シニア犬に現れる6つの変化と、整えたい10の生活環境
「シニア犬」という言葉にははっきりとした定義はありませんが、概ね7才以上を指すことが多く、シニア期に入ると、これまでのよく動き、よく遊び、よく食べるといった様子から少しずつ変化が見られます。
また、体調にも変化が出ることも多く、それに合わせて愛犬の生活環境も整えてあげることが望ましいです。
今回は、愛犬がシニア期になったら注意したいことと、整えるべき生活環境についてご紹介します。
シニア期に現れる愛犬の6つの変化と注意点
シニア期によく見られる身体的変化を見ていきます。
ご自宅での対応も必要ですが、もし何か変化があり、心配な時は早めに信頼できる獣医師に診てもらいましょう。
①足腰が弱る
これまでは思い切り走り、坂道や階段もスタスタ歩けていたのが、坂道で止まったり、歩くスピードがゆっくりになったり、歩くのを好まなくなったりと変化が少しずつ出てきます。
また、フローリングで滑りやすくなる、立ち上がりにくくなるなど、動作の軽快さが減り、動作に時間がかかるといった変化が見られます。
特に、犬は普段から後脚を意識的に動かさないとされており、前脚と比較すると後脚を使うことが元々少なく、その分後脚から衰えていくことが多いです。
②目が見えにくくなる
加齢や白内障などの病気により、視力が衰えていきます。愛犬の目が白濁していたり、視力が一気に低下したなど、心配な時は獣医師に早めに診てもらいましょう。特に、急性の緑内障は発症から数時間〜数日で失明に至る非常に危険な病気です。目に異常が見られた場合はすぐにかかりつけの動物病院で診てもらった方が良いでしょう。
視力が低下することによって、物や壁にぶつかりやすくなる、つまづく、段差や階段から落下してしまうといった危険があります。
③耳が聞こえにくくなる
聴力も低下します。
これまで声で伝えていた指示に反応しにくくなったり、聞こえないことで飼い主が側にいることに気付かず、撫でたり抱っこした時に、驚くようになるといった変化もあります。
【聴力の確認方法】
愛犬がどれくらい聞こえているかは、以下の方法で確認できます。①ご飯が大好きな子の場合、普段ごはんをあげる時の袋のガサガサ音や、おやつの袋の音などにも反応するかどうかで、どのくらい聞こえているかを確認しましょう。
②普段からご飯の音に反応しない子の場合は、これまで愛犬が喜ぶ反応を示す音を出し、その時の反応で確かめることもできます。
④体温調整がしにくくなる
体温の調節機能も低下するため、暑さや寒さに弱くなります。飼い主基準ではなく、愛犬を基準にした温度・湿度管理が必要です。
⑤低い位置での食事が負担に
これまで床に置いてあったごはん皿や水飲みも、首や足腰の筋力の低下により、身体的辛さや、食べ辛さを感じるようになります。
また、飲み込む力も衰えていきますので、首が下を向いた状態は、口が食道よりも下になり、ごはんや水がうまく飲めません。そのため、誤嚥する可能性があります。そしてそのまま誤嚥性肺炎になってしまうこともあり、非常に危険です。
【食べやすさの確認方法】
愛犬の食べ付きが悪くなった、食べづらそう、飲みづらそうといった様子が見られたら、食器の高さの調整が必要です。
⑥不安や寂しさも増す
犬自身も自分のネガティブな体調の変化に不安を抱くようになります。そして、この体調の変化から来る不安によって、ひとりでいることにも不安や心配を抱くようになってきます。
【心配・不安の確認方法】
これまで鳴かなかったようなタイミグで鳴くようになったり、落ち着かなくなってきた時には不安や寂しさのサインかもしれません。
愛犬の居場所を移動させるなどが必要です。
10の整えたい生活環境
ご自宅で注意してあげたい点や、具体的にどのように生活環境や過ごし方を整えてあげるといいかを紹介します。
一部シニアに特化したものもありますが、多くはシニア期に関わらず、若いうちから行っていただきたいものですので、犬を飼う上でぜひ参考にしてください。
①段差をなくす
段差が見えずに転倒したり、つまづいてしまいケガをする恐れがあります。階段も落下事故に繋がります。
段差は緩やかで滑りにくい幅の広いスロープを付け、階段は柵をして行けないようにしましょう。階段の昇り降りはシニアにとっては負担が大きいです。階段を使わない、または、抱っこをするなどして、愛犬の負担を減らし安全を確保してあげましょう。
