愛猫に合ったフードって?選び方の基本や保存方法を解説

猫用のフードは種類が大変豊富で、どれを与えればいいのか迷ってしまいますよね。種類だけでなく、情報も多いので混乱するのではないでしょうか。

「いいフードと聞いて食べさせたのに下痢をした」「オーガニックがいいって本当?」など、悩みを抱えている飼い主さんも少なくありません。

今回は、猫のフード選びについて解説します。

そのフード、愛猫に合っていますか?

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基本的には、猫のライフステージに合ったフードで、よく食べ、健康状態が良好なら問題ありません。

ただ、単に「よく食べているから合っている」というわけではないので注意が必要です。極端な話ですが、「子猫なのに高齢猫用を毎日食べている」では栄養不足になってしまいます。
猫がどんなに喜んで食べていても、そのフードは合っていないのです。

基本的な選び方を見直してみましょう。

キャットフードの基本の選び方

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まずは「総合栄養食」を選びます。「総合栄養食」とは、そのフードと新鮮な水があれば猫の健康が維持できるフードです。

パッケージに「副食」「一般食」と書いてあるものは、人間の食事でいえば「ふりかけ」のようなもの。嗜好性が高いのですが、それだけを与えていると栄養に偏りが出てしまいます。

「副食」や「一般食」はあくまでおまけと考え、総合栄養食をメインに与えてください。

オーガニックやナチュラル、グレインフードが必要?

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「オーガニックやナチュラルのフードでなくてはダメ」と思っている飼い主さんもいるかもしれません。しかし、栄養的にはそこにこだわる必要はありません。

オーガニックなら安全?

オーガニックやナチュラルフードには、「AAFCO(全米資料検査官協会)認証」などと表記されている場合があります。
これはあくまで、原材料についての説明であり、フードそのものの安全を保障しているわけではないのです。

グレインフードは必ずしも健康ではない

猫は肉食だから、穀物の入っていないグレインフードがいいという意見もあります。

しかし、グレインフードはほとんどの場合、穀物の代わりに芋や豆などの炭水化物が含まれているため、猫によっては、カロリーオーバーになってしまう場合もあります。

また、肉だけをずっと食べていると、リンの摂取が増えて腎臓などに負担をかける恐れもあるのです。

迷ったら獣医師に相談を

フード選びに迷ってしまう場合は、動物病院で相談してみましょう。

年齢や体重、猫種、持病など、愛猫に合わせたフード選びのアドバイスがもらえます。
また、動物病院でおすすめのフードを販売してくれることもあります。

ウェットとドライどちらが正解?

猫の好みもあるため、ウェットでもドライでもどちらでも大丈夫です。
可能であれば、両方に食べ慣れさせておくのがおすすめです。どちらも食べ慣れておけば、ライフステージや体調の変化に応じてフードが変わっても、抵抗が少なくなります。

また、例えば災害時にドライフードしか支給されない場合でも、ドライフードに慣れていればすぐに食事ができるでしょう。

ウェットフードのメリット

ウェットフードは水分補給できるのが大きなメリットです。水をあまり飲まない猫でも、ウェットフードがあれば水分が摂れます。
未開封なら保存期間も長いので、非常持ち出し袋に入れておくのにも適しています。

留守番中は小分けに置いたドライフード、飼い主さんの在宅中はウェットフードなどと使い分けるのがおすすめです。

フードを食べて体調不良になったら動物病院へ

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新しいフードを食べて下痢をしたり、皮膚をかゆがったりする場合、愛猫にはそのフードが合っていないのかもしれません。
または気づかないうちに、フードの品質が劣化している可能性もあります。

いろいろなフードを食べさせようと、いきなり変更しても下痢をしやすくなるのです。

病気の可能性も

体調不良の原因は、フードではなくて病気の可能性もあります。
また、環境の変化などですぐ下痢をする猫もいますし、ノミなどの寄生虫で体を痒がることもあります。

その場合、「下痢をしたからフードのせいだ、違うフードを食べさせよう」「かゆがるから合わない」では根本的な解決になりません。

体調不良が気になったら、まずは動物病院へ連れて行きましょう。

キャットフードの保存に注意

下痢や嘔吐の原因は、空気に触れることによる「酸化」かもしれません。
ドライフードのパッケージを開けて、輪ゴムで止めるだけのような保存方法では酸化を早めるので注意しましょう。

とくに日本の夏は、湿度も高いため品質の劣化が早まります。愛猫が1匹で一度にたくさん食べない場合などは、小分けタイプがおすすめです。大袋の場合は小分けしてジッパーつき保存袋に入れ、しっかり空気を抜いて保存してください。

また、たとえ袋を開けていなくても、キャットフードは品質管理がしっかりしたお店で買うようにし、冷暗所に保存してください

フードの変更は時間をかけて

いきなり新しいフードを食べさせると、下痢をしやすくなります。今まで食べていたフードに少しずつ新しいフードを混ぜながら、1週間程度時間をかけて変更してください。

同じように見えるキャットフードも、微妙に栄養バランスなどが異なります。変更は慎重に行いましょう。

手作りは特別な日のお楽しみに

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大切な愛猫のために、手作り食を食べさせたいという飼い主さんもたくさんいます。
たしかに猫が喜びますし、材料を飼い主さんがチェックできるメリットもあります。ただ、毎日となると大変なので、特別な日に食べさせるのがおすすめです。

手作り食は大変

どうしても手作り食を食べさせたい場合は、誕生日などに限定するのがおすすめです。手作り食を与える場合、猫に必要な栄養素しっかり勉強する必要があります。

タウリン不足にならないよう計算するなど、手間も時間も大変かかるのです。猫に食べさせてはいけない食材についての知識も必要になります。

犬のケースですが、インターネット上のレシピにはビタミンやミネラル不足、または過剰があったと報告されています。手作り食を食べさせたい場合は、手作り食に詳しい獣医師に相談しましょう。

キャットフードに慣れているとメリットがある

キャットフードを食べさせておくと、入院や災害など万が一の場合もご飯を食べさせやすくなります。ずっと手作り食を食べていると、キャットフードを受け付けなくなることもあるのです。

