【獣医師監修】感染症の可能性も!猫の呼吸困難で考えられる病気

呼吸困難と聞くと、すごく恐ろしいことのように聞こえますよね。呼吸が「できない」のももちろんですが、呼吸が「しにくい」ことも呼吸困難に当てはまります。

猫の場合、わかりやすいのが口を開けて呼吸することです。また、安静にしているのに呼吸が速いのも、呼吸困難のサインとなります。

では、猫に呼吸困難が見られる時には、どんな病気が考えられるのでしょうか。今回は猫の呼吸困難について解説します。

呼吸困難の基準

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一般的には、安静時の1分間の呼吸回数が40回を超える場合を呼吸困難と判断します。ただ、動いてしまったりなどで1分間じっと観察するのが困難な時は、15秒の呼吸回数を数えてそれを4倍にするとおよその呼吸数がわかります。

また、猫では開口呼吸(口を開けての呼吸)も呼吸困難のサインです。興奮時に見られることもありますが、それが継続したり、安静時にも見られる場合には注意が必要です。

呼吸困難がある時には

まずはすぐに動物病院を受診しましょう。その際、キャリーケースなどに入れて来院すると思いますが、呼吸困難がある場合には体勢に十分注意しましょう。

例えば右の肺に異常がある場合、左側を下にしてしまうと異常のない左肺が圧迫され、呼吸困難をひどくしてしまうこともあります。基本的にはうつ伏せで運ぶのがいいでしょう。

また、来院の前に予め連絡を入れておくことで、到着時に迅速な対応をとることができます。酸素吸入の準備なども可能になるため、まずは落ち着いて動物病院に電話をしましょう。

呼吸器疾患

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呼吸の異常を確認した時に、一番初めに疑うのは呼吸器疾患でしょう。

その場合は咳など他の呼吸器症状を伴っていることも多く、自宅での確認が必要です。

猫喘息

【症状】
呼吸困難、咳、運動不耐性(疲れやすい)、開口呼吸、チアノーゼなど。症状は軽度から命に危険が及ぶものまで、程度は様々となる。
【原因】
刺激物やアレルゲンの吸入によって気道が反応することによる。考えられている病因は芳香剤、タバコの煙、ハウスダスト、掃除用洗剤、脱臭剤、花粉などであるが、はっきりとはわかっていない。
【備考】
年単位で咳が続くこともあり、治療もやはり長期間に及ぶことが多い。

肺炎

【症状】
咳、運動不耐性(疲れやすい)、呼吸困難、発熱、鼻汁、食欲不振、体重減少など。
【原因】
細菌やウイルスの感染、アレルギー、異物や食物の誤嚥など。
【備考】
呼吸の状態によっては酸素吸入が必要となる。

肺腫瘍

【症状】
慢性の咳、呼吸困難、無気力、体重減少、発熱と進行していく。
【原因】
原発性肺腫瘍発症の関連因子については明確なものはわかっていないが、タバコの煙などが関わっていると言われている。転移性肺腫瘍では甲状腺癌、乳腺癌、骨肉腫、血管肉腫、移行上皮癌、口腔および趾間部の悪性黒色腫、扁平上皮癌などからの転移が特に多い。
【備考】
原発性肺腫瘍であれば外科手術による治療が行われるが、転移性肺腫瘍の場合は予後不良。

気胸

【症状】
突然の呼吸困難(吸気性)、チアノーゼ。
【原因】
胸郭の外傷や肋骨骨折による外傷性、日常生活の中で起こる自然気胸などに分類される。
【備考】
自然気胸は突然起こるが、原因の確認が困難なことが多い。

呼吸器以外の疾患

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呼吸困難は、呼吸器以外が原因の可能性もあります。
以下のような疾患により胸水が貯留したり、呼吸器に刺激が与えられることがあります。

肥大型心筋症

【症状】
嘔吐、食欲不振、肺水腫や胸水貯留による咳、呼吸困難など。血栓塞栓症を随伴した場合、塞栓部位によって多彩な症状が見られる。多いのは腹大動脈遠位端で、この場合には両後肢の麻痺が見られる。また腎動脈付近の閉塞では尿産生が停止する。
【原因】
メインクーンとアメリカンショートヘアでは遺伝性が確認されている。
【備考】
血栓形成がQOL(生活の質)を低下させるので、本症が診断されたら血栓形成予防も同時に行う必要がある。

犬糸状虫症(フィラリア症)

【症状】
咳、呼吸困難、嘔吐を主症状とする。慢性的な衰弱を示すこともあれば、ほとんど症状を示さずに急死することもある。
【原因】
蚊によって媒介される犬糸状虫の寄生による。これは心臓の肺動脈に寄生するが、三尖弁口部に移動することによる大静脈症候群(著しい循環不全と血管内溶血)が見られることもある。
【備考】
猫では犬と比較して少数の犬糸状虫成虫寄生でも発症する。ノミ・ダニの駆虫薬の中には犬糸状虫の駆虫もできるものもあるので利用する。

猫伝染性腹膜炎

【症状】
発熱、元気消失、食欲低下、体重減少。滲出型では腹水や胸水貯留による腹部膨満、呼吸困難。非滲出型では黄疸、前ぶどう膜炎、脈絡網膜炎、発作、後肢麻痺など。
【原因】
猫伝染性腹膜炎ウイルスの感染。ウイルスは糞便や唾液を介した経口感染によって伝播される。
【備考】
現在、完全に治癒させるような治療法はない。感染力も強いので、多頭飼育の際には同居猫間の感染に注意が必要。居住空間、トイレ、食器などを分ける、こまめに環境を消毒するなどによってウイルスが伝播しないように努める。ウイルスはクロルヘキシジンや家庭用漂白剤で不活化される。

横隔膜ヘルニア

【症状】
無症状のこともあれば、嘔吐などの消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状を呈することもある。
【原因】
生まれつきの先天性と、事故や高所落下などによる後天性に分けられる。猫の場合は高所から飛び降りた時に発生することが多いとされている。
【備考】
胆道閉鎖、胃捻転、腸捻転などが同時に発症している場合には緊急手術が必要。逆に慢性的な経過の場合には緊急手術の必要はない。

