【犬図鑑】ゴールデン・レトリーバーの歴史や特徴、飼い方のポイント

ゴールデン・レトリーバーといえば、リビングで穏やかな表情を浮かべ優雅に横たわっているような、優しいイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。世界的にも非常に人気があり、日本でも大型犬の中では一番の人気を誇る犬種です。

今回は、そんなゴールデン・レトリーバーの歴史や特徴、注意すべき病気について解説します。

ゴールデン・レトリーバーの歴史

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ゴールデン・レトリーバーの詳しい歴史はほとんどわかっていません。確実なことは、この犬種がイギリスで誕生したものであるということです。一説によれば、この犬種の祖先はセターやウェービーコーテッド・レトリーバー(フラットコーテッド・レトリーバーの先祖)などとの交配によるものだったとされています。

1913年以降、この犬種はイエロー・レトリーバーまたはゴールデン・レトリーバーと呼ばれていましたが、1920年になり、正式にゴールデン・レトリーバーという名前に統一されました。

性格や外見の特徴、イギリスで生まれたことから、しばしばラブラドール・レトリーバーの長毛タイプと思われがちですが、これらの犬種のルーツはまったく異なります

ゴールデン・レトリーバーの特徴

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身体的特徴

オスの体高は56~61cm、メスの体高は51~56cmが標準とされています。体重はオスが29~34kg、メスが24~29kg程度で、大型犬に分類されます。

被毛

被毛は分厚く、水をはじく撥水性のダブルコートで、1~2回の換毛期には大量の毛が抜け落ちることがあります。毛色はゴールドまたはクリームで、わずかに見られるホワイトは胸にのみ許容されます。

性格

基本的に人懐っこく、家族に対してはとても愛情深く、常に一緒にいたがる傾向があります。比較的穏やかな性格ですが、大型犬は力が強いため、はしゃいだり興奮したりするとコントロールが難しい場合もあります。

使役犬として活躍できるほど、賢く従順で洞察力があります。一方で、若齢期はイタズラ好きで物を壊してしまうこともあります。活発で遊び好きなため、普段から十分な運動や遊びが必要です。

アメリカ系とイギリス系

一般的に見られるゴールデン・レトリーバーは、アメリカ系の血統を持つ犬です。

イギリス系のゴールデン・レトリーバーはアメリカ系に比べると数が少なく、白やクリームなどの薄い毛色で、がっしりとした体型をしています。

アメリカ系には鼻が茶色に変色する子も見られますが、イギリス系は真っ黒な鼻をしていることも特徴です。

ゴールデン・レトリーバーの気をつけたい病気

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股関節形成不全

股関節の発育や形成に異常が見られ、お尻を振りながら歩くモンロー・ウォークや、座る際に横座りになることがあります。
股関節に違和感を覚え、症状が重度になると痛みを伴う場合があります。

悪性腫瘍

ゴールデン・レトリーバーは、悪性だけでなく良性の腫瘍もできやすい犬種です。体表の腫瘍は普段のスキンシップの際に十分にチェックし、体内の腫瘍は血液検査や超音波検査などを受けると早期発見につながります。

胃拡張・胃捻転

胃が拡張し、ねじれ(捻転)を起こすことで、命にかかわる可能性が高い病気です。早食いや一度に大量の食事を摂ること、食後すぐの運動を避けるようにしましょう。

外耳炎

垂れ耳の犬種であるため、湿気や異物、細菌、真菌、耳ダニなどの寄生虫、アレルギーなどが原因で外耳炎が発生することがあります。日頃から耳垢の量や色、耳の臭いをチェックし、異常が見られた場合は早めにかかりつけの動物病院で受診しましょう。

アトピー性皮膚炎

ハウスダストや花粉、カビなどのアレルゲンが皮膚に接触することが原因で皮膚炎が発症します。発症には遺伝的な素因が関係しているといわれており、生後6ヶ月から3歳くらいでの発症が多いようです。

熱中症

被毛が多いことや肥満になりやすい犬種であることから、暑さに弱く、熱中症にかかりやすい傾向があります。

ゴールデン・レトリーバーの飼い方のポイント

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十分に運動させる

穏やかなイメージがあるゴールデン・レトリーバーですが、若くて健康であれば、とても体力があり活発な犬種です。また、好奇心旺盛で遊び好きな犬種のため、毎日の散歩に加えて、おでかけや遊びを日常に取り入れてあげましょう。

「レトリーバー」とは、獲物を回収するタイプの鳥猟犬のことを指します。そのため、ゴールデン・レトリーバーには獲物を回収して飼い主のところに持ってくる習性があります。家庭犬のゴールデン・レトリーバーも、ボールやディスクを使ったモッテコイ遊びなどで作業欲求を満たしてあげましょう

元々水辺でも活躍する狩猟犬であったため、水を嫌がらず、泳ぎも得意です。機会があれば水遊びにも挑戦してみましょう。

早食いや肥満、誤食に注意

食欲旺盛な子が多い犬種ですので、早食いや一気食いが原因で胃拡張捻転症候群になる可能性があります。早食い防止の食器などを使用するようにしましょう。

また、太りやすい犬種とされており、肥満になると関節に負担がかかるだけでなく、心臓病などの様々な病気のリスクを高めてしまうので、注意が必要です。

ストレスや好奇心から、おもちゃなどを誤って飲み込んでしまうこともあります。飲み込みやすい大きさのものは、きちんと管理しておきましょう。

こまめなブラッシングを

被毛が多く、皮膚トラブルが多い犬種です。毛質も細く絡まりやすいため、こまめにブラッシングやシャンプーをすることをおすすめします。月に1~2回シャンプーし、週に数回はブラッシングしましょう。換毛期は毎日ブラッシングが必要です。カットは足の裏の毛を刈る程度で、通常は必要ありません。

イタズラ好きで物を壊すことも

好奇心が旺盛で力が強いため、若い犬は何でもかんでも持ってきたり、物を壊してしまうこともめずらしくありません。ストレスを発散させたり、きちんとしつけをすることで、徐々におさまっていきますので、地道に行ってください。

しつけがしやすい犬種ではありますが、大型犬で力が強いため、コントロールが難しい場合はドッグトレーナーなどに相談することをおすすめします。

最後に

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穏やかで優しいイメージのあるゴールデン・レトリーバーですが、意外にもヤンチャで遊び好き、イタズラ好きな一面もあります。ただし、賢く好奇心旺盛な犬種でもあるため、愛犬とのおでかけや遊びが好きな方にとっては、最高のパートナーとなるでしょう。

しっかりしつけられたゴールデン・レトリーバーは、最高の家庭犬といっても過言ではありません。適切な飼い方をしっかり学び、ゴールデン・レトリーバーの魅力を引き出してあげてください。

【犬図鑑】大谷翔平が飼っているコーイケルホンディエはどんな犬種?

メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手。シーズン中は連日のように彼の活躍が報道され、日本人初のホームラン王と2年連続のMVPを獲得しました。

ところで、MVPの発表時に大谷選手と一緒にメディアに出てきた犬が気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、大谷選手が飼っている犬種について解説していきます。ニュースなどを見て少しでも「飼いたい!」と思った方はぜひご一読ください。

大谷翔平選手が飼っている犬の種類は?

2023年11月17日、大谷選手が2度目のメジャーリーグのMVPに選ばれた際、受賞発表時のアメリカのテレビ局での中継で彼の犬が映り「most valuable puppy(最も価値のある子犬)」と紹介されました。これをきっかけに多くの人の関心が集まったものの、愛好家からは懸念の声が出ています。

この犬は「コーイケルホンディエ」という犬種で、略して「コイケル」とも呼ばれます。日本では飼育頭数が少なく、初めて聞いたという方も多いでしょう。では、コーイケルホンディエとはどのような犬種なのでしょうか。

コーイケルホンディエの歴史

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コーイケルホンディエはオランダ原産の犬種で、16世紀頃には鴨猟の手伝いをしていました。その後、貴族の間で人気となり、レンブラントやフェルメールなどの絵画にもしばしば登場しています。

しかし、第二次世界大戦後にはわずか25頭まで減り絶滅の危機に瀕していました。愛好家たちの努力により、徐々に数を増やし、1971年に犬種として公認されました。日本での知名度は低く、年に100頭程度しか登録されていない珍しい犬種です。

コーイケルホンディエという名前には、「鴨猟のおとりの犬」という意味があります。

コーイケルホンディエの特徴

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身体的特徴

コーイケルホンディエの体高はオスで40cm程度、メスで38cm程度、体重は9〜14kgで、中型犬に分類されます。

体高と体長がほぼ同じでスマートな体型をしており、垂れた耳もポイントです。

被毛

コーイケルホンディエの被毛は、少し長めでウェーブのかかったダブルコートです。四肢や耳、しっぽなどに飾り毛があり、優雅な見た目も魅力的です。

毛色は、ホワイト地に鮮やかなオレンジレッドのまだら模様をもちます。

性格

コーイケルホンディエは、明るく活発な性格をしており、飼い主に忠実で一緒にいることが大好きです。

他の犬や人にもフレンドリーでおおらかな子が多く、無駄吠えもなく飼いやすいとされていますが、番犬としてはあまり向いていない犬種であるともいえます。

コーイケルホンディエを飼う際のポイント

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遺伝性疾患に気を付ける

コーイケルホンディエは一時期絶滅の危機に瀕していたことから、近親交配により遺伝子の多様性が低く遺伝性疾患を発症しやすい犬種とされています。遺伝性疾患は両親がもつ遺伝子を検査することで予防できるため、適切なブリーディングが重要です。

フォンビルブラント病という遺伝病を発症すると、鼻血や歯茎からの出血、怪我をしたときに血が止まりにくいなどの症状が現れます。他にも、コイケル麻痺と呼ばれる遺伝性壊死脊髄障害やセロイド・リポフスチン脳症といった遺伝病にも注意が必要です。

運動量は多い

もともとカモ漁の手伝いをしていたことから、運動が大好きなため、1時間程度の散歩を1日2回行いましょう。

飼い主とのコミュニケーションも大好きなので、ただ散歩をするだけでなく、一緒に遊べる運動も取り入れてあげるのがおすすめです

犬を飼う前に考えるべきこと

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有名人や憧れの人が飼っている犬と同じ犬種を飼いたいと考える人は多くいます。実際、今回の大谷選手の犬が話題になるとともに、ブリーダーやペットショップに問い合わせが殺到しました。

しかし、日本にはコーイケルホンディエを扱っているブリーダーは少なく、予約をしても1、2年はかかるといわれています。その間にブームが過ぎ、予約をしていた人も興味を失ってしまった場合、飼われる予定だった多くの犬の飼い主が不在になってしまいます。

命あるものをお迎えしようとしたときに、ブームや人気に乗っかるのが悪いわけではありません。しかし、その犬種の特性を理解し、最期まで責任をもって飼えるかどうかをしっかり検討した上で飼うことを決めてほしいと思います。

人気になればなるほど不幸な子が増えるかもしれない

コーイケルホンディエは国内だけでなく海外でも飼育数は少なくブリーダーも限られているため、近親交配による遺伝病を抱えた子が生まれてくるのを危惧されています。

現在でもブリーダーにより慎重に繁殖が行われていますが、コーイケルホンディエの需要が増えれば、それだけ悪質なブリーダーも増え、先天的な病気を抱えた状態で生まれてくる子も多くなると考えられます。

不幸な子が生まれてくるのを防ぐためにも、覚悟をもってコーイケルホンディエをお迎えすることが決まったら、適切なブリーディングをしているブリーダーに相談することが大切です。

最後に

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コーイケルホンディエはオランダ原産の犬種で、一度は絶滅の危機に瀕しましたが、愛好家の手によって数を増やしてきました。大谷選手が飼育していることで話題となり、多くの注目を集めています。

しかし、ブームは一過性のものに過ぎません。かつて、漫画の影響でシベリアンハスキーの飼育者が激増し社会現象を引き起こしたものの、飼いきれなくなった飼い主が続出し、数年後には動物保護センターに多くのシベリアンハスキーが持ち込まれたという過去があります。