特に災害時、避難所などではキャットフードが支給されます。また、手作り食の食材が手に入らなくなる場合がほとんどでしょう。災害の多い日本では、キャットフードに慣れておくことも大切です。

まとめ

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キャットフードは種類が多く、どれが愛猫にいいのか迷ってしまいますよね。まずは、猫のライフステージや体調に合った総合栄養食のフードを選びましょう。選び方がわからないときは、動物病院に相談するのがおすすめです。

手作りは、特別な日のお楽しみにしておくと栄養バランスも崩れません。キャットフードを食べ慣れていると、災害時も安心です。
ドライフードは酸化しないように、開封後は密閉容器に入れて冷暗所に保存します。小分けフードを選ぶと、新鮮な状態で食べられます。

フードを変更したあとに体調を崩したら、必ず動物病院を受診してくださいね。

食欲旺盛で元気なシニア猫は要注意!甲状腺機能亢進症の症状と治療法

「うちの猫は高齢でも、食欲もあるし、元気いっぱいだから健康」だと思っていませんか?

しかし、あまりに食欲旺盛なシニア猫は、もしかしたら「甲状腺機能亢進症」かもしれません。
食欲があると元気に見えるため、病気とは思わない飼い主さんも多いようです。

今回の記事では、猫の甲状腺機能亢進症について詳しく解説します。
少しでも心配な飼い主さんも、うちは大丈夫という飼い主さんも、一度動物病院を受診してくださいね。

猫の甲状腺機能亢進症とは

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甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の機能が何らかの原因で活発になり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。

甲状腺ホルモンとは

甲状腺ホルモンは、代謝を活発にする働きがあります。そのため、これが過剰に分泌されると、エネルギー消費が多くなりすぎてしまいます。
いつも体の中がフル回転しているような状況なので、全身の器官に影響が及びます。初期症状は元気に見えるため、病気だと気づきにくいのが特徴です。

多くの場合、「腺腫」という良性腫瘍によって甲状腺が肥大しますが、悪性腫瘍が原因になる場合も稀にあります。

甲状腺の場所

甲状腺は、猫の喉にある「甲状軟骨」の下に左右にひとつずつある小さな組織で、人でいう喉仏に該当します。

猫の甲状腺機能亢進症の原因

原因ははっきりとはわかっていません。食事、環境(化学物質など)、地域的な要因、遺伝などさまざまな説があります。

甲状腺機能亢進症を発症しやすいのは7歳以上のシニア猫で、性別は関係ありません。

シニアだけど元気いっぱいの猫は要注意!

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猫が高齢と言われるのは、およそ7歳頃からです。
一般的に、高齢になれば活動量や食事量は少しずつ減ってきます

しかし、中には食欲旺盛で活動的なシニア猫がいます。本当に元気ならいいのですが、中には甲状腺機能亢進症になっている可能性もあるのです。

甲状腺機能亢進症の症状

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次のような症状があるシニア猫は、甲状腺機能亢進症かもしれません。動物病院を受診しましょう。

  • たくさん食べているのに、体重が落ちる
  • 食欲旺盛で、すぐにごはんを欲しがる
  • 落ち着きがなくなり、じっとしていられない。攻撃的になる。
  • 夜中でも大きな声で鳴きわめく
  • 水をたくさん飲み、尿量も増加する
  • 下痢や嘔吐など、消化器に症状が出る
  • 被毛のパサつき、抜け毛が増える
  • 心臓の活動が活発になり、鼓動が早くなる

ただし、甲状腺機能亢進症になれば、どのシニア猫も食欲旺盛で活発になるわけではありません。食欲低下や元気がない猫でも、診察を受けたら甲状腺機能亢進症だったという例も多く報告されています。

甲状腺機能亢進症を見逃してしまう原因

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1. 年のせいだと思ってしまう

食欲は元気のバロメーターでもあるため、食べているから大丈夫と思いがちです。活動的になればなおさらでしょう。
そして活発に動けば、体重が減って当然と思うのも無理はありません。

また、落ち着きがない、攻撃的になるなど行動の変化や毛のパサツキなどは、「年齢によるもの」と思い込んでしまいます。
下痢や嘔吐も、「高齢だから消化能力が低下している」で済ませてしまうので注意が必要です。

2. 動物病院が苦手

動物病院が苦手な猫は多く、受診するだけでも大変です。
移動しただけで体調不良になってしまう子もいます。連れて行くのも一苦労というシニア猫もいるでしょう。

そのため、ちょっと変だなと思っても、「病院に行くほどではない。元気そうだからいいかな」と受診をためらってしまいます。

甲状腺機能亢進症を早期発見するために

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甲状腺機能亢進症などの病気があるかを確認するためには、動物病院の受診が大切です。
また、7歳を過ぎて高齢になったら何も症状がなくても、半年に1度程度は健康診断をおすすめします。

病気の早期発見は非常に重要です。悪化してから行くと、治療に時間も費用も掛かってしまいます。

動物病院が苦手な猫には、次のような対策をしてあげましょう。

  • キャリーバッグに猫用のフェロモン剤を付ける。
  • 外が見えないようカバーをかける。
  • 猫とほかの動物の待合室を別にしている動物病院や、猫専門の動物病院に連れて行く。
  • どうしても連れて行くのがダメな場合は、往診専門の獣医さんにお願いする。

甲状腺機能亢進症の治療

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甲状腺ホルモンの過剰な分泌をおだやかにするため、薬を飲みます。薬は一生涯飲む必要があります
療法食が処方される場合も多いようです。

薬を飲んでもあまり改善しない場合、甲状腺の切除手術を行う場合もあります。切除した場合は、甲状腺ホルモンを補充する必要があります。
ただし、あまりに高齢な猫の場合、手術が困難なケースもあるようです。

まとめ

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猫の甲状腺機能亢進症は、シニア猫に多い病気です。初期は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって活動的になります。食欲が増し、落ち着きがなくなる猫が多いようです。

中には急に攻撃的になる子もいます。体重減少や毛のパサつき、嘔吐や下痢もありますが、「高齢だから仕方ない」と片付けがちです。

「高齢だから」の影には、甲状腺機能亢進症のような病気が隠れている可能性もあると考え、「以前と何かが違う」と思ったら動物病院を受診しましょう
大切な愛猫が元気で長生きできるように、定期的な健康診断おすすめします。

【被毛の長さ別】猫用ブラシの選び方!それぞれのブラシの役割とは

猫用のブラシは種類豊富です。柔らかいものから硬いもの、ブラシの素材など、たくさんあってどれを選べば良いのか分からないですよね。

今回の記事では、毛種ごとに必要なブラシやそれぞれの特徴や役割をご紹介します。
猫の毛の長さによっても選ぶべきブラシが異なるので、参考にしてみてください。

ぜひ、愛猫に合ったブラシを見つけてあげてくださいね!

