北朝鮮が新型コロナの影響で「犬の飼育禁止令」発令?
韓国・朝鮮日報は、北朝鮮当局が最近、首都・平壌で犬を飼うことを厳しく取り締まっていると報じました。その背景には、新型コロナウイルスの影響で経済が著しく低迷していることがあるようです。
今回は、北朝鮮の「犬の飼育禁止令」の理由と、北朝鮮のペット事情やお隣・韓国の反応についてお伝えします。
なぜ犬の飼育を取り締まるのか?
犬の飼育を取り締まる理由は明確ではありませんが、次のような理由があるのではないかと言われています。
犬を飼育するのは資本主義的であるという考え方
金正恩は、犬を飼うことについて「ブルジョア的である」「資本主義的である」と表現し、「ペット飼育禁止令」を出したと報じられています。
未だ感染者数はゼロだと発表している北朝鮮も他国と同じように、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済が困窮しています。そんな国難の中で、ペットを飼うという「資本主義的」な行動をとることは、社会主義国家である北朝鮮に対して「非愛国的」だとみなされてしまうようです。
不足している食糧を補うため
経済不況によって深刻さを極めるのが、「食糧不足」。
北朝鮮の人権問題の担当者である国連のトマス・オヘア・キンタナ氏は、北朝鮮では一般市民のみならず兵士たちも食糧難に苦しんでいる、と報告しています。
そんな中、対策のひとつとして考えられたのが「ペットの犬を食用にすること」なのではないかと考えられています。北朝鮮では、古くから犬肉を食べる文化があり、平壌には今も犬肉料理店がたくさんあるようです。
当局が市民に対して飼っている犬を差し出すように求めているのは、上記に挙げた資本主義への対抗に加え、深刻な食糧不足を補う手段なのだとも考えられています。
犬はどこに行くのか
北朝鮮当局は、ペットとして飼われている犬を積極的に差し出すよう市民に求めています。
7月には、「15キロ以上の大型犬の飼い主は、犬を速やかに政府に供出するように」「10月1日までに供出すれば、米か中国製の食用油を購入できる許可証を与える」というお達しが政府から出されました。
差し出されなかった場合、強制的に取り上げることもあり、当局の手元に渡った犬は、動物園か犬肉料理店に送られるようです。
北朝鮮のペット事情
北朝鮮では、昔から犬をペットとして飼うことに対し、「汚い資本主義文化だ」として非難されてきました。番犬や牧羊犬、家畜として飼われる犬はよくても、いわゆる愛玩犬のような、かわいがるのが目的で犬を飼うことは「資本主義的」とみなされてきたようです。
しかし、韓国ドラマやハリウッド映画などの影響を受け、平壌に住むお金持ちや上流階級の人の間で、自身のステータスとしてペットを飼う人も現れるようになりました。
余談
日本でも大ヒットとなっている韓国ドラマ「愛の不時着」に登場する北朝鮮の中隊員、「キム・ジュモク」も生粋の韓国ドラマ好きとして描かれていますが、実際には韓国のコンテンツを視聴したことがバレれば厳しく処罰されます。
北朝鮮内部の事情についてはどこまで正しい情報かを見極めるのが難しいですが、平壌市民が愛玩目的で犬を飼っていたならば、今回の「ペット飼育禁止令」は心が痛んだかもしれませんね。
過去には、お隣韓国と「犬外交」も
今回の禁止令からは、犬は大事な食糧であって、ペットとして飼うことは「資本主義の象徴」であるとする考え方が感じられましたが、実は北朝鮮当局の犬に対する価値観は、これ以外にもあります。
そのひとつが、韓国との外交手段です。
北朝鮮と韓国はこれまで、緊張状態にある中でも、「犬外交」を通して友好的な姿勢を双方に示してきました。
2000年
2000年には、当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、朝鮮半島の狩猟犬として名高い「豊山(プンサン)犬」の子犬2匹を、韓国の金大中(キム・デジュン)大統領に寄贈し、金大統領もお返しに韓国原産の犬、「珍島(チンド)犬」2匹を贈呈しました。
韓国側に贈られた豊山犬は、その後ソウル動物園で飼育され、一般の人にも親しまれました。
2018年
2018年には、北朝鮮側が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対して、友好のしるしとして「コミ」と「ソンガン」という名前の2匹の豊山犬を贈呈しました。犬たちは、南北朝鮮を隔てる38度線付近の、非武装地帯(DMZ)にある板門店を経由し、3キロ分の餌と一緒に韓国側に輸送されました。
犬の飼育禁止令について、韓国人の反応は
北朝鮮の「ペット飼育禁止令」に対して、韓国の人たちからは、「犬も国を選んで生まれて来ないといけないから大変だ」「北朝鮮の犬はかわいそう」「金委員長は犬が嫌いなの?」など、さまざまな声があがっています。