動物を見て「かわいい」と思うのは自然なことですが、もしペットとして飼いたいと思った時は、本当に最期まで飼い続けられるかを自分と向き合ってみてください。

【犬図鑑】マニア必見!希少な珍しい犬種を厳選してご紹介

世界にはどのくらいの犬種が存在すると思いますか?国際畜犬連盟(FCI)によって公認されている犬種は355種類です。日本の畜犬団体であるジャパンケネルクラブ(JKC)が公認している犬種は206種類とされています(2023年9月現在)。

街中では一般的に知名度の高い犬種を見かけることがありますが、世の中にはまだ知られていない犬種が数多く存在しています。

今回は、その中から厳選して7種類の希少価値の高い珍しい犬種をご紹介いたします。

スルーギ

スルーギはモロッコ原産の大型犬で、筋肉質でありながらスリムな体型が特徴です。あばら骨が浮いて見えるほど痩せている個体もいますが、健康なスルーギはこの程度の体重が適切だとされています。

ジャパンケネルクラブ(JKC)によれば、スルーギはほとんどがモロッコ国内に生息しており、モロッコ国外でスルーギを見かけることは非常に稀です。

アーフェンピンシャー

ドイツ原産の小型犬であるアーフェンピンシャー。ドイツ語で「アーフェン」は猿を、「ピンシャー」はテリアを意味します。この名前は、猿に似た顔を持つことに由来しており、「モンキーテリア」や「ブラックデビル」とも呼ばれています。

19世紀には愛玩犬として非常に人気が高まりましたが、第二次世界大戦以降はその人気が徐々に衰え、現在では原産国であるドイツでも見かける機会が少ない犬種となっています。そのため、絶滅危惧種とされることもあります。

プーミー

ハンガリー原産の中型犬のプーミーは、プードルのようにカールしたふわふわな毛とユニークな容姿が特徴です。しかし、その可愛らしい外見に反して、プーミーはテリアタイプの牧羊犬で、非常に活動的で勇敢な性格を持ち、警戒心も強い一面があります。

プーミーが希少な理由としては、国際畜犬連盟(FCI)によって公認されたのは1966年であり、アメリカンケネルクラブ(AKC)に認められたのは2016年と、比較的新しい犬種であるためです。日本では、登録頭数が0の年もあるなど、珍しい犬種の一つと言えます。

テディ・ルーズベルト・テリア

テディ・ルーズベルト・テリアはアメリカ原産の中型犬で、その名前は第26代アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルトに由来しています。この犬種は、ラット・テリアが改良される中で生まれた短足の犬種で、ルーズベルトがラット・テリアの愛好者であり、大統領任期中だったため、この名前が付けられました。

テディ・ルーズベルト・テリアは、アメリカ以外の国では飼育頭数が非常に少なく、国際畜犬連盟(FCI)やアメリカンケネルクラブ(AKC)には公認犬種として登録されていません。そのため、世界的にも知名度が非常に低い犬種です(2023年9月現在)。

ベドリントン・テリア

「子羊のような容姿」と例えられることもあるベドリントン・テリアは、イギリス原産の小~中型犬です。テリア種とハウンド種の血が混ざっており、その大人しそうな外見とは裏腹に、活動的で時折テリアらしい負けん気の強さを見せることもあります。

イギリスやアメリカでは人気を集めていますが、ベドリントン・テリアが日本に紹介されたのは1963年であり、その歴史は浅いためブリーダーが少なく、日本では希少な犬種となっています。

ダンディ・ディンモント・テリア

頭頂部のフワフワとした毛と短い足が魅力のダンディ・ディンモント・テリアは、イギリス原産の小型犬です。その名前は、イギリスの作家サー・ウォルター・スコットが執筆した小説『ガイ・マナリング』に登場する人物の名に由来しています。

イギリスでは2016年に登録された新生子は91頭と少なく、イギリス原産の犬種でありながら絶滅の危機に瀕しています。そのため、現在積極的にブリーディングが行われています。

コーイケルホンディエ

コーイケルホンディエはオランダ原産の中型犬で、その犬種名は「カモ猟の犬」という意味のオランダ語に由来しています。日本では「コイケル」という愛称で呼ばれています。

陽気でフレンドリーな性格から、親しみやすい猟犬として人気がありましたが、第二次世界大戦をきっかけに数が減少し、戦後はオランダでもわずか25頭しか生存していなかったと言われています。その後、愛好家たちの努力により数を回復させましたが、日本やアメリカへ初めて輸入されたのは1999年で、歴史が浅く、いまだ世界的に数が少ない希少な犬種です。

まとめ

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今回は、一般的にあまり知られていない希少な犬種をご紹介しましたが、これらの犬種をご存じでしたでしょうか。もし、既にご存じであれば、かなりの犬マニアと言えるかもしれません。

一般的に人気のある犬種は、日本の住宅事情や環境に適していることが多い傾向にあります。一方で希少な犬種の中には、特有の飼い方や難しさがある犬種もいます。今回ご紹介したような希少な犬種を飼いたいと思った場合は、まずその犬種について学び、飼育が可能かどうか熟考することをおすすめします。

【犬図鑑】かわいいだけじゃない?代表的なミックス犬6種とその特徴

SNSやペットショップなどで「ミックス犬」を目にしたことはありますか?

ミックス犬といえば、両親の特徴が合わさった個性的で魅力的な犬というイメージがあるかもしれません。しかし、かわいいだけではなく気をつけなければいけない点もあります。

この記事では代表的なミックス犬の特徴と気をつけるべきポイントについてご紹介します。

ミックス犬とは

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もともと、純血種の対義語として「雑種」という言葉が使われてきました。しかし、最近では異なる純血種の交配によって生まれた子のことを「雑種」と区別して「ミックス犬」と呼ぶことがあります。

一般的にミックス犬は両親の特徴に注目して意図的に交配された子のことを指し、雑種は意図せずに交配されて生まれた子のことを指すことが多いですが、「ミックス犬」には明確に定義された意味はありません。

では、ミックス犬にはどのような種類がいるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

注意
ミックス犬の場合、両親のどちらの性質をより強く受け継ぐかで見た目や性格はまちまちです。あくまで一般的な例として紹介していますので、参考程度として捉えてください。