短毛種・長毛種におすすめのブラシ

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それぞれのブラシの特徴を説明する前に、まずは短毛種・長毛種におすすめのブラシをご紹介します。

短毛種におすすめのブラシ

短毛種の猫には、「獣毛ブラシ(柔らかい)」「コーム」「ラバーブラシ」の3種類がおすすめです。

短毛種におすすめのブラシ 役割
獣毛ブラシ(柔らかめ) 基本のブラシ
コーム 毛玉取り、ノミ取り、仕上げ
ラバーブラシ/ミトンブラシ 抜け毛、マッサージ

※ミトンブラシは、ラバーブラシとほぼ同じ役割をしてくれるので、好みの方を選びましょう。

長毛種におすすめのブラシ

長毛種の猫には、「獣毛ブラシ(硬い)」「コーム」「ピンブラシ」の3種類がおすすめです。

長毛種におすすめのブラシ 役割
獣毛ブラシ(硬め) 基本のブラシ
コーム 毛玉取り、ノミ取り、仕上げ
ピンブラシ/スリッカーブラシ 毛のもつれをほぐす

※スリッカーブラシ・ピンブラシはできることが似ているので、これもどちらかあれば大丈夫だと思います。

ブラシの種類と役割とは?

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愛猫にぴったりのブラシがざっくり分かったところで、それぞれのブラシの特徴や役割を詳しくご説明します。

1. 獣毛ブラシ(柔らかめ、硬め)

獣毛ブラシは、いつものブラッシングで使える基本のブラシです。
獣毛ブラシは短毛種・長毛種ともに使いますが、同じ獣毛ブラシの中でも、短毛種に向いているものと長毛種に向いているものがあります。

  • 短毛種:ソフトで柔らかいもの
  • 長毛種:刃先がギザギザの硬いもの

長毛種の猫に柔らかい獣毛ブラシを使っても、毛の中までブラシが入りにくいので注意が必要です。

獣毛ブラシは動物の毛(豚毛・猪毛)でできているものがおすすめ。油分が程よくついて、毛に艶やかさがプラスされます。
逆に、プラスチックやナイロン製のものは静電気が起きやすいのでおすすめできません。

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2. コーム

コームには様々な使い方があります。特に長毛種の猫ちゃんは、毛のもつれをほぐす時にもよく使います。

目が荒いものと細かいもので効果が違うので、上手に使い分けましょう。

  • 荒いブラシ:毛のもつれをほぐす。
  • 細かいブラシ:ノミ取り、毛並みを整えて仕上げる。

荒い目と細かい目、どちらもついているコームを選ぶと便利です。
なお、先端が尖っているものは肌を傷めてしまう可能性があるので、できれば丸くなっているものを選びましょう。

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3. ラバーブラシ、ミトンブラシ

ラバーブラシは柔らかいので、猫の肌を傷める心配がありません。
抜け毛を吸着してくれるので、ごっそり抜けると思います。

マッサージ効果もあるので、猫にも比較的気に入ってもらいやすいでしょう。

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なお、ミトンブラシも、ラバーブラシと役割は基本的に同じです。
手にはめて撫でるように梳かすことができるので、こちらの方が使いやすい人もいるでしょう。ブラシが嫌いな猫や、撫でられるのが好きな猫には向いているかもしれません。

猫の様子も見ながら、お好きな方を選んでくださいね。

4. スリッカーブラシ

毛玉がよくできてしまう猫におすすめなのが、スリッカーブラシです。
先端が針金状になっており、毛玉をほぐすことがきます。

ただし、肌への当てる角度を誤ると嫌がる猫も多いので注意が必要です。また、力が強いと毛が切れてしまったり、肌を傷つけてしまうので、力加減にも気を配りましょう。

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5. ピンブラシ

ピンブラシは、毛のもつれをほぐすために使えます。
スリッカーブラシより毛玉をほぐす力は落ちますが、毛が切れる心配や傷める心配が少ないのがメリットです。

猫に合わせて、スリッカーブラシかピンブラシを選ぶと良いでしょう。

まとめ

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たくさんの種類がある猫のブラシは、選ぶのが難しいですよね。
今回ご紹介した「獣毛ブラシ(柔らかめ、硬め)」、「コーム」、「ラバーブラシ」、「ミトンブラシ」、「スリッカーブラシ」、「ピンブラシ」には、それぞれに特徴があり、役割も異なります。

それぞれのブラシの役割を理解して、猫の被毛の長さや目的に合ったブラシを選んであげてください。
毎日のブラシと、たまに使う特別なブラシとで、上手に使い分けられるとなお良いでしょう。

ブラッシングをこまめにして、艶々の毛をキープしましょう。

【獣医師監修】ラグドールの好発疾患と健康管理のポイント

ラグドールはモフモフの毛が特徴的な、ぬいぐるみのような猫種です。実際に、「ラグ・ドール(rag doll)」は英語で「ぬいぐるみ」という意味があります。

日本でも飼育している方が多い猫種ですが、いくつか発生しやすい病気が存在するのをご存知でしょうか?
今回の記事では、ラグドールの好発疾患や、日常生活での飼い方のポイントについて獣医師が詳しく解説します。

ラグドールの基本情報

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歴史

ラグドールは、1960年代、アメリカ・カリフォルニア州に住んでいたブリーダーの手によって誕生しました。ペルシャやバーマン、バーミーズなどとの交配によって生まれた子猫が基礎だと考えられています。

ラグドール(ragdoll)という名前は、英語で「(布製の)ぬいぐるみ」を意味し、「大人しく抱かれる姿が、まるでぬいぐるみのようだ」として、この名前がつけられました。