その他

痛みや発熱などでも、呼吸がつらそうに見えることがあります。
いつもより呼吸が速いなどの異常が見られた際には、これらの存在を疑うことも忘れてはなりません。

まとめ

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動物病院では緊張もあり、自宅での症状が隠れてしまうこと、またはいつもよりもっと呼吸が速くなることも予想されるため、自宅での観察やチェックが重要となります。

いつもと違う呼吸が見られた時はすぐに動物病院を受診しましょう。

【獣医師監修】猫が嘔吐した場合に考えられる疾患とは

猫において最も多く見られる症状は何でしょうか。猫を飼ったことのある方は、おそらく「嘔吐」が思い浮かぶかと思います。

ヒトで嘔吐が見られれば、食べ過ぎなどでもない限りすぐに異常だと思うはずです。しかし、猫の場合、健康上何も問題がなくても嘔吐が見られることが多くあります。

では、猫における異常な嘔吐では、何が考えられるのでしょうか。今回は猫の嘔吐で考えられる疾患について解説します。

猫の嘔吐で考えられる疾患

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猫の嘔吐の原因は、消化器疾患と消化器以外の異常が考えられます。主な疾患は以下の通りです。

消化器疾患

  • 胃腸炎
  • 消化管内異物
  • 炎症性腸疾患(IBD)
  • リンパ腫
  • 膵炎

消化器以外の異常

  • 腎不全
  • 肝リピドーシス
  • 甲状腺機能亢進症
  • 糖尿病

それぞれどのような疾患なのか、詳しくみていきましょう。

消化器疾患

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嘔吐という症状が見られた場合、まず考えなければならないのは消化器の異常です。消化器疾患には軽い一過性の胃腸炎から、すぐにでも治療を開始しなければならないものまで様々な病気が含まれます。

まずはどんな病気があるのかを把握しておきましょう。

胃腸炎

【症状】
嘔吐、下痢、食欲低下、元気消失など。
【原因】
食事(脂っこいもの、古いフード、食べ慣れていないものなど)、ストレス、感染症(ウイルス、寄生虫など)、異物誤飲、毛玉など。
【備考】
食べたことのないものを与えるときは少量にする、異物を誤飲しないようにしっかりしまうなど、予防できることもある。

消化管内異物

【症状】
嘔吐、食欲不振、元気消失など。異物が十二指腸などを閉塞すると嘔吐の回数が増加し、重度となる。
【原因】
異物の誤飲。おもちゃ、プラスチック、ビニール袋、鶏の骨などが比較的多い。
【備考】
ひも状異物(ひも、糸、布、ナイロンストッキングなど)は腸穿孔から腹膜炎を起こすこともあり、注意が必要。

炎症性腸疾患(IBD)

【症状】
慢性的な(3週間以上続く)嘔吐、下痢、食欲不振など。
【原因】
原因は解明されていないが、遺伝的素因、食物に対するアレルギー反応、腸内細菌の乱れ、免疫システムの異常などが関与していると言われている。
【備考】
確定診断には内視鏡による生検が必要だが、これには全身麻酔を要する。

リンパ腫

【症状】
嘔吐、下痢、食欲不振を主徴とする消化器型リンパ腫が猫では多い。他にも腫瘍の発生部位によって症状は様々であるが、胸水貯留(縦郭型)、くしゃみや鼻出血(鼻腔)、多飲多尿や血尿(腎臓)などが見られることもある。
【原因】
ウイルス(猫免疫不全ウイルスおよび猫白血病ウイルス)、受動喫煙への曝露、主に腸管内の慢性炎症などがリスクとなる。
【備考】
猫白血病ウイルス(FeLV)陽性猫では若齢(3歳くらい)で、FeLV陰性猫では高齢(13歳以上)での発生が多くなっている。

膵炎

【症状】
嘔吐、下痢、腹痛、発熱、元気消失、食欲不振など。急性か慢性かによって症状の重さは異なる。
【原因】
はっきりした原因は解明されていないが、遺伝、感染、ストレス、免疫異常などが関与していると考えられている。腸炎、肝炎、胆管炎などからの波及によって膵炎を発症する可能性もあります。
【備考】
外傷(腹部を強打するなど)も膵炎の原因となりえるという報告もあるため、落下事故などにも注意する。

消化器以外の異常

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もちろん、嘔吐が見られたからと言って必ずしも消化器に異常があるとは限りません。実は嘔吐には様々なメカニズムが関与しています。例えば、乗り物酔いは胃や腸には問題がありませんが、三半規管に刺激が加わることで嘔吐が誘発されます。

次は消化器以外の疾患で嘔吐が見られるものについて解説します。

腎不全

【症状】
多飲多尿、尿が薄い、食欲低下、体重減少、嘔吐、脱水など。
【原因】
もともと猫は飲水量が少ない割に濃い尿をする動物で、日常的に腎臓に負担をかけている。また、遺伝的に多発性嚢胞腎が発生しやすい猫種(ヒマラヤン、ペルシャ、スコティッシュフォールドなど)では若齢で腎不全に陥ることも多く、注意が必要。
【備考】
腎不全の症状が現れるのは腎機能の2/3を喪失した時で、症状発現の前にも腎臓には負担がかかっている。早めの腎臓ケアが長生きに繋がるかもしれない。

肝リピドーシス

【症状】
食欲不振、元気消失、嘔吐、黄疸、脱水、体重減少など。
【原因】
栄養障害、脂質代謝異常、ホルモン異常、ストレスが引き金となって発生すると言われているがはっきりとした原因は不明なケースがほとんど。肥満猫では他の疾患による食欲不振によってタンパク質が不足し、脂質代謝異常によって肝臓に脂肪が蓄積することでの発症が多い。
【備考】
肥満猫での発生には注意が必要であり、日常の体重管理が肝リピドーシスの予防に繋がるかもしれない。

