ペレットだけはNG!うさぎに「牧草」が必要不可欠な3つの理由
毎日欠かさず食べるご飯は、人間もうさぎも同様にとても大切なものです。
そして、うさぎの身体を作るのに大事なもののひとつが「牧草(チモシー)」です。
今回の記事では、うさぎにとって牧草を食べることが重要である理由や、牧草の与え方などについて詳しく解説していきます。
牧草とチモシーの違い
牧草とは
牧草は、家畜の飼料として栽培される草全般のことで、「イネ科」と「マメ科」に分かれています。
また、加工方法によって、刈り取ってそのままの「生牧草」、天日干しで水分を飛ばした「乾草」、乳酸発酵させた「サイレージ」と、大きく3つに分けられます。うさぎが食べられるのは、「生牧草」または「乾草」です。
チモシーとは
チモシーは、イネ科の牧草の一品種です。牧草として最も一般的な種類で、チモシーの乾草は世界中で広く流通しています。
そのため、牧草といったらチモシーの乾草を意味する場合が多いです。
うさぎは何を食べる?
うさぎが食べるものは、牧草(チモシー)だけではありません。
大まかには、次のようなものを食べます。
- 牧草(主食)
- ペレット(主食)
- 野菜(副菜)
- 野草(副菜)
- 果物(おやつ)
ペレットは、うさぎが1日に必要な栄養が含まれた「総合栄養食」です。そのため、栄養素だけ考えればペレットだけでも問題ありません。
しかし、栄養以外の様々な理由から、うさぎの食事はペレットだけでは不十分で、牧草も与える必要があると言えます。
次の章では、うさぎにとって牧草が必要な理由をご紹介します。
うさぎにとって「牧草」が重要な理由
うさぎに牧草が必要な理由は、栄養価だけではありません。詳しくみて行きましょう。
1. 繊維質を豊富に取れる
草食動物であるうさぎにとって、最も重要な栄養源は「繊維質」です。
繊維質は腸内細菌のバランスを整え、消化管の動きを活発にしてくれます。しかし、繊維が不足すると、消化管の動きが悪くなり、「食滞」という病気になります。すると、食欲の低下や便秘、消化管の中の物が発酵し、ガス溜りなどを引き起こします。
また、毛づくろいをするときに被毛を飲み込んでしまい、それをスムーズに排泄できないと、「毛球症」にかかってしまいます。
牧草から食物繊維を摂取することで、飲み込んだ毛の排泄の助けになります。
2. 歯を削ることができる
うさぎの歯は毎日伸び続けます。しかし、伸びっぱなしで削れないと、噛み合わせが悪くなる「不正咬合」となり、歯が頬の内側や舌を傷つけてしまいます。そうなると、うさぎは痛くてご飯を食べることが出来なくなってしまいます。
固い牧草を食べ続けることで、適度に歯が削られ、健康的な歯を維持することができます。
3. ストレス解消になる
歯をたくさん使ってモグモグと食べ続けることで、うさぎにとってストレス解消となります。
だからと言って、ペレットなどうさぎが欲しがるものだけを与えてしまうと、当然太ってしまいます。
すぐには飲み込めず、ヘルシーな牧草を与えることで、太らずにモグモグし続けてストレスを解消することができるのです。
チモシーは「1番刈り」がオススメ!
先述したように、牧草の一種であるチモシーは、最も広く流通していて人気な牧草です。
そのチモシーの中でも、春から夏にかけての最初の時期に刈り取られた「1番刈り」が最もおすすめです。
その理由は、1番刈りのチモシーは繊維質が豊富で、固いからです。
うさぎは2番刈りの方が好き?
うさぎによっては柔らかくて美味しいものを好むため、嗜好性の高い2番刈りの方をよく食べて、1番刈りは残してしまうことも珍しくありません。
その場合には、無理して1番刈りをあげ続けるのではなく、うさぎの好む牧草を与えれば良いです。
もちろん、1番刈りを食べるのが理想的ではありますが、うさぎが牧草を食べてくれなければ意味がありません。2番刈りでも、とにかく牧草を食べさせることが重要なのです。
うさぎの理想の食事
牧草は主食として、うさぎがいつでも好きなときに食べられるように、常に置いておいてあげるのがベストです。
他の食べ物(ペレット、野菜、おやつ等)でお腹がいっぱいで牧草が食べられない、ということがないように、他の食べ物は適量を守って与えるようにしましょう。ペレットは1日に決められた量を守ることと、おやつや野菜は少しだけ与えることを意識してください。
「牧草」の保存方法
草食動物のうさぎは、よく乾燥していて、良い香りのする牧草を好みます。
しかし、乾燥をするからといって太陽や風にあててしまうと、大事な香りが消えてしまいます。
そうならないために、まず、湿気のない大きなビニール袋に乾燥剤とともに入れて、口をしっかり閉めます。そして、直射日光の当たらない涼しい場所に保管しましょう。
まとめ
うさぎが必要とする栄養は基本的にペレットからとれますが、食物繊維の摂取や歯の健康の維持、ストレス解消などの観点から、牧草も毎日食べさせることが重要です。
うさぎによってはペレットばかり好んで牧草を食べてくれない子もいるかもしれません。その場合は、柔らかめのチモシーを与えてみたり、まずはチモシーを主原料としたペレットを与えるなどして、少しずつ慣れさせていきましょう。
モルモットを飼うなら最低限知っておきたい3つの知識
動物園のふれあいコーナーでおなじみのモルモット。ずんぐりとした体型とまん丸な目が愛らしく、一度は飼ってみたいと思ったことがある方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなモルモットを飼うにあたり、最低限は知っておきたい3つの知識をご紹介します。
【知識1】モルモットの基本情報
