日本で狂犬病が発生する可能性は十分にある!知られざる危機とは

「今の日本は狂犬病が発生していない国だから、飼い犬にワクチン接種させる必要はない」などという誤った情報が、ネット上などで散見されます。しかし、実は日本でも狂犬病が発生する可能性は十分にあることをご存じでしょうか。

この記事では、日本で狂犬病が発生する可能性やその恐ろしさ、予防接種しなかった場合の法的な罰則などを解説しています。この機会に狂犬病の正しい知識を再確認していただけたら幸いです。

日本のワクチンの接種率は危機的な数値

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2024年2月7日、群馬県の伊勢崎市で小学生ら12人が近所で飼われていた中型犬に次々と咬まれるという事件が発生しました。非常にショッキングなニュースであり、記憶に残っている方も多いことでしょう。

さらに、この犬が自治体へ畜犬登録されていない上に、狂犬病ワクチンを接種していないことが分かり、事件の深刻さに拍車をかけました。

ただし、この飼い主だけが特殊なわけではなく、近年狂犬病ワクチンは接種率の低下や誤った情報の広まりが専門家などから問題視されています。

狂犬病ワクチンの接種率は年々低下

日本での狂犬病の感染は、人間は1956年、動物は1957年に猫の発症を最後に60年以上発生していません(海外で感染し、日本で発症した例は除く)。そのため、日本は「狂犬病清浄国」とされていますが、実は危機的な状況に置かれていることをご存じでしょうか。

狂犬病の発生やまん延を防ぐために、法律で義務づけられている予防接種。
しかし、その接種率は減少傾向にあります。

接種の間隔が半年1回から年1回に変わった1985年以降はほぼ100%で推移していましたが、1996年ごろから減り始め、2000年度には80%を下回りました。

2022年度は、全国の市区町村に登録されている犬606万7716頭に対し、予防接種を受けたのは429万9587頭で、接種率は70.9%にとどまりました。

出典:狂犬病の予防接種 なぜ7割に? SNSではワクチンめぐり誤情報の拡散も | NHK NESWEB

このようなワクチン接種率の推移は、厚生労働省が公表している統計を元にしていますが、これは自治体に「登録されている犬」が狂犬病ワクチンを接種している接種率で、先述した人を咬んだ中型犬のような「未登録の犬」や飼い主のいない野犬はカウントされていません。

そのため、未登録の犬を含めるとワクチンの接種率が50%を下回る可能性も十分に考えられます。WHOのガイドラインでは、狂犬病のまん延を防ぐためには犬全体の70%以上にワクチンを接種する必要があるとされており、狂犬病清浄国とされている日本も安全とは言えないのが現状です。

ワクチン接種率の地域格差

狂犬病ワクチンの接種率には地域差も見られます。厚生労働省が発表した都道府県別のワクチン注射率(2022年度)において、注射率が高い都道府県は以下の通りです。

順位 都道府県 注射率
1 山形県 88.4%
2 青森県 87.1%
3 新潟県 86.6%
4 岩手県 84.5%
5 宮城県 81.3%

一方で、注射率の低い県は以下の通りです。

順位 都道府県 注射率
42 大阪府 62.1%
43 愛媛県 61.8%
45 和歌山県 61.2%
46 福岡県 60.8%
47 沖縄県 52.4%

なお、全国平均は先述の通り70.9%であり、東京都は平均を下回る69.9%(30位)でした。

都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

飼い主の接種意識の現状

狂犬病ワクチンを接種しない理由の一つに、飼い主の誤った認識が挙げられます。特に、国内で60年以上狂犬病の感染が確認されていないため、「日本では狂犬病の予防接種は必要ない」といった誤った認識が広がっています。

また、近年は室内で小型犬を飼う人が増加しており、地域によっては野生動物と接する機会が少ないことから、狂犬病の予防に対する意識が薄れている傾向も指摘されています。

さらに、ネット上では「狂犬病ワクチンが犬の寿命に影響する」、「狂犬病は生小豆を食べれば治る」などといった、科学的根拠がない情報が拡散されています。

狂犬病が復活した台湾

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世界の狂犬病清浄国と呼ばれている国・地域には、日本、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれます。

しかし、かつてその一員であった台湾では、2013年7月に野生のイタチアナグマに、同年9月には飼い犬に狂犬病ウイルスの感染・発症が確認されました。

台湾での狂犬病の感染経路

日本で狂犬病が長年発生していない要因として、予防接種や検疫制度はもちろんのこと、日本が島国であることが大きいと考えられています。

しかし、同じく狂犬病が長年発生していない島である台湾では、狂犬病が発生してしまいました。台北在住の獣医師は次のように述べています。

島国の台湾で、イタチアナグマのような山林にすむ動物が突発的に狂犬病に感染することはあり得ない。おそらく数年前に大陸から持ち込まれたなんらかの動物が、スーパースプレッダー(一体で多数の個体に感染させる個体)となってさまざまな動物に広めた。

出典:台湾の「狂犬病ウイルス」はどこからやってきたのか? – ライブドアニュース

このように、台湾では外部から持ち込まれた動物により、野生動物の間で狂犬病が広がったとする見解が示されています。

そして、かつての台湾と同じ状況にある日本も、台湾のような経緯で狂犬病が発生する可能性は十分にあるのです。

さらに、先述したように狂犬病のまん延を防ぐためには犬全体の70%以上にワクチンを接種する必要がありますが、自治体に登録されている飼い犬ですらギリギリのラインである70%ほどの接種率です。