1.【マルチーズ×プードル】マルプー

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マルチーズとプードルの交配によって生まれたミックス犬を「マルプー」といいます。人気のある犬種同士を掛け合わせているため、特に人気の高いミックス犬です。

柔らかい巻き毛とクリッとした目が特徴的で、耳は垂れています。両親はどちらもシングルコートであることから、マルプーもシングルコートで、換毛期がなく抜け毛は比較的少ないです。

マルチーズの人懐っこい性格と、プードルの賢くて活発な性格を併せ持つ子が多い傾向があります。

2.【チワワ×プードル】チワプー

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チワワとプードルの交配によって生まれたミックス犬を「チワプー」といいます。

チワワより一回り大きく、小さな頭とクリクリした目が特徴です。垂れ耳の子が多く、フワフワとした抜け毛の少ない毛質をしています。毛色のバリエーションは多くクリーム色からブラックまでさまざまです。

チワワの飼い主に忠実な性格と、プードルの社交性があり賢い性格を受け継いだ子が多い傾向にあります。

3.【チワワ×ダックスフンド】チワックス

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チワワとダックスフンドの交配により生まれたミックス犬を「チワックス」といいます。

ダックスフンドの長い胴体と垂れた耳、チワワの大きくて潤んだ目が特徴で、かわいらしい見た目のため人気のミックス犬です。ただし、耳は両耳もしくは片耳が半立ちになることもあります。被毛はダブルコートのため、お手入れは定期的に行いましょう。

チワワの甘えん坊で飼い主に忠実な性格と、ダックスフンドの穏やかな性格を受け継いだ子が多いですが、どちらも警戒心が強いため、社交性のない一面も見られるようです。

4.【ポメラニアン×チワワ】ポメチワ

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ポメラニアンとチワワとの交配により生まれたミックス犬を「ポメチワ」といいます。

ポメラニアンもチワワも、被毛が一定の長さまで伸びたら長くはならないため、トリミングは不要です。しかし、ダブルコートのため換毛期には抜け毛が多くブラッシングはこまめに行う必要があります。

ポメラニアンの活発で好奇心旺盛な性格と、チワワの甘えん坊で飼い主に忠実な性格を併せ持った子が多い傾向が見られますが、警戒心が強く吠え癖が気になることもあるため、子犬の頃からしっかりとしつけることが大切です。

5.【チワワ×マルチーズ】チワマル

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チワワとマルチーズの交配により生まれたミックス犬を「チワマル」といいます。

マルチーズのふわふわとした被毛と、チワワの大きな目が特徴で、少し小さいマルチーズという印象を受けます。また、鼻が短く涙やけになりやすいため、普段から予防するようにしましょう。

チワワの飼い主に忠実で甘えん坊な性格と、マルチーズの人懐っこい性格を併せ持っており、とても穏やかです。しかし、臆病で警戒心が強く、吠えやすいという特徴もあります。

6.【ポメラニアン×プードル】ポメプー

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ポメラニアンとトイプードルの交配により生まれたミックス犬を「ポメプー」といいます。

両親はともに毛量が多いためポメプーも毛量が多くなりがちで、ポメラニアンのようなスレートとプードルのような巻き毛の両方がいます。

ポメラニアンの好奇心旺盛で活発な性格とプードルの賢くて社交的な性格を受け継ぎ、甘えん坊であまり人見知りをしない子が多い傾向があります。

ミックス犬の注意点

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ミックス犬は両親それぞれの特徴を受け継ぐため、メリットもあればデメリットもあります。そのデメリットを受け入れた上で、最期まで責任をもって飼えるか考える必要があります。

成長後の姿が想像しにくい

異なる純血種を交配させているため、想像した通りの見た目や性格になるかどうかは成長しないとわかりません。同じ両親から生まれた兄弟でも、まったく異なる見た目や性格をしていることもあります。

期待していた顔立ちにならなかった、考えていたよりも大きくなってしまったなど、想像とのギャップが生じることも少なくありません。

両親の悪いところを受け継ぐ可能性も

犬種により発症しやすい病気はいろいろあります。特に遺伝的な疾患は予防や治療が難しく、また、生まれつき骨や脊椎に障害がある子もいます。

見た目や性格だけでなく、両親がどのような病気になりやすいのかも把握しておく必要があります。

最後に

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ミックス犬は両親の特徴を受け継いでいるため、とても魅力的な外見をしていることが多いです。一方で、どのような見た目になるかは成長するまでわかりません。想像と違っていたということもよくある話です。

ミックス犬には魅力的な部分もあれば、ネガティブな部分ももちろんあります。ミックス犬を飼いたいと思ったら、まずは両親の特徴やかかりやすい病気を調べ、どのような子に成長しても責任をもって飼う覚悟をもちましょう。

【犬図鑑】難聴に注意!ダルメシアンの歴史や飼い方のポイント

ダルメシアンと聞くと、多くの方はディズニーの「101わんちゃん」を想像するのではないでしょうか。スマートな体つきで、気品さも感じられる犬種です。日本では頻繁に見かけるわけではありませんが、たまに見ると「おっ!」とテンションが上がりますよね。

今回はそんなダルメシアンの歴史や特徴、注意したい病気について解説していきます。

ダルメシアンの歴史

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ダルメシアンの起源ははっきりとわかっていません。ヨーロッパやエジプト、インドなどにダルメシアンのような犬がいた記録が残っているため、どこで生まれ、どういう歴史をたどっていったのか、詳細は不明です。この理由として、ダルメシアンはジプシーや旅商人の犬として世界各地を回っていたためだと考えられています。

18世紀頃になると、クロアチアに位置するダルマチア地方で飼われていたことから「ダルメシアン」と呼ばれるようになったものの、それ以前からダルメシアンと思われる犬種が存在していたという記録も残り、謎の多い犬種です。

19世紀後半には、イギリスでスタンダードが定められ、貴族や裕福層の犬として可愛がられました。また、馬車の伴走犬として活躍しており、その姿に多くの人が魅了されました。

ダルメシアンの特徴

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身体的特徴

オスの体高は56~61cm、体重は約27~32kg、メスの体高は54~59cm、体重は約24~29kgが標準とされています。
一般的に大型犬に分類されますが、中型犬として扱われることもあります。