身体的特徴

被毛の各部分にある「ポイント」と呼ばれるまだら模様が特徴です。
大きめの頭に、ややつり上がった青い瞳、低めの鼻が真ん中についた丸顔をしており、被毛の長さはミディアムロングです。

体格は大きめでがっしりとしていて、中には体重が10kgを超える場合もありますが、オスで約7〜9kg、メスで約5〜7kgが平均とされます。

性格

おおらかでおっとりとしており、知らない人にもよく懐きます。鳴き声は小さく、成猫になるとあまり激しい運動をしなくなる子も多いようです。
ただし、帰巣本能が強いため、譲渡や引っ越しの際には脱走やストレスに注意しましょう。

ラグドールの好発疾患

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まずは、ラグドールに発生しやすい遺伝的疾患や、身体的特徴からかかりやすい病気をいくつか紹介します。
聞きなれない疾患もいくつかあると思いますが、どんな病気があって、どんな症状が現れるのか、しっかりと理解しましょう。

肥大型心筋症

【症状】
運動不耐性(疲れやすい)、胸水や腹水貯留、呼吸困難、食欲不振、嘔吐など。
【原因】
心臓の筋肉が肥厚することで心臓が膨らみにくくなり、循環障害を呈する。
【備考】
左心房に血栓が形成されやすく、それが大動脈に詰まり大動脈塞栓症を引き起こすことがある。塞栓を起こしやすいのは腹大動脈遠位端(太ももの付け根)や腎動脈で、それぞれ四肢の麻痺や尿産生停止が認められる。

進行性網膜萎縮

【症状】
昼盲や夜盲、徐々に進行する視覚障害、失明。
【原因】
網膜に存在する光を感じる細胞が変性することによる。この変性は遺伝的に起こる。
【備考】
猫の視覚機能を正確に評価することは難しいが、物を目で追いにくくなった、家具によくぶつかるようになったなどの症状が現れたら要注意。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】
貧血、運動不耐性(疲れやすい)、頻脈など。
【原因】
酵素であるピルビン酸キナーゼの遺伝的欠損によって溶血性貧血が起こる。常染色体劣性遺伝によって伝達されるので、両親に本疾患の素因があるかどうかは要チェック。
【備考】
健康診断では赤血球数やヘマトクリット値などの貧血を評価する項目に注意する。

ムコ多糖症

【症状】
顔面骨の形成異常、関節の運動機能障害、後肢麻痺、角膜混濁など。
【原因】
ムコ多糖を分解する酵素の欠損によって全身臓器(骨、軟骨、角膜、心臓など)にムコ多糖が蓄積し、症状が現れる。
【備考】
検査会社によっては遺伝子検査が可能。

毛球症

【症状】
嘔吐、便秘、腸閉塞など。
【原因】
グルーミング(毛づくろい)の際に口から入った被毛が消化管に詰まる。
【備考】
毛玉を溶解するフードやサプリメント用いて予防することもできる。上手に毛玉を吐けない子は利用も検討。

ラグドールの健康管理

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ラグドールの好発疾患には、先天的な遺伝子異常に基づくものもあります。遺伝疾患の予防は難しいかもしれませんが、発見を早く行い、迅速に対応することが肝心です。

また、毛球症などについては、日々の生活環境を見直すことで発生を少なくできるかもしれません。
ラグドールと一緒に生活する上でどんなことに注意すべきか、見ていきましょう。

1. 定期的なブラッシング

猫はキレイ好きな動物なので、ある程度は自身で毛づくろい(グルーミング)をして被毛や皮膚を清潔に保っています。
しかし、加齢とともにグルーミングの頻度は減ってきますし、ラグドールは元々毛が長いので毛が絡まって毛玉ができやすい猫種です。

毛玉を放置すると皮膚が引っ張られ、そこに炎症が起きます。
また、グルーミングによって口から被毛が体内に入り、消化管に毛玉が詰まることもあります。

長毛のラグドールには、定期的なブラッシングを心がけましょう。

2. 尿の状態を毎日チェック

尿の状態を日頃から観察することで、病気の早期発見に繋がります

腎泌尿器系の疾患はラグドールに限らず、猫で非常に多い疾患です。
健康な状態の尿量や尿の色を把握しておくことで、異常にいち早く気づきましょう。

3. 季節に合わせた温度管理

長毛のラグドールは、夏の暑さには弱い猫種です。
猫は犬のようにパンティング(口でハーハーしながら行う体温調節)もしませんので、熱中症には十分に注意しなければなりません。

夏場はクーラーを適切に使い、涼しい環境を作りましょう。27度前後を目安に、人間が快適だと感じる温度で大丈夫です。

ちなみに猫が安静時に口呼吸をしていたら、心臓病や呼吸器疾患の疑いがあるため動物病院を受診してください。

4. 定期的に健康診断を受けよう

外見では判断しにくい病気もたくさんあります。
血液検査や画像検査など、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
7歳までの若い時期は年に1回、7歳以上のシニアは半年に1回くらいを目安に受けておくと安心です。

猫にとっての半年は人間の年齢で換算すると2年程になりますので、決して短い期間ではありません。
病気は早期に発見し、適切な治療を受けることが望まれます。ぜひ健康診断は検討してみてください。

まとめ

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本記事では、ラグドールの好発疾患と、日常生活でできる健康管理をご紹介しました。
病気になってしまったときに十分な対応ができるような環境が大切です。
愛猫との生活がより良いものとなるように願っています。

猫の外耳炎は早期発見が大切!原因や症状、予防方法をご紹介

猫の耳からくさいにおいがしたり、耳垢が出たりしていることがあれば、猫は「外耳炎」にかかっている可能性があります。

外耳炎は猫にとって珍しい病気ではありませんが、早期に治療しないと痛みが強くなり、治りが遅くなってしまう恐れがあります。

今回の記事では、猫の外耳炎について、原因や症状、治療方法や予防方法についてご紹介します。

外耳炎とは?