一方、韓国でも犬肉を食べる伝統はまだ消滅しておらず、犬を「食肉」と見なす人と、「かわいいペット」と見なす人の間で意見が対立しています。
中国では犬肉が禁止に
また、中国においても犬の肉を食べることを禁じられたのはつい最近のことで、それまでは一部の地域で毎年「犬肉祭り」が開催されていました。
中国国内でも韓国同様、ペットブームの流れとともに犬肉を食べることに対する批判も高まっていましたが、一方で「犬肉は伝統的な食文化であり、犬肉禁止は欧米による文化の押し付けだ」と反発する声も根強くありました。
結局、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した中国では、動物からの感染症を抑えることなどを目的に、犬や野生動物を飼育して食べることが正式に禁じられました。
まとめ
今回は、韓国・朝鮮日報が報じた、北朝鮮当局による「ペット飼育禁止令」についてお伝えしました。禁止令の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による経済の困窮や深刻な食糧不足などがあり、「資本主義的思想」を取り締まり、食糧不足を補うことが目的ではないかと考えられています。
日本では、犬はペットとしてかわいがるのが当たり前という風潮がありますが、今回の事例からは、文化国の状況によって犬に対する考え方が大きく異なることが読み取れます。
犬に限らず、特にペットや家畜として飼育される動物の境遇は、常に人間の価値観に左右されてきました。他国における動物の扱いを知ることで、動物全体の扱いがどうあるべきかを考えるきっかけになるかもしれません。
【殺処分ゼロ】日本とドイツで何が違うのか?
ペットを取り巻く最も重要な社会問題のひとつとして、捨てられたり売れ残ってしまったりしたペットたちの殺処分が挙げられます。
最近では、東京都が「ペット殺処分ゼロ」を掲げ、目標となっていた2019年度よりも1年はやく達成されたというニュースがありました。ただ、殺処分がゼロになったら、それで終わりなのでしょうか?
今回は殺処分ゼロを目指す日本について、ペット先進国と呼ばれるドイツと比較しながら整理していきます。今後みなさんが新しく家族を迎え入れる時の参考にして頂ければ幸いです。
ペット先進国のドイツでは?
はじめに、ペット先進国と言われるドイツで、殺処分を減らすためにどのような取り組みが行われているのかを見ていきましょう。
ドイツでは各地の動物保護協会(民間団体)が運営する「ティアハイム」が動物保護や里親への譲渡を行なっています。全国に500ヶ所以上あり、ティアハイムから動物を譲渡するには飼育環境等の審査を受けなければなりません。
ペット「殺処分ゼロ」の国と呼ばれるドイツ
ドイツ動物保護連盟はティアハイムの運営方針において、基本的に殺処分をしてはならないと定めています。そのため、ペットの殺処分ゼロという言葉をたまに耳にするのでしょう。
しかし、これはティアハイムの話であり、ドイツという国のレベルで殺処分が行われていないということを示してはいません。
ドイツの「犬命令」
ドイツのティアハイムの話は有名ですが、ドイツでは殺処分を抑制するため、さらなる取り組みをしています。
それが2001年に施行された「動物保護ー犬に関する命令」です。動物保護の観点から、犬の飼い主等が守らなくてはならない飼育方法を以下(抜粋)のように具体的に規定しています。
- 屋外での十分な運動、飼育者との十分な接触(第2条)
- 生後8週齢以下の子犬を母犬から引き離すことを禁止(第2条)
- 商業的に繁殖する者は、犬10頭及びその子犬につき管理者1名を配置(第3条)
- 生後12か月以下の犬を繋ぎ飼いすることを禁止(第7条)
犬命令はペットショップにも適用されているため、ペットショップはこれらを厳守しなければなりません。これらを厳守することは多大なコストがかかるため、どうしても一頭あたりの売買価格が高くなってしまいます。一頭あたりの価格が高くなれば、ペットショップでは売れにくくなるため、ペットショップでの販売は抑制されます。
さらに、犬の飼い主には「犬税」を払う義務もあります。飼い主に課税することにより、犬を安易な気持ちで飼うことを防げるため、殺処分の抑制になると考えられているのです。
ティアハイムでも殺処分するケースはある
ドイツのティアハイムでは殺処分をなしとする一方で、治る見込みがない病気や怪我で動物が苦しんでいる場合、動物福祉の観点から安楽死による殺処分は必要であるとしています。
そのため「殺処分をしてはならない」と言っても、ゼロではないのです。「殺処分はいかなる場合もしてはいけない」と考えるか、「動物が苦しんでいるのなら、むしろ安楽死をさせてあげるべき」と考えるかは、宗教的、倫理的な観点からも意見が分かれるところでしょう。