甲状腺機能亢進症

【症状】
活動性の増加、攻撃性の増加、嘔吐、下痢、多飲多尿、脱毛、呼吸速迫、食欲は増加するが体重は減少するなど。
【原因】
甲状腺腫瘍や甲状腺過形成が原因となる。これらによって甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、症状が現れる。
【備考】
甲状腺腫瘍はほとんどが良性だが、甲状腺ホルモンの過剰分泌が問題になることも多い。また腫大した甲状腺が気管を圧迫する可能性もある。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、嘔吐、脱水、下痢、便秘、低体温、削痩など。感染症(膿皮症、膀胱炎、子宮蓄膿症など)や白内障を引き起こすこともある。
【原因】
インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌低下や作用低下によって、血中高血糖状態が持続する状態である。猫は蛋白質の分解によって作られるアミノ酸から糖を産生する代謝系が活発であり、容易に血糖値が上昇する。また、もともとインスリン分泌が低く、インスリン効果が出にくい。
【備考】
肥満は糖尿病を始めとする種々の疾患のリスクとなり得るため、体重管理は重要である。

まとめ

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猫の嘔吐で考えられる疾患についてまとめてきましたが、今回紹介した病気以外にも、嘔吐が症状として認められるものは多くあります。

生理的な範囲での嘔吐か、身体の不調による嘔吐かを見た目だけで見分けるのは非常に困難です。嘔吐以外の症状がないか、いつもと比較して元気や食欲は落ちていないかなどを総合的に判断する必要があります。

何か小さなことでも、おかしいと感じたなら動物病院を受診することをおすすめします。

【獣医師監修】鼻腔や喉の異常?犬のいびきで考えられる疾患とは

皆さんは「いびき」という言葉から何を連想しますか。おそらくポジティブなイメージは無いのではないでしょうか。

ヒトではいびきに関連して睡眠時無呼吸症候群などが問題として挙げられていますが、犬ではどうでしょう。愛犬がある日、急にいびきをかくようになったとき、あなたはどうしますか。

今回は犬のいびきで考えられる疾患について解説します。

犬のいびきの原因

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いぬのいびきの原因は、主に鼻腔の異常と咽喉頭の異常が考えられます。

鼻腔の異常による疾病

  • 鼻腔狭窄
  • 鼻炎
  • 副鼻腔炎
  • 鼻腔内腫瘍
  • 鼻腔内異物

咽喉頭の異常による疾病

  • 軟口蓋過長症
  • 口蓋裂
  • 喉頭虚脱
  • 腫瘍(喉頭、甲状腺など)

それぞれの疾患について詳しく見ていきましょう。

鼻腔の異常

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体温調節などでパンティング(浅く早い口呼吸)をすることもありますが、安静時には多くの犬は鼻で呼吸を行います。鼻からの空気の通り道、すなわち鼻腔に異常がある場合、そこを空気が通るときに音が鳴ります

いびきは「睡眠時の音」を指しますが、起きているときにもガフガフと呼吸をすることもあるかもしれません。また、鼻汁やくしゃみなど他の症状が現れていることも多いです。鼻腔は呼吸に関連しているため、異常が見られた場合には愛犬は少なからず息苦しさを感じているかもしれません。

まずは鼻腔の異常について見ていきましょう。

鼻腔狭窄

【症状】
睡眠時や活動時のグーグーという呼吸音、パンティング、興奮時のチアノーゼなど。
【原因】
短頭種では先天的に起こりやすい。他には感染症やアレルギーにより鼻腔内が狭くなることがある。
【備考】
夏には体温調節がうまくいかず、熱中症になりやすいので注意が必要。

鼻炎

【症状】
鼻汁、くしゃみなど。
【原因】
微生物(細菌、ウイルス、真菌など)の感染、アレルギー(ハウスダスト、花粉)など。
【備考】
アトピー性皮膚炎を患っている犬でも鼻炎症状が見られることがある。鼻の炎症による粘膜の肥厚や分泌物によって鼻腔が狭くなることで睡眠時にいびきが生じることがある。

副鼻腔炎

【症状】
くしゃみ、鼻汁、鼻を気にする動作、鼻づまり、いびき、結膜炎、流涙など。
【原因】
感染やアレルギーによる慢性的な鼻炎からの波及、鼻周囲の外傷、腫瘍などが原因となる。また奥歯(第3,4前臼歯)の歯周病の悪化による炎症の波及も原因となり得る。
【備考】
鼻炎の段階でしっかりと治療を行うことが予防となる。

鼻腔内腫瘍

【症状】
くしゃみ、鼻汁、鼻出血、流涙、瞬膜突出などが初期に見られる。進行すると顔面の変形、眼球突出、呼吸困難、貧血、感染などの重篤な症状が発現する。腫瘍による鼻腔の狭窄によっていびきが生じることがある。
【原因】
腺癌、扁平上皮癌などの上皮性悪性腫瘍が多く、他にも軟骨肉腫、骨肉腫、線維肉腫、悪性黒色腫も見られる。
【備考】
長頭種で中~大型犬の発生が半数以上を占め、短頭種での発生は少ない。

鼻腔内異物

【症状】
突然発症するくしゃみ、鼻汁、鼻出血、いびきなど。放置すると睡眠障害や睡眠時無呼吸により元気消失や食欲不振が見られることがある。
【原因】
草、植物の種などが多い。外鼻腔から混入することもあれば、口に入れたものが鼻咽頭側に逆流して鼻腔内に異物が混入することも多い。
【備考】
小さな異物ならばくしゃみで排出されることも多い。

咽喉頭の異常

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咽頭および喉頭は「のど」のことです。鼻や口から吸い込まれた空気はのどを通って肺に向かいますが、やはりこれらの部位に異常があると空気が通るときに音が鳴ります。特に軟口蓋過長症は臨床の現場でもよく遭遇する先天性疾患です。

睡眠時だけでなく、起床時にも呼吸に影響を及ぼすこともあります。興奮時に空気の取り込みがうまくいかないと、失神やチアノーゼといった危険な状態に陥ることもあるため注意が必要です。

軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)

【症状】
呼吸困難、異常呼吸音、いびきなど。
【原因】
軟口蓋(喉の上側にある柔らかい部分)が通常より長くなることで呼吸が妨げられる。多くは先天性で、短頭種(パグ、シーズー、ペキニーズ、フレンチブルドッグ)に多い。
【備考】
加齢によって症状が現れることも多く、肥満防止が予防に繋がるとの報告もある。