これらを踏まえると、日本でも狂犬病が発生し、さらにまん延してしまうという想定も、大げさとは言えないのではないでしょうか。

狂犬病を改めて考える

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狂犬病は長らく日本国内での感染が発生していないため、多くの日本人にとって身近な病気ではないのかもしれません。海外に頻繁に行く人であっても、現地では狂犬病に注意していても、日本国内の発生に関してはイメージが湧かなくても不思議ではありません。

そこで、ここからは狂犬病という病気について再確認していきましょう。

狂犬病の恐ろしさ

狂犬病は人獣共通感染症であり、発症するとほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。2018年の世界保健機関(WHO)の報告によれば、世界では毎年5万9000人が狂犬病に感染して死亡しています。一旦発症すると有効な治療法はなく、錯乱やけいれん、呼吸障害などの症状が現れ、ほぼ全ての患者が亡くなります。

※狂犬病については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【ニュース】14年ぶりの狂犬病。ワクチン接種が愛犬と日本を守る
https://cheriee.jp/dogs/20354/

ワクチンの未接種は罰則対象

冒頭のニュースのように、狂犬病ワクチンを接種していない場合、どういった罰則があるのか見ていきましょう。

飼い犬に狂犬病の予防注射を受けさせていなかった場合は、20万円以下の罰金が科せられます(狂犬病予防法第27条第2号)。犬に狂犬病ワクチンの注射済票を着けていない場合も同様ですので、注意が必要です。

また、このニュースの飼い主は自治体に飼い犬の登録もしていませんでした。飼い主は犬を飼い始めてから30日以内に所在地の自治体に登録しなければなりません(生後91日未満の犬の場合は、生後91日を経過した日から30日以内)。

飼い犬を自治体に登録していなかった場合は、20万円以下の罰金の対象となります(狂犬病予防法第27条第1号)。また、犬に鑑札を付けていない場合も同様ですので、こちらも注意しましょう。

最後に

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私たちが普段、狂犬病を恐れずに生活できる要因の一つとして、かつての日本で狂犬病を撲滅するために野犬を中心に多くの動物の命が犠牲になった過去があります。

そういった動物たちの犠牲を無駄にしないためにも、安易な考えや誤情報に惑わされることなく、飼い主としての責任を果たしていかねばなりません。

日本を狂犬病の脅威に晒されながら暮らすような国にしないためにも、飼い主が愛犬にきちんと狂犬病ワクチンを接種させることが非常に重要なのです。

【クイズ】準備はOK?犬の飼い主は忘れちゃいけない春の感染症予防

春は何かと忙しくなる時期ですが、犬を飼っている方であればなおさらかもしれません。しかし、忙しいからといって感染症予防を後回しにしてしまうと愛犬の命に関わることもあります。愛犬の健康のためにも忘れずに予防しましょう。

今回は、この時期に忘れてはいけない狂犬病とフィラリア症の予防についてクイズ形式で解説します。

クイズを解きながら、犬の感染症予防について学んでいきましょう!
Q.1 狂犬病ワクチンの説明として正しいのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「理由なく接種しないと法律違反になる」です。
狂犬病は発症するとほぼ100%死亡するという恐ろしい病気で、感染した犬に噛まれた人も例外ではありません。

狂犬病ワクチンは、生後91日齢以上の全ての犬に毎年一回受けさせなければならないと、法律で定められています。接種させないと法律違反になり罰金が課されますので注意しましょう。

基本的には狂犬病ワクチンの接種は3000円ほどかかります。毎年の出費になるため負担に感じる方もいるかもしれませんが、安心で安全な暮らしのためにも必ず接種させましょう。
Q.2 狂犬病ワクチン接種の説明として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「狂犬病予防注射猶予証明書は一度発行されれば一生受けなくて良い」です。
重度のアレルギーを持つ犬や重い病気を患っている犬、高齢のために体力や免疫力の低下が著しい場合などは、獣医師から「狂犬病予防注射猶予証明書」を発行してもらえる場合があり、狂犬病のワクチン接種を免除されます。しかし、狂犬病予防注射猶予証明書は一生免除されるものではなく、毎年発行してもらう必要があります。

動物病院では案内ハガキがないと接種できません。また、自治体が委託していない動物病院の場合は自ら自治体の窓口へ届け出をする必要があります。

集団接種会場では案内ハガキを忘れた場合でもワクチンを接種でき、住所変更などの手続きも可能といったメリットもありますが、多くの犬が集まり咬傷事故のトラブルが起こる可能性もあるため、注意が必要です。
Q.3 フィラリア症の説明として正しいのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「蚊に刺されることで感染する」です。
フィラリア症はフィラリアに感染した蚊に刺されることで感染します。春から秋にかけては蚊の活動が活発になるため予防が必要です。

注射による予防は効果が12ヶ月間続くものもあるため薬の飲み忘れを防止できるなどのメリットがありますが、犬の体重によって薬の量が決まるため、体重が大きく変化する成長期の犬に使うことはできません

また、多頭飼いでペット同士が舐め合うことがある環境では、薬を舐めると危険なため滴下薬は向いていません
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
準備はできてますか?春に忘れてはいけない犬の病気予防
結果発表
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海外の場合は要注意!犬に咬まれた時にすべきこととは

愛犬と遊んでいたら、興奮した犬に咬まれてしまったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。甘噛み程度であれば問題ありませんが、血が出るほどのケガをした場合、きちんと対処しないと病気に感染してしまうかもしれません。 特に、海外で犬に咬まれた場合は、ワクチン接種をしなければ命に関わる可能性もあります。 そこで今回は、犬に咬まれてしまった時にやるべきことについてご紹介します。犬を飼っている方だけでなく、犬と接する機会のある方はぜひご一読ください。