「狩猟動物保護」の目的で野良犬・野良猫を殺してもよい
さらに、ドイツ連邦狩猟法では狩猟動物保護の目的で野良犬・野良猫の駆除が認められており、狩猟者は合法的に野良犬や野良猫を殺すことができます。
つまり、本来ティアハイムに入れるはずであった野良犬・野良猫、捨て犬・捨て猫が駆除の対象となっています。ドイツ全体での駆除頭数は年間推計で、猫が40万頭、犬が6万5000頭にまで達すると指摘する動物保護団体もあります。
日本の殺処分の実態は
続いて、日本における殺処分数を見ていきましょう。
表向きは減ってきている殺処分
環境省の発表では2008年度に27万6000匹だった殺処分数は、2017年度には4万3000匹に激減しています。
動物愛護センターの職員さんの尽力はもちろんのこと、日々、動物保護団体や個人のボランティアなど引き取り先となる里親を探している方々がいるため、統計上は殺処分数が減ってきています。
東京都でも2019年に殺処分数はゼロになっています。
日本はペットショップからの購入が主流
総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」を見ると、2016年時点で5000件以上のペットとペット用品の小売業を展開する事業所が日本にあるとされています。さらに、2012年と比較すると増加率は6%以上にも及び、その事業所数は年々増加しています。
また、一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている全国犬猫飼育実態調査によれば、2016年時点で保護団体からの入手を検討した人が20%に満たないのに対し、知らなかった、検討しなかったと答えた人が80%以上存在しています。これは、まだ多くの方が犬や猫を迎える際にペットショップを利用していることを示しています。
なお、この数字は最新の2019年時点でもさほど変化はありません。
一般社団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査
https://petfood.or.jp/data/index.html
売れ残ったペットたちの行く末
動物保護団体をはじめとするボランティアの尽力により、確実に殺処分される数は減少してきています。しかし、ペットを購入する側の選択はさほど変化していないため、ペットショップに多くの犬や猫などのペットが並ぶ光景は今後も減ることはないでしょう。
また、殺処分ゼロが注目され、法律が強化されたことにより、ペットショップから動物愛護センターへの持ち込みができなくなりました。これにより、「引き取り屋」と言われる別のビジネスが生まれ、劣悪な環境下で飼育され、そのまま亡くなるという生き地獄のような世界も生まれています。
殺処分ゼロという数字の観点から見ると、日本もドイツもまだゼロではありません。そして、抱えている問題点こそ違えど、両国とも様々な課題を抱えており、それが非常に難しいことを物語っています。
目指すべきゴールは殺処分ゼロだけではない
日本では、一部の都道府県で殺処分ゼロを達成することができましたが、それだけで必ずしもペットの権利を守れているとは言えません。人間も動物も、「生かされていればそれだけで幸せ」ということではないのです。
ペットの幸せを守る上で、殺処分ゼロ以外に、私たちが考えなくてはならないことはどのようなことなのでしょうか。
ペットの虐待ゼロ
飼い主がペットを殴る、ごはんを十分に与えないなど、ペットへの虐待は大きな社会問題となっています。
自分から他の人に訴えることのできないペットにとって、飼い主からの虐待はとても辛いものでしょう。また、それは保護された後も永遠に消えない心の傷となります。
ペットの権利を本当の意味で守るためには、飼い主ひとりひとりが、飼い主の役目は「ペットを生かしてあげること」ではなく、「ペットが幸せに生きられるようにしてあげること」という自覚をもたなければならないでしょう。
ペットが過ごしやすい環境
保護された犬や猫は、どのような環境で暮らしているのでしょうか。陽の当たらない狭いケージの中で一日を過ごす、というペットも、中にはいるでしょう。
ヨーロッパ最大級の保護施設「ティアハイム・ベルリン」は、東京ドーム4個分の広さがあり、それぞれの動物に合った環境で保護されています。
ペットの権利を守るには、ペットが生きる環境も整えなければなりません。引き取り屋に引き取られ、単に生かされているだけの犬や猫がいるという現実は、殺処分がゼロになっても、まだ多くの問題が残っているということを表しています。
私たちにできることは何か?