口蓋裂

【症状】
咳、くしゃみ、いびき、鼻汁、食事や飲水中にむせる、鼻から水や食事が逆流するなど。
【原因】
先天的な原因は生まれつき口蓋(口の上の部分)に穴が開いている。後天的な原因は歯周病、外傷、腫瘍などが原因となる。多くは先天性の遺伝性疾患であり、好発犬種はフレンチブルドッグ、ペキニーズなどの短頭種と言われている。
【備考】
発育不良や日常生活での支障が起きやすく、特に誤嚥性肺炎には注意が必要。

喉頭虚脱

【症状】
いびき、鼻を鳴らすような呼吸音、苦しそうな呼吸、開口呼吸など。悪化するとチアノーゼや呼吸困難が見られることもある。
【原因】
外鼻腔狭窄や軟口蓋過長症といった短頭種気道症候群の終末像として見られることが多い。他にも外傷による喉頭軟骨の損傷によっても生じる。
【備考】
外鼻腔狭窄や軟口蓋過長症を早期に治療することによって発症を防ぐことが可能。

腫瘍(喉頭、甲状腺など)

【症状】
鳴き声の変化、いびき、呼吸困難、運動不耐性(疲れやすい)など。悪化するとチアノーゼ、起立不能など。
【原因】
扁平上皮癌、リンパ腫、形質細胞腫などが喉頭に原発性に発生することがある。また、甲状腺腫瘍などの転移が喉頭に現れることもある。しかし、これらの発生は稀で、リンパ腫や甲状腺腫瘍など、喉周りに発生した腫瘍が呼吸を妨げることが多い。
【備考】
喉の中に異常がなくても、喉の周りに異常があることでいびきなどの呼吸異常が発現していることもある。

まとめ

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ヒトでは睡眠外来が一般的になりつつあり、いびきも問題として採り上げられるようになりました。犬でもやはりいびきは注意したい症状なのですが、問題だと感じる飼い主は少ないように思います。

もし、少しでも気になることがあれば、気軽に動物病院までご相談ください。

【獣医師監修】犬の嘔吐から考えられる疾患

嘔吐は、動物病院に来院する犬で最も多い症状の一つです。実際に愛犬が嘔吐している場面に遭遇したことのある人も多いでしょう。

では、その嘔吐は何によるものなのでしょうか?今回は臨床の現場でよく遭遇する嘔吐の原因疾患について、獣医師が解説していきます。

消化器疾患


嘔吐の原因としてまず考えられるのは消化器、特に胃や十二指腸といった上部消化管の異常です。これら疾患によって胃液の分泌が過剰になったり、物理的な胃粘膜の刺激によって嘔吐が誘発されます。

急性胃炎・十二指腸炎

【症状】
急性の嘔吐、食欲不振、腹痛など。消化器症状以外の全身症状は通常見られないが、脱水や誤嚥性肺炎などによって重篤化することもある。
【原因】
古い食事、異物、化学物質、薬剤など。腎不全や肝不全から続発することも多い。
【備考】
原因が明らかな場合(異物や薬剤)はそれを除去するが、明らかでない場合には胃腸炎の治療をしてみて反応を見る診断的治療を行うことが一般的。

慢性胃炎

【症状】
嘔吐、食欲不振。嘔吐の回数は、1日に数回から1~2週間に1回まで様々。
【原因】
アレルギー、異物、薬剤、微生物などが挙げられるが、原因は特定されないことが多い。
【備考】
急性胃炎と同様に確定診断には内視鏡検査が有用だが、全身麻酔を伴うこともあり現実的ではない。

胃内異物

【症状】
急性の嘔吐、食欲不振。若齢の犬は特に注意。
【原因】
胃内容物の排出障害、胃粘膜の刺激から嘔吐が誘発される。
【備考】
異物の材質や形などから催吐などの内科療法、もしくは胃切開などの外科療法といった治療方針を決定する。

胃拡張・胃捻転症候群

【症状】
嘔吐、腹痛、流涎、急激な腹囲膨満から昏睡。
【原因】
胃が空気と食物によって急激に拡張することによる。食後に運動した後に発生しやすいと言われている。
【備考】
大型犬で多く、小型犬ではほとんど見られない。胃破裂を起こすこともあり、早期の診断と治療が必要な緊急疾患である。

幽門狭窄

【症状】
嘔吐、食欲低下、体重減少。
【原因】
原因はよくわかっていないが、幽門部(胃の出口付近)が肥厚することで胃排泄障害が起こる。
【備考】
超音波検査やバリウム造影で診断し、根本的治療は外科手術による。

胃の腫瘍

【症状】
嘔吐、食欲不振、体重減少など。場合によっては吐血、メレナ(黒いタール状の便)、貧血などが見られる。
【原因】
犬の胃の腫瘍はリンパ腫が最も多いとされている。
【備考】
慢性胃炎、ポリープなどが危険因子と言われている。

他の内臓疾患


消化器疾患以外にも嘔吐が見られるものがあります。血液検査などを行うのは、これらの疾患を見逃さないためです。

膵炎

【症状】
嘔吐、腹痛、元気消失、下痢など。
【原因】
膵臓からは消化酵素が分泌されるが、その酵素によって自己組織が消化されることによって強い炎症が起こる。危険因子としては薬剤、感染、高カルシウム血症、肥満、全身性代謝性疾患(糖尿病、副腎皮質機能亢進症、慢性腎不全)、腫瘍などが挙げられる。
【備考】
急性の膵炎では発症後24〜48時間以内の早期に治療を開始することが重要。

尿毒症

【症状】
嘔吐、消化管潰瘍、発作、異常呼吸など。
【原因】
腎不全などによって尿毒素が体内に蓄積することによる。
【備考】
腎不全の原因としては熱中症、毒物、感染、腫瘍、ショックなどがある。

肝胆道系疾患

【症状】
嘔吐、腹痛、黄疸、食欲低下など様々。
【原因】
慢性肝炎、胆石症、胆嚢炎などによって症状が引き起こされる。
【備考】
定期的な血液検査や画像検査によって早期に発見することが望ましい。

