる状態も、この規定に違反する可能性があります。

NG行為②助手席の人が抱っこ

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助手席の人が犬を抱っこして乗車する光景も、頻繁に目にします。しかしながら、こちらも危険な行為です。

走行時の危険性

急ブレーキ、急ハンドルなどは、予想以上に強い力がかかり、犬を抱いていても手を離してしまう可能性があります。その結果、犬が体を打ちつけるなどして、犬がケガをする危険性があります。また、事故が発生した際に、助手席のエアバッグが作動し、犬が圧迫されてケガをしたケースも報告されています。

法律に違反する可能性

助手席の人が犬を抱っこしてドライブする際、場合によっては法律違反になってしまうかもしれません。例えば、犬が興奮して運転手の視界を遮ったり、じゃれて運転の邪魔をしたりする場合、先に触れた「道路交通法第55条2項」に抵触する可能性があります。

NG行為③窓から顔を出しながら走行

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犬が車の窓から顔を出しながら走る車も、時折目にします。とても気持ちが良さそうに見えますが、こちらも危険な行為です。

走行時の危険性

フリーでの乗車や抱っこはもちろんですが、シートなどに固定されている状態でも、犬が窓から顔を出したまま車を走らせる行為は危険です。実際に、「他の犬を見つけて興奮し、窓から飛び出そうとした」「窓から顔を出した犬に、横を通り過ぎたバイクが驚いて転倒事故を起こした」といった事例が報告されています。

法律に違反する可能性

犬が窓から顔を出した状態で車を走行する行為も、道路交通法違反になります。

道路交通法第70条
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

要約すると、「車の運転者は、車のハンドルやブレーキなどを確実に操作し、道路や交通状況、車の状態に合わせて、他人に危害を与えない速度と方法で運転しなければならない」となります。

NG行為④ウンチ袋をワイパーにかけて走行する

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愛犬とおでかけすれば、出かけた先で排泄することもあるでしょう。きちんと処理をするのは当然ですが、ウンチ袋を車内に入れるとニオイがするため、リアワイパーに引っ掛けて走行する車も見かけます。

法律に違反する可能性

こちらは犬には直接的な危険はありませんが、法律に違反する可能性があります。

道路交通法第55条
車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。(以下略)

要約すると、「車の運転者は、乗車や荷物のために指定された場所以外での乗車や積載をして車を運転してはならない」となります。ウンチ袋をリアワイパーに引っ掛けて走行する行為は「荷物のために指定された場所以外での積載」に該当します。

どうしても気になる場合は、車のボディにしっかりと固定できるグッズがありますので、こちらを利用しましょう。

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まとめ

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犬とのお出かけはお互いの絆を深め、素晴らしい思い出となることでしょう。しかしながら、愛犬が危険にさらされたり、トラブルに巻き込まれたりすると、楽しい経験も台無しになるかもしれません。

そうなる前に、愛犬とのドライブが安全かどうか、法的に問題ないかを再度確認してみてくださいね。

【法改正】ミドリガメの販売や放流は禁止に!逃られて違法になることも

かつて、夏祭りの露店などで亀すくいを見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。一般的には「ミドリガメ」と呼ばれますが、正式には「ミシシッピアカミミガメ」という名称です(以下、アカミミガメと記載します)。

亀すくいで人気者だったアカミミガメは、2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定され、販売や野外への放棄が禁止されました。また、アカミミガメが適切に飼育されていない状態で逃げ出してしまった場合も、違法行為となる可能性があります。そのため、アカミミガメの飼育には十分な注意が必要です。

この記事では、アカミミガメが条件付特定外来生物に指定された経緯や、飼育時の注意点などについて解説していきます。

「条件付特定外来生物」とは

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条件付特定外来生物とは、「特定外来生物(アライグマやカミツキガメなど)」に指定された生物のうち、当面の間、一部の規制が除外される生物のことを指します。今回取り上げたアカミミガメアメリカザリガニがその対象です(2023年6月1日時点)。

一般的には、特定外来生物は、飼育、輸入、譲渡、放出(野外に逃がす)などが基本的に禁止されるか、許可が必要とされますが、「条件付特定外来生物」の場合、飼育と譲渡は一定の条件下で認められています