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耳は、外側から「外耳」「中耳」「内耳」の大きく3つに分けられますが、「外耳」に炎症が起こっている状態が外耳炎です。

「外耳」は、耳介から外耳道にかけての部分で、外耳道の一番奥に鼓膜が張っています。一般的に言う「耳の穴」をイメージするとわかりやすいでしょう。

炎症が起こる原因は後ほど詳しく解説しますが、細菌や寄生虫、アレルギーなどが主な原因とされます。

猫の外耳炎の症状

猫に次のような症状が見られたら、外耳炎を疑いましょう。

  • 耳垢の量が増える
  • 耳の匂いが臭い
  • 耳が赤く腫れる、湿疹ができている
  • 耳をかゆがる
  • 耳を床にこすりつける、頭を振る動作が増える

症状が進行すると、痛みが強くなって耳を触られることを嫌がったり、耳が腫れて穴が塞がったり、膿が出てきたりするようになります。
また、外耳からその奥の中耳や内耳にかけても炎症が広がることで、中耳炎、内耳炎を併発することもあります。

外耳炎の原因

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菌の感染

通常は耳に存在しない細菌に感染して外耳炎になることもありますが、ブドウ球菌という細菌や、マラセチアという真菌(カビ)など、正常な耳道にも存在する菌が、増殖しすぎることが原因となる場合が多いです。

特に、怪我をしていたり、耳の中の湿り気が多い場合に感染しやすくなります。時期としては、湿度が高くなる梅雨時期に悪化しやすいです。

【耳垢の特徴】
細菌感染による場合は、黄色い耳垢やドロッとした耳垢。
真菌感染による場合は、茶色い耳垢。
いずれも匂いがきつい。

寄生虫による感染

耳の中に、「耳ダニ」「耳ヒゼンダニ」などの寄生虫がいることもあります。
特に、ペットショップから迎え入れたばかりの猫や、元野良猫などに多いです。

【耳垢の特徴】
黒っぽくパサパサした耳垢が大量に出る。

アレルギー

アレルギーが出やすい体質だと、外耳炎になりやすいです。食物アレルギーの症状が外耳に出ることもあります。

【耳垢の特徴】
耳垢が多くなる場合とならない場合があるが、耳を痒がる仕草がサインとなる。

異物

植物の小さな種などが耳の中に入って、耳道を刺激してしまうことでも炎症がおきます。

【耳垢の特徴】
耳垢が多くなる場合とならない場合があるが、耳を痒がる仕草がサインとなる。

猫の外耳炎の治療

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外耳炎を起こしてしまったら、様子を見るのではなく、できるだけ早く治療をすることが重要です。
初期段階であれば、すぐに症状が落ち着くことが多いです。

具体的にどのような治療をするのか見ていきましょう。

まずは耳道内を洗浄する

動物病院で外耳炎が診断されると、まずは耳道に溜まった耳垢や細菌などを洗浄します。
炎症がひどい場合は一度で全ての汚れを取り除くことが困難なので、猫の様子を見ながら無理のない範囲で洗浄し、数日間薬を飲むなどして腫れが引いてから洗浄を進めることもあります。

点耳薬と駆虫薬

耳道を洗浄して一時的に綺麗になったように見えても、細菌や真菌、寄生虫は残ってしまい、放置すれば再び増殖してしまいます。
それを防ぐため、抗生剤や抗真菌剤などを耳に投与します。点耳薬は動物病院だけでなく、自宅でも投薬をするよう指導されることもあります。

また、ミミダニが寄生していることが分かれば、駆虫薬を投与します。

アレルギーの治療

外耳炎の原因がアレルギーの場合は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を除去することが必要です。
まずはアレルギー検査を行い、アレルゲンを特定できたら、食事内容の改善やノミの駆除、ハウスダスト対策などを行います。

それでも症状の改善が見られなければ、ステロイド剤での症状緩和や、徐々にアレルゲンに慣らす「減感作療法」を検討することもあります。

耳血腫の治療

外耳炎が原因で、耳に血腫ができる「耳血腫」を引き起こすことがあります。
その場合は、耳介に注射針をさして溜まった血を抜いたり、切開して排出したりします。

【外耳炎の治療期間】
外耳炎の治療期間は、原因や症状の程度によって異なります。
軽度であれば、動物病院での洗浄や自宅での点耳薬の投与などで、1週間から2週間程度で落ち着きます。
慢性的な外耳炎やミミダニが原因の外耳炎では、治療が数ヶ月〜数年、場合によっては一生治療を継続することもあります。

猫の外耳炎の予防

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猫の耳のお手入れは、通常は毎日する必要あはりませんが、定期的にチェック・清掃をしないと、どの猫でも外耳炎を発症する可能性があります。
日頃から、猫の耳の状態を観察し、清潔を保つようにしましょう。

耳のチェック

猫の耳の健康チェックでは、次のような点に注意してみましょう。

  • 耳からくさいにおいがしないか
  • 赤みがないか
  • 耳垢がたくさん出ていないか

猫が屋外から帰ってきたら

屋外に行くことのある猫では、雨に濡れた状態から外耳炎を発症しやすくなったり、植物の種子などの異物が外耳炎の原因となったりします。
猫が屋外から帰ってきたら、耳が濡れていたり、異物がついていないか確認するようにしましょう。

猫の耳のお手入れ方法

特に気になる症状がない場合はお手入れをする必要はありませんが、少しの汚れであれば、コットンなどの柔らかいもので耳の入り口をそっと拭き取りましょう
綿棒などで強めに掃除をしたり、耳の奥まで掃除をしたりすると傷をつけてしまう恐れがあるので、自宅では行わないようにしましょう。

まとめ

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猫の外耳炎は、決して珍しい病気ではありません。
原因は様々ですが、日頃から耳の状態をチェックして、異常があればすぐに動物病院に連れて行くことで、症状が軽いうちに治療をすることができます。

猫の健康のために、外耳炎の予防と早期発見に努めましょう。

【獣医師監修】ノルウェージャン・フォレスト・キャットの好発疾患

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは長毛で大型、筋肉質で野性味のある猫種です。モフモフの体には思わず顔を埋めたくなります。

そんなノルウェージャン・フォレスト・キャットですが、猫種ならではのかかりやすい病気がいくつかあるのをご存知でしょうか。
今回の記事では、ノルウェージャン・フォレスト・キャットの好発疾患や日常生活でできる病気の予防などについて、獣医師が詳しく解説します。

