【愛猫健康チェック】猫の11箇所を見ることで愛猫の健康状態がわかる
愛猫にはいつも元気に健康でいてほしいものです。しかし、猫は弱っているところを隠したり、不調をごまかしたりする生き物。だからこそ、飼い主さんが日常的に注意して観察し、変化に気づいてあげる必要があります。
ここではそんな猫の不調に気づくためのチェックポイントを11つご紹介します。日頃から健康チェックすることを習慣にして、病気の早期発見に役立てましょう。
日常生活での行動からわかる異変
猫の日頃の生活や行動から異変を知ることもできます。ここでは、そんな猫の行動をチェックするときのポイントを紹介します。日頃から猫の行動を観察して、異変に気がつくようにしておきましょう。
1. 排せつ物のチェック
毎日のトイレ掃除のときに、排せつ物をよく観察し、健康状態をチェックしましょう。子猫や老猫が急に下痢をした場合、命に関わることがあるので特に注意が必要です。チェックポイントは以下の通り。
- 臭い、色、量、頻度がおかしい
- 下痢または便秘
また、おしっこが一日以上、うんちが三日以上出ていないときはかかりつけの病院に連れて行きましょう。
2. 呼吸のチェック
すぐに治まる場合はそれほど心配する必要はありませんが、下記に挙げた呼吸の異変が長引く場合は呼吸器系や循環系の病気、また熱中症などが疑われます。特に、呼吸が速すぎる、ゼーゼー音が混じっている、口を開きっぱなしにしているときは、命に関わるかもしれないので要注意です。
- 呼吸が速い/遅い
- 荒い音がする
- 口で呼吸している
3. 睡眠のチェック
猫は1日に16時間も寝る動物です。長すぎたり短すぎたりするときや、寝ていたはずなのに物音でビクつくとき、縮こまっているときなどはストレスを抱えている場合があります。日頃から寝る時間帯をチェックしておくと、異変に気がつきやすくなります。
- 眠っている時間が長すぎる/短すぎる
- 警戒するような姿勢を取り続ける
また、おうちの猫がストレスを抱えている疑いがある場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
4. 運動のチェック
猫は犬と違って散歩に行かないので、運動の変化には気がつきにくいものです。特に老猫の場合、疲れやすいのは高齢のせいだと決めつけてしまうかもしれません。そのまま放っておくと、重大な病気を見逃してしまう可能性もあります。気になる症状があれば、早めに獣医師に診てもらいましょう。
- 運動したがらない
- 遊びたがらない
5. 仕草や行動のチェック
環境や生活が特に変わっていないのに、猫がいつもと異なるしぐさをしたり、様子がいつもと違ったりする場合には注意してください。どこかにケガを抱えているかもしれません。代表的な仕草や行動の異変としては、以下のようなものがあります。
- 落ち着きがない
- 活動が異常に増えた/減った
- 歩き方がおかしい
- 発作やけいれんがある
6. 食欲と水分補給のチェック
食欲は健康の良し悪しをよく表します。飲水量は腎臓の病気を示唆するので大切なポイントです。どちらも大切な指標なので、チェックする習慣をつけましょう。
- ご飯を食べない
- 水分補給をしない
体の変化からわかる異変
猫の異変のサインは行動だけではありません。体の異変は日頃から触ったり、一緒に遊んでいると気がつきやすいでしょう。体に何らかの異変が現れていないか、遊ぶときなどに一緒にチェックしてあげましょう。
7. 目のチェック
猫の目が赤くなる病気では、結膜炎や角膜炎などが考えられます。目はとてもデリケートですので、異常が見られたらすぐに病院に連れて行ってください。
- 目ヤニが多い
- 充血している
- こすっている
また、目ヤニの色はこちらを参考にして、異常なものでないか判断する参考にしてください。
8. 耳のチェック
耳の中に異常があると、猫は頭を振ったり耳をかいたりします。特に垂れ耳の猫は耳の病気になりやすいため注意が必要です。
- 臭う
- かゆがっている
- 汚れが多い
- 頭を左右に振る
9. 鼻のチェック
鼻水が多く、くしゃみ、目ヤニ、目の充血、発熱などといった見られたら、伝染性呼吸器症候群が考えられます。悪化すると命に関わるので、すぐに動物病院を受診しましょう。
- 鼻の先が乾いている
- 鼻水が多い
- 鼻づまりがある
- 鼻血が出る
- くしゃみが止まらない
10. 口のチェック
口の異常は感染症が原因であることもあります。口を開けてくれているときしかわからないので見逃しがちですが、定期的に確認してください。
- よだれが出ている
- 臭う
- 歯が不安定
- 歯茎から出血している
- 口腔がただれている
- 色がおかしい
11. 被毛、皮膚のチェック
体をかいたり、噛んだりしているなど、かゆみを伴うしぐさを多くする場合はノミやダニなどの寄生虫がいるかもしれません。また、アレルギーの可能性も考えられます。
- 体臭が強い
- かき傷
- 湿疹
- 赤く腫れている
- 抜け毛が多い
- ハゲている部分がある
つい気になってしまうのが脱毛。脱毛の原因は様々です。こちらの記事で猫の脱毛について詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
まとめ
「こんなに軽い症状で病院に行ってもいいの?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっとした様子の変化が重大な病気の兆候を表していることもあります。
日頃から愛猫の状態、行動をよく観察し、気になる変化があればかかりつけの獣医師さんに相談するようにしましょう。
猫にとって春はストレスを受けやすい。注意したいポイントまとめ
