猫の爪とぎトラブルは最初が肝心!爪とぎのしつけ方法をご紹介
猫飼いさんにとって、猫の爪とぎは悩みのタネになりがちなのではないでしょうか。
猫の爪とぎで部屋をボロボロにされないためには、できるだけ子猫のうちにきちんとしつけをしておくことが重要です。ただし、成猫になってからでもしつけは可能なので、諦める必要はありません。
今回の記事では、猫が爪とぎをする理由や対策について詳しく解説します。
猫が爪とぎをする理由
爪とぎは、猫にとって本能的な行動なので、爪とぎを完全にやめさせようとするのは難しいですし、猫のストレスになってしまいます。
猫が爪とぎをする理由には、次のようなものがあります。
1. 爪のお手入れ
猫は爪を使って狩りをするため、常に爪を尖らせておく習性がります。
爪とぎをすることで古くなった層を剥がし、常に新しい爪で狩りに備えているのです。
2. ストレス解消
適度に爪をとぐことで、猫はストレスを解消し、リラックスできると言われています。
3. マーキング
猫は爪とぎをするときに、肉球から自分のにおいを出しています。爪とぎには、自分の縄張りをアピールするためのマーキングの意味もあるのです。
猫の爪とぎのしつけ
爪とぎのしつけは、「爪とぎはダメ」ではなく、「そこではやっちゃダメだけど、ここならいいよ」と、爪とぎをしていい場所を教えるようにします。
できれば子猫のうちに
爪とぎのしつけは、できれば子猫のうちに行いましょう。成猫から飼い始める場合も、家に迎え入れてすぐにしつけをするのがポイントです。
これは、子猫や家に来たばかりの猫であれば、爪とぎをしていい場所とダメな場所のしつけをすんなりと受け入れてくれやすいからです。
時間が経つとしつけのハードルが上がる
しつけをしないまま時間が経ってしまうと、どこでも自由に爪とぎをするようになってしまいます。そうなってからしつけをしても、今まで自由に爪とぎをしていたのに突然「ここはダメ」と言われた猫は混乱してしまいます。
ただし、時間はかかるかもしれませんが、根気よくトレーニングを続ければ、いつからでもしつけをすることは可能です。
爪とぎのしつけの手順
それでは、具体的に猫の爪とぎのしつけの方法を見ていきましょう。
ステップ1. 爪とぎ器を設置する
爪とぎ器は、できれば家の中に複数箇所設置しましょう。
猫が「爪とぎがしたい!」と思ったとき、すぐにできる場所に爪とぎ器がないと、近くの壁や家具に爪とぎをしてしまう可能性が高まります。
また、猫にとっても爪とぎをしたいお気に入りの場所と、そうでない場所があります。複数箇所に設置してあげることで、そのうちのどこかしらにお気に入りの場所を見つけてくれるでしょう。
ステップ2. 猫の前足を持って、爪とぎの動きをさせる
次に、猫を爪とぎ器を設置した場所まで連れて行き、爪とぎをする場所だと教えましょう。
そして、猫の前足をもち、爪とぎの動きを一緒にさせます。何度か繰り返すうちに、爪とぎをして良い場所を認識してくれるようになるでしょう。
ステップ3. 猫が正しい場所で爪とぎをしたら褒める
猫が自ら爪とぎ器を設置した場所に行き、爪をとぐことができたら、褒めたりご褒美をあげたりしましょう。
これも、何度か繰り返していると、猫は次第に「ここで爪とぎをするといいことがある」と学習するようになります。
逆に、間違ったところで爪とぎをしても、叱ってはいけません。その場合の対策については、次の章でご紹介します。
間違ったところで爪とぎをする猫への対処法
1. 爪とぎ器でガードする
猫が壁や家具に爪とぎを始めたら、すかさず爪とぎ器をあてがい、壁などをガードします。
そうすることで、壁などで爪とぎをする癖をつけさせないことが重要です。
また、何度も同じ場所で爪とぎをしてしまうようなら、その場所にあらかじめ爪とぎ器を設置し、カバーしておくと良いでしょう。
2. 障害物を置く
「壁に爪とぎをしてしまうけど、爪とぎ器をつけるのは嫌だ」という場合には、そこに行けないように観葉植物などの障害物を置いておきましょう。
物理的に道が遮断されれば、猫はそこで爪とぎをするのを諦めざるを得ません。
3. 爪とぎ器の種類を変えてみる
爪とぎ器には、段ボールや麻など、様々な種類があります。
爪とぎ器を設置したのになかなかそこで爪とぎをしてくれないのなら、素材が猫の好みに合っていないのかもしれません。
色々な種類の爪とぎ器を試してみて、お気に入りのものを見つけてもらいましょう。
4. 爪とぎ器は定期的に交換を
爪とぎ器は消耗品です。使い古してボロボロになると、とぎ心地が悪くなって他のところで爪をとぐようになってしまうかもしれません。
爪とぎ器は、定期的に交換してあげるようにしましょう。
まとめ
猫にとって爪とぎは本能的な行動なので、基本的にやめさせることはできません。
「なんでこの壁紙をボロボロにしちゃうの!」と思うかもしれませんが、決して怒らずに決まった場所で爪とぎをするよう根気よくしつけをしましょう。
猫の甘咬み・じゃれつきは放置しないで!落ち着かせる方法を解説
猫の甘咬みや、激しいじゃれつきに悩んでいませんか?