詳しい内容は環境省のホームページをご覧ください。
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/regulation/jokentsuki.html

なぜ「条件付特定外来生物」になったのか

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本来、アカミミガメはアメリカ東南部からメキシコに生息している生物です。日本では、1950年代後半から幼体を「ミドリガメ」と呼び、ペットとして輸入されるようになりました。2019年の調査によると、全国で約160万匹の飼育が推定されています。

ペットとして飼われていたアカミミガメですが、飼い主が飼育放棄し野外に捨てられたことで、北海道から沖縄まで全国的に生息するようになり、環境への影響が問題となっています

具体的には、在来種のカメであるニホンイシガメなどの生活に影響を与えたり、カルガモのヒナや水草を食べることによる生態系への影響や、レンコンの新芽の食害等の農作物への被害が報告されています。

一時は、条件が厳しい特定外来生物への指定が検討されていましたが、特定外来生物に指定されると飼育には許認可が必要になるため、手続きを回避したい飼い主が指定前に一斉に野外に捨てる可能性が考えられました。しかし、それでは状況が悪化する恐れがあるため、条件付特定外来生物として飼育や譲渡については規制せず、販売や放流を禁止することになりました。

現在アカミミガメを飼育している場合

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一般家庭でアカミミガメを飼っている場合は、以下の3つのポイントを押さえて飼育する必要があります。

  1. ペットとして飼育している場合は、これまで通り飼育が可能です。申請や許可などの手続きは必要ありません。
  2. 池や川などの野外に放すことや逃がすことは法律で禁止されています。違反すると罰則や罰金の対象となる可能性があります。適切な飼育をせずに逃げ出してしまった場合も違法行為となる可能性があります。
  3. 飼えなくなった場合は、新しい飼い主や保護団体などに譲渡しましょう。無償譲渡であれば申請や許可などの手続きは不要です。

アカミミガメを逃さないポイントは?

終生飼育や飼えなくなった場合の新しい飼い主探しは、ペットを飼う上での当然の責任であり、犬や猫なども同様です。ただし、意図せずアカミミガメが逃げ出してしまった場合でも、罰則や罰金の対象となるため注意が必要です。

アカミミガメを飼育する際には、次の図のように万全の脱走防止対策を取る必要があります。

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(画像:環境省自然環境局 啓発資料チラシより)

アカミミガメを飼育したい場合は

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アカミミガメの販売は規制されているため、ペットとして新たに購入することはできません。しかし、他者から譲り受けたり、野外でアカミミガメを捕まえて飼育することは可能です。

ただし、新たにアカミミガメを飼う場合は、以下の点に十分に考慮する必要があります。

  • アカミミガメは寿命が約30年と非常に長寿な生物です。30年後も変わらず十分なケア(日々のエサやり、大型水槽の水替え、日光浴、病気の際の治療など)ができるか、よく考えましょう。
  • 生まれたときは約3cm程度の大きさですが、成長するとオスで20cm、メスで30cm近くになることもあります。適切な飼育環境を確保するために、大型の水槽の購入や水の交換などが必要になります。経済的な面や環境の制約を考慮し、適切な飼育ができるかを想定してみましょう。

条件付特定外来生物の問い合わせ窓口

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条件付特定外来生物の規制の内容やアカミミガメとアメリカザリガニの飼育に関する疑問や悩みがある場合、環境省では相談ダイヤルを設置しています。飼育に関してお悩みの方は、問い合わせしてみてください。

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(画像:環境省ホームページより https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/akamimi.html

まとめ

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日本の生態系を破壊する原因になる外来種ですが、元は人間が持ち込んだ生物も多くいます。特にアカミミガメの場合は人間が望んで輸入し、全国に広めた生物ですので、責任を持って飼育管理していく必要があるのではないでしょうか。

今回の法律改正により、アカミミガメへの関心が再度高まりました。この機会に、安易な飼育放棄が少しでも減ることを願っています。

飼育放棄が急増!コロナ禍で世界中の人々を癒やしたペットたち

新型コロナウイルスが世界的に流行し始めてから3年以上が経ち、ようやく日常が戻ろうとしています。コロナ禍では、人々の不安や孤独感を埋めるために、世界中で多くのペットたちが新しい飼い主に迎えられました。