【スロープの注意点】
スロープはシニアになってから取り付けた場合、すぐに使えるとは限りません。できるだけ若いうちからスロープに慣れさせてあげましょう。
ただし、バランスが取りづらくなってくるとスロープから落下する可能性もありますので、注意が必要です。
②角や壁をガード
視力の低下により、壁や角にぶつかることも多くなります。当然ですが、ぶつかれば痛みを伴い、打ちどころによってはケガの恐れもあります。
角や壁には緩衝材を貼り、ケガをしないようにしましょう。
③隙間を作らない
足腰が弱ることで、自由に動けなくなり、狭い隙間に入ったまま出られなくなってしまうこともよくあります。
隙間は柵やクッションなどで埋めて、愛犬が入れる隙間をなくしましょう。
④これまで以上に温度管理はしっかりと
体温調整が苦手になる分、エアコンやサーキュレーター等を使っての温度管理が非常に大切です。室内の温度は、体の大きさによって多少の違いはあるものの、25℃前後、湿度は50~60%くらいが良いとされています。
短頭種や心臓・気管等の病気があったり、太り気味の子は、熱が体にこもりやすくなります。特に夏場は安静時にも常にハアハアしている場合は、少し室温を下げて様子を見ましょう。
なお、温度や湿度を計測する時は、愛犬が過ごす床に温度計を置くのがおすすめです。
夏場の対策
冷気は下にたまりやすく、寝ている時間が多いシニア犬には、冷えすぎてしまう可能性があります。そのため、サーキュレーターを使い、空気が部屋全体に循環するようにしてあげましょう。ただし、サーキュレーターや扇風機の風が犬に直接当たらないよう注意も必要です。
冬場の対策
日中は日向に寝床を移動させる、温かい毛布を敷くなどして温かくしてあげましょう。洋服や腹巻などで温めてあげるのもいいです。
⑤お散歩も体調最優先
今までは一日2~3回行っていたお散歩も、シニア期になったら愛犬の体調によっては回数を減らす、夏場は今まで以上に涼しい時間帯に行く、無理に歩かせないなど、臨機応変な対応も必要です。
ただし、外の空気に触れることはとても大切です。歩くのが辛そうであればカートに乗せて外に行くのもいいでしょう。歩けるところだけ歩いてもらい、他はカートに乗せたり抱っこしたりするのもおすすめです。
⑥ごはん皿や水入れの高さも調整
自力で食べられる場合、食器の高さは、愛犬が座るか、立った状態での犬の口の高さに合わせましょう。
台や脚がついた食器を利用したり、今までの食器の下に台を置いたりするのがおすすめです。
⑦滑らない床材を
足腰の筋力低下により、一般的な床材では踏ん張ることができずに滑りやすく、より足腰への負担が増してしまいます。
足が滑らないように、床にヨガマットやジョイントマットを敷いてあげましょう。どちらも汚れた際のお手入れもしやくおすすめです。
また、脚の裏の毛も定期的にカットしてあげましょう。
⑧寝床も整えよう
前述のとおり、室内の温度管理をしっかりと行い、さらには冷暖房の風が直接愛犬に当たらないようにします。
寝ている時間が長くなってきたら、床ずれを予防できるベッドも用意しましょう。 寝床用のベッドは表面の素材が柔らかく、体の圧力が分散されるものがおすすめです。
⑨抱っこや触る時はゆっくりと
聴力や視力の低下により、人の気配にも気づきにくくなります。そのため、愛犬を驚かせないよう、大き目の声で優しく声をかけ、抱っこもそっと、ゆっくりとしましょう。
⑩普段過ごす場所は人の側に
不安や寂しさをより感じやすくなるため、日中は愛犬が人の存在が感じられて安心できる場所に移動させてあげましょう。
この方が、人も愛犬の様子がわかり、安心できると思います。
また、お留守番時間も見直しが必要です。元々お留守番には不向きな犬ですが、シニア期も後半になると、いつ何が起きてもおかしくないという状態になっていきます。何かあった時にすぐに気付けるよう、お留守番時間は極力短くしましょう。
まとめ
犬も年を重ねると人と同じように、多くのことができなくなっていきます。もちろん寂しさや辛さも伴いますが、どんな状態になっても、大切な家族です。
様々な変化に都度対応し、愛犬にできるだけ負担なく、安全で安心して穏やかな日々が送れるようにしてあげてほしいと思います。