子宮蓄膿症

【症状】
食欲不振、多飲多尿、嘔吐、腹部膨満、陰部から膿様のものが排泄されるなど。
【原因】
子宮内で細菌が増殖し、膿液が貯留する。
【備考】
卵巣からのホルモン分泌が深く関与しており、早期の避妊手術が最も効果的な予防法となる。

代謝性・内分泌疾患


ホルモンの分泌異常によっても嘔吐は引き起こされます。中高齢で発生しやすい傾向にありますが、いずれも放置すると危険な疾患ですので、しっかりと検査することをおすすめします。

アジソン病(副腎皮質機能低下症)

【症状】
虚弱、体重減少、嘔吐、吐出、下痢、多尿、徐脈、低体温、震え、痙攣など。
【原因】
副腎から分泌されるホルモン(グルココルチコイドおよびミネラルコルチコイド)の不足による。犬では特発性の副腎委縮によるものが多い。
【備考】
適切なホルモン治療を行えば予後は良好。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、多食、体重減少、嘔吐、下痢、脱水、感染症、白内障、昏睡など。
【原因】
膵臓からのインスリンの分泌低下、あるいはインスリンの作用低下。
【備考】
犬の糖尿病は若齢発症のものと、3歳齢以降発症のものに分けられる。いずれの場合でも犬の糖尿病治療にはインスリンが必要となる。

病気ではない嘔吐


嘔吐の中には、病気ではない一時的なものもあります。とは言っても愛犬は気持ち悪いはずなので、原因があるのなら速やかに取り除いてあげるべきでしょう。
病気ではなくても、嘔吐が見られた際には放置することは望ましくありません。

乗り物酔い

【原因】
三半規管から小脳へ伝わった刺激が嘔吐中枢を刺激すると考えられている。
【備考】
長時間の移動の前には酔い止め薬を服用するという選択肢もある。獣医師まで相談を。

消化不良

【原因】
古い食餌などの給餌による。
【備考】
ご飯の賞味期限や保管方法には注意を。

まとめ


無数にある病気の中で、今回紹介したものはごく一部です。
一過性で自己限定的な嘔吐の場合には経過観察とすることもありますが、嘔吐が慢性化している場合には一度検査を受けましょう。

愛犬に体調不良が見られた時には、獣医師に相談し、適切な治療を受けさせてあげてください。

犬・猫の反省ポーズに要注意!ヘッドプレッシングは脳の病気のサイン

みなさんは、「ヘッドプレッシング」というペットの行動を知っていますか?
あまり馴染みのない言葉ですが、「反省ポーズ」などとも呼ばれ、SNSなどで見かけたことがあるかもしれません

このヘッドプレッシング、よく知らなければ、「何か反省しているのかな?」と勘違いをして放置してしまいやすい行動です。

しかし実は、ヘッドプレッシングは危険な脳の病気のサインの可能性があります。
今回の記事では、犬や猫がヘッドプレッシングをする理由や考えられる疾患、対処法などを解説します。

そもそもヘッドプレッシングとは?

引用元(YouTube)
「If You Find Your Pet Doing This, Take Them To The Vet Immediately」
https://www.youtube.com/watch?v=VzRQz5Y0-1A

ヘッドプレッシングとは、顔を下向きにして壁などに頭を押し付ける行動のことを言います。
犬や猫以外にも、馬や牛、ヤギもヘッドプレッシングをすることがあるようです。

何かを反省しているの?

その姿は、何かを反省して落ち込んでいるかのようにも見えるため、「反省ポーズ」とも呼ばれています。
また、光や音を遮るために顔を覆って眠る「ごめん寝」にも似ており、知らなければあまり気にせずに放置してしまうかもしれません。

実は危険な病気のサインかも

ところがこのヘッドプレッシング、実は重大な脳の疾患のサインである可能性があります。
知らないで放置してしまうと命にも関わる危険性があるため、犬や猫のヘッドプレッシングには要注意です。

ヘッドプレッシングの見分け方

ヘッドプレッシングは、顔を下向きにして眠る「ごめん寝」や、飼い主さんの足に頭をこすりつけるそぶりとは何が違うのでしょうか?

以下がその特徴です。

  • 壁や冷蔵庫、柱など、硬いものに対して頭を押し付けている
  • 頭を押し付けたまましばらくじっと動かない
  • 座ったまま頭を押し付けていて、寝ているわけではなさそう

ヘッドプレッシングで疑われる病気

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犬・猫がヘッドプレッシングをするようになった場合、疑われる疾患は主に「脳や神経系の疾患」です。

  • 脳腫瘍
  • 脳卒中
  • 前脳疾患
  • 頭部外傷
  • 脳炎
  • 毒性中毒(アルコール、殺虫剤など)
  • 門脈体循環シャント
  • 肝性脳症
  • 神経系の感染症(狂犬病・寄生虫・細菌・ウイルス・真菌感染症)
  • 代謝障害(門脈体循環シャント、高/低ナトリウム血症/低血糖症)

もし、ここ最近頭の打撲や危険物の誤飲をした場合、脳に異常が起きている場合もあります。
心当たりがある場合は、犬・猫がヘッドプレッシングをしないかどうか観察しましょう。

なお、全身麻酔による昏睡状態から目覚めた時にもヘッドプレッシングをすることがありますが、これは一時的なものであり、長引かなければあまり心配する必要はありません。

すぐに動物病院へ

脳や神経に関わる疾患は、特に早期発見・早期治療をする必要があります。
ヘッドプレッシングや、次に紹介するその他の異常行動が見られた場合は、いち早く動物病院を受診しましょう。

他にも、こんな症状・行動が見られる

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脳や神経系に疾患がある場合、ヘッドプレッシングの他に次のような異常行動や症状が見られることがあります。

  • 壁をずっと見つめている
  • 部屋の隅でじっと動かない
  • 同じ所を往復する
  • 円を描くように歩く
  • 床に顔や頭を擦り付ける
  • 聴覚・視覚障害
  • 発作