しかし、非常に残念なことに、世界にはコロナの終焉と共に飼育放棄されてしまうペットたちが数多くいます。今回は、そんなコロナと世界のペット事情について取り上げていきます。

癒やしを求めてペット需要が急増した「イギリス」

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イギリスではパンデミックのさなか、急激なペット需要の増加が見られました。

イギリスのペット産業協会「UK Pet Food」の統計によると、2020年から2022年にかけて、犬は約900万頭から約44%増の1300万頭、猫も750万頭から60%増の1200万頭に飼育頭数が急増しています。うさぎなどの小動物も犬や猫ほどの増加ではありませんが、飼育数は増加しました。

特に2021年は国内だけでは供給が追いつかず、海外から多くの子犬や子猫が輸入されています。ペットやその関連製品の販売額も過去最高を記録し、ペット産業は大いに潤いました。

しかし、2022年に入ると、電気、ガス、食料品など生活に欠かせない物品の物価が高騰し、インフレ率は40年ぶりの高水準となる11%を超えました。するとペットのエサ代や医療費が払えなくなり、飼育放棄する人が続出したのです。
英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)によると、2022年7月までに飼育放棄されたペットは、前年の同じ時期に比べ25%増加したそうです。

飼育数の増加に伴い動物福祉の向上が見られる「アメリカ」

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米国動物虐待防止協会(ASPCA)の調査によると、アメリカではコロナ禍で5世帯のうち1世帯が犬や猫などのペットを飼い始めました。その多くはまだ飼い主と一緒に暮らしていますが、リモートワークから出社勤務への変更や物価の高騰による飼育費用の問題などを抱えている人も多くいます。

そんな中、2022年6月にニューヨーク州で「パピーミルパイプライン法案(Puppy Mill Pipeline Bill)」が可決されました。この法案は「ペットショップによる犬、猫、うさぎの販売を禁止する。里親探しを目的とする特定の団体が、犬や猫を所有する団体と協力することは許可される。」というものです。
この法律により、営利目的だけの小動物の取引が禁止され、保護された動物たちの里親探しが奨励されることになります。

パピーミルとは「子犬工場」を意味し、無責任で動物福祉に反する繁殖を行う悪質なブリーダーのことを指します。このような繁殖業者を規制する動きは、アメリカの他の州でも見られ、カリフォルニア州、イリノイ州、メリーランド州などではすでに同様の法律が制定されています。

ロックダウンとバカンスの弊害が大きい「フランス」

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フランスでは約50%の家庭で何らかのペットを飼っています
そんなペット大国のフランスですが、コロナの影響で猫の不妊手術が例年通りに行えず、猫が増えてしまい、2021年の子猫の保護施設への引き渡しは2019年に比べて30%増加しました。

犬の場合はさらに深刻で、ロックダウン中に「犬の散歩」が外出理由として認められていたため、安易に犬を飼い始めた人が続出し、その後ロックダウンが解除されると飼育放棄が相次ぎました

かねてから、フランスでは夏のバカンス前にペットが捨てられることが多く、社会問題となっていました。フランスの動物保護団体の関係者は、その理由をバカンス先にペットを連れていくことが難しいためだと指摘しています。

そもそも、衝動的なペットの購入が飼育放棄の原因と考えられ、フランスの議会上院は2021年11月、動物の扱いに関する法律の改正案を可決しました。この法律の改正により、ペットショップでの犬や猫の展示や販売、インターネットによる犬や猫の販売は、2024年に禁止される予定です。

日本でも飼育放棄が起こっている

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日本もコロナ前の2019年と2020年、2021年を比較すると、欧米ほど顕著に増えたわけではありませんが、犬や猫の新規飼育頭数は増加しています。

日本ペットフード協会の調査によると、2020年の新規飼育数(推計)はコロナ前の2019年比で、犬が18%増の41万6千頭、猫は16%増の46万頭でした。2021年も犬・猫ともに2019年を上回り、犬は13%増の39万7千頭、猫は24%増の48万9千頭が新たに飼われています。