引越し・新生活を始める前に!環境の変化による犬のストレスの対処法
春の訪れと共に、愛犬と引っ越しや新生活を始める方もいる思います。
しかし、犬は環境の変化によって不安やストレスを感じてしまいやすい生き物です。
今回は、引越しによる環境の変化が犬に与えるストレスと、その対処法をご紹介します。
愛犬との新生活をより良くスタートするために、ぜひ参考にしてみてください。
環境の変化による犬のストレス
新しい家の環境に慣れるまで、犬には不安やストレスが襲いかかります。
匂いやルーティーンを大切にする犬にとって、環境の変化に対応することは時間が掛かるだけでなく、体調に影響する可能性もあります。
引越しは犬にとっても一大イベント
飼い主にとって、新居はワクワクするものですが、犬にとっては知らないものに囲まれた落ち着けない場所かもしれません。
その他にも、引越しの準備中や移動中、さらに同居する人間が変わるなど、ストレスの原因となることがたくさんあるため、引越しは犬にとっても一大イベントと言えるでしょう。
引越し後は特に愛犬の様子を観察し、心地よい環境を整えてあげることが大切ですね。
引越し後には要チェック!犬の5つのストレスサインとその対処法
引越し後に、愛犬に起こりやすいストレスサインと対処法を以下の5つに分けてご紹介します。
- 留守番に抵抗を示す、問題行動を起こす
- 落ち着きがなくなる・夜に寝ない
- 吠えることが増える・夜鳴きをする
- トイレができなくなる
- 下痢や嘔吐をする
1.留守番に抵抗を示す、問題行動を起こす
まだ家に慣れない状態での留守番です。見知らぬ場所で一人で待つことに強い不安を感じているのでしょう。
【対処法】
もう一度、留守番の練習をしましょう。
引越しをして間もない頃に長時間のお留守番をさせることは避けた方が良いでしょう。
その後、少しずつ飼い主が離れる時間を増やしながら、トレーニングをしていきましょう。
2.落ち着きがなくなる・夜に寝ない
少しの物音にも敏感に反応してしまうことがあります。
家の中を常に歩き回ったり、夜も眠らずに吠えられてしまうと、飼い主さんも困ってしまいますよね。
【対処法】
愛犬が落ち着ける場所を確保しましょう。
ケージやベットなどを、以前の家と同じような位置に置いたり、家の雰囲気を少し以前と似せたりしましょう。
犬が使い慣れている毛布やおもちゃ、イスなどもなるべく新調せずに同じものを使うことが理想です。
3.吠えることが増える・夜鳴きをする
外から聞こえるいつもとは違う物音に反応して、吠えることがあります。
刺激やストレスに過敏になってしまっていることが原因です。
【対処法】
物音が気になっているようなら、窓から離れた場所にベットを置いたり、テレビやラジオを流すことで改善を図りましょう。
人の動きなどが気になる場合は、ケージに布を被せて視界を遮るのも良いでしょう。
4.トイレができなくなる
間取りが分からず家に慣れない時期に、トイレをする場所を迷ってしまうことがあります。
【対処法】
改めて、新居でのトイレトレーニングをしてあげましょう。前の家と同じような場所においてあげると、覚えやすいでしょう。
失敗しても決して叱らずに、慣れるまで練習を繰り返しましょう。
また、可能であれば引越しの朝などに前の住居でトイレシーツにおしっこをさせ、それをそのまま新居に敷いてあげるとトイレの場所が分かりやすくなります。
5.下痢や嘔吐をする
ストレスや移動時の疲れから、引越し後に下痢や嘔吐をしてしまうことがあります。
環境の変化による一時的なものであれば、1日経てば治ることもあります。
しかし、元気がない、食欲がないなどの症状も合わせて見られる場合や、過去に病気をしたことがある犬、子犬・老犬などは悪化する可能性もあるので注意が必要です。
【対処法】
引越し後に下痢や嘔吐などの症状が見られたら、迷わず動物病院に相談しましょう。
また、嘔吐を防ぐため、引越しの移動直前にご飯をあげることは控えましょう。
ただ空腹の状態で長時間移動することも負担になるため、ご飯の時間と量は状況に応じて調節することが必要です。
犬の輸送方法と気をつけること
犬を新居へ移動させる方法は、車や公共交通機関で運ぶ方法と、ペットの引越し専門業者へ依頼する方法の2つがあります。