甘咬みやじゃれつきそのものは、捕食本能がある猫にとっては正常な行動。
しかし、「痛いけどかわいいからまあいいか」と思って放置していると、エスカレートして飼い主さんがケガをする恐れもあります。
今回の記事では、猫の捕食本能を満たしながら、人への甘咬みやじゃれつきを落ち着かせる方法を解説します。
猫が人に甘咬みやじゃれつきをする理由
ずばり、猫が「人を獲物」だと思っているからです。原因の多くは、人の何気ない行動。
知らず知らずのうちに、人が猫の獲物になって甘咬みやじゃれつきを誘導しています。
1. 手をひらひらさせる、手にじゃれつかせる
猫の反応が面白くて、手を猫の前でひらひらさせていませんか?寝っ転がって、足をわざと動かす人もいるでしょう。
ひらひら動いているものは、猫にとって目の前に獲物が現れたも同然。捕食本能を刺激します。
とくに子猫は、必死にじゃれついてくるはずです。咬もうとする子猫もいますが、その姿がかわいいため多くの人がやってしまいます。
咬まれまいと、手足をさっと引っ込める場合もあるでしょう。このとき、猫は「取り逃がしてしまった、今度はうまく狩るぞ」と思っているはずです。
2. 追いかけさせる
「おいで!」といいながら、猫に自分を追いかけさせた経験はありませんか?追いかけさせる行動も、狩猟行動を誘発しています。
ちょこちょこ走ってついてくる猫はかわいいですよね。足にじゃれついてくるかもしれません。一生懸命飛び掛かっている姿も愛らしいもの。
しかし、猫にとっては獲物を追いかけているつもりなので、激しくなって飼い主さんがケガをしてしまう恐れがあります。
3. 大声で騒ぐ
甘咬みをされて「キャー」「痛い」など大声で騒ぐのも、猫の狩猟本能を刺激します。猫は声を聞いて「獲物に手ごたえがあった」と感じるのです。
4. 上から撫でる
猫を撫でようとして猫の頭の上で手を動かす行動も、「顔の近くで何かが動いた」と、狩猟本能にスイッチを入れる原因です。
甘咬みやじゃれつきをやめさせた方が良い理由
人に対する甘咬みやじゃれつきは、人が狩りの対象になるのを避け、ケガを予防するためにやめさせた方が良いです。
子猫のうちは弱くても、成猫になれば力もあります。猫が本気で仕留めようとすれば、大ケガをする可能性もあるのです。
また、触ろうとするたびに咬まれると、動物病院に連れて行って診察をしたり、災害時に避難したりが困難になる恐れもあります。
撫でたり抱っこしたりも恐る恐るでは、寂しいですよね。猫とのコミュニケーションをしっかり取るためにも、甘咬みやじゃれつきはやめさせましょう。
人への甘咬みやじゃれつきを落ち着かせるには?