犬に咬まれた時に注意したい病気

犬,狂犬病,咬傷事故,甘噛み,ワクチン,感染症 犬に咬まれた場合、単純にケガをしてしまうだけでなく、さまざまな病気に感染してしまう可能性があります。場合によっては命に関わるため、「少し血が出ただけから大丈夫」と自己判断せず、必ず病院を受診しましょう。 犬に咬まれた場合、特に注意したいのが以下の疾患です。

狂犬病

狂犬病は、犬だけでなくすべての哺乳類に感染し、発症すると有効な治療法がないため、ほぼ確実に死亡してしまう人獣共通感染症です。 日本では狂犬病予防法によりワクチン接種が義務づけられており、1956年を最後に国内での感染例はありません(海外での感染は除く)。しかし、年々ワクチン接種率が低下しており、狂犬病の危険がまったくないとは言い切れません。

破傷風

破傷風菌は犬などのペットだけでなく、世界中の土壌に含まれ、死に至る可能性が非常に高い感染症です。 傷口から破傷風菌が入り込むことで感染し、体内で発生した毒素によりさまざまな神経に作用します。口が開きづらい、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって息ができなくなり、亡くなることもあります。

パスツレラ症

パスツレラ菌に感染している犬に咬まれたり引っ掻かれたりすると、傷口から感染します。また、過剰なスキンシップで感染することもあります。 パスツレラ症を発症すると、腫れや痛み、発熱が見られ髄膜炎を起こすこともあります。また、免疫機能が低下している人は、重症化して死亡することもあります。

ケース①飼い犬に咬まれた

犬,狂犬病,咬傷事故,甘噛み,ワクチン,感染症 どんなにおとなしい犬であっても、何かのきっかけで人を咬んでしまうことも珍しくありません。 愛犬に咬まれてびっくりしてパニックになってしまうかもしれませんが、よっぽどの大ケガでない限りは、以下のように順を追って冷静に対処していきましょう。 なお、人を咬んだ直後の犬は興奮しているため、二次被害を出さないためにも、手を出したりせずに少し離れた場所に繋ぎ止めておくと安心です。

1. 水で洗い流す

咬まれた箇所から病原菌やウイルスが体内に侵入してしまうため、石鹸を使い、流水で5分以上かけてしっかり洗い流します

2. 止血する

出血している場合は、清潔なガーゼやハンカチなどを当てて圧迫し、止血します。

3. 病院を受診する

ケガの程度によっては病院を受診しない方もいるかもしれません。しかし、病原菌やウイルスは目に見えず、自己判断するのは危険です。特に、出血を伴うケガを負った場合は、必ず専門家に診てもらい指示を仰ぎましょう。 病院の診療科は、外科か皮膚科がおすすめです。なお、深い傷を負ってしまった場合は、大きめな病院の救急外来を受診しましょう。

ケース②他の家の犬に咬まれた

犬,狂犬病,咬傷事故,甘噛み,ワクチン,感染症 自宅の犬に咬まれた場合は、家庭内で完結しますが、他の人が関わってくる場合は気をつけなければいけないことがあります。 ワクチン接種の有無の確認や、治療費・慰謝料の請求なども発生するため、手間はかかりますが、自身のためにも泣き寝入りにならないようにしましょう。

1.傷口の洗浄と止血、病院の受診

犬に咬まれた際は、自宅の犬に咬まれた場合と同様に傷口の洗浄をし、病院を受診します。

2.連絡先を交換する

治療費の請求や検査結果を伝えるためにも、連絡先は必ず交換しましょう。 もし、飼い主が逃げてしまった場合は、すぐに警察に連絡し相談しましょう。犬が人を傷つけたのにもかかわらず、飼い主が適切な対応をせずに逃げてしまうのは法律違反になります。

人を咬んだ犬の飼い主が行うべきこと

飼い犬が他人を咬んだりケガをさせてしまった場合、保健所に届け出たり、狂犬病の疑いがないか検査する必要があります。以下は東京都の例ですが、他の自治体も同様ですので、誠意をもって対応しましょう。
  1. 被害者の救護と再発防止措置を行う。
  2. 24時間以内に、最寄りの保健所または動物愛護センターに事故発生届出書を提出する。
  3. 48時間以内に狂犬病の疑いがないか、獣医師に検診してもらう。
事故発生届出書(東京都) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/douso//kansen/kousyou.files/jiko-hassei7.pdf

ケース③海外で犬に咬まれた

犬,狂犬病,咬傷事故,甘噛み,ワクチン,感染症 狂犬病ワクチンが普及している日本は、狂犬病清浄国とされており、犬に咬まれても狂犬病に感染することはまずありません。しかし、日本以外のほとんど国では狂犬病による死亡者が毎年出ています。 そのため、海外で犬に咬まれた場合、日本とは異なる対応が必要になります。

1. 傷口を洗う

狂犬病にかかっているおそれのある動物に咬まれてしまった場合、すぐに石鹸を使って水洗いします。この際、傷口を舐めたり、血を口で吸い出すようなことをしてはいけません

2. 現地の医療機関を受診する

なるべく早く現地の医療機関に行きましょう。咬んだ犬が狂犬病に感染していないことが確認できない限りは、発症予防のためのワクチンを接種する必要があります。 咬まれたあとに接種する暴露後ワクチンは、事前の接種の有無により異なる場合もありますが、初回のワクチン接種日を0日として、3日、7日、14日、30日及び90日の計6回皮下に接種します。 帰国のタイミングなどの事情で、現地で接種を完了できない場合は、帰国後に必ず医療機関でワクチンを接種しなければなりません。