飼い主が自家用車で運ぶ
自分で運ぶ場合は、事前に練習をし、慣れさせておくことが必要です。
車の場合、最も一般的な運び方は、クレートを後部座席やトランクに固定し、そこに犬を入れることです。
長時間ドライブになる場合は、約2時間ごとに休憩をし、水分補給や外の空気を吸わせてあげましょう。
飼い主が公共交通機関で運ぶ
電車などの公共交通機関の場合、車内でキャリーバッグから顔を出すことはマナー違反です。
また、JR、私鉄、新幹線ごとに乗車できる犬の大きさが異なるため、調べておきましょう。
こちらも、事前に短い距離で練習しておきましょう。
ペット専門の引越し業者に依頼する
長距離の引越しや、自分で運ぶことが困難な場合には、ペット専門の引越し業者を利用できます。
飼い主がペットに付き添うことができたり、保険や保証があったりと、各業者によって様々な特色があります。自分と愛犬にベストな業者を選びましょう。
引越し後は、犬の登録変更も忘れずに
住所が変わった場合は、法令に基づいた犬の登録変更の届出が必要です。
引越し前に公布された鑑札、狂犬病注射済票を、引越し先の自治体に持っていきましょう。
同じ市区町村内での引越しは、転居届を提出する際に犬の登録変更手続きを行います。
犬の住所登録変更をきちんとしていないと、犬が迷子になった時に飼い主のもとに帰ってこられないことがあります。
まとめ
犬は大切な家族です。新しい環境に早く慣れて、いつも通りの生活を送ってもらいたいですよね。飼い主さんも、新生活・新居の片付けなどで忙しくなると思いますが、なるべく愛犬と一緒にいる時間を長くすることが大切です。
また、生活スタイル、犬周りの家具や食べ物は、なるべく以前と同じにする工夫をすることが、犬にとっての大きな安心材料になります。
この春から引越しや新生活をスタートさせる方は、愛犬を観察しストレスを軽減してあげましょう。
おうちの猫、ストレスを抱えていませんか?見られがちな行動と原因、対処法を紹介!
飼い猫のグルーミングが異常に長い、ときどき何かにおびえるような姿勢を見せる、最近めっきり動かなくなってしまった、なんてことはありませんか?
飼い主が「まあそんなこともあるか」と見落としがちなしぐさ、実は猫がストレスを抱えているサインなのかもしれません。
今回の記事では、猫がストレスを抱えたときに見せるしぐさや、ストレスの原因、そしてその解消方法を紹介していきます。
猫がストレスを感じた時の行動と変化
猫がストレスを感じた時、行動や様子にさまざまな変化が現れてきます。ここでは、そんな変化について見ていきましょう。
行動の変化
猫が緊張しているとき、ストレスを感じているとき、不安がっているときのサインには、以下のようなものがあります。
- 早い速度で呼吸している
- しっぽを股の間に入れている、体にぴったり添わせている
- 頭をかがめてじっとしている
- 足を完全に曲げて縮こまっている
- うなる、悲しげにミャオと鳴く
- 全く動かない
- 目をカッと見開いて、黒目が大きくなっている
- 耳を完全にたたんでいる
- ヒゲを後ろに向けている
- しっぽを強くかんでいる
- トイレの失敗が増える
このような行動が見られたら、猫がストレスを感じている可能性があります。
他の猫とのケンカ中や来客があったときなどは原因がはっきりしているので過度に心配する必要はないでしょう。しかし、普段、何もないときにこれらの行動がよく見られるようであれば、周りに何かストレスの原因となるようなものがある可能性が高いと考えられます。
猫のボディーランゲージについては以下の記事でも詳しくまとめられていますので、併せてご覧ください。
脱毛が見られる
猫は不安を感じたときや怒られたときなどに、被毛をなめる習性があります。不安を感じている状態が長く続くと、過度なグルーミングによりからだの毛が抜け落ちてしまうことがあります。
この症状を心因性脱毛と呼び、前あしの外側やおなかに脱毛がよく見られます。ただ、脱毛の原因はさまざまで、病気の可能性もあるので、すぐにストレスのせいだとは判断せずに、まずはかかりつけの病院に相談してみましょう。
体調不良