飼育放棄の割合はデータとして出ていませんが、動物保護団体からはコロナが収まってくるにつれ、保護数も増加したという声が多く聞こえてきます。

最後に

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今回は、日本と諸外国におけるコロナ禍のペット需要の増加や物価高騰の問題、各国で制定された法律などについてご紹介しました。残念ながら、今回取り上げた国以外でも世界情勢に翻弄されるペットたちが数多くいることは間違いありません。

このような問題に対して、自分に出来ることは何かをぜひ考えてみてください。ペットを衝動買いしようとしている人がいたらよく考えるように説得することや、SNSで動物福祉について投稿することもとても大切です。

一人ひとりができることは小さいかもしれませんが、同時に同じようにペットたちを心配している人も世界中にたくさんいます。多くの人が少しずつでも行動すれば、悲劇的なペットたちを生んでしまう世界を変えられるかもしれません。

食と命を考える!採卵鶏のオスとして生まれるとどうなるのか

日本における鶏卵の一人当たりの年間消費量は約337個で、世界ではメキシコに次いで2番目に多い国です。

卵料理は多くの人に愛されていますが、それが食卓に上がるまでに無惨に消えていく命があるのを、皆さんはご存じでしょうか。

今回は、採卵鶏のオスヒヨコの運命や各国の取り組みをご紹介していきます。これを機に、改めて食や命の大切さを考えていただければ幸いです。

生まれてすぐ消えていく命

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採卵鶏(さいらんけい)とは、卵を産ませるために育てられ、飼育される鶏のことで、そのほぼすべてがメスです。

卵を産むのにオスも必要ではないのかと思われるかもしれませんが、オスと交尾をしていれば「有精卵」が、交尾をしていなければ「無精卵」が産まれます。無精卵は人間の女性の排卵と同様の仕組みですので、オスは必要ありません。一般的にスーパーなどで売られている食用の卵は「無精卵」です。

鶏は卵だけでなく、肉も食用として身近な存在です。採卵鶏と肉用鶏は全く異なる品種であり、採卵鶏は通常の15倍もの卵を産むのに対し、肉用鶏は通常の4倍早く太るように品種改良されたという違いがあります。

肉用鶏は、オスもメスも関係なく成長させてから出荷されますが、採卵鶏のオスは卵を産むことが出来ず、肉用の品種でもないため食用に適さず、どこからも不要とされ、生後わずか1日で殺処分されています

そして、世界中でなんと年間約65億羽ものオスヒヨコが殺処分されているのです。

殺処分の方法とは

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殺処分の数だけ見てもおぞましいですが、その方法はさらに残酷です。

1.生きたままシュレッダーに入れて粉砕する

非常に残酷で衝撃的な方法ですが、次にご紹介する窒息や圧死より苦しむ時間が少ないとされています。

2.ゴミ箱などに入れて窒息または圧死させる

コンテナの中に不要な卵の殻と共に次々と放り込まれ、その重さで下の方のヒヨコから圧死していきます。
シュレッダーを用いるのも非人道的と言えますが、苦しみの長さや度合いはこちらの方が残酷だと言われています。

3.ガスで窒息死させる

二酸化炭素やアルゴンなどによるガス殺で、苦しみをできるだけ減らすために使われています。イギリスやオランダ、スイスなどで導入されていますが、日本では導入されていません

世界各国の取り組み

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アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からすると、深刻な問題がある採卵鶏のオスヒヨコについて、各国では様々な対策が検討されています。

1.卵肉兼用品種の開発

オスの殺処分をなくす取り組みとして、卵肉兼用の品種の開発が進められています。

ドイツのハノーバー獣医大学では、卵肉兼用の品種を使って、従来の品種との比較実験をしました。その結果、従来の品種と比べて「採卵鶏」ではメスの年間産卵数は50個減少し、「肉用鶏」は成長が2倍遅かったとされています。

卵や鶏肉の生産効率のみを考えれば、この結果は効率が悪いとされるでしょう。しかし、アニマルウェルフェアの観点からすると、従来の採卵鶏の多すぎる産卵数や、肉用鶏の急激な体の増量は、いずれも鶏に大きな苦痛をもたらすため、その苦痛から開放されると言えるのではないでしょうか。