今回は、ペット先進国と呼ばれるドイツの殺処分の実情と日本の違いについて比較してみました。
宗教的にも文化的にも異なる国同士の比較のため、単純に比較することはできません。しかしながら、どちらの国も現在の状況を変えなければならないという思いは共通しています。
また、ドイツのティアハイムにしても日本の動物保護団体にしても、どちらも民間の団体です。日本もドイツも民間の力で状況を改善してきています。そして、国を動かし、新しい法律を作ることで、より良い制度を作り上げているのです。
その中で、私たち飼い主にできることは何でしょうか?
まずは愛情持って育て、終生飼養を行うこと。そして、新しく不幸な命を作らないこと。この2つに尽きるのではないでしょうか。
韓国でも義務化。ペット先進国スイスのペットに関わる厳しい教育
2020年1月、韓国は2022年からペットを購入する際に、所定の教育を受けることを義務付ける方針を公表しました。
動物虐待などの悲しいニュースが多い昨今、アジア圏、しかもお隣の韓国でこのような制度ができるのは、随分先進的なことではないでしょうか。
日本では、まだペットに関わる教育や講習は義務化されていませんが、外国のペットに関する教育事情はどのようになっているのでしょう。
今回は韓国で義務化されるペットの飼い主に関する教育の内容、及び、ペット先進国とも呼ばれるスイスの実情も合わせてご紹介します。
飼い主の教育が義務化された韓国
2020年1月14日、韓国の農林畜産食品部は、動物を虐待する行為についての処罰を強化する方針を示した「2020年から2024年動物福祉総合計画」を公表しました。
これにより罰則が以下のように変わります。
現在
-
虐待によって動物を死に至らしめる行為に対する処罰
2年以下の懲役/2000万ウォン(約189万円)以下の罰金
動物遺棄に対する処罰
現行の300万ウォン以下の過料
2021年から
-
虐待によって動物を死に至らしめる行為に対する処罰
3年以下の懲役/3000万ウォン以下の罰金
動物遺棄に対する処罰
300万ウォン以下の罰金
動物虐待罪が成立すると、動物に対する所有権が制限されます。その一環として2020年から、ペットの飼い主の責任意識を高めるため、ペットを購入する際に所定の教育を受けることが義務付けられました。
2019年に、日本でも動物愛護法が改正されましたが、それよりも厳しい処罰となっています。飼い主に対する教育を義務付けるというのも画期的です。
韓国のペットに対する意識はバラバラ
なぜこのような教育の義務化が決められたのでしょうか。
動物を購入できる方法もさまざま
日本の場合は、ペットを迎え入れるとなるとペットショップで購入するのが一般的な選択肢です。最近ではインターネットからの購入もできます。また、保健所や譲渡会で保護された動物を譲り受ける方も多くなってきています。
韓国でも保護動物を譲り受けてペットとして迎え入れるなどの活動が見られますが、日本と同様にペットショップでお金を出して購入する方が一般的です。しかも、日本に比べて安価な価格が設定されており、誰でも購入しやすい環境が整っています。
安易にペットを購入できることから、気に入らないことがあったり、飼うことが難しくなったら、すぐに捨ててしまうというケースも増えてきており、これが問題となっています。この法律が制定された背景には、近年、韓国でも動物愛護を訴える人が増えてきていること関係しているでしょう。
悲しい事件も
2019年1月には、ペットショップで購入した「子犬が排泄物を食べてしまうので返品したい」と訪れた女性が、子犬を店員に投げつけ、死亡させてしまうといった悲惨なニュースがありました。Twitterなどでも話題になったため、ご存知の方も多いかもしれません。
また、山口県にある柴犬専門のペットショップでは、韓国の購入者から犬が大きくなり、排泄物が多すぎるという理由から、犬を買い換えたいと要望を受けたということもニュースに上がっています。
動物愛護や福祉に関心がある人はいるものの、国全体としてはまだその意識が足りていないことが、今回このような制度ができた一因であるように思えます。
ペット先進国のスイスでは
ペット先進国として知られるスイスでは、ペットショップでの生態販売はないと言われており、動物を飼うためには、ティアハイムと呼ばれる動物保護施設から動物を引き取るのが一般的だそうです。
また、バスや列車などの交通機関やレストラン、ホテルなど多くの場所で、ケージに入れられることなく飼い主と犬が一緒にいるところが見受けられます。