被毛

被毛はシングルコートで短毛ですが、毛が抜けやすいためこまめなお手入れが大切です。

毛色は白地に黒またはレバー色のはっきりした斑点が特徴的です。生まれたばかりの子犬には斑点がなく、2週間くらい経ってから徐々に斑点模様が見えるようになっていきます。

性格

ダルメシアンはとても活発で、走ることが大好きです。しかし、運動不足になるとストレスが溜まり問題行動に発展しやすいため、普段から十分に運動させてあげる必要があります。

家族に対しては甘えん坊ですが、人見知りをする傾向が強く、他の人や犬には神経質になることがあるため、初対面の接触には注意しましょう。

ダルメシアンで気をつけたい病気

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ダルメシアンにはかかりやすい病気がいくつかあります。日々の生活や食事などに注意しながら、愛犬が少しでも長く健康でいられるようにしましょう。

先天性聴覚障害

内耳の聴覚器の異常により、難聴になりやすいとされています。

ダルメシアンの白い毛の部分にはメラニンという色素がありません。メラニンは被毛の色だけでなく、目の色や聴覚の維持にも関係しており、ダルメシアンの20〜30%は片耳もしくは両耳が聞こえないといわれています。特に青い目のダルメシアンは発症率が高くなると考えられています。

声をかけても反応しなかったり、物覚えが悪いなど、日常生活で気になることがあれば、早めに動物病院で検査することをオススメします。

尿結石症

尿結石症とは、尿管または尿道に結石がつまってしまう状態です。結石が詰まると尿を排出できないため、膀胱破裂や腎不全を起こして死に至る可能性もあります。

メスよりもオスの方が発症する可能性が高く、6歳以上のオスの30%以上は何らかの症状が出ているといわれています。

プリン体を多く含む食べ物をなるべく控え、水分をしっかり摂取することが大切です。

ダルメシアンの飼い方のポイント

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運動量は多い

もともとダルメシアンは馬車の伴走犬として活躍していたため、並外れた体力と持久力があります。そのため、1回1時間程度の散歩を1日2回は行い、ただ歩くだけでなくジョギングなども取り入れましょう

週末にはボール遊びやドッグランでしっかり体を動かす機会を作り、運動不足にならないように気を付けてあげましょう。

社会化期のしつけが大切

ダルメシアンは頑固で神経質なため、一度覚えたことはなかなか変えようとしません。しつけができていないと、体力がある分、手がつけられなくなった際にとても危険です。

場合によってはプロの力を借りつつ、子犬のときからしっかりとしつけをすることが大切です。

ハンドシグナルによるトレーニング

先述の通り、ダルメシアンは難聴になる可能性が高い犬種です。言葉のみの指示をしていると、聞こえなくなった時に指示がうまく伝わりません。

もしものことを考え、ハンドシグナルを用いてしつけのコマンドを出すことをオススメします。

プリン体の摂取を控える

レバーやイワシなどの一部の魚介類にはプリン体が多く含まれており、尿結石症の原因となります。まったく摂取してはいけないわけではありませんが、なるべく避けつつ、愛犬にとって安心で安全な食事を与えてあげましょう。

最後に

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アニメ映画で有名なダルメシアン。スマートな見た目や特徴的な斑点がとても魅力的な犬種です。

しかし、ダルメシアンは運動量が多かったり、しつけが難しかったりと、犬を飼い慣れていない人にはハードルが高い犬種かもしれません。

それでも覚悟をもって飼うことを決めたのであれば、素敵なパートナーになれるでしょう。病気などにも注意しながら、楽しいペットライフを送れますように。

【犬図鑑】似てるようで色々違うビション・フリーゼとボロニーズ

韓国で人気となったビション・フリーゼ。ここ数年日本でも見かけることが増えたように感じます。フワフワの毛が特徴的でかわいいビション・フリーゼですが、この犬種によく似たボロニーズという犬種をご存知でしょうか。ボロニーズも白いフワフワの毛が特徴の犬種で、ビション・フリーゼと具体的な違いがよくわからない方も多いかもしれません。

今回は、ビション・フリーゼとボロニーズの共通点、異なる点を紹介します。

異なる原産国と起源

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見た目はよく似ているビション・フリーゼとボロニーズですが、そもそも原産地が異なります。ビション・フリーゼは諸説あるようですが、フランスが原産と言われています。一方のボロニーズはイタリアのボローニャ地方が原産です。

ビション・フリーゼの起源

ビション・フリーゼは、1300年代からフランスでウォータードッグとして活躍してきたバルべ(バーベイ)という犬種とマルチーズなどの白い小型犬を掛け合わせて生まれました。「小さなバルべ」を意味する「barbichon(バービション)」と名付けられ、その後「bichon(ビション)」と短縮されて呼ばれるようになりました。

当時、ビションの系統は「ビション・マルチーズ」「テネリフェ」「ボロニーズ」「ハバニーズ」の4種類に分けられていました。これらのうち、カナリア諸島のテネリフェ島に持ち込まれた「テネリフェ」が、後のビション・フリーゼとほぼ同じ犬種といわれています。

ボロニーズの起源

ボロニーズは、マルチーズやビション・フリーゼと同じビション系を祖先に持ち、イタリアのボローニャ地方で1000年ほど前から飼育されてきた歴史のある犬種です。ただし、ボロニーズの起源は現在も謎に包まれている部分が多いですが、ボロニーズという犬種名は、地名に由来しているとされています。

歴史が長いボロニーズは、ルネッサンス時代にはおしゃれな犬としてイタリアの貴族に愛されており外交にも使われていた記録があります。加えてベルギー王女のマリー・ジョー、ロシアのキャサリン・ザ・グレート、オーストリアの女帝マリア・テレジアなどにも飼育され、古くから多くの貴族たちに愛されていました。

外見で見分けるのは難しい

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ビション・フリーゼもボロニーズも小型犬でフワフワした長毛の巻き毛を持ち、真っ白な毛色のみが認められています。

容姿が似ている2犬種ですが、被毛の構造には違いがあり、ビション・フリーゼはダブルコート、ボロニーズはシングルコートです。体の大きさも似ていますが、標準のサイズにはやや違いが見られます。