3. 帰国時に検疫所で相談

現地での医療機関への受診の有無に関わらず、帰国時には検疫所に相談することが推奨されています。

咬まれても慌てない

各国の日本大使館・総領事館では、日本人がよく利用する病院や日本語の通じる医者など現地の医療機関を紹介してくれますので、困ったことがあれば相談するようにしましょう。 狂犬病は大変恐ろしい感染症ですが、傷口を徹底して洗浄し、発症前にワクチン接種を完了させることで95%以上の防御効果が得られるとされています。慌てず冷静に対処しましょう。

最後に

犬,狂犬病,咬傷事故,甘噛み,ワクチン,感染症 犬を飼っている人はもちろん、飼っていない人も犬に咬まれる可能性はゼロではありません。ケガをするだけでなく、病気に感染したり、場合によっては命に関わることもあります。 正しい知識を身につけて、自分の命を守る行動を取れるようにしましょう。

【クイズ】かわいいけど要注意!?犬や猫の反省ポーズとは

犬や猫を飼っていると、普段とは違う行動を見かけることがあるかもしれません。しかし、それが一見かわいらしい行動であっても、実は重大な病気が隠れていることも珍しくないため注意が必要です。

今回は、犬や猫の反省ポーズについてクイズ形式でご紹介します。

それではさっそく、犬や猫の反省ポーズクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 犬や猫が、顔を下向きにして、頭を壁などに押し付ける行動を何という?
正解です!
不正解です!
正解は「ヘッドプレッシング」です。
顔を下向きにして壁などに頭を押し付ける行動のことを「ヘッドプレッシング」といいます。また、何かを反省して落ち込んでいるかのように見えるため、「反省ポーズ」とも呼ばれています。

光や音を遮るために顔を覆って眠る「ごめん寝」にも似ているため、知らなければあまり気にしない行動かもしれません。
Q.2 ヘッドプレッシングの説明として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「寝ているときによく見られる行動である」です。
ヘッドプレッシングは座ったまま頭を押し付けているため、一見寝ているように見えるかもしれませんが、寝ているわけではないそうです。

犬や猫以外にも、馬や牛、ヤギもヘッドプレッシングをすることがあります。また、全身麻酔による昏睡状態から目覚めた時にもヘッドプレッシングをすることがありますが、これは一時的なものであり、長引かなければあまり心配する必要はありません。

しかし、重大な疾患のサインである可能性もあるため、知らずに放置してしまうのは危険です。愛犬や愛猫が頻繁にこの行動をやっていたり、長めにやっている時には命に関わることもあるかもしれません。そのような場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
Q.3 ヘッドプレッシングで疑われる病気として「最も適切ではない」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「心不全」です。
犬や猫がヘッドプレッシングをするようになった場合、疑われる疾患は主に「脳や神経系の疾患」です。
  • 脳腫瘍
  • 脳卒中
  • 前脳疾患
  • 頭部外傷
  • 脳炎
  • 毒性中毒(アルコール、殺虫剤など)
  • 門脈体循環シャント
  • 肝性脳症
  • 神経系の感染症(狂犬病、寄生虫、細菌、ウイルス、真菌感染症)
  • 代謝障害(門脈体循環シャント、高/低ナトリウム血症、低血糖症)
最近、頭の打撲や危険物の誤飲をした場合、脳に異常が起きている場合もあります。異変を感じたらすぐに動物病院へ行きましょう。
問正解/ 問中

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犬・猫の反省ポーズに要注意!ヘッドプレッシングは脳の病気のサイン
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【犬編】ワクチン・駆虫薬で予防できる病気と、その他の病気の予防法

犬はヒトと同様に、ワクチンを接種したり、予防薬を投与したりすることで、さまざまな病気を予防できます。 狂犬病やフィラリアといった最低限のものは予防しているかもしれませんが、他の病気の予防はいかがでしょうか?よくわからないし、今まで何もなかったから大丈夫という理由で放置していませんか? この記事では、ワクチンや駆虫薬で予防できる犬の病気と、その他の病気の予防法についてまとめました。

ワクチンで予防できる病気

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ワクチン接種が義務付けられている病気

日本では、狂犬病予防法により、全ての犬に狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。 毎年春頃になると、自治体から狂犬病ワクチン接種の連絡が届きますので、基本的には4月1日〜6月30日までの間に受けましょう。 なお、新型コロナウイルスの影響で2020年に引き続き2021年も、狂犬病ワクチンを12月31日までに接種すればよいと法改正されています。集団接種を中止している自治体もありますので、年内接種を忘れないようにしましょう。

ワクチン接種を推奨されている病気

ワクチンには、全ての犬がワクチン接種を行うべきと考えられている「コアワクチン」と、生活する環境によっては接種が推奨される「ノンコアワクチン」があります。 同時に接種可能な混合ワクチンの種類を表にしました。●はコアワクチンを意味します。
感染症 2種 4種 5種 6種 7種 8種
●犬パルボウイルス感染症
●犬ジステンパー
●犬伝染性喉頭気管炎
●犬伝染性肝炎
犬パラインフルエンザ
犬コロナウイルス感染症
レプトスピラ感染症
  イクテロヘモラジー型
  カニコーラ型
最低限、コアワクチンの犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパー、犬伝染性喉頭気管炎、犬伝染性肝炎は接種するようにしましょう。 どの混合ワクチンを接種するべきかわからないという方は、かかりつけの動物病院で相談しましょう。
【獣医師監修】改めて確認しよう!犬のワクチン接種と注意点