2.卵の性別鑑定

ドイツやオランダ、イスラエルなどの企業が開発しているのが、卵の段階でオスを判別する方法です。すでに実用化されており、オスを殺さないで作られた卵が市場に出回っている国もあります。

アメリカでは、国内最大の鶏卵生産者団体が2016年にオスの殺処分の廃止に取り組み、研究に資金提供をしている段階です。南米の大手鶏卵生産者2社も2022年にオスの殺処分がない卵の生産方法へ切り替えることを発表しています。

3.殺処分が法律で禁止されている国も

2021年末、ドイツではオスヒヨコの殺処分は禁止になり、フランスでは2022年をもって禁止になりました。イタリアでは2026年までに禁止することが決定しています。

日本の現状

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2022年11月8日の参議院農林水産委員会にて、須藤元気議員が国会で初めて「生後1日で殺される採卵鶏のオスヒヨコ」について問題提起しました。その際の農林水産省の回答によると、オスヒヨコの殺処分について直接的なデータはなく、推計毎年1億1千ものヒヨコが殺処分されているのではないかとのことです。

オスヒヨコの殺処分の回避については、卵肉兼用品種の開発はされていませんが、卵の性別鑑定の研究は一部で進んでいるそうです。

先にお伝えしたドイツやフランスは国家の強力な支援の元で最先端の技術を開発し、オスヒヨコの殺処分を回避することが可能になりました。しかし、日本では国会で最初の議論がされたばかりです。多くの人にこの問題を周知し、国全体で取り組んでいくことが必要なのではないでしょうか。

まとめ

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近年、SDGsの観点からフードロスの問題が多く取り上げられています。確かに本来食べられるはずの食品を捨ててしまうのは良いことだとは言えません。

しかし、フードロス以前にフード(食材)にすらなれなかった命がいることも、もっと問題として掲げられても良いのではないのでしょうか。

食品のロスだけでなく、犬猫の殺処分問題なども含め、もっと視野を広げたライフ(命)のロスを、問題として考えられる世の中になることを願います。

傷つく動物をなくしたい!虐待事件の現状と「どうぶつ弁護団」の活動

動物保護団体の懸命な活動や法律の改正など、動物たちを守る機運が高まっている現代においても、動物への暴力事件や悪質な多頭飼育によるネグレクトなど、動物虐待事件はあとを絶ちません。

今回は、そんな動物への虐待問題に焦点をあてて、その現状と、今までにない動物保護を行う「どうぶつ弁護団」の活動をご紹介していきます。

年々増加する動物虐待事件

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警視庁の発表によると、令和3年(2021年)に全国の警察が検挙した動物虐待事犯は過去最多の170件。平成24年(2012年)は29件であったため、10年間で5倍以上検挙数が増えています。

この検挙数増加の背景には、単純に動物を虐待する人間が増えたというわけではなく、動物虐待を問題視する社会的な関心の高まりや、動物愛護管理法改正の影響により犯罪とされる行為の範囲が広がった影響が考えられます。

世論の追い風や法律の改正によって、動物たちにとってより良い世の中に変わりつつあるのかもしれません。しかし、未だ動物虐待を事件化するのには、高いハードルがあります。

動物虐待事件の認知や捜査の難しさ

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動物虐待事件が発覚しづらい点として、次のような問題が挙げられます。

  • 動物は虐待の被害を自ら申告できない
  • 飼い主から虐待されているケース、野良猫のような飼い主がいないケースなど、虐待を告発できる人間が存在しない
  • 密室で行われると、外部から虐待行為を認識できない

また、警察の捜査が難しくなってしまう点として、次のような問題が挙げられます。

  • 死亡した動物を発見した第三者が埋葬してしまうなど、虐待の証拠が残りにくい
  • 飼育放棄現場では死後時間が経過しているなど、死因がわかりにくい
  • 被害を受けた動物が逃げてしまい、犯人や犯行現場の把握が困難になることがある