日本ではあまり考えられませんが、スイスでは日常的な光景なのです。こういった光景は、イギリス等、他の欧州各国でも見られ、珍しいことではありません。
犬を飼うために免許がいるスイス
スイスでは、すべての犬と飼い主に法律で講習と訓練を義務付けています。
初めて犬を飼う人は、犬を受け入れる前に講習を必ず受けなければなりません。しつけの必要性、犬にかかる経費の明細など、飼育に不可欠な知識を学びます。その他、必要な予防接種やマイクロチップなどを合わせると、この時点で約6,000円程かかります。
犬を飼うことの大変さを知り、ここで諦める人も出てくるようです。
実技訓練も
犬を迎え入れたら、1年以内に飼い主自身が飼い犬を連れてしつけの実技訓練を受けなければなりません。1回1時間のしつけ訓練、および実技テストが4回に分けて行われます。ここでも約7,000円程の費用がかかります。
これらに合格すると、ようやく免許取得の証明書がもらえます。なお、飼育経験がある人も新しい犬を飼う際にも実技試験が必要です。
言い換えるならば、訓練されていない犬がスイスにはいないことになります。
犬にかかる税金もある
さらに、飼い始めて1年後から1頭約17,000円の犬税の徴収が開始されます。2頭目以降はさらに高額になるよう設定されている自治体もあるようです。
このように飼い主にも飼い犬にも厳しい講習や制度があるため、スイスではいたるところで犬と人間が一緒に生活できる環境が整っているのでしょう。
また、動物を人間と同じく社会の一員として見ており、動物に対してもお金をかけ、講習や訓練を受けてもらうという考え方があります。そのようなことから、殺処分ゼロの国と呼ばれるようになったのでしょう。
最後に
日本でも2019年に動物愛護法が改正されたばかりですが、今回は、ペットのための教育制度について韓国とスイスの2カ国の紹介をしました。
日本でも、東京都の小池百合子知事が、「ペットの殺処分ゼロ」を公約としていましたが、期限としていた2020年よりも1年早く殺処分ゼロを達成したと発表していますが、実際には150匹ほどの犬猫が殺処分されていたとの報道もあります。
また、殺処分ゼロが達成された都道府県がある一方、殺処分はゼロだが、実際には糞尿にまみれて、とても幸せとは言えない生活を強いられている犬や猫たちもいます。これは私たちが望む世界なのでしょうか?
捨てられてしまった動物を保護し、新しい飼い主を探すことは大事です。それと同じように、安易に犬や猫を購入してしまう飼い主や、捨ててしまう飼い主に対して、動物福祉に関する教育を行い、動物に対する意識を変えていくことも大事なのではないでしょうか。
動物福祉に対する考えが遅れている韓国では、既に飼い主に対する教育が始まろうとしています。動物先進国であるスイスやスウェーデン、イギリスなどをお手本に、日本でももっと踏み込んで、動物に対する教育が義務化されるべきではないでしょうか。
ペット先進国、アメリカでペットと旅行を楽しむ秘訣
海外旅行ってワクワクしますよね?
旅行中はもちろん、旅行の準備をする時も楽しいですよね。
海外旅行で一番人気なのは、やはりハワイやグアムでしょう。
でも準備中に、飼い主の皆さんが一番気になる事ってなんですか?
おそらくペットの事ではないですか?
ほとんどは友達や実家に預けたり、ペットホテルに預けているのではないでしょうか。
しかし、みなさんは、愛するペットを連れて、旅行をさせてあげたいと思いませんか?
今回は、そんな飼い主さんのために、ペットとアメリカ旅行をする際に知っておきたい事をご紹介します。
アメリカで広まりつつある、飛行機にペット連れ込みOK!
みなさんは、アメリカ旅行と言えば、どこを想像しますか?
ハワイやグアムにいってビーチでゆったりしたり、ロサンゼルスやニューヨークに行ってショッピングを楽しむのもよし。
もしくは、グランドキャニオンに行って雄大な自然をたのしんだり、サンフランシスコやシアトルにいってアメリカのシーフードを楽しむのも通ですよね。
一緒に飛行機に乗ろう
アメリカを旅行する場合、日本からはアメリカの飛行機会社、例えばユナイテッドやデルタ航空を利用される方が多いかと思います。また、アメリカ国内を飛行機で旅行する場合は、アメリカの航空会社の利用が必須になってきます。
もちろん、飼い主のみなさんが、ペットと一緒にアメリカを旅行するとなったら、当然、ペットと一緒に飛行機に乗らなくてはなりません。
“でも規制があって厳しんじゃないの?”って思った方!最近のアメリカでは、ペットに関する規制が緩和されてきているのをご存知でしょうか?