なお、猫種の名前が長いので、以降は「ノルウェージャン」と記載します。

ノルウェージャンの基本情報

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歴史

ノルウェーを中心に、古くから「スコウガット(森林の猫)」として親しまれてきた猫で、北欧神話にも登場します。
昔のノルウェーの人たちと暮らしていたノルウェージャンは、農場で飼われたり、バイキングの船に一緒に乗ったりして、ネズミの駆除役として活躍しました。

その後、第二次世界大戦の影響で個体数が激減し、一時は絶滅の危機に。
しかし戦後、ノルウェージャンを愛する人たちの力によって、再び個体数を増やすと、1970年代にはヨーロッパの「国際猫協会」に品種登録され、世界中にファンを持つ人気の猫となりました。

身体的特徴

大きめでがっしりとした体つきで、体重は3〜9kgほどです。長くて美しいダブルコートの被毛が特徴的な猫です。

毛色や模様は、ブラック、ホワイトなどの単色や、シルバー、ブラウンが混ざったバイカラー、タビー柄などがいます。季節によって、毛色のトーンが変わることもあるようです。

性格

性格はとても穏やかで、他のペットに対してもフレンドリーです。飼い主さんにも従順で、知らない人や子供と遊ぶのも大好きです。
好奇心が旺盛で賢く、いたずら好きの猫や、簡単な芸を覚えられる猫もいるようです。

ノルウェージャンの好発疾患

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慢性腎疾患など一般的に猫に多い疾患の他に、ノルウェージャンには遺伝的に発生しやすい疾患があります。

遺伝子の異常があるからといって必ずしも病気になるわけではありませんが、どんな疾患があり、どんな徴候が見られるのかは、しっかりと把握しておきましょう。

グリコーゲン貯蔵異常(糖原病)

【症状】
筋力の低下、易疲労性、低血糖、昏睡など。
【原因】
糖代謝に関わる酵素の先天性異常により、グリコーゲンが肝臓や筋肉に蓄積する。ノルウェージャンでは遺伝疾患として報告がある。
【備考】
非常に稀な病気で、まだ解明されていないことが多い。

毛球症

【症状】
便秘、食欲不振、嘔吐など。腸閉塞が引き起こされると腹痛、排便困難、便臭の嘔吐物なども見られる。
【原因】
グルーミングによって口から取り込まれた被毛が消化管内で絡まり、閉塞を来たす。
【備考】
毛玉対策用フードや毛玉溶解サプリメントによって毛玉の排泄を促す、あるいは定期的なブラッシングなどによって口に入れる被毛の量を減らすことで予防する。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、体重減少、肥満、嘔吐、下痢、便秘、脱水、昏睡、感染症にかかりやすい、傷が治りにくいなど様々。
【原因】
遺伝的要因(インスリンの分泌が少ないことやインスリンの効果が低いなど)と環境要因(肥満やストレスなど)が相互に関与することで発症する。肥満、老齢、感染症、膵炎などが危険因子となる。
【備考】
猫は元々肉食動物であり、アミノ酸からグルコースを作り出す代謝系が活発である。よって興奮やストレスで血糖値が上昇しやすく、血糖値を上昇させる因子や血糖値を下降させられない因子が関与すると糖尿病になりやすい。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】
貧血、運動不耐性(疲れやすい)、頻脈など。
【原因】
ピルビン酸キナーゼが遺伝的に欠損することによる溶血性貧血が見られる。常染色体劣性遺伝で伝達されるため、遺伝子変異がある場合は繁殖には供しない。
【備考】
年齢とともに骨髄線維症および骨硬化症が進行し、造血能は低下していくので注意。

ノルウェージャンの飼育で注意したいこと

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ノルウェージャンという猫種だからこそ、日常の中で注意したい点があります。
好発疾患を踏まえて、普段の生活でどんなことに注意すればよいのかを見ていきましょう。

1. 肥満に注意

ノルウェージャンは、元々体の大きな猫種です。それに加えて被毛が長いため、肥満には非常に気付きにくいです。
しっかりとしたカロリー管理と適度な運動によって太りすぎを予防しましょう。

一般的に、被毛の下の皮膚を触ってみて、肋骨が軽く触れるくらいが適正な体型と言われています。
スキンシップの際に定期的に肋骨に触れて、肥満チェックをしてみてください。ただし、あまり強く触ると痛いので注意が必要です。

2. 大きな体でも運動できるスペースを

室内で生活をしていると、簡単に運動不足になります。
特に大きいサイズのノルウェージャンでは、「体を動かす場所がない→脂肪がついてさらに体が大きくなる」という悪循環に陥りやすいです。
大きめのキャットタワーなどを用意し、体を動かせる環境を整えましょう。

3. 季節に合わせた温度調整

元々寒い地方の猫であるノルウェージャンは、暑さに弱い猫種です。
そのため、猫の中でも熱中症にかかりやすいと言われています。

夏場はクーラーなどで室温を下げ、逆に冬場は暖かくなりすぎないようにしましょう。
人間が快適に生活できる温度であれば問題ないと思います。

4. ブラッシングは定期的に

長い被毛は、放置すると簡単に毛玉になってしまいます。
毛玉によって皮膚が引っ張られて痛みを感じると同時に、大きくなっていく毛玉によってだんだんと身動きが取りにくくなっていきます。

また、猫は自身で定期的にグルーミング(毛づくろい)を行うことによって被毛や皮膚の健康を守っています。
その際に長い被毛を飲み込んでしまうことで、毛球症に陥ることもあります。

定期的にブラッシングをしてあげることによって無駄な被毛を除去し、毛玉が大きくなる前に処理してあげることが必要です。
ムダ毛の除去には柔らかいブラシを、毛玉を少し梳かす時にはスリッカーを使用します。

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まとめ

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ノルウェージャンとの生活は、特別なことに満ちています。
愛猫が与えてくれるものはかけがえのないものであり、飼い主は愛猫の健康を最大限守らなければなりません。

愛猫との生活が素晴らしいものになることを願っています。何か変わったことがあれば遠慮なく動物病院にご相談ください。

【獣医師監修】ベンガルの好発疾患と飼い方のポイント

ベンガルは、野性味のある模様が特徴的な猫種です。
ペットショップなどでも人気がありますが、実際に見ると「うわ、きれい」と思わず言ってしまうほどです。
しかし、ベンガルには、その性格や遺伝的背景からいくつか好発疾患が存在します。