動物病院を受診する前にまとめておくと良いこと

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ヘッドプレッシングで動物病院を受診する際、次のような点を事前にまとめておくと診察がスムーズに進みます。

  • 時期:症状はいつ頃はじまったか
  • 症状:どのような症状がどの程度の頻度・時間で表れるのか
  • 思い当たる原因の有無:症状があらわれる前に、頭をぶつける・誤飲などの出来事がなかったか
  • 病歴:ペットの病歴や治療歴

ペットの様子を動画撮影しておこう

ヘッドプレッシングなどのペットの異常行動は、素人の判断ではどこまでが正常でどこからが異常なのか、判断するのが難しい場合があります。
そのため、自宅での様子を事前に動画撮影しておき、獣医師さんに見てもらうことをおすすめします。

まとめ

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今回は、犬や猫が頭を硬いものに押し付ける、「ヘッドプレッシング」について、その見分け方や疑われる疾患について解説しました。

よく知らなければ放置してしまいそうな仕草ですが、実は大変危険な病気が隠れている恐れがあり、一刻も早く動物病院に連れて行く必要があります。

ペットは調子が悪くても、飼い主さんに言葉で訴えることができません。
だからこそ、ヘッドプレッシングなどの病気の兆候を飼い主さんがよく知っておき、ペットが出してくれるサインにいち早く気づいてあげられるようにしましょう。

【獣医師監修】スコティッシュフォールドに多い疾患とその対策

スコティッシュフォールドは、垂れた耳とぷっくり丸い顔が特徴の猫種です。

日本でも人気が高く、スコティッシュフォールドを飼育する方や、飼育したいと考える方が増えています。
そこで今回は、スコティッシュフォールドに起こりやすい病気と、注意したい飼育環境についてまとめました。

スコティッシュフォールドの歴史や性格

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歴史

Scottish(スコットランドの)fold(折りたたむ)」という名前の通り、スコットランドが原産の猫で、1960年代に耳の折れた猫をベースに交配を繰り返して生まれた猫種です。

「折りたたまれた耳」が特徴の猫種ですが、実は、不完全な折れ耳、または立ち耳のスコティッシュフォールドもいます

スコティッシュフォールドは、進化の過程で折れ耳を獲得したのではなく、突然変異で生まれた折れ耳の猫を人為的に交配したものであるため、必ずしも折れ耳の遺伝子が発現するとは限りません

立ち耳のスコティッシュフォールドを、最近では「スコティッシュストレート」と呼ぶこともあるようです。

性格

スコティッシュフォールドは、おだやかで人懐っこい性格をしているため、「猫と一緒に遊びたい」「甘えてほしい」と思っている方にはおすすめの猫種です。
また、運動量も比較的少ないため、おとなしめの猫を飼いたい方にも最適です。

スコティッシュフォールドの好発疾患

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スコティッシュフォールドには、注意しなければならない疾患が存在します。特に注意したいのは骨軟骨異形成症で、これはスコティッシュフォールドの垂れ耳にも関係しています。

健康診断の時に何を注意すればよいのか、考えながら読んでいただければと思います。

骨軟骨異形成症

【症状】
足を引きずる様子。
【原因】
スコティッシュフォールドに特徴的な遺伝性疾患。
【備考】
中手骨や中足骨(いずれも指の骨)などの骨格変形が特徴。有効な治療法はなく、対症療法のみ。
折れ耳同士で繁殖させると発症しやすいため、最近では折れ耳のスコティッシュフォールド同士の交配は原則禁止とされる。

多発性嚢胞腎

【症状】
多飲多尿、頻尿、無尿、嘔吐、下痢、食欲不振など。
【原因】
遺伝的に起こる疾患で、腎臓にたくさんの袋(嚢胞)が形成されることで腎機能障害を引き起こす。
【備考】
若いうちから腎不全症状が見られる場合もあるので、定期的に血液検査や画像検査で腎臓のチェックを。

肥大型心筋症

【症状】
呼吸速拍、胸水、腹水、疲れやすい、元気消失、食欲不振、嘔吐など。
【原因】
アメリカンショートヘアの血が混じってる場合には、家族性発生が報告されている。
【備考】
心臓内で血栓が形成されやすく、動脈(特に大腿動脈)に塞栓することが多い。
その場合、後肢の麻痺と突然の痛みを生じる。

外耳炎

【症状】
耳の痒み、臭い、汚れなど。
【原因】
耳道の環境悪化によって、細菌や真菌などの微生物が異常増殖することによる。
【備考】
スコティッシュフォールドの垂れ耳は耳道内環境が悪化しやすい。特に耳が硬い子は要注意。

尿石症

【症状】
膀胱炎症状(頻尿、血尿など)、腹痛など。
【原因】
食事のミネラルバランスの異常、避妊や去勢によるホルモンバランスの乱れなど。
【備考】
肥満傾向の子は、膀胱内の結石が尿道に閉塞することも多く、この場合は緊急疾患として取り扱う。
速やかに閉塞を解除しないと急性腎不全となり、命に関わる。

日頃から気をつけたいポイント

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以上の好発疾患を踏まえて、スコティッシュフォールドと一緒に暮らす上で、飼い主さんが日頃から気をつけてあげたいことを解説します。

痛みのサインを逃さない

スコティッシュフォールドの好発疾患に「骨軟骨異形成症」がありますが、これは外見を観察するだけではわかりません。
日々の歩き方、ジャンプの頻度、動く頻度などをチェックし、異常にいち早く気づいてあげることが必要です。

「スコ座り」には要注意

また、スコティッシュフォールドは「スコ座り」と呼ばれる独特のポーズをすることがあります。両後肢を前に投げ出したおじさんのような体勢で、SNSでも人気のポーズです(#スコ座り)。

しかしこれは、関節にかかる負担を軽減するための姿勢で、関節疾患や肥満の子によく見られます
「可愛いから写真を撮る」ではなく、一度動物病院でしっかり検査をしてもらうのが良いでしょう。