“ペットフリー”という考えがトレンド化し、多くの施設や会社で、ペットも人間と同等の扱いがされるようになってきたのです!ペットフリーについて、もっと知りたい方は、以下の記事も一緒にご覧ください。
ペットの具合が悪くなったら?
多くのアメリカの国際空港もペットフリーの姿勢を積極的に見せています。
主要都市のほとんどの国際空港、例えばロサンゼルス国際空港、ヒューストン国際空港、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港には、
ターミナル内にペット救援エリアが設けられており、ペットの介護をすることができます。
だれでも利用をすることができるので、ぜひ活用しましょう。
ここ日本でも、羽田空港などの一部の空港にはペットホテルが併設されるようになってきました。こういう流れはどんどん進んでいって欲しいですよね。
必ず事前確認を
もちろん、注意しなければいけないことがいくつかあります。
ペットと一緒に飛行機に乗る際には、きちんと利用する航空会社に連絡をしましょう。
ウェブサイトを使って、オンラインだけで完結してしまう場合もありますが、電話連絡をしなくてはならない場合もあります。英語が話せないとだめじゃん!
また、ペットの健康状態や種類によって、飛行機に搭乗できない場合もあるので、きちんと確認を取っておきましょう。海外旅行上級者でないと、ちょっと難しいこともあるかも…。
アメリカのホテルでも“ペットフリー”
移動が便利になっても、泊まるところがなければ旅行はできませんよね。
そう、飛行機や空港がペットフリーになってきているので、ホテルもどんどん変わってきているのです。
ホテルでもペット歓迎
飛行機がペットにして柔和な姿勢を見せているのですから、もちろんホテルだってペットの連れ込みに関して前向きな姿勢を見せています。
例えば、ホテルインディゴ、エースホテル、ベストウェスタン、ヴァージンホテルなどはホテルのペットフリー化のパイオニアで、積極的に、飼い主さんのペットと一緒の滞在を受け入れています。
このように、最近のアメリカでは、ペットと一緒の滞在を快く歓迎してくれるホテルが非常に増えてきました。社会全体で飼い主をサポートしてくれる動きが出てきているのは、私たち飼い主にとって、とてもありがたい事ですよね。
お金がかかる?
多くの施設で、ペットの受け入れ準備が整っている一方、ペットを連れ込むには、お金がかかります。
飛行機に乗せる場合は、1匹あたり約100ドルから150ドル(日本円で約1万5千円から2万円)かかります。日本でも電車にペットを乗せる場合は、追加料金が必要ですから、さすがにタダというわけにはいきません。
また、ホテルの場合は1匹あたり約200ドル(日本円で2万5千円から3万円)かかるようです。うん、人間並みの立派な追加料金…。
これらの追加費用かかることもきちんと考慮に入れて、ペットとの旅行の計画を立てましょう。
こちらも事前確認を
飛行機同様、ホテル予約の際には、きちんと事前確認をしておきましょう。
ホテルに滞在する時、その場で申し出をした場合は滞在不可になる可能性があります。こうなっては、泊まる場所がなくなってしまいます。
また、ホテルによっては、“ペットを部屋の外に連れ出さないで下さい。”と規制をしているホテルもあるので、滞在の際には、ホテルマンの注意事項を聞いてきちんと守るようにしましょう。
他のお客さんもホテルに滞在しているので、お互いが気持ちよく過ごせるように配慮することが大事です。折角のいい流れがあるのですから、皆が気持ちよく利用したいですよね。
ペットと一緒に海外旅行を
いかがでしたか?
アメリカって実は飼い主さんにとってとても旅行しやすい国なんです。
これを機会に、次のゴールデンウィークや夏休みの旅行計画をアメリカにしてみるのはいかがですか?
あなたのペットも一緒に楽しんで旅行ができるかもしれませんよ。生涯忘れられない思い出になることは必至です!
[2018年最新] 今の米トレンドはペット用車グッズ
皆さんは、ペット用の車グッズにこだわっていますか?
私たち飼い主が、車の中で快適に過ごすように、ペットにも車の中で快適に過ごして欲しいですよね。
アメリカでは今、ペット用の車関連のグッズが大流行しています。これは、ペットの飼い主さんの中だけの流行りではなく、アメリカ全土で大流行中なのです。
今回はそんな、アメリカの最新トレンドをお届けします。
アメリカ最新トレンド
今年(2018年)の2/9にアメリカで発表された、Google 2018 Auto Trends Report(Google2018オートトレンドリポート)によると、アメリカでは個人のペット用車グッズの購入金額が他の国に比べ、とても高いことが分かりました。
検索の方法は、1000人以上の人を無作為に選び、Googleでの検索結果やYoutubeの検索結果を調べたものです。
Google Auto Trendsのレポートによると、アメリカ人は日本人の10倍も、ペット用の車関連グッズの購入金額が高かったと公表しています。
どんなペット用車グッズが人気なの?