犬種 体長 体高 体重
ビション・フリーゼ 30cm未満 24~29cm 5~6kg
ボロニーズ 25~30cm 25~30cm 3~4kg(オスの方がやや大きめ)

外見で見分けるのは難しいかもしれませんが、強いて言えばビション・フリーゼは、体長が体高よりもやや長く、骨格がしっかりしているのが特徴です。ボロニーズは、体高と体長がほぼ同じで正方形の体つきをしている傾向にあります。

性格の傾向は異なる

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ビション・フリーゼは社交的で陽気な性格が特徴です。人懐っこい、他の犬に好意的な興味を示す、遊ぶことが好きな子が多いと言われています。

一方で、ボロニーズはビション・フリーゼに比べてやや控えめで警戒心が強い傾向にありますが、しっかり信頼を築けると愛情深く接してくれます。

注意

これらは2犬種の一般的な性格であり、遺伝や経験により異なる性格的特徴を有する子も多くいます

注意したい2犬種共通の病気

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ビション・フリーゼとボロニーズが注意したい病気は同じものもありますが、被毛の構造が異なることから違う部分もあります。2犬種ともに特に注意したい病気について見ていきます。

膝蓋骨脱臼

小型犬であることから膝蓋骨脱臼(通称:パテラ)になりやすく、注意が必要です。後ろ脚の膝にあるお皿のような膝蓋骨が、正常な位置から内側または外側に外れてしまう症状が見られます。

原因は、先天的に膝関節の骨や周囲の筋肉や靱帯に異常がある場合や、高い所からの落下や滑りやすい環境での生活、肥満などでも発症する可能性があります。

外耳炎

2犬種ともに垂れ耳であり、耳の内部の通気性が悪くなって細菌が繁殖しやすくなることから、外耳炎にかかりやすいとされています。

耳のニオイが強くなったり、耳を頻繁に掻く、頭を頻繁に振るといった行動が見られる場合は動物病院を受診しましょう。

他にも

これらの他にもビション・フリーゼはダブルコートであることから皮膚が蒸れて雑菌が繁殖し、湿疹ができる湿潤性湿疹や、ボロニーズは目が白濁し、視力が低下する白内障にも特に注意が必要です。

日本での飼育頭数

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どちらもヨーロッパが原産の犬種ですが、日本での飼育頭数をジャパンケネルクラブ(JKC)が発表している2022年1月~12月の「犬種別犬籍登録頭数」で比較してみます。

犬種 順位 犬籍登録頭数
ビション・フリーゼ 17位 3,974頭
ボロニーズ 57位 143頭

圧倒的にビション・フリーゼの方がボロニーズよりも飼育頭数が多い結果となりました。ちなみに1位はプードル(トイ・ミニチュア・ミディアム・スタンダード)の83,916頭で、それに比べるとビション・フリーゼもまだまだ少な目であることがわかります。

参考: 一般社団法人ジャパンケネルクラブHPより

まとめ

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ビション・フリーゼとボロニーズはどちらも小型でフワフワした被毛をまとうかわいらしい犬種ですが、起源や性格、注意したい病気にも違う点がいくつかあります。

一般的な2犬種の特徴を紹介してきましたが、同じ犬種でも一頭一頭性格や体型、被毛の状態なども変わってきます。愛犬の個性を尊重し、かかりやすい病気には注意しながら家族として大切に過ごして欲しいと思います。

犬種によって性格が似ている理由は○○だった!犬種別の特徴とは。

犬種によって性格の傾向があることは広く知られています。例えば、「ゴールデン・レトリーバーは穏やかで人懐こい」などといった表現を、犬種ごとに耳にするのではないでしょうか。

しかし、よく考えると、「なぜ犬種ごとに性格が異なるのだろう」と疑問を抱く方も少なくないでしょう。実は、これには深い理由があるのです。

今回は、犬種ごとに性格が似ている理由と犬種別の特徴について解説していきます。

犬種で性格が違う理由とは

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近年、私たちがよく目にする犬種のほとんどは、日本国内で生まれたものではありません。日本犬とは異なり、ヨーロッパでは作業犬として活躍できるように長所を伸ばすべくブリーディング(交配)をしてきました。その結果、たくさんの犬種が存在し、それぞれに固有の特徴を持っています。

性格もまた、遺伝する要素があります。もちろん、個体それぞれが持つ独自の性格もありますが、遺伝によっても性格は形成されます。例えば、ゴールデン・レトリーバーは狩猟の際に、自分が取ってきた獲物をハンターに渡すという役割をしていたため、人への攻撃性は少なく、人との交流を好む傾向があります。

犬種の特徴を理解する

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遺伝によって影響を受ける性格の特徴があることを理解した上で、犬と接することはとても大切です。それにより、犬が「なぜそのような行動をとるのか」が理解できるようになるからです。

例えば、レトリーバーはもともと物を回収する仕事をしていました。その役割を果たすためにブリーディングされてきたため、レトリーバーに「物を持ってこないで」と指示する方が難しい場合もあります。これは、私たち人間が伸ばしてきた長所ですので、レトリーバーが飼い主のもとに何かを持ってくることは自然な行動です。物を持ってきて困るような場合は、物をしまう収納にするなどして、叱るよりも物を咥えられない環境を整える方が効果的です。

このように、犬の性質を理解するには、その犬種の歴史を知ることが重要です。以下に、犬種の特徴がわかりやすいように、JKCの犬種グループ分けとは異なる方法でまとめてみました。

①レトリーバー

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日本では、補助犬や家庭犬のイメージが強いレトリーバーですが、本来は「Retriever」というその名前の通り、「Retrieve(取得)」してくることを目的としてブリーディングされています。狩猟の際は、人間が銃で撃ち落とした鳥獣などを拾ってくる役割を担っていたため、物を咥え、運んでくることを得意とします。

代表的なレトリーバー犬種

  • フラットコーテッド・レトリーバー
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ラブラドール・レトリーバー