定期検診でレントゲンを

症状が見られなくても病気が進行していたり、痛みを我慢して表に出さないこともあります。
スコティッシュフォールドは特に、半年に1回程度の画像検査をおすすめします。

レントゲン画像上で関節に異常が見られた場合には、できるだけ運動をさせない、室内の段差をなくすなどの対応が必要です。

耳掃除

垂れ耳で、耳の軟骨が硬い傾向にあるスコティッシュフォールドは、定期的に耳のお手入れが必要です。

その際、綿棒を使ってガシガシ掃除をすると、耳の粘膜を傷つけてしまうため、柔らかいコットンを軽く湿らせ、優しく拭ってあげるくらいがちょうどいいです。

耳掃除を嫌がる猫も多いので、無理をせず、定期的に動物病院でケアを依頼することも考えてみてください。

尿のチェック

猫は、腎臓病が非常に多い動物です。

毎日の排泄で、尿の量が変化していないか、あるいは尿の色に変化はないかをしっかりと確認しましょう。
肉眼ではわからないこともあるので、特に7歳以上のシニア期の子は定期的に尿検査をすることが推奨されます。

まとめ

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特徴的な遺伝性疾患があるスコティッシュフォールドですが、だからといって寿命が短いわけではありません。愛情をしっかり注ぎ、病気を早期に発見することができれば、十分に長生きできます。

あらかじめかかりやすい病気を知っておき、少しでも異常を感じたらすぐに動物病院に連れて行きましょう。そして、もし病気になったとしても、その病気とうまく付き合う方法を考えていきましょう。

【獣医師監修】猫が水を飲まないのは病気?動物病院を受診すべき?

猫の飼い主さんであれば、日常生活の中で愛猫の食事量や尿量、排便回数などを気にしている方も多いでしょう。

しかし、猫が飲む水の量はいかがでしょうか?目には見えづらいこともあり、なかなか把握できていない飼い主さんもいることと思います。
もしも猫の飲水量が少ないのなら、猫の体に異変が起きている可能性があります。

今回の記事では、猫の飲水異常について、獣医師が詳しく解説していきます。

そもそも飲水異常とは

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飲水異常は、「水を飲めない」、あるいは「水を飲む量が少ない」状態のことを指します。

ややこしいですが、水をたくさん飲むようになる「多飲」とは区別しています。

猫が水を飲まなくなる理由

猫が水を飲まなくなる原因は主に口の中にあります。水を飲まない以外にも、食欲不振などの症状を伴うことが多いです。

飲水量の低下は脱水状態を引き起こし、循環する血液量が減少してしまいます。
これによって尿を産生する腎臓への負担が増大し、慢性腎不全のリスクが高まることになります。

猫の飲水異常で受診した際に聞かれること

動物病院内では緊張もあって、猫の飲水の様子を確認できないことがあります。
そのため、自宅での猫の様子が、飲水異常の原因を探る手掛かりとなります。

  • 飼育環境:食物の種類や形状(カリカリ、缶詰など)、飲水用容器の形状など
  • 元気、食欲の有無:飲水行動をするか
  • 嘔吐や下痢の有無:そのほかにも体調に異変はないか
  • 飲水量:どの程度、飲水量が減少したのか

猫の様子を動画撮影しておこう

猫が水を飲みにくそうにしている様子を動画で撮影しておくと、診断の役に立つかもしれません。
しかし、水飲み場でカメラを構えていては、猫も落ち着いて水を飲めません。

遠くから、さりげなく撮影しましょう。また、猫の手が届かないところからに定点カメラを設置しておくと便利です。

猫の飲水異常で考えられる疾患

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なぜ愛猫が水を飲まないのか、考えられる理由はいくつかあります。
もし健康上の問題があるとしたら、速やかに異常を取り除く必要があります。

衰弱

猫が弱ってしまって、水を飲もうにも動けない状態です。
衰弱する原因は様々ですが、猫が弱っていることが確認できた場合はすぐに動物病院を受診してください。

猫は、本能的に体調不良を隠そうとする動物です。気が付いた頃にはすでに衰弱していることもあります。

口内炎

猫が口を痛がり、飲食に支障を来たしている状態です。

猫では、猫カリシウイルスの感染慢性腎不全による粘膜の傷害、リンパ球形質細胞性口内炎がよく見られます。

抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与によって改善されることもあれば、治療がなかなか効かないこともあります。

また、肥満傾向のある猫では、食欲不振が継続することで「肝リピドーシス」という病気を発症することもあるため、たかが口内炎と言って甘く見てはいけません。

歯肉炎

3歳以上の猫の80%以上が歯周病」というデータもあるように、今や歯周病は猫にとっても一般的な疾患になりつつあります。

大抵の場合、飲水障害が見られる前に固いものを食べづらそうにする様子が見られます。
ドライフードを常食としている猫は、歯周病を見つけやすいかもしれません。

破歯(はし)細胞性吸収病巣

猫では、歯肉縁の歯質に吸収が起こることが報告されています。
つまり、歯が溶けてしまっているのです。

1976年に初めて報告された疾患で、原因は不明ですが、猫の60%に発生していると言われています。
歯肉炎と同様に、口の痛みによって飲食が障害されます。

破折(はせつ)

ケンカや不慮の事故などによって、歯が折れてしまうことがあります。

先端が欠けている程度であれば無症状のことも多いですが、深く折れている場合は歯髄が露出し、痛みが生じます
ケンカでの破折はほとんどが犬歯であるため、外からでも発見することは難しくありません。

口腔内腫瘍

猫の口腔内腫瘍はほとんどが悪性で、扁平上皮癌と線維肉腫が多いとされています。
食欲不振、口臭、嚥下(えんげ)障害(物をうまく飲み込めない状態)が見られることが多いため、飲水障害以外の症状にも注意が必要です。

咽喉頭麻痺

のど(咽頭)から食道への食物の移送がうまく行えない状態を咽頭麻痺と言います。

原因は中枢神経系の異常や、神経筋接合部の異常などが考えられますが、ほとんどが先天性のものと言われています。
飲み込むことがスムーズでなくなるため、誤嚥性肺炎のリスクもあります。