駆虫薬で予防できる病気

犬,ワクチン,予防薬,病気,寄生虫 ワクチンとは別に、寄生虫などに対しては、定期的な投薬が必要になります。寄生虫による感染症は、場合によってはヒトに感染して重篤な症状を引き起こすこともありますので、家族を守るためにも確実に予防しましょう。

フィラリア

フィラリアは蚊を媒介して犬の体内に侵入し、心臓に寄生するため、命に関わることも少なくありません。予防薬は、蚊が出始める5月頃から、蚊がいなくなってから1ヶ月後の12月頃まで、月に1度投与する必要があります なお、血液中にフィラリアの幼虫がいる状態で薬と投与すると、犬がショック症状を引き起こし、死に至ることもあります。自分で判断せず、必ず動物病院で血液検査を行ってから投与するようにしましょう。
【寄生虫】犬糸状虫が引き起こす恐怖(フィラリア症)とその予防法

多包条虫

いわゆるエキノコックス症です。感染源であるエキノコックスの卵を経口摂取することで感染します。 犬やキツネが感染した場合は、軽度の下痢が見られる程度ですが、ヒトが感染してしまうと、肝臓、肺、脳などに寄生し障害を与えます。潜伏期間が長く、自覚症状がないため、気づいた頃にはかなり病状が進行していることが多いです。 予防薬は、毎月一度投与しましょう。
【獣医師監修】ヒトへの寄生が危険!エキノコックス症の恐怖とは?

ノミ、ダニ

ノミやダニは、散歩で草むらなどを通ったときに寄生されてしまいます。特にマダニは、ヒトに感染する病原体も媒介するため、寄生されないよう予防することが大切です。 一年を通して月に一度、薬を投与し、確実に予防しましょう。
【獣医師監修】ノミの放置で人にも?ノミ予防で愛犬も飼い主も健康に
【獣医師監修】愛犬のマダニ対策がさまざまな病気の予防に!

まとめて予防しよう

フィラリア駆虫薬の中には、犬鉤虫(こうちゅう)症、瓜実条虫症、犬鞭虫症、多包条虫症、犬回虫症、ノミ、ダニなどをまとめて予防できるものもあります。その分、お値段は張りますが、いくつも薬を与える必要がないのでオススメです。

病気の予防と早期発見の7つのポイント

犬,ワクチン,予防薬,病気,寄生虫 多くの病気は、予防をしていても100%防げるというわけではありません。しかし、普段のちょっとした習慣が、病気になりにくい体にしたり、早期発見につながったりすることがあります。

1. 肥満に気をつける

肥満は、糖尿病や心疾患、呼吸器疾患、骨関節疾患などさまざまな病気の原因であり、寿命を縮めてしまいます。 太ったらダイエットするのではなく、太らないよう、食事量をしっかり管理し、毎日の散歩も欠かさずに行いましょう

2. 室内の段差を減らす

椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)は、遺伝的な要素も大きいですが、飼育環境を心がけることで予防も可能です。 大きな段差や滑りやすい床は足腰に負担がかかるため、ソファやベッドには犬用の階段をつけてあげ、床がフローリング素材の場合は、マットやカーペットを敷いて滑りにくい工夫をしましょう。

3. ブラッシングは定期的に

換毛期だけでなく、普段からブラッシングをしてあげましょう。 頻度は犬種によって、毎日ブラッシングが必要な場合と、数日に1回で良い場合があります。愛犬に適したブラッシングの頻度を知っておきましょう。 スキンシップになるのはもちろん、皮膚の異常やノミやダニの付着、しこりなどの体の異常にいち早く気づけるかもしれません。

4. 尿や便をチェックする

尿や便は犬の健康状態を見る上でとても重要です。毎日確認することで、血が混じっている、下痢気味、尿量が少ない、便に動くものがいるなどの異変に早く気づけるでしょう。
【獣医師監修】犬の尿の色でわかる疾患とは?日々のチェック方法
【獣医師監修】犬の下痢は病気のサイン?見分け方と疾病を徹底解説

5. 誤食に気をつける

中毒症状の多くは、食品の放置による誤食や飼い主の無知が原因であることが多いです。 特に絶対に犬に与えてはいけないものは以下の通りです。
  • ネギ類
  • ぶどう
  • チョコレート
  • キシリトール
  • アルコール
  • 人間の薬
ぶどうが危険であると報告されたのは2001年と最近のため、知らないという人も多いかもしれません。しかし、急性腎不全になり死亡してしまう危険もあるため、犬に与えてはいけません。 犬が食べたら危険なものは犬の届かないところに管理し、誤って口にしないように気をつけましょう。
知っておこう、犬の薬物・毒物中毒。5つのケース別リスクと対策

6. 飲水・食事量の確認

肥満や偏食を防ぐために食事を管理することももちろん重要ですが、犬が1日に食べたり飲んだりした量をきちんと把握しておくと、体調不良の際に異変に気づきやすいです。 特に、飲水の量は意識しないとなかなか把握しづらいですが、例えば多飲多尿の場合は腎不全が疑われますし、少なすぎても脱水になってしまいます。 メモリのあるお皿を使うと、どのくらい飲んだのかが分かりやすいのでおすすめです。
【獣医師監修】放置しないで!犬の多飲多尿の原因とは?