飼い主さんのペット用車グッズの購入支出額が多いサイトはアマゾンでした。実際、私たちも日用品からペット用品の購入に至るまで多用しています。
ほとんどのアメリカのペットの飼い主さんは、犬用の車の座席シートや犬用のハンモックを購入していたようです。他には、犬用の安全ベルト、毛羽立ちを防ぐためのシートカバーなども人気だそうです。
乗り物での、ペットの快適さを考えられた商品やペットが安全に車内で過ごせるように作られたグッズが多く購入されているんですね。
こだわりの商品も!
ノミやダニを防ぐペット用車グッズ
アメリカのペットグッズを製造する会社では、ペットの皮膚を守る為に改良された、特別な素材の生地を使って作られた座席シートやブランケットが販売されています。
座席シートやブランケットは、こだわりのある飼い主さんには非常に人気です。
スプレーをするだけで防虫、駆除できちゃう!
他には、動物病院などで購入することのできる、獣医師推薦のペット用防虫グッズも人気のようです。スプレー式のノミやダニを防ぐグッズは売れ行きがよく、車の中に常備している家庭が多いそうです。
スプレーをペットの体に吹きかけるだけで、体にノミやダニが付着するのを防ぎ、また、細菌を駆除する機能も備わっています。簡単に使うことができるので、とっても楽ちんです。
飼い主の皆さんは、大好きなペットとドライブに行った際に、ペットを広い野外で開放的に遊ばせてあげたいですよね。外で遊ばせてあげる前に、スプレーをかけてあげるだけで、細菌、ノミやダニの心配は少なくなるので、安心ですね。
また、ペットが遊び終わった後に、愛車を綺麗に保つためにも、ペットの体を綺麗に保つためにもペットの体をお掃除してあげたいものです。そんな時、このスプレーがあれば、体のお掃除を簡単にすることができます。
ちょっと面白い!?ペット用車グッズ
ペット用車グッズがアメリカで大流行する中、こんな面白い商品がアメリカにはあるんです。
オープンカーの形をした犬用ソファー
この商品は、車に設置するように設計された犬用ソファーで、安全ベルトや首輪もしっかりと付いています。おふざけではなく、きちんとした犬用ソファーなんです。
しかし疑問点は、なぜ車の中に車の形をしたソファーを置こうと考えたんでしょうね。愛犬にも、車を運転している感覚を味合わせたいんでしょうか…(笑)
さすがアメリカ!といったところですね。やることがぶっ飛んでいてい、やはり面白いです。
高級車ブランドも犬用車グッズの販売に乗り込んだ!?
言わずと知れた高級車、キャデラックからも、車に取り付けられる犬用ソファーが販売されています。
黒のスエード生地で作られていて、非常に高級感があふれています。ソファーには、あの憧れのロゴとキャデラックの字が刺繍で大きく施されています!一体、誰が買うんでしょう…。(ごめんなさい、日本では販売されていなさそうでした)
http://www.petstrends.com/2011/07/18/dog-car-seat-snoozer-cadillac/
普通では、キャデラックを運転することはもちろん、乗ることも滅多にない事ですよね。しかし、あごがれのブランドのソファーに座る犬…。非常に羨ましいものです。もちろん、普通に使えるペット用バッグも販売されています。
ペットも家族の一員
「快適な車内空間は人間だけではなく、ペットにも」というのが、最近の流行りなのでしょうか。特にアメリカは、日本とは異なり国土が広いため、ペットをドライブに連れていく際には、長時間車の中にいなくてはなりませんから、それも納得です。
実は、しつけの観点からも、車の中に長時間いさせることは、退屈と感じさせてしまい、こういった思いを続けることで、車が苦手になってしまう犬も珍しくはありません。
私たち飼い主の愛情表現の一つとして、少しでも車の中を好きになってもらうためにも、車の中にペットが快適過ごせるグッズにこだわってもいいのかもしれませんね。
【ペットフレンドリー】進化するアメリカの職場、ペットと共に働ける環境とは?