猫を変えるのではなく人が変わる必要があります。ケガをしないためにも、猫と良好な関係を築くためにも徹底しましょう。
1. 自分から挑発行動をしない
頭を上から撫でる、猫の前で手足をひらひらさせるなど、猫の狩猟本能を刺激する行動はやめましょう。
意図せずに猫がじゃれついてきても、相手にしません。大声も出さず、静かに立ち去りましょう。
撫でる際は、猫の背後から手を出しましょう。
2. 猫の挑発に乗らない
人が誘発行動をやめると、今度は猫の方から仕掛けてくる場合があります。物陰に隠れて待ち伏せをし、人が通ると足をひっかくなどの行動です。大騒ぎすると、猫の思うつぼ。待ち伏せできないように、物を置くなどして対処します。
待ち伏せしている猫を見つけたら、おもちゃなどで気をそらしましょう。
3. おもちゃを用意してたっぷり遊ぶ
おもちゃでたっぷり遊ばせます。猫の関心をおもちゃに向かせて、狩りの対象を変えるのです。
手足でじゃれつかせるのでなければ、一緒に遊んでも問題ありません。むしろ一緒に遊んで、コミュニケーションを取りましょう。大好きな飼い主さんが相手をしてくれるのは、猫にとってうれしいものです。
猫じゃらしや蹴りぐるみなど、複数用意して好みを探りましょう。フードを入れたおもちゃは、「狩って食べる」が満たされるのでおすすめです。おもちゃはペットボトルでも簡単に作れます。
4. 叱らない、怒鳴らない
「コラ!」などと大きな声で叱るのは絶対にやめましょう。叩くのは論外です。
叱ってしつけをするのは難しく、タイミングが少しでも違うと猫はなぜ叱られたのかわからず、恐怖を感じるだけ。信頼関係も崩れてしまうでしょう。
そうなると、ますます攻撃的になったり、粗相などの問題行動を起こしたりする原因にもなります。
まとめ
猫の人への甘咬みやじゃれつきを、放置してはいけません。飼い主さんや家族が、ケガをする可能性が高くなります。
人が猫の狩りの対象になるのは、そもそも人の行動が原因です。まずは、猫の目の前で手をひらひらする、大騒ぎするなど誘発行動をやめます。
甘咬みやじゃれつきは猫の狩猟本能からくるもので、正常な行動です。狩猟本能を満たすためにも、猫と遊ぶときは、おもちゃを使用しましょう。
どうしてもうまくいかない、治らない場合は専門の獣医師への受診を検討してください。
猫を叱らないしつけ「クリッカートレーニング」の方法と注意点
猫を飼っているみなさんは、「クリッカートレーニング」というトレーニング方法をご存知でしょうか?
クリッカートレーニングとは、クリック音とおやつを上手に使うことで、猫のしつけや芸を教えるためのトレーニングです。犬のトレーニングで使われるため、犬の世界ではよく知られています。
元気がよすぎる猫を落ち着かせたり、寝てばかりの高齢猫に刺激を与える効果も期待できます。ハイタッチやおすわりができるようになるかもしれません。
クリッカーを使い、1日10分程度のトレーニングで、猫と楽しくコミュニケーションを取ってみませんか?
クリッカートレーニングとは?
クリッカートレーニングとは、「カチッ」というクリック音とおやつなどの報酬を結び付け、望ましい行動を教えるトレーニングです。
どんなしつけができるの?
例えば、クリッカートレーニングで、飼い主さんの元へ来る「おいで」を教えたとします。家具で爪とぎをしようとしている猫でも、クリック音と「おいで」を認識すると、おやつをもらえると思って家具から離れてくれます。猫を叱らずに爪とぎをやめさせられるのです。
このように、トレーニングを行うことで猫は「クリック音」と「おやつ」を関連付けて覚えるようになり、うまくいけばハイタッチやおすわり、障害物ジャンプなどもできるようになります。
クリッカートレーニングの魅力
クリッカートレーニングは猫を支配するものではなく、楽しくコミュニケーションを取りながら、猫の好奇心を刺激するものです。
叱ってしつける必要もないので、お互いにストレスもたまりにくいでしょう。
クリッカートレーニングの参考動画
実際にクリッカートレーニングをしている様子を動画で見ることで、まずはイメージをつけましょう。
引用:YouTube
“Cat Agility, CASHMERE TRICKS AND TARGET TRAINING !!!”by Daniel King
クリッカートレーニングのメリット
1. トレーニングはどんな猫もできる
クリッカートレーニングは、子猫はもちろん、成猫や高齢猫にもできます。元気がよすぎる猫や、攻撃的な猫など、どんな性格の猫に対してもできるトレーニングです。
2. 叱らなくてすむ