7. 犬種の好発疾患を知る

チワワは水頭症や膝蓋骨脱臼になりやすい、ダックスフンドは椎間板ヘルニアになりやすいなど、かかりやすい病気は犬種によって異なります。 犬を飼うことを決めたら、まずはその犬の特性を調べ、どんな性格なのか、どんな病気になりやすいかなどをしっかり調べましょう。そうすることで、事前に対策をしたり、定期的に健康診断をしたりすることで、早期の発見が可能です。

まとめ

犬,ワクチン,予防薬,病気,寄生虫 今まで特に予防はしてこなかったけど、病気にはなっていないし、今更必要ないと考えていませんか?しかし、それはたまたま運が良かっただけで、いつどんな病気になるかは誰にもわかりません。 ペットを飼う以上はペットを幸せにする義務があります。そのために、飼い主としてできる限りの対策をしてあげましょう。

【クイズ】今年も忘れず接種しましたか?狂犬病ワクチンクイズ

例年春に集団予防接種を行っている狂犬病ワクチン。今年は新型コロナウイルスの影響で集団接種を中止した自治体も多かったですが、忘れずに接種しましたか?もしかして、「一年くらいは打たなくても大丈夫」なんて思っていませんか?

本記事では、狂犬病についてクイズ形式で解説していきます。

それではさっそく、犬の狂犬病クイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 狂犬病について「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「世界では毎年数百人が狂犬病に感染し亡くなっている」です。
現在でも毎年5万人以上が狂犬病に感染して死亡しており、そのほとんどはアジアとアフリアが占めています。

狂犬病は、犬だけでなく人間を含む全ての哺乳類に感染するウイルス性の人獣共通感染症です。一方で、予防接種はもちろん、感染動物に咬まれた後でも、発症前であればワクチンの投与が有効であることが知られています。

狂犬病ウイルスは唾液中に排出されるため、咬み傷からウイルスが体内に侵入することで直接感染します。
Q.2 犬の狂犬病の症状や治療について「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「狂犬病に感染した可能性がある場合は生前検査が行われる」です。
狂犬病は発症したらほぼ確実に死亡する恐ろしい病気です。犬が発症した場合は、治療は行われず安楽死させられます。また、犬での生前検査は検出率が低く実用化されていないため、発症していなくてもウイルスを保有している可能性があれば、その犬自身が新たな感染源となってしまうことから安楽死させられます

狂犬病の症状としては恐水症や恐風症がよく知られます。他にも異常に興奮したり、攻撃的になったりし、末期には呼吸麻痺により死亡します。
Q.3 日本の狂犬病事情として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「室内飼いであればワクチン接種は不要」です。
室内飼いであっても、散歩などで他の哺乳類と接する機会は十分にあります。室内、屋外に関わらず、全ての犬で予防を徹底しましょう。

日本では1950年に狂犬病予防法で狂犬病ワクチンの接種が義務付けられてから、わずか7年で日本国内での感染がなくなりました(海外で感染し、日本で発症した例は除く)。ワクチン接種を怠ると、20万円以下の罰金の対象となり、飼い犬は捕獲・抑留されます。

なお、新型コロナウイルスの流行により多くの自治体での集団接種が中止されたことから、今年に限り12月31日までに予防注射を打てば法律に定めた期間内に接種したことになります
問正解/ 問中

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【獣医師監修】狂犬病のワクチン接種。今年は12月31日までに打とう。
【ニュース】14年ぶりの狂犬病。ワクチン接種が愛犬と日本を守る
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【獣医師監修】狂犬病のワクチン接種。今年は12月31日までに打とう。

狂犬病は毎年1回、ワクチンの予防接種を義務付けられている感染症です。先日、海外から来日した人が狂犬病を発症し、亡くなったとニュースになったのも記憶に新しいでしょう。 ところで皆さんは、狂犬病の恐ろしさをきちんと理解しているでしょうか? 今年は新型コロナウイルスの影響で集団接種を中止した自治体も多く、「一年くらいは打たなくても大丈夫」なんて思っていませんか?本記事では、狂犬病について詳しく解説していきます。

狂犬病ってどんな病気?

狂犬病とはどんな病気なのか? 狂犬病は、狂犬病ウイルスによる致死的な灰白脳炎です。ヒトを含む全ての哺乳類に感染し、ごく一部の地域を除き世界中に分布しています。 外国の狂犬病事情と日本の狂犬病事情を比較してみましょう。

世界の狂犬病

日本の周辺を含む世界のほとんどの国・地域(150カ国以上)でいまだに発生しており、毎年約55,000人の死者がでています。そのうちアジアとアフリカが95%を占めており、ヒトの狂犬病の感染は99%が犬からという報告もあります。 狂犬病清浄国とされているのは、日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スカンジナビア半島の国々などごくわずかです。

日本の狂犬病

日本では、1897年に初めて狂犬病に関する科学的な記録があります。その後、第一次世界大戦や関東大震災、太平洋戦争などの混乱期に大流行し、犬およびヒトの狂犬病が多数発生しました。 1950年に狂犬病予防法が制定され、犬の登録、ワクチン接種などが徹底され、1957年に猫が感染したのを最後に、日本で狂犬病は撲滅されました。 しかし、狂犬病はアジアを中心に流行が続いており、グローバル化によって日本への侵入リスクは常に存在している状況です。 未登録の輸入動物に対しては水際対策として輸入検疫を行い、狂犬病の国内への侵入を防止しています。しかし、ヒトにおける海外帰国者での狂犬病発症者はいまだに少数存在し、油断できない状態が続いています。

狂犬病の症状

狂犬病の症状とはどんなものか?致死率は? 実際に狂犬病の症状を見たことのある方はあまりいないでしょう。 どんな症状が現れるのか、詳しくご紹介していきます。

感染経路

狂犬病ウイルスは唾液中に排出されるため、咬傷からの唾液で直接感染します。 もしくはウイルスを含んだ唾液が粘膜面に接触したり、コウモリの生息場所の洞窟では飛沫によっても感染することがあります。