※レトリーバーについては、こちらの記事もご覧下さい。

【犬図鑑】穏やかさと賢さが魅力!6種のレトリーバーたちをご紹介
https://cheriee.jp/dogs/37054/

②スパニエル

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スパニエルは狩猟の際に、走り回りながら大声で鳴き立て、鳥を追い立てる役割を担っています。また、何かしらのチョロチョロとした動きに反応して、それを追い回す特性も持っています。運動量も多いため、しっかりと遊んであげないとストレスが溜まってしまうことがあります。

代表的なスパニエル犬種

  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • イングリッシュ・コッカー・スパニエル
  • イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

※スパニエルについては、こちらの記事もご覧下さい。

【犬図鑑】陽気で賢くさまざまな個性が!スパニエル5種をご紹介
https://cheriee.jp/dogs/37356/

③ハーディング

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ハーディングは、牧羊犬や牧畜犬のうち、羊や牛などの家畜がはぐれないように誘導し、群れに戻す役割を担う犬たちのことを指します。彼らは家畜にそっと近づいて睨みをきかせたり、吠えたり軽く噛み付いたりしながら家畜を誘導します。

彼らにとって物を追いかけることは本来の自然な行動ですので、追いかけるような遊びを取り入れて本能を満たしてあげましょう。また、追いかけてはいけないものをしつけでしっかりと教えるなど、ハーディングたちの追いかけたい本能と上手く付き合っていくことが求められます。

代表的なハーディング犬種

  • ボーダー・コリー
  • シェットランド・シープドッグ
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク

※ハーディングについては、こちらの記事もご覧下さい。

【犬図鑑】賢く活発でカッコイイ!6種のハーディング・ドッグを紹介
https://cheriee.jp/dogs/37796/

④ポインター・セター

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ポインターとセターは、どちらも狩猟の際に獲物の位置をハンターに知らせる役割を担っています。

ポインターは、獲物を見つけると立ち止まり、姿勢を低くして鼻先を突き出し、片足を上げるポーズをとります。これが「ポイント姿勢」と呼ばれる、ハンターに獲物の位置を知らせるポーズです。

一方、セターは、獲物の前で伏せたりしゃがみこんだりして、獲物の位置をハンターに知らせます。獲物を前にして「伏せる(セットする)」ことが、セターという名前の由来です。

どちらもその性質から、鳥に執着する傾向が見られます

代表的なポインター・セター犬種

  • ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
  • イングリッシュ・ポインター
  • アイリッシュ・セター
  • イングリッシュ・セター

⑤テリア

マテをするジャックラッセルテリア
かつてテリアは、地中に住むキツネやアナグマ、ウサギなどの巣穴に潜り込み、獲物を追い立てる狩猟犬として活躍した歴史があります。その後、農家のコンパニオン犬として愛され、害獣退治や番犬の役割を果たしてきました。

活発で気が強く、興奮しやすいといった特徴の「テリア気質」を持つ犬が多くいます。初心者が飼うのは難しいとされる一方で、他の犬種では物足りないと感じるテリア愛好家もいます。

代表的なテリア犬種

  • ジャック・ラッセル・テリア
  • エアデール・テリア
  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア

※テリアについては、こちらの記事もご覧下さい。

テリア犬32種から注目の8種を厳選して紹介!
https://cheriee.jp/dogs/12258/

⑥ガーディング

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その名の通り、ガードする(守る)ためにブリーディングされました。彼らはオオカミなどの外敵から家畜を守る仕事をしています。そのため、身体が大きくて体格の良い大型犬が多く、害獣から襲われても大怪我をしないように分厚い被毛を持つ犬もいます。防衛本能が強く、見知らぬ人に対して警戒心を見せることがあります。

代表的なガーディング犬種

  • コモンドール
  • グレート・ピレニーズ
  • マレンマ・シープドッグ

⑦サイトハウンド

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サイトハウンドは獣猟犬の一種で、主に視覚を頼りに狩りをします。獲物を見つけると走って追いかけていたことから、非常に足が速い犬種が多くいるのが特徴です。

獣猟犬としての本能が残っているため、動くものを見つけるとすぐさま追いかけてしまったり、走ることに夢中で飼い主の指示を聞かなかったりすることもあります。

代表的なサイトハウンド犬種

  • ウィペット
  • イタリアン・グレーハウンド
  • ボルゾイ
  • サルーキ

⑧セントハウンド

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セントハウンドも獣猟犬の一種ですが、こちらは主に嗅覚を頼りに狩りをします。獲物の臭いを追跡し、居場所を特定したり、時には巣穴に入り込んで追い立てたりする役割を担っていました。

セントハウンドの外見の特徴として、垂れ耳の犬種が多くいます。これは、嗅覚を最大限に活かせるように鼻先に集中させるためや、巣穴などに入る際に耳の中に土が入らないようにするためだと言われています。

また、見つけた獲物の居場所をハンターに知らせるために吠えていたことから、吠え声が大きく、よく吠える犬が多い傾向があります。

代表的なセントハウンド犬種

  • ビーグル
  • バセット・ハウンド
  • ブラッドハウンド

最後に

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犬種の歴史など知る必要ないと思われる方もいるかもしれません。しかし、愛犬の行動や性格を理解するためには、かつてどんな役割をしていたかを知ることが重要です。

愛犬のことをより深く理解し、良い関係を築いていくためにも、犬種の歴史について学んでみてはいかがでしょうか。

【犬図鑑】マルチに働く犬がいっぱい!ドイツ原産の犬たちをご紹介

ヨーロッパでは「犬と子供はドイツ人に育てさせろ」という言葉があるくらい、犬のしつけに熱心で、飼い主に厳しい義務が課せられているドイツ。犬に対する意識がたいへん高く、動物福祉先進国としても知られています。

また、ドイツ原産の犬種は、日本でもジャパン・ケネル・クラブ(JKC)に多く登録されており、イギリスに次ぐ第2位の登録数を誇っています。

今回は、そんなドイツ原産の犬種を紹介していきます。

ドイツ原産の強面の犬たち

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ドイツの犬といえば、屈強な肉体と精悍な顔立ちの凛々しい犬を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ジャーマン・シェパード・ドッグ

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ジャーマン・シェパードといえば、警察犬のイメージが強いかもしれませんが、元々は牧場で牛や羊などの護衛や誘導する仕事をしていました。その後、警備、荷物を引く、物を回収するなどマルチな活躍を見せ、第一次大戦以降は優秀な軍用犬として働きました。