弁護士による刑事告発の問題点

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動物虐待を発見し通報した人の中には、「通報しても警察が対応してくれない」、「本当に捜査をしているか不明」といった不満を持つ人も少なからずいると言われています。
各自治体には虐待を通報する窓口がありますが、警察と効果的な連携ができず、摘発につながっていないケースが多いのも問題点として指摘されています。

警察が動きやすくなるためには、民間人と警察がやり取りするのではなく、法律に精通した弁護士が間に入った刑事告発が非常に効果的ではありますが、ペット問題を取り扱う弁護士は少ないのが現状です。

また、弁護士に依頼することで弁護士費用の問題が出てきます。実際に動物虐待事件を扱う弁護士によると、依頼者のほとんどが個人や中小規模の動物保護団体であり、弁護士費用の捻出が難しい場合も少なくないそうです。

全国初の取り組み「どうぶつ弁護団」

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そんな中、2022年9月に動物虐待事件について刑事告発などを行うNPO法人「どうぶつ弁護団」が設立されました。動物への虐待を発見した人が通報しやすい環境を作り、警察の迅速な捜査により、深刻な虐待被害を防ぐことを目的としています。

「どうぶつ弁護団」が行う主な活動

  • 個人や動物保護団体などから提供された動物虐待の情報を独自に調査
  • 調査の上、必要と判断すれば動物愛護法違反罪などで証拠を集めて刑事告発
  • 不起訴になった場合は検察審査会に不服申し立て
  • 動物関係の法令や制度に対しての提言
  • 動物虐待の予防や動物愛護への理解を深める啓蒙活動

通報者は弁護士費用の心配がなくなる

「どうぶつ弁護団」の活動では、今までのように通報者が弁護士費用を工面する必要はなく、賛助会員の会費によって団体を運営していく方針とのこと。(2023年1月導入予定)

費用の心配がなくなることで、今まで見過ごされていた動物虐待事件にも適切な処罰が下される可能性が広がり、動物虐待を予防する効果も期待されています。

弁護士や各分野の専門家をメンバーに

メンバーは弁護士や獣医師で構成されており、今後獣医師はもちろん、医師や研究者など、広い分野の専門家との連携を目指して活動していくそうです。先述したように動物虐待事件は警察が動きづらいケースもありますが、法律や動物の専門家が警察への橋渡しになることで、スムーズに捜査へ繋げられる可能性が高くなります。

特定非営利活動法人 どうぶつ弁護団 ホームページ
https://animal-dt.org/

最後に

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今回は動物虐待問題に焦点を当ててお話してきましたが、動物虐待の処罰や防止は一概に動物のためだけではありません

凶悪な事件を起こした犯人の中には、人間に対する加害の前段階として、動物虐待を繰り返していた人物は少なくないのです。
また、悪質な多頭飼育の現場では、動物が発する臭いや鳴き声などにより、付近の住民が不快な思いをしながらの生活を強いられています。

傷つく動物を減らすことはもちろんですが、わたし達の安全で平穏な生活を守るという観点からも、動物虐待は見過ごしてはならない問題なのではないでしょうか。

【ペットクイズ】マイクロチップは装着すべき?得られるメリットとは

皆さんが飼っているペットにはマイクロチップが装着されていますか?海外の多くの国ではマイクロチップの装着が当たり前になりつつありますが、日本では未だ普及が進んでいないのが現状です。

本記事では、ペットのマイクロチップについてクイズ形式で解説していきます。ペットにマイクロチップを装着していない飼い主さんはもちろん、すでに装着しているという飼い主さんも、ぜひこのクイズ通して改めてマイクロチップの大切さを学んでみてください。

それではさっそく、ペットのマイクロチップクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 マイクロチップで確認できる情報として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「飼い主の生年月日」です。
マイクロチップで確認できるのは以下の情報です。
  • 動物情報:名前、生年月、性別、動物種、犬・猫の種類と毛色
  • 飼育者情報:氏名、ふりがな、住所、電話番号、その他の緊急連絡先、FAX番号、メールアドレス
なお、マイクロチップが装着されていても情報が古ければ意味がありません。住所や連絡先が変わった時や、飼い主が変わった時は、必ずマイクロチップの情報を更新しましょう
Q.2 マイクロチップについて「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「データ維持費として毎年お金がかかる」です。
マイクロチップの装着時にデータ登録料を支払えば、その後はお金は発生しません