人間の医学の分野では、ストレスが原因で発症する病気のことを「心身症」と呼びますが、猫でもこの心身症に近いものがあります。猫の心身症には、以下のようなものがあります。
- 突発性膀胱炎(FIC)
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- ストレス性のおう吐や下痢
- 強迫神経症
これらの心身症が発現したときには、すでに猫は極限のストレス状態にあると考えられます。動物病院にかかったときにこれらの病気が見つかった場合は、早急に猫のストレスとなるようなものを取り除いていく必要があります。
ストレスの原因と対処法
ここまでのチェックで、猫がストレスを感じていることがわかったら、次にストレスの原因となる事象を特定し、それに対処していく必要があります。ここでは、そんな原因とその対処法について見ていきたいと思います。
猫どうしの相性
多頭飼いをしたときに猫どうしの相性が悪いと、非常に大きなストレスとなってしまう場合があります。
特に、年齢の離れた猫どうしを同居させたときに不仲が起こりやすいので、多頭飼いをする場合には注意しましょう。多頭飼いをする場合には、事前に相性チェックをするなど、なるべく慎重に決定したいところです。
相性が最悪で、どうしてもお互いが慣れてくれない場合、部屋を別々にして飼う必要が出てきます。
引っ越し
環境の大きな変化は、猫にとって大きなストレスです。自分の匂いのするものやいつも身を落ち着けていたスペースが突然消え、見るもの嗅ぐもの全てが変わってしまうからです。
引っ越しをしたときには、全て新調したいと思うものですが、できるだけ家具や猫グッズを変えずに、前の住居と同じ配置でそれらを置いてあげると良いでしょう。最初は体調の変化があるかもしれませんが、じきに落ち着いてくるはずです。
飼い主との関わり合い
長時間のお留守番は、飼い主さんのことが大好きな猫にとって大きなストレスです。それらのストレスは、家が荒らされていたりすることで表面化することが多いようです。
また、かまい過ぎも同じく猫のストレスです。一匹でいる時間を好むような猫とスキンシップを図る場合、猫が自分の元を立ち去ったらあとを追いかけずにそこで遊びを止めるようにしましょう。
なお、猫はおなかや肉球への接触を嫌がることが多いと言われています。気持ちがいいので触りたくなってしまうのもわかりますが、なるべく触らないようにしてあげましょう。
猫の住環境
最低限必要な住環境が整っていない場合にも、ストレスを感じることがあります。猫の住環境を整えるために重要なことは以下の点です。
- プライベートゾーンを用意してあげること
- 生活環境(特にトイレやキャットフードの食器)を清潔にすること
- 静かな空間にすること
- 猫自身の匂いのするものを部屋に配置すること
これらのうち、どれか一つが欠けているだけでも猫はストレスに感じてしまう場合があるので、このような住環境を整えるように心がけましょう。
来客の多さ
見知らぬ人が訪れるとサッと物かげに隠れてしまうような猫は、来客や他の動物がいることにもストレスを感じます。
そのような猫を飼っている場合、来客があったときは、あらかじめ猫を別室に避難させてあげるなどして対処してあげましょう。また、なるべく家の外で会うようにして、自宅には人を呼ばないようにするというのも手です。
栄養バランス
人間もそうですが、栄養バランスの悪い食生活は、体調に影響を与えることがあります。
キャットフードを購入するときは、なるべくタンパク質の配合が多いものを選んであげましょう。特に、成長期の子猫や若猫の場合、からだの発育にとって非常に重要な栄養素となります。栄養バランスの良い食事を心がけることで、ストレスが軽減され、体調が回復することもあります。
最後に
猫によって原因は大きく異なります。しかし、猫には環境の変化や騒音に敏感な反応をみせる子が多いようです。
一緒に生活していくのですから、飼い猫のことを十分に観察し、どんな物事が自分の猫のストレスになるのかをきちんと理解しておく必要があります。何が嫌いで、何に対して神経質に反応するのかということをよく把握しておき、日頃から猫に目立った行動の変化や異常がないかを観察するようにすることで、猫のいる生活がきっと充実したものになりますよ。
猫を室外飼いすることは危険がいっぱい!?