潜伏期

潜伏期は2〜8週と言われていますが、1週程度のことから1年近くかかることもあり不定期です。ヒトも犬も症状は同じで、病期によって3つに分けられます。

①前駆期

この時期の症状は曖昧で、気づかれないことも多くあります。 発熱、挙動異常、眼瞼・角膜反射が緩やかになり、咬傷部をなめたりかんだりするなどの行動をとります。恐水症や恐風症はこの時期に見られます。

②狂騒期

中枢神経系の辺縁が侵されると、異常興奮、不安、吠え、突発的な攻撃、険悪な顔つき、ケージなど周囲のものに対する攻撃、異食、徘徊、運動失調、発作などの症状が見られます。

③麻痺期

四肢の不全マヒ、呼吸困難、よだれの垂れ流し、食事をのみ込めなくなるなどの症状を示し昏睡状態に陥ります。その後、呼吸麻痺により死亡します。

狂犬病の診断法

狂犬病はどのように診断されるか?治療法は? 狂犬病が疑われる場合には厳重に隔離して症状の経過を観察します。 また、咬傷事故を起こした動物は最低2週間の係留観察が義務付けられています。観察中に発症した場合は直ちに殺処分し、脳組織からウイルス抗原を検出します。 なお、犬での生前検査は検出率が低く、実用化されていません。

狂犬病の治療および予後

狂犬病 ワクチン 予防接種 ヒトでは野生動物にかまれた後は石鹸と水で傷口をよく洗い流し、できるだけ早期に狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する治療(暴露後接種)が行われます。 しかし、犬においては狂犬病の治療は行いません。予後は不良で、発症後7〜10日で例外なく死亡します。

狂犬病の予防

狂犬病はワクチンを摂取することで予防が可能だが 狂犬病予防法でワクチン接種が義務付けられてから、わずか7年で日本の狂犬病が撲滅されたことを考えると、狂犬病のワクチン接種が予防に非常に効果的であることがわかります。 WHOのガイドラインでは、ウイルスの国内侵入時の蔓延を防止できる目安としてワクチン接種率70%以上という数値が設けられています。

狂犬病予防法

狂犬病のヒトへの感染源のほとんどが犬であることから、狂犬病予防法は主に犬を対象としています。 また、狂犬病予防法では以下のことが定められています。
  • 91日齢以上の犬を迎え入れたとき、30日以内に各市町村に犬を登録すること
  • 91日齢以上の犬に毎年狂犬病の予防接種を受けさせること
  • 犬に鑑札と注射済票を付けること
これらを怠ると20万円以下の罰金の対象となり、飼い犬は捕獲・抑留の対象となります。
注意 狂犬病予防法では、狂犬病予防注射の実施期間を毎年4月1日から6月30日までと定めていますが、令和2年6月11日に公布・施行された「狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令」により、令和2年12月31日までに予防注射を打てば法律に定めた期間内に接種したことになります。

室内飼いなのでワクチン接種しなくてもいい?

日本の法律で狂犬病のワクチン接種は義務付けられています。 室内飼いであっても他の哺乳類と接する機会は十分にあります。普段は大人しくても、万が一狂犬病に感染してしまったら、意外な攻撃性が見られることもあります。 室内、屋外に関わらず、全ての犬で予防を徹底しましょう。

まとめ

狂犬病の予防接種は法律で義務づけられている 日本では60年以上、犬での狂犬病の発生がないからといって、狂犬病のワクチンを接種しなくていいわけではありません。 厚生労働省の報告では、平成30年度の狂犬病ワクチン接種率は71.3%とギリギリの数字であり、国内に侵入してしまえば、いつ蔓延してもおかしくない感染症です。 今年は新型コロナウイルスの影響で集団接種を中止している自治体もありますが、一人一人の予防意識をしっかり持ち、予防接種を忘れずに受けさせるようにしましょう。

【ニュース】14年ぶりの狂犬病。ワクチン接種が愛犬と日本を守る

犬の飼い主の皆さんにとっては聞き馴染みのある狂犬病。先日、14年ぶりに日本で、海外からの来日者が狂犬病を発症しました。残念ながら6月13日に亡くなられたと報じられています。 毎年通知が来るから何気なく予防接種をしているけど、日本では発症したという話も聞かないし、お金もかかるから予防接種しなくてもいいのでは?と思っている方はいませんか? しかし、全ての哺乳類に感染し、発症するとほぼ確実に死亡するこの恐ろしい病気を決して楽観視してはいけません。多くの国で感染が確認されている狂犬病がなぜ日本では発生しないのか、なぜワクチンを接種しなければいけないのかを改めて考えみましょう。

狂犬病とは

狂犬病 ワクチン 接種 狂犬病は、犬だけでなく人間を含む全ての哺乳類に感染し、発症すると有効な治療法がないため、ほぼ100%死亡するというウイルス性の人獣共通感染症です。一方で、予防接種や感染動物に咬まれた後でも、発症前であればワクチンの投与が有効であることが知られています。

感染経路

狂犬病は主に、狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれ、傷口からウイルスが体内に侵入することにより感染します。

潜伏期間

狂犬病は感染してから発症するまでの期間が一般に1ヶ月から3ヶ月、長い場合には感染してから1年から2年後に発症した事例もあります。なお、発症前に感染の有無を診断することは出来ません

症状

犬の場合

狂騒型では、極度に興奮し攻撃的な行動を示します。唾液の分泌が増加し、よだれを流すようになります。 麻痺型では、後半身から前半身に麻痺が拡がり、食物や水が飲み込めなくなります。