眼疾患

白内障や網膜剥離などによって、視力の低下、あるいは失明が起こると飲水行動が減少します。

猫の視力の測定は非常に困難ですが、あまり動かなくなる、慣れている場所で家具にぶつかるなどの徴候が見られた際には要注意です。

猫の飲水で普段から気をつけたいこと

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飲水量の減少は、よほど注意していないと見逃してしまう徴候です。
普段から、猫の健康に関するデータは揃えておきましょう。

飲水量の把握は日頃から

置き水や多頭飼育の場合には、正確な飲水量の測定は困難というか不可能です。
しかし、最初に器に入れておく水の量を把握し、一日でどのくらい水が減ったのかを見ることはできます。

メモリがついている器などを選ぶとよいかもしれません。

飲水用の器を変えてみる

猫の中には、気に入らない器からは水を飲まない子もいます

また、成長などによって体の構造が変化すると、ずっと使用している器でも水が飲みにくくなることもあります。
病気の可能性も疑いつつ、猫の器を試しに変えてみるとよいでしょう。

まとめ

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腎不全のリスクを低下させるためにも、猫にはたくさん水を飲んで欲しいところです。

そのためにも、猫の飲水量の異常に一早く気付くことは大切です。
猫の飼い主さんは、愛猫の飲水状態を日頃から観察し、何か異常があれば早目に動物病院を受診しましょう。

【獣医師監修】猫の体重減少は危険!早く気付けば病気の早期発見に

猫を抱き上げたとき、「ちょっと軽くなった」と感じることはありませんか?もしくは、猫の体を撫でたときに、「骨が当たるようになった」なんてことありませんか?

猫も生物ですので、生きている中で多少の体重の増減はあります。しかし、体調不良の際には、体重が目に見えて減少することがあります。抱っこしてみて、軽くなったかなと思ったらそれは病気のサインかもしれません。

今回は猫の削痩について獣医師が詳しく解説していきます。

削痩(さくそう)とは?

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「削痩」とは読んで字のごとく、体重減少によって体型が痩せ細ることです。

個体差によりますが、季節の変わり目やその日の体調によって多少の体重の増減はあります。しかし、問題となるのは急激に体重が落ちる場合、もしくは徐々にではあるが確実に体重が落ちていく場合です。

削痩はエネルギーを勝手に大量消費するような腫瘍疾患や、食欲不振を引き起こす疾患、栄養の吸収が阻害される疾患などで主に見られます。たくさん食べるのに体重が落ちていく状態は明らかに異常であるため、精密な検査が必要です。

猫の体重減少で動物病院を受診する前にチェックしておくこと

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体重減少を引き起こす疾患は多岐にわたり、そのすべてに対して検査を行うことは現実的ではありません。

なぜ体重減少が起きているのか、問診によってある程度絞り込む必要があります。動物病院を受診する前に以下のことをチェックしておきましょう。

  • いつから: 何日でどのくらい体重減少があったのか
  • 生後1歳齢前後の体重: 標準体重からどの程度体重が少ないのか
  • 摂食態度: 食欲の有無、摂食量の確認
  • 同居動物の有無: 食事の横取りの可能性
  • 他の臨床徴候: 嘔吐、下痢、多飲多尿、頻尿など

同じ猫種であっても、骨格の大きさなどによって標準体重は異なります。
通常は体が出来上がった生後約1歳齢の体重をその子の標準として、体重の増減をチェックします。

猫の体重減少で考えられる疾患

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では体重が減った時にどんな疾患が考えられるのでしょうか。代表的な疾患を詳しくご紹介します。

腫瘍疾患

高齢猫で体重減少が見られた際に鑑別に入れるべき疾患の一つです。

特に消化器型リンパ腫の発生率が高い傾向にあり、検査として一般血液検査の他に腹部超音波検査を勧められることが多いです。この消化器型リンパ腫では、小腸における栄養吸収の低下や、食欲不振、嘔吐、下痢によって体重が減少します。

またリンパ腫に限らず、腫瘍性疾患の末期にはがん性悪液質(栄養失調により衰弱した状態)となることが多くあります。悪液質は、疾患によるカロリー消費の増加によって理想体重の10%以上の減少が起こり、筋委縮や眼窩の落ち込みなどが見られます。

慢性心疾患

慢性の心臓疾患においても心性悪液質となることがあります。

猫で多いのは肥大型心筋症です。肥大型心筋症は、心筋が厚くなることで心臓が拡張しにくくなる疾患です。時に血栓を形成し、大腿動脈に血栓が閉塞すると、激しい痛みや呼吸困難を引き起こし、高い確率で死亡します。

慢性腎疾患

猫での慢性腎不全の発生率は非常に高いことで知られます。
慢性腎不全では水分を過剰に排泄するため、脱水による体重減少や削痩が確認できます。

また他にも蛋白漏出性腎症では、尿中に蛋白質が出現します。通常では蛋白質は再吸収されますが、尿中に排泄されるために栄養が効率よく吸収できない状態となります。

慢性肝疾患

肝不全による胆汁酸性低下や蛋白代謝低下によって栄養障害が起こります。
猫の肝胆疾患は、肝リピドーシスや胆管肝炎が多いとされています。

嘔吐や下痢といった消化器症状が見られることがほとんどであるため、日常の健康観察および定期的な健康診断によって早期発見が可能です。

甲状腺機能亢進症

高齢猫では特に多い内分泌疾患です。甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、多食なのに体重が減少していきます。
攻撃性も増すことがあるため、年齢とともに性格の変化が認められたら一度動物病院を受診してみましょう。

また7歳齢を超えたら、半年に一度は健康診断を受けることをおすすめします。

糖尿病

糖尿病の発病初期は体重増加を示しますが、末期では体重は減少します。また糖尿病は肥満猫での発生が多く、病的な体重減少を「ダイエット成功」と勘違いするケースもあります。

これまで紹介してきた他の疾患と同様、定期的な健康診断が求められます。

猫の体重減少で注意すること

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体重計に静かに乗ってくれない、抱っこが嫌いなど理由は様々ですが、猫の体重を管理することは難しいため、毎日ではなく週に1回、月に1回など定期的に測定しましょう。

もしどうしても測定が困難なようなら、撫でた時の筋肉や脂肪の付き具合を