この頃日本にも軍用犬として入ってきましたが、きちんとした訓練が必要であるため、日本における犬の訓練もこの頃から盛んになったという歴史があります。現代でも、警察犬、麻薬探知犬、災害救助犬、盲導犬など幅広く活躍しています。

グレート・デーン

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超大型犬のグレート・デーンは、世界で一番背の高い犬としてギネス世界記録で認定されており、ドイツの国犬でもある代表的な犬種です。猟犬、軍用犬、害獣駆除など、幅広い分野で活躍していました。

ドイツ以外で呼ばれる「グレート・デーン(Great Dane)」という名称は「大きな、デンマークの」という意味になりますが、この犬種の誕生にデンマーク人は全く関与していません。ドイツでは「ドイツの犬」を意味する「ドイチェン・ドッゲ(Deutsche Dogge)」と呼ばれています。

ドーベルマン

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ドーベルマンという名前は、この犬種を作り出したフリードリッヒ・ドーベルマン氏に由来しています。ドーベルマン氏は税務職員であり、常に現金を持ち歩く必要があったため、優秀な護衛犬が必要だと考え、この犬種を育てました

特徴的な尖った耳や短い尾は、生後間もなく行われる耳・尾の断尾・断耳によるものです。しかし、近年は動物愛護に対する関心の高まりから、特にヨーロッパで断尾・断耳を行わない習慣が広がっています。

ボクサー

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ボクサーは19世紀後半までは闘犬や猟犬として活躍していました。しかし、1835年にイギリスで闘犬が禁止された影響を受け闘犬は減少し、また、畜産の進歩によって狩猟も衰退していくと、ボクサーは軍用犬や警察犬として活躍するようになります。

ドイツ生まれの犬種ですが、アメリカでも人気が高く、第二次世界大戦ではアメリカ軍の軍用犬としても活躍しました。そして、終戦後は軍人たちによって家庭のペットとしても迎えられるようになりました。

ロットワイラー

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ロットワイラーは長らく畜産業者に飼育され、大きな荷車を引くことを主な仕事としていました。そのため「肉屋の犬(metzgerhund)」と呼ばれていた時期もあります。しかし、19世紀中頃になると、物流が鉄道やロバによる荷車引きに代わっていき、ロットワイラーの出番が減ったため、一時は絶滅の危機に瀕するほどでした。

20世紀以降は、ロットワイラーのスタミナと勇敢さが評価され、警察犬、軍用犬、山岳救助犬として世界中で活躍しています。

ドイツ原産の可愛らしい犬たち

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ドイツ原産の犬には、日本でも人気がある可愛らしい小型犬もいます。

ミニチュア・シュナウザー

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ミニチュア・シュナウザーを含む「シュナウザー」と呼ばれる犬種には、大型犬の「ジャイアント」、中型犬の「スタンダード」、小型犬の「ミニチュア」の3つの犬種がありますが、最も古いのはスタンダードシュナウザーで、他の2種はスタンダードを改良した犬種です。

ミニチュア・シュナウザーは戦後に日本に入ってきましたが、当時の日本ではトリミング技術が発達していなかったため、あまり普及しませんでした。その後2000年頃から急速に人気が高まり、現在のような人気犬種になりました。

ミニチュア・ピンシャー

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「ミニピン」の愛称で親しまれているミニチュア・ピンシャー。英語圏でも「min-pin」という略称で呼ばれることがあります。犬種名は、ドイツ語で「テリア」を意味する「ピンシャー」から来ており、テリアと同様にネズミ捕りや番犬として活躍しました。

外見がドーベルマンに似ているため、しばしばドーベルマンの小型版と誤解されますが、実際にはミニチュア・ピンシャーの方が歴史は長く、その起源は17世紀から18世紀頃にさかのぼるとされています。

ダックスフンド

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ダックスフンドの大きさは、大きい方から「スタンダード」、「ミニチュア」、「カニーンヘン」の3つのタイプがあります。また、被毛も「スムースヘアード」、「ワイアーヘアード」、「ロングヘアード」の3種類があります。日本で一番多く見られるのは、「ロングヘアードのミニチュア・ダックスフンド」です。

ダックスフンドは元々アナグマを狩る猟犬で、アナグマが住む狭い穴に入り込めるように、脚を短くする選択的な繁殖が行われた結果、現在のような体格になりました。

ポメラニアン

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ポメラニアンは、スピッツ系の大型犬が現在のドイツ東部からポーランド北部にまたがるポメラニア地方で小型化された犬種だと考えられています。小型化といっても、当時は10kg前後の中型犬だったそうです。

その後、愛犬家で知られたビクトリア女王がポメラニアンを本国に連れ帰り、自ら繁殖させた結果、5kg程度まで小型化されました。それ以前のポメラニアンは、ホワイトとブラックのみの毛色でしたが、この頃から今ではメジャーなレッドの毛色が存在するようになったそうです。

ドイツ原産の犬の特徴

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今回はご紹介しきれませんでしたが、ドイツ原産の犬種には優秀な鳥猟犬も多くいます。また、他国の犬種には、シベリアン・ハスキーがソリ犬、ボーダー・コリーが牧羊犬といったように、一つの仕事に特化した犬たちも多くいます。一方でドイツ原産の使役犬たちは、警察犬、護衛犬、軍用犬、猟犬など、様々な場面で人間を手助けしてきたことが特徴として挙げられます。

可愛らしい小型犬たちも元々は猟犬や番犬として活躍していたため、愛玩目的で飼われていた犬がほとんどいない、珍しい国と言えます。

最後に

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ドイツでは店舗や公共交通機関など、ほとんどの場所へ犬を連れて行けます。その背景には、ドイツ人の犬に対するしつけの意識の高さがあり、それゆえに周りの人々も犬を受け入れる文化が根付いています。

日本でも犬の飼い主たちが、きちんとしたしつけをしたり、周囲への配慮やマナーを徹底したりすることで、ドイツのように犬を飼いやすい環境になるかもしれません。

日々少しずつでも意識することで、ドイツのような犬を飼いやすい環境が、日本でも実現することを願います。