お仕事をされている皆さんは、ペットが家で何をしているか気になりませんか?危ないことをしていないか、事故はないか、等など。
あなたが飼っているペットと一緒に出勤できたらいいのに、と思ったことはありませんか?アメリカには、ペットフレンドリーと呼ばれる考え方が一般的なのはご存知でしょうか?
今回はそんなアメリカ、ニューヨークのペットトレンドを紹介します。
アメリカ大都市で浸透する、”ペットと一緒に通勤”という考え
最近では、特にニューヨーク市の職場にペットを連れてくるのが一般的です。
大手企業、Google、Mashable、Amazonなどでは”Pet Friendly(ペットフレンドリー)”と呼ばれる方針があります。
ペットフレンドリーのメリット
ここでご紹介するように、ペットフレンドリーには、たくさんのメリットがあります。
仕事の疲れやストレスを軽減させる
愛犬、愛猫と一緒に仕事ができるって幸せですよね。ちょっと一息つきたい時や休憩時間に、ペットに癒されちゃうわけです。
仕事もはかどっちゃいますよね。
ペット好きな仲間が職場で見つかる
それから、職場での会話も増えること間違いなしです。
アメリカの研究ではとても面白い研究結果が出ています。
ある研究では、犬と一緒にグループワークをしたチームのほうが、犬がいない通常のチームよりも、チームの雰囲気がより協調的でコミュニケーションが多かった。と発表されています。
ペットの話題から会話が増える
また、飼い主さん同士、犬や猫の飼い方、しつけ方、ペットと一緒に遊べるオススメのスポットなどの情報交換ができるかもしれませんね。
ペットにとっても、他の犬や猫と一緒に遊ぶことができるので、社会化の観点からのとても良いことなのです。忙しい飼い主さんにとっては、まさに良いことづくめです。
仕事探しの項目に“ペット同伴出勤OK”?
アメリカの就活や求人情報誌に、日本では見かけない項目があります。それは“Pet Free(ペットフリー)”という項目です。
これは、”職場がペットフレンドリーである”ということです。
ペットフリーという項目は、大都市部の求人情報誌で多く見られます。やはり、大都会に住む飼い主さんの多くは、マンションやアパートの一人暮らしが多いみたいです。
マンションやアパートだと、ペットを室内で管理しなくてはならないので、家の中で何をしているか、余計に気になりますよね。ペットシッターや散歩代行を利用するにも、お金がかかりますし、不安もあります。
こうしたペットフリーの条件のおかげか、近年では、“ペットフリーにしたら求人応募者が増えた”という会社も多いらしいです。就職の際に、こんなありがたい条件があったら、一人暮らしの飼い主さんにとっては、安心ですよね。
ひとり暮らしの方でも、ペットを飼いやすくするための環境が整えられているのです。
ペットフレンドリーの課題
こうして、職場のペットフレンドリーがトレンド化する中、様々な問題点も出てくるようになりました。
たとえば、ペットアレルギーのある人やペット恐怖症のある人、ペットが嫌な人にとっては、社内で安全に健康的に仕事をすることができません。ペットフリーが設けられているにも関わらず、ペットフリーの問題に対する解決方法が設定されていない会社も多くあるのが実情です。
企業がペット所有者の仕事や生活のニーズを満たす場合、私たちペット所有者は何をしなくはならないでしょうか?
衛生面の配慮
私たちができる一般な配慮としては、衛生面の管理です。
飼い主である私たちが積極的に掃除を行ったり、会社の室内に空気清浄機を設けることが必要になってくるでしょう。また、トイレ等の排泄のしつけをきちんと行っておくことも求められてきます。
徹底的な衛生管理が、ペットを職場に連れ込む際に求められます。
ペットフレンドリーなルールの確立
ペットフレンドリーな社内環境を作るために、以下のようなガイドラインやルールなどを確立することが重要です。
- ペットのワクチン接種の証明書の提出
- ペットによって引き起こされた損害または傷害の責任を誰が負うか
- 一般の顧客や訪問者の苦情の対処
- 持ち込めるペットの種類を設定する
- もしペットが社内で病気になった場合の対処
- 会社で獣医を雇う必要はあるのか
ペットフレンドリーは、一見、飼い主さんにはありがたい方針ですよね。しかし、企業にはまだたくさんの課題があります。
日本にもペットフレンドリー?
こうしたアメリカの職場のあり方が、日本で見られる日もそう遠くはないかもしれません。ペットにとっても、飼い主さんにとっても、安心安全な生活を過ごしたいですよね。
世界では、ペットと飼い主さんが共存できる環境が、職場にまで広がっています。
今後の発展が楽しみです。