猫を飼っていれば、1度は「外に出してあげようかな・・・」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。中には、昼間は外に出してあげて、夜はお家で室内飼いという方もいるかもしれません。
しかし、猫ちゃんを外に出すことには、大きな危険が伴うということを、ご存知でしょうか?ここでは、猫を室外に出すことのデメリット5つをまとめました。
飼い主さんの知らないところで・・・
1. 交通事故に関わっているかも。
自動車を運転したことのある方は思い当たる節があると思いますが、野良猫や放し飼いされている猫は、突然走行中の車の前を横切ります。本当に突然。
ですから、自動車に轢かれてしまう場合があることはもちろん、それを避けようとした自動車やバイクが事故を起こし、通行人までも巻き添えにしてしまうかもしれません。猫と人間、両方の命を脅かしてしまうのです。
また室内飼いと屋外飼いで、猫の寿命が2年も違うという結果が出ています。
(「一般社団法人 ペットフード協会」の平成28年(2016年)全国犬猫飼育実態調査 より引用)
- 室内飼いで平均15.81歳
- 屋外飼いで平均13.26歳
他の調査でも、「室内飼いで平均15歳、屋外飼いで平均7歳という、倍近くも寿命が違う」と言われていたりもします。
この数値は事故による死亡も含まれています。室内で飼った方が、2倍長く生きることができるのです。
2. 怪我・感染症の危険
猫を外に出すと、他の猫とのコミュニケーションが増えるため、喧嘩をして怪我をしてしまうことがあります。猫の怪我は皮膚の性質上、収縮してしまって発見が遅れることがあります。また、皮膚内部で化膿してしまうことも少なくないようです。
加えて、エイズなどの感染症にかかることもあります。猫のエイズは、咬まれるだけで猫同士の感染が起こってしまいます。
3. ノミ・ダニなどの危険
猫を外に出せば、泥などで汚れてしまうことはもちろん、ノミやダニなどをもらってくることもあります。もらってきたノミがカーペットで増殖してしまうこともあるかもしれません。
4. 野良猫と交配してしまうと大変
野良猫と交配することで、野良猫を増やしてしまったり、メス猫だと妊娠してしまうことがあります。発情期の妊娠率は90%を超えます。
動物愛護管理法の第37条では「犬及び猫の所有者の繁殖制限の責務」が定められていて、猫がみだりに繁殖して生活環境の被害が生じないようにしています。人間の手に負えないほど繁殖すると、周りの人々の生活環境の脅威となりうるのです。
5. 近所迷惑になってるかも。
猫に関する苦情では、特に次のようなものが挙げられます。
- 被毛を飛散
- 近所の庭や玄関で排泄行為
- 発情期の鳴き声
「最近、ご近所さんから冷たい目線を感じる…何でだろう…。」と思ったら、猫ちゃんが原因かもしれないですね。
でも狭いところにずっといるなんてかわいそう!
実は、そんなことないのです。
猫は縄張り意識の強い動物で、縄張りをパトロールできないことが何よりもストレス。一度外に出てしまうと、縄張り範囲が広がり、むしろストレスになってしまいます。家の中の小さなテリトリーで暮らし続けることは決して猫にとってストレスではありません。
猫が外を眺めることから考える、猫の縄張り意識についての記事もあります。併せてぜひ読んでみてください。
それでも屋外で飼うなら
避妊・去勢手術を行い、近所の人ともよく話し合うことをオススメします。また、首輪やマイクロチップなど身元がきちんとわかるようにしておくと安心ですね。
猫のためにも、私たちのためにも、室内で。
屋外で飼うことは室内で飼うより様々な面でのリスクが大きいので、室内で飼うことをオススメします。
猫ちゃんのために、室内で飼ってみてはいかがでしょうか?