まずはモルモットの基本情報から。
モルモットは、げっ歯目テンジクネズミ科に分類されます。キャラクターの”カピバラさん”で人気のカピバラは近縁種で、サイズは全く違うものの、姿形は良く似ています。原産地であるペルーでは、なんと食用として家畜化されていましたが、ヨーロッパに持ち込まれ、愛玩動物として飼育されました。
体長は25〜35cm、体重は300〜700gで、ハムスターよりは大きく、ウサギよりは小さい動物です。耳は小さくて丸く、尻尾はありません。
モルモットの性格
モルモットはとても穏やかな性格をしています。しかし、臆病で警戒心が強いため、小さな物音でもびっくりして全力疾走で逃げていきます。
慣れてくると、なでられながら寝てしまったり、名前を呼ぶ声に反応したりと、飼い主とコミュニケーションが取ることができる動物です。お腹が空いたときは甲高く「キュイーキュイー」と鳴いておねだりします。
【知識2】飼育に必要なもの
モルモットを飼育する際に必要なものをご紹介します。
ケージ
ケージは幅60cm、高さ40cm程度のものがおすすめです。モルモット専用のケージはあまり売られていないので、ウサギ用のケージを代用しても大丈夫です。
ただし、ウサギ用の金網の床材をモルモットが使用すると、足が床材に挟まりケガの原因になってしまうため、床材については、必ずモルモット用の床材を用意しましょう。
床材
ケージの下には牧草か「すのこ」を敷いてあげてください。
すのこを敷くことで糞尿が下に落ちていくため、掃除を行いやすくなります。ただし、隙間の大きいすのこだと、先述の金網と同様に足を挟んでケガをしてしまうこともあるので注意してあげてください。
牧草は、掃除しにくいことが難点ですが、自然の環境に近くモルモットにとっては過ごしやすいでしょう。また、餌として食べることもでき、冬には保温の役割も果たします。
どちらを利用するにせよ、掃除を怠ると不衛生で病気の原因になりますので、十分注意しましょう。
エサ入れと給水ボトル
エサを入れる食器と給水ボトルを用意します。
モルモットは食器をしばしばひっくり返してしまうので、重さのある陶器製のものがおすすめです。給水もエサと同様の食器でも構いませんが、フンが混じってしまうこともあり不衛生なため、ボトルタイプのものを選ぶと良いでしょう。
エサ
モルモットに与えるエサには、不可欠な栄養が含まれていたり、歯が伸び続けるのを防ぐ役割があります。その役割をしっかり理解してモルモットにエサをあげましょう。
モルモットに与えるべきエサは以下の3種類があります。
- モルモット用のペレット
- 牧草
- 野菜
ペレット
ペレットとは、ペット用に加工された固形のエサのことです。
モルモットは人間と同じように自分でビタミンCを合成できません。そのため、モルモット用のペレットには、モルモットには欠かせないビタミンCが含まれています。
ペレットは、動物の種類によって含まれているものが大きく違うので、一緒に飼っている他の動物のペレットをあげることのないよう注意してくださいね。
牧草
牧草は繊維質が多く、こちらもモルモットの食事には欠かせません。
モルモットは歯が一生伸び続けます。通常は上下の歯がうまくかみ合わさることですり減りますが、かみ合わせが悪くなることにより歯が伸びすぎてしまい、食事が難しくなってしまいます。このことを不正咬合(ふせいこうごう)といい、一度治療が終わっても完治が難しいため、これを防ぐためにも牧草などの固いエサを与えることが大切です。
野菜
野菜には、ビタミンAやビタミンCがなどの栄養素がたくさん含まれているので、新鮮な野菜を毎日あげてください。
モルモットはレタス、キャベツ、小松菜、チンゲンサイ、パセリなどを好んで食べます。ニンジンは与えても大丈夫ですが、ビタミンCを破壊する働きがあるため、少し加熱すると良いでしょう。なお、犬や猫と同様に、玉ねぎ、ネギ、ニンニク、ニラなどは絶対に与えてはいけません。
ブラシ
モルモットは春と秋の年二回、全身の毛が抜け変わります。毛を飲み込んでしまった場合、体内で消化できず、猫のように吐き出すこともできないため、ひどい場合は手術が必要な場合もあります。
飲み込む毛の量を減らすため、毛の抜け変わる時期はこまめにブラッシングしてあげることが大切です。モルモットの皮膚は敏感なため、柔らかい豚毛かゴムのものを使用しましょう。
【知識3】飼育時に気をつけたいこと
モルモットは体が小さいこともあり、非常にデリケートな生き物です。飼育時には以下に気をつけましょう。
飼い始めは近づきすぎない
モルモットは環境の変化に敏感です。お迎えしたばかりの時はあまり触ったりせず、数週間かけて少しずつ距離を縮めましょう。すぐに撫で回したくなってしまいますが、まずは環境に慣れてもらうことを優先し、見るだけにしておきましょう。
温度調節
モルモットは暑さにも寒さにも弱い動物です。夏は暑すぎないよう、冬は寒すぎないよう、飼い主が家にいないときも冷暖房は付けっ放しにして、室温を保ちましょう。
かみ癖
部屋でお散歩をさせていると、家電製品のコードをかじってしまうことがよくあります。電気が通っていると感電してしまうことがあり大変危険なので、コードをモルモットの届かないところに置くか、お散歩中は目を離さずに見ていてあげましょう。
最後に
臆病で警戒心が強いモルモットは環境の変化に大変敏感です。ちょっとした物音でもストレスになってしまうため、モルモットが安心して穏やかに過ごせるよう環境を整えてあげてください。
慣れてきてコミュニケーションが取れるようになると、ますますかわいらしい面が見られます。焦らず少しずつスキンシップを取って距離を縮めていきましょう!