2019年の動物愛護法の改正により、2022年6月からマイクロチップの装着が義務化されますが、これは犬・猫を販売するペットショップやブリーダーなどに限られています。そのため、現時点で飼っているペットにマイクロチップが装着されていなくても違法にはなりません。

マイクロチップの耐久年数は30年ほどとされており、犬や猫であれば一度装着すればつけかえる必要はありません。なお、マイクロチップの装着による副作用はないとされていますが、埋め込み部付近で、CTやMRI検査の画像が乱れる可能性があり、その際は一度取り除くこともあるそうです。
Q.3 マイクロチップの装着により期待できることとして「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です
正解は「居場所がわからないのペットの探知」です。
マイクロチップにはGPS機能は付いていませんので、居場所がわからないペットの場所を探知する機能はありません。迷子や盗難の被害に遭わないようしっかり対策しましょう。

なお、マイクロチップを装着していれば、迷子や盗難にあっても保護された際に登録情報から飼い主を特定できますし、確実に我が子であるという証明ができます。チップを読み取るリーダーは全国の動物保護センター保健所動物病院などにあります。

また、飼い主は自分の情報が書き込まれていることを自覚するため、虐待や遺棄を抑制する効果が期待されています。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】ペットのマイクロチップ装着を徹底解説!
結果発表
問正解/ 問中
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動物密輸大国の日本。映画『アウトブレイク』も他人事じゃない!

新型コロナウイルスが世界中に猛威を振るう今、1995年に制作された映画『アウトブレイク』を思い出した方も多いのではないでしょうか。 『アウトブレイク』は、密輸動物から感染症が蔓延したというフィクションですが、この話、現在の日本でも他人事ではありません。 その理由は、日本が「動物密輸大国」だから。 エキゾチックペットの人気沸騰に乗じて、特にアジア地域からの動物の密輸が後を絶ちません。空港等での検疫をすり抜けてしまう密輸動物は、人間に感染する感染症を持っている恐れがあり大変危険です。 今回は、動物の密輸がもたらす感染症の危険性について、映画『アウトブレイク』と、日本における動物の密輸の実態を通して考えていきましょう。

映画『アウトブレイク』が描いたもの

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『アウトブレイク』のあらすじ

『アウトブレイク』は、1995年にウォルフガング・ペーターゼン監督の元で制作されたアメリカ映画です。 物語は、米国陸軍伝染病医学研究所の研究チームが、アフリカの小さな村で、未知のウイルスによって村人たちが次々と命を落とす様子を目の当たりにするところから始まります。 その後、カリフォルニア州の町で同じ症状の感染症が発生。未知の感染症はエボラ出血熱に似たもので、致死率100%という凄まじい破壊力を持ち、瞬く間に町中を恐怖の渦に陥れました。 しかし、アフリカの感染者が移動をしなかったにも関わらず、なぜウイルスはアメリカで発生してしまったのでしょうか? その引き金となったのは、アフリカから密輸された1匹のサルでした。 ウイルスの宿主だったサルは、営利目的でアフリカからこっそり連れ出され、検疫をすり抜けてアメリカ国内に持ち込まれたのです。

『アウトブレイク』の着想は、ノンフィクション

アウトブレイク 感染症 動物密輸 パンデミック 映画『アウトブレイク』はフィクション映画ですが、その制作は、『ホット・ゾーン』(リチャード・プレストン著)というノンフィクション小説に着想を得ています。 『ホット・ゾーン』は、1989年にヴァージニア州レストンで実際に起きた、サルのエボラウイルス感染症事件を描いたものです。 フィリピンから輸入されたカニクイザルが、次々と出血熱を発症して死亡し、検査の結果、「レストン型」のエボラ出血熱であることがわかりました。 研究者など、サルと接触のあった人たちは死の恐怖に陥れられますが、このレストン型のエボラ・ウイルスはアフリカで人々を死に追いやってきたエボラ出血熱とは違い、幸い人間に対しては病原性がないことが分かりました。 しかし、これが仮に人間に対しても致死力のあるウイルスであったとしたら、大惨事になっていたことは間違いないでしょう。 他国からやってきた動物による病気の感染症拡大は、現実的にあり得る話なのです。