「望ましい行動」を音とおやつで強化するトレーニングなので、飼い主さんは叱る必要がなく、お互いにストレスがたまりにくい方法です。例えば、パソコンのキーボードで寝そべるなど猫の困った行動も、叱らずにケージに入るように誘導すればいいのです。
さらに、トレーニングを通して猫とコミュニケーションをとる機会も増やすことができます。
3. 猫の知的好奇心を刺激する
猫はいつも寝てばかりで、刺激がなくても大丈夫と思うかもしれません。しかし、猫は狩りをしたい本能もありますし、好奇心も旺盛です。
クリッカートレーニングをすることで、どうしたらおやつが手に入るのかを自ら考えるようになるため、猫への適度な刺激となるでしょう。
4. 運動不足を解消する
クリッカートレーニングをすると、おやつをもらうために必然的に体を動かすようになります。
部屋を移動したり、ジャンプをしたりすれば運動不足も解消できます。
クリッカートレーニングで用意するもの
クリッカー
インターネットやペットショップで購入できます。
棒
猫を誘導する際に使います。菜箸やペンなどでかまいません。指でもできますが、棒があると咬まれる心配がありません。攻撃性のある猫は棒を使うと安全です。
おやつ
猫の好きなおやつやフードを用意します。一口で食べられる小さめのおやつがおすすめです。おやつで太らないように、ご飯の量を調整し、1日に与える量をあらかじめタッパー等に入れておくと与え過ぎを防げます。
おやつを入れるウエストポーチ
クリック音と同時におやつを与える必要があるので、すぐ取り出せるウエストポーチがあると便利です。
落ち着ける環境
猫と飼い主さんが1対1になれる静かな場所でトレーニングをしましょう。
他の動物やお客さんがいる、テレビが点けっぱなしなどでは気が散ってしまいます。お皿に入ったままのフードも片付けてください。
クリッカートレーニングの手順
まずはクリッカーに慣れさせる
まずは、「クリッカーを鳴らしたらおやつを与える」を何度か繰り返して、クリッカーに慣れさせましょう。
①慣れてきたら棒を使う
慣れてきたら、指や棒を猫の前に出してみて、指や棒の匂いを嗅いだり、鼻を付けたりした瞬間にクリッカーを鳴らしましょう。そして、鳴らした直後に猫にすかさずおやつを与えます。
②離れた場所で棒を見せる
①を繰り返すと、猫は指や棒を見せるだけで近づいてくるようになります。
今度は、離れた場所で指や棒を猫に見せ、近づいて鼻を付けたらすかさずクリッカーを鳴らしておやつを与えてください。
③声かけ合図も混ぜる
②までできるようになったら、「おいで」と声をかけて指や棒を見せます。
テーブルに乗った猫も、指や棒の誘導で移動するようになり、「おいで」の声かけで飼い主さんの方に来るようになるでしょう。
④「お手」を教えてみよう
猫はおやつが欲しくて、指や棒に前足で触ろうとするようになります。
飼い主さんは指や棒を、片方の手のひらに付けて猫に見せます。そして、猫が前足を出した瞬間にクリッカーを鳴らしておやつを与えます。
何度か繰り返したら、「お手」と声で合図もし、クリッカーを鳴らしておやつを与えましょう。うまくいくと、猫は声掛けだけで「お手」ができるようになります。
クリッカートレーニングの注意点
1. 空腹時に行う
空腹時に行えば、おやつが欲しくて猫は一生懸命トレーニングに参加してくれます。
2. トレーニングは短時間
猫の集中力はそれほど長くありません。5~10分程度が適切です。
3. ゆったりした気持ちで
焦ったりイライラしたりすると、猫に伝わります。ゆったりした気持ちで楽しみながらトレーニングをしてください。
4. 無理強いしない
誰でも気乗りしない日はあります。猫が乗ってこないときは、休憩しましょう。
5. クリック音が苦手な猫もいる
クリック音を嫌がる猫には、「いいこ」など声かけで代用します。その場合は、猫を驚かさないように小さな声でトレーニングしましょう。
6. おやつに乗ってこない猫もいる
猫のなかには、それほどおやつに執着しない子もいます。その場合は、大好きなおもちゃなどで代用してみてください。
7. トレーニングが終わったら片付ける
トレーニングが終わったら、クリッカーや棒、おやつは片付けてください。放置してある棒に鼻を付けて、おやつが出てこないとトレーニング効果が薄まってしまいます。
まとめ
クリッカートレーニングは、クリック音とおやつを関連付けて、猫に望ましい行動や芸を覚えさせるトレーニングです。猫の知的好奇心を刺激し、運動不足も解消します。
飼い主さんとコミュニケーションも取れ、絆も深まるでしょう。猫と楽しみながら、クリッカートレーニングにチャレンジしてみてください。