季節の変わり目は、私たち人間も体調を崩しやすくなったり、心も不安定な日々が続いたりしますよね。それは猫も同じです。
人間にとって春といえば、桜が思い浮かびますが、同時に花粉症も襲ってくる嫌な季節でもあり、鼻づまりに悩まされる方にとってストレスでもあります。猫にとっては春のどんな出来事がストレスになるのでしょうか。
この記事では、そんな春に気をつけたいポイントや対処法をご紹介いたします。
春は落ち着かない
環境の変化が苦手な猫にとって、春はストレスを受ける要素が多くあります。実際、春の時期は、猫の脱走率も高まると言われており、飼い主さんとしても心穏やかではありません。
一体、春のどんなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。
気温差
私たち人間も、気温差がある日々が続くと体調を崩しやすいですよね。猫も同様です。
特に、春は昼と夜の気温差もあり、体調を管理することが難しいです。ぐったりしているなど何か猫ちゃんの異変を見かけたら、すぐに獣医師さんに診てもらいましょう。
環境の変化
春になると、さまざまな環境が変化します。環境の変化に弱い猫にとって、その1つ1つがストレスになる場合があります。
例えば、春になり進学や就職の関係で、家庭環境が変わるかもしれません。大切な家族が突然居なくなってしまうのは、大きな変化と言えるでしょう。また、冬に使っていた家具や電化製品(こたつなど)を片付けて、模様替えをする方も多いと思います。ある日突然、毎日愛用していたこたつがなくなるという状況に、猫が驚き悲しんでしまうかもしれません。
しかし、陽のあたる場所も増え、猫にとって心地の良い場所も出てきます。そのような場所に居心地の良い場所を作ってあげるのも良いでしょう。猫の様子や日々の行動を観察し、気にかけてあげることが大事です。
引っ越し
春になって新居に引っ越す、という方も多いのではないでしょうか。猫は、引っ越しが苦手な動物だと言われています。引っ越しがきっかけとなって体調を崩してしまう猫もいます。
引っ越し当日を迎えるよりも前に、どういった対策や準備をするべきなのか学んでおきましょう。具体的な工夫もさまざまあります。例えば、以前使っていたおもちゃやタオル、猫砂などを捨てずにとっておくといったことが挙げられます。
以下の記事には、猫がいる家庭での引っ越しについて詳細に書かれていますので、参考にしてみてください。
発情期
冬から夏にかけては猫の発情期にあたるため、スプレー行為や大きな声で鳴くなど、猫ちゃんがいつもと違う行動をすることも増えるでしょう。「他の猫と接触させないよう戸締りを厳重にする」といった日々の注意から、かかりつけの獣医師と相談のうえ、不妊手術を行うなどの対応も考えましょう。
もし、外を出歩かせている場合、いつの間にか妊娠してしまっているかもしれません。その場合は、必ず不妊手術を受けさせましょう。望まれない命が生まれてしまうことは、飼い主にとっても母猫にとっても、何よりその猫自身にとって最も不幸なことです。
花粉症などのアレルギー
花粉症に悩まされているのは人間だけではありません。猫でも花粉症でつらい思いをしている子もいます。くしゃみや鼻水といった、人間と同様の症状もありますが、猫の場合は皮膚に症状が現れることも多いようです。
成猫になってから発症をする子もいるので、「春先から様子がおかしい」と思ったら、動物病院を受診することをおすすめします。
抜け毛
猫にとって毛の抜ける時期は、春から夏に変わる時期(3月頃〜)、そして秋から冬に変わる時期(11月頃〜)と言われています。つまり、春先は猫にとって抜け毛の時期です。
猫はキレイ好きなので、グルーミングをよく行います。この際、ブラッシングをあまりしてあげられていないと、多くの抜け毛を飲み込んでしまいます。冬毛を多く飲み込んでしまうと、毛が消化器官にたまってしまったり、喉に詰まってしまいます。
また、ブラッシングをしないと毛玉ができてしまい、そこから皮膚炎を招いてしまうこともあります。飼い主の皆さんはこまめにブラッシングをしてあげるように心がけましょう。
体重管理
野生の動物たちが冬にそなえて体脂肪をたくわえるのと同様に、猫も太ることで寒さにそなえると言われています。この時10~20%程度太るのですが、この状態のまま春になってはしゃいでしまうと、体に負担をかけてしまうことがあります。体がいつもよりも重い状態で元気に活動をすると、足や関節にダメージを与えてしまう場合もあります。
体調の管理だけでなく、春に向けて体重の管理も行ってあげるようにしましょう。ペットは、「ちょっと太りすぎたから、食事制限をしようかな」と自発的に管理できません。飼い主さんが食事や運動量を調節してあげることで、猫が健康的な体系になれるようにサポートしてあげましょう。
猫のストレスサインは?
環境変化などで猫がストレスを感じた場合、猫はどのような行動をするようになるのでしょうか。これが分かっていれば、猫のSOSサインに気が付いてあげやすくなります。
- 過度なグルーミング
- トイレの粗相
- 問題行動の増加
- ひきこもる
- 体調不良
必要以上に自分の毛をなめることも、ストレスの現れです。ときには脱毛をするまでなめ続けてしまうこともあります。なめやすい前脚やおなかに脱毛の症状を見つけたら、動物病院を受診して相談をしてください。
最後に
冬が終わり、気温も徐々に上がり、楽しい春がやってきます。しかし、同時にさまざまな環境の変化もあり、心身ともに体調を悪くしやすいのもこの季節です。飼い主さんもこの時期に体調を崩す方は多いのではないでしょうか。
愛する猫ちゃんと元気よく一緒に暮らしていけるように、春特有のことにも気を遣っていきましょう。