動物の輸出入に関するルール

アウトブレイク 感染症 動物密輸 パンデミック さて、『アウトブレイク』と『ホット・ゾーン』は、いずれもアメリカが舞台でしたが、これらの話は現実の日本でも決して他人事ではありません。 日本は「動物密輸大国」と言われています。 日本には次にご紹介するような、動物の輸出入に関するルールがあります。しかし、それらが確実に守られていない、つまり、「密輸」が横行しているために、海外の動物から感染症が広まるリスクが高まってしまうのです。

輸入禁止動物

日本では、感染症法によって次の7種の輸入が禁止されています。
輸入禁止動物 懸念される感染症
サル エボラ出血熱、マールブルグ病
プレーリードッグ ペスト
イタチアナグマ、タヌキ、ハクビシン 重症急性呼吸器症候群(SARS)
コウモリ ニパウイルス感染症、リッサウイルス感染症等
ヤワゲネズミ ラッサ熱
参照: 『感染症の予防及び動物検疫所 感染症の患者に対する医療に関する法律』の解説 ただし、試験研究用または展示用のサルは、特定地域からの輸入に限り、検疫を徹底することで輸入しても良いことになっています。

検疫対象動物

また、輸出入の際、動物検疫所で検疫を受けなければならない動物は、以下の5種です。
検疫対象動物 懸念される感染症
犬、猫、あらいぐま、きつね、スカンク 狂犬病
参照: 動物検疫所 狂犬病予防法の解説

その他の動物は?

これらの動物以外の全ての陸生哺乳類、鳥類についても、海外から日本に持ち込むことは原則禁止とされていますが、輸出国政府発行の衛生証明書を入手した上で、動物検疫所に届出をした場合、持ち込めることもあります。 もし、衛生証明書がない動物を届け出を行わずに持ち込めば、動物からウェストナイル熱、オウム病、鳥インフルエンザなどの感染症が広がる可能性があります

「動物密輸大国」日本

アウトブレイク 感染症 動物密輸 パンデミック 野生生物の取引を調査・モニターするNGO「TRAFFIC(https://www.trafficj.org/)」によると、2007年〜2018年の間に、日本の税関では1,161匹が、海外の税関では少なくとも1,207匹のエキゾチックペットが、日本への密輸動物として押収されました。日本の税関で差し止められた動物のほとんどは、東南アジアや東アジアからの密輸動物でした。 押収された動物は実際の密輸動物のほんの一握りに過ぎず、市場に出回ってしまった動物はもっとたくさんいると見られています。 そして、税関で押収された動物の中には、先ほどご紹介したような、人間に感染の危険性がある病気を持ち得る動物も多く含まれています。 密輸される動物の多くは、不衛生で過密な環境下で保管、輸送、販売されているため、感染症を持っている動物が一個体でもいれば、一気に広まってしまいかねません。これらの動物が、もしも監視をすり抜けて市場に出回ってしまえば、人間への感染症を広げてしまう可能性は十分にあります

まとめ

アウトブレイク 感染症 動物密輸 パンデミック 今回は、映画『アウトブレイク』と共に、「動物密輸大国」日本で密輸動物から感染症が持ち込まれるリスクを考えました。 『アウトブレイク』は、海外から密輸されたサルが引き金となって、出血熱が人間に瞬く間に広まってしまったというお話。この映画はフィクションでしたが、着想を得た『ホット・ゾーン』はノンフィクションですし、科学的にも、似たようなことは今後十分にあり得る話だと言えるでしょう。 特に、検疫をすり抜け、申告もされることのない密輸動物が多く取引されている日本では、『アウトブレイク』の話も決して他人事ではありません。 「お金を儲けたい」「珍しいペットが欲しい」という、個々の自分勝手な気持ちが、日本中に「アウトブレイク」を引き起こしてしまう可能性があるということを忘れてはいけません。 動物の密輸の危険性を改めて知るためにも、映画『アウトブレイク』を今一度観てみるのも良いかもしれませんね。