今回の記事では、ベンガルがかかりやすい病気や日常生活で気をつけたいポイントについて、獣医師が詳しく解説します。

ベンガルの基本情報

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歴史

ベンガルは、イエネコとヤマネコの交配によって誕生しました。

1970〜80年代にかけ、カリフォルニア大学では猫の白血病を研究するため、「アジアン・レオパード・キャット」というヤマネコと、イエネコの交配を行っていました。この時生まれた子猫はブリーダーに手渡され、そのインディアン・マウなどと交配し、ベンガルの基礎が築かれました。

1985年に初めてキャットショーに出場すると、ベンガルの美しさは多くの愛猫家たちから大絶賛され、一躍人気となりました。
その後、ブリーダーたちが次々と、アビシニアン、アメリカン・ショートヘア、エジプシャン・マウ、シャムなどと品種の交配を行い、現在のベンガルに至ります。

身体的特徴

ヤマネコの血が入ったベンガルは、野生的でがっしりとした筋肉質の体が特徴的で、中型〜やや大きめの短毛種です。
つり目気味のアーモンド形の目を、「マスカラ」と呼ばれるアイラインがふちどっています。

被毛の模様は、「ロゼット」と呼ばれる豹柄以外にも、タビーやマーブルがあります。

性格

見た目が野生的ですが、性格は温厚で飼い主によく懐きます
また、運動量が多くハンティング遊びも大好きで、猫としては珍しく水遊びも好むようです。

ベンガルの好発疾患

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ベンガルには好発する遺伝疾患と、性格や性質ゆえに注意したい病気があります。
好発疾患を知っておくことで、日常生活の中で愛猫を見る目が何かしら変わるかもしれません。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】
貧血、疲れやすい、頻脈、頻呼吸など。
【原因】
ピルビン酸キナーゼという酵素が遺伝的に欠損することで溶血性貧血が起こる。
【備考】
遺伝性疾患であるため、素因がある子は繁殖させるべきではない。

骨折

【症状】
患肢の疼痛、挙上(地面に足を着けない)、動かせないなど。
【原因】
外からの大きな衝撃、高所からの落下、交通事故など。
【備考】
外飼いの子はケンカや事故に遭う可能性があるので、帰って来たら健康状態を確認する。室内飼いでも棚などからの着地失敗などでけがをすることもあるので油断は禁物

ベンガル網膜症(進行性網膜萎縮)

【症状】
初期症状として夜盲、進行すると視覚障害、失明。
【原因】
遺伝的な背景が報告されている。
【備考】
常染色体劣性遺伝で伝達されるため、遺伝子変異のある子は繁殖に供するべきではない。

特発性膀胱炎

【症状】
頻尿、血尿、トイレに行くが排尿しない、排尿痛、腹痛など。
【原因】
原因は不明だが、ストレスが関与していると考えられている。細菌、結石、腫瘍などの他の膀胱炎の原因となるものが検査で検出されないことによって診断される。
【備考】
性格や環境によっては再発を繰り返すことも多い。

肥大型心筋症

【症状】
運動不耐性(疲れやすい)、胸水や腹水貯留、呼吸困難、嘔吐、食欲不振など。
血栓塞栓症を随伴した場合は、塞栓部位によって様々な症状が見られる。
特に多いのは「腹大動脈遠位端」で、両後肢の不全麻痺または完全麻痺。
【原因】
心筋が厚くなることによって心臓が膨らみにくくなり、循環障害を呈する。
【備考】
血栓塞栓症は速やかに治療を行う必要がある。

ベンガルに適した飼育環境

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一般的に猫と生活する上で注意する点の他に、ベンガルという猫種だからこそもっと注目すべきところがあります。
性格がその子によって異なるように、愛猫に合った生活環境を考えてみてください。

1. 適度にストレスを発散させる

ベンガルは、ストレスを溜め込みやすい猫種です。
そのため、ストレスが原因で起こると言われている神経障害特発性膀胱炎などの疾患を発症しやすい傾向がみられます。

毎日短時間でもいいのでしっかり遊んであげる猫が安心できる居場所を作るなどの対策が必要でしょう。

2. 十分な運動量の確保

ストレス発散のために最も効果的なのは、運動です。肥満予防のためにも運動はとても重要です。

室内での生活ではどうしても運動不足に陥りやすいため、運動しやすい環境を整えてあげる必要があります。
例えば、キャットタワーなどで、上下の動きができるような工夫が望ましいです。

3. ストレスの原因を取り除く

溜まったストレスを発散させるだけでなく、ストレスの原因そのものを除去する努力も必要でしょう。
しかし、猫にとってどんなものがストレスの元になっているのかを正確に知ることは難しいです。

人間にとっては些細なことでも、猫にとっては大きな問題であることも少なくありません。愛猫の行動などを注意深く観察し、ストレスの原因を探ってみてください。

以下に、猫がよく遭遇するストレス源の例を挙げます。

  • 生活音:掃除機、洗濯機、外の工事、犬の鳴き声など。
  • トイレ:清潔でない、設置場所が気に入らない、狭いなど。
  • 居場所:隠れる場所、落ち着ける場所がない。

4. ケガに注意

ベンガルは好奇心旺盛で活発な性格の子が多く、棚などの高いところにもよく登ります。
通常、猫はある程度高い場所からも安全に着地することができます。

しかし、滑り落ちたり、家具の隙間に足を挟んだりした場合はケガをしてしまうこともあります。
実際に、「外出先から帰ってきたら、愛猫が棚の間に挟まっていて手を骨折していた」という事例もありました。

猫が登れる場所は広く確保し、家具の隙間を無くすなどの対応が必要です。

5. 異物誤飲にも注意

好奇心旺盛なベンガルでは、異物の誤飲にも注意してください。
特に、ひも状のものは、猫としても遊ぶのに楽しく、うっかり飲み込んでしまうことがあります

留守にする際などには、あらゆるものを愛猫の手の届かない場所にしまうのがいいでしょう。
その代わりに、留守中は愛猫が退屈しないように、飲み込むリスクの低いおもちゃや、運動できるスペースを用意してあげましょう。