人の場合

初期症状は、発熱、頭痛、倦怠感、筋痛、疲労感、食欲不振、悪心・嘔吐、咽頭痛、空咳などの、風邪のようなものがみられます。 症状が進むと、強い不安感、精神錯乱、水を見ると首の筋肉がけいれんする恐水症、冷たい風を受けるとけいれんする恐風症、高熱、麻痺、運動失調、全身けいれんが起こります。その後、呼吸障害等の症状を示し、死亡します。
参考:厚生労働省 狂犬病に関するQ&Aについて https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html

日本国内では海外からの帰国者・来日者が発症

狂犬病 ワクチン 接種 発症 1957年以降、日本で狂犬病の発症者が出たのは以下の4例のみです。それも全て海外で犬に咬まれた人が、適切な処置を行わなかったために日本で発症し、その後亡くなったケースです。

1970年

ネパールで野犬に咬まれた学生が、帰国後、狂犬病を発症し亡くなりました。

2006年11月(1例目)

フィリピンより帰国した60歳代の男性が狂犬病を発症しました。8月頃にフィリピン滞在中に犬に手を咬まれて感染したとみられます。 11月15日に風邪のような症状と右肩の痛みが現れ、19日に病院を受診、22日に狂犬病と判明、12月7日に亡くなりました。

2006年11月(2例目)

フィリピンより帰国した、1例目とはまた別の60歳代の男性が狂犬病を発症しました。8月末にフィリピン渡航中に犬に手を咬まれて感染したとみられます。 11月9日に風邪のような症状を呈したため病院を受診し、16日に狂犬病と判明、翌17日に亡くなりました。

2020年5月

フィリピンから来日した外国籍の男性が狂犬病を発症し、6月13日に亡くなりました。昨年9月頃にフィリピンで犬に足首を咬まれて感染したとみられます。
補足 臓器移植などの特別な場合を除き、人から人への感染は確認されていませんので、過度に恐れる必要はありません。

日本の狂犬病事情

狂犬病 ワクチン 接種 予防 日本は島国という地理的な環境や、衛生事情の向上、ワクチン接種の徹底により、狂犬病ウイルスの撲滅に成功しました。しかし、未だ世界中で狂犬病ウイルスが蔓延していることから、海外から日本に上陸する可能性は否定できません。

狂犬病予防法

1950年に狂犬病予防法が制定され、飼い犬の登録や予防注射を受けることが義務付けられました。 それまでは犬だけでなく多くの人間も狂犬病ウイルスに感染し、亡くなっていましたが、狂犬病予防法制定からわずか7年で、日本国内での感染がなくなりました(海外で感染し、日本で発症した例は除く)。

日本の予防接種率

厚生労働省では、都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数を毎年発表しています。平成25年度~30年度の全国の注射率は以下の通りです。
年度 登録頭数 予防接種頭数 注射率
平成25年度 6,747,201 4,899,484 72.6%
平成26年度 6,626,514 4,744,364 71.6%
平成27年度 6,526,897 4,688,240 71.8%
平成28年度 6,452,279 4,608,898 71.4%
平成29年度 6,326,082 4,518,837 71.4%
平成30年度 6,226,615 4,441,826 71.3%
犬の狂犬病予防接種率が70%以上あれば流行を防ぐことができるとされています。数字だけ見れば日本の接種率は70%を超えていますが、地域によっては50%程度のところもあり、登録されていない野犬のことを考慮するとかなりギリギリの数値です。
出典:都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等(平成25年度~平成30年度) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

世界では狂犬病で大勢が亡くなっている

狂犬病 ワクチン 接種 海外 清浄国 日本で狂犬病ウイルスの撲滅に成功した一方で、海外では未だ狂犬病ウイルスが蔓延しています。 2018年の世界保健機関(WHO)の報告によると、世界では毎年5万9000人が狂犬病に感染して死亡しており、そのほとんどをアジアとアフリカが占めています。

日本は狂犬病清浄国

ある特定のウイルスが撲滅され、存在しないとされる国を「清浄国」といいます。実は、狂犬病の清浄国は日本を含め10カ国ほどと少なく、世界のほとんどの国で感染する可能性のある病気です。 また、2013年には、長らく清浄国とされていた台湾で野生のイタチアナグマの狂犬病が確認されており、決して「清浄国だから安全」というわけではありません。

海外旅行の際は十分注意して

「狂犬病清浄国」に暮らしていると、狂犬病への危機意識が低くなってしまいがちですが、ここまででお伝えしているとおり、狂犬病は世界中で感染の恐れがある病気です。 犬だけでなく、アライグマやコウモリなどの動物に噛まれたり引っかかれたりすると感染する可能性があります。特に、野生動物にはなるべく近づかないようにしましょう。 また、厚生労働省検疫所は、動物と直接接触する機会の多い人や、奥地・秘境など、すぐに医療機関にかかれないところに行く人に対し、狂犬病の予防接種を強く勧めています

犬の狂犬病ワクチン接種は飼い主の義務

狂犬病 ワクチン 接種 義務 日本でも犬の咬傷事故は毎年4000件以上発生しています。もし知らない間に狂犬病ウイルスが日本にやってきて、知らない間にワクチンを接種していない愛犬が狂犬病にかかり咬傷事故を起こしてしまったらどうでしょうか? 愛犬も咬まれた人もほぼ確実に死亡してしまいます。しかし、狂犬病ワクチンを接種してさえいれば、愛犬が狂犬病にかかることも、少なくとも咬んだ相手を狂犬病で死なせることはありません。 日本では感染しないから予防接種をしなくても大丈夫と考える方もいるかもしれません。しかし、それは今までの飼い主さんが責任を持って予防接種をしていたからです。日本を狂犬病のリスクから守るためにも、今後も狂犬病ワクチンを忘れずに接種しましょう