まとめ

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ベンガルは本当に美しい猫種で、一目惚れしてしまう方も多いと思います。
猫を家に迎え入れる前に病気などについてもしっかりと考えていただき、予防に努めることで、猫の健康を守ってあげましょう。

病気?ストレス?猫の抜け毛が多すぎる・脱毛の5つの原因

猫の毛が抜けるのは自然現象ですが、抜け毛が多すぎたり、体の一部だけが集中して脱毛している場合は、なんらかの異常があるかもしれません。

今回の記事では、猫の抜け毛が多いときに考えられる5つの原因と、その特徴や対策などについてご紹介します。

愛猫の健康をチェックする上で、脱毛は一つの重要な指標になるため、猫とのコミュニケーションの中で異常に気づいてあげられるようにしましょう。

猫の抜け毛が多い原因①換毛期

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1年を通して毛の生え変わりはありますが、換毛期には特に抜け毛が多くなります。
猫の換毛期は、年に2回、3月頃と11月頃に起こります。ただし、完全室内飼いの猫では室温の変化が小さいため、換毛期がない場合もあります。

換毛期のお手入れ

換毛期に抜け毛が多くなるのは、自然現象なので問題ありません。
しかし、特に長毛種の猫では、放っておくとグルーミングなどで毛を飲み込みすぎてしまい、「毛球症」になってしまうことがあります。

適切にブラッシングをしてあげることが重要です。

猫の抜け毛が多い原因②感染症・寄生虫

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猫の抜け毛は、単なる生え変わりであれば問題ありませんが、中には病気の可能性もあります。

細菌感染

発疹、かゆみ、引っかき傷などが見られ、まだらに脱毛する。
主に胴体で症状が現れる。

糸状菌感染

かゆみはほとんどなく、広範囲で毛が一気に抜け落ちる。抜け毛が多い部分では、フケが出やすくなる
顔面や手足から始まり、症状が進行すると全身に広がる。
糸状菌感染は、一般的に子猫に多く、ヒトにも感染することがある「ズーノーシス(人獣共通感染症)」のひとつなので、飼い主さんも注意が必要。

膀胱炎や腎臓病など

皮膚にかゆみが出る病気だけでなく、膀胱炎や腎臓病など、患部を気にして外側から舐めてしまうこともある。
また、例えば関節が痛いのに、そのストレスから、全く関係のない部位を舐め続けることもある。

ノミの寄生

猫の被毛の間に黒いノミの糞が大量に付着し、500円玉くらいの大きさの発疹ができる。
ノミは肉眼でも見ることができる大きさなので、よく見ると猫の皮膚の上を動いているのが確認できる。
主に、後頭部、首、腰、後肢に見られる。

疥癬(かいせん)

「ヒゼンダニ」という寄生虫による感染症。ヒゼンダニが猫の皮膚の中にトンネルを掘るため、非常に強いかゆみを伴う。
そのため、体を掻きむしってしまい、脱毛や引っ掻き傷ができる。全身に発症するが、耳の端、肘、膝、腹部に多い。
なお、糸状菌感染と同じく、疥癬もヒトに感染するズーノーシスのひとつ

猫の抜け毛が多い原因③アレルギーやアトピー

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猫のアレルギーやアトピーは、食べ物や花粉、植物などが原因です。
発症すると、発疹ができて皮膚が赤くなり、掻きむしったり舐め続けたりするので、かさぶたができやすくなります。特に、顔や首の近くに多く見られます。

初めて食べるものには注意

猫が特定の食べ物を食べて具合が悪くなったことがある場合は、その食べ物はもう食べさせないでください。
また、初めて食べさせるものは少しずつ与え、食後しばらくは猫の様子を観察するようにしましょう。

猫の抜け毛が多い原因④過剰なグルーミング

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猫はもともと、グルーミングに多くの時間を費やす動物です。しかし、中には、毛が抜けて禿げてしまうほど過剰にグルーミングをし続ける猫がいます。

神経質な性格であったり、環境の変化や運動不足などによるストレス、飼い主さんとの分離不安などが原因です。
このように、精神的な原因による脱毛は、「心因性脱毛症」と呼ばれます。

生活環境を見直そう

猫が、毛が抜けすぎてしまうほど過度なグルーミングをしている場合は、生活環境に問題がある可能性があります。
例えば、次のような点に注意し、生活環境を見直してみましょう。

  • 猫の寝床近くでテレビや電気をつけっぱなしにしていないか
  • 構いすぎ、または放ったらかしすぎていないか
  • 猫が安心できる場所(暗くて狭いところ)を確保しているか
  • 運動不足になっていないか
  • トイレや食器周りなどが清潔に保たれているか

猫の抜け毛が多い原因⑤偏食による栄養不足

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猫は好き嫌いが多い動物だと言われますが、猫が欲しがるものだけを与えていると栄養が偏ってしまい、ビタミン欠乏症に陥る恐れがあります。それにより、頭部の毛が抜け落ちることがあります。

猫のごはんは総合栄養食を

猫のごはんを手作りしている方は、猫の栄養についてきちんと学んでおく必要があります。
自信のない方は、「総合栄養食」と書かれた市販のキャットフードを与え、猫の嗜好に応じてトッピングなどをするようにしましょう。

猫の脱毛が気になる場合は動物病院へ

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猫の脱毛の原因は様々ですが、体の一部だけに集中して脱毛があったり、症状が長引くようであれば動物病院を受診しましょう。

中には、放置すると重症化してしまったり、飼い主さんに感染してしまうことのある危険な病気が隠れている可能性もあるので、気になることがあったら早めに獣医師さんに相談することをおすすめします。

症状の経過を写真に撮っておくと良い

動物病院を受診する際は、症状の経過を写真に撮っておき、「いつ頃から、どの部位に症状が現れたか」「他に症状はないか」などを整理しておくと診断がスムーズに進みます。

まとめ

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猫の毛は常に生え変わるので、多少抜け毛があるくらいでは問題ありません。
しかし、抜け毛の量が多かったり、体の一部に集中して脱毛が見られる場合は、病気やストレスなどが原因となっていることが考えられます。

ストレスが原因の場合は、生活環境の見直しによって改善する可能性が高いです。
ただ、病気の危険性もあるので、少しでもおかしいと思ったらなるべく早めに動物病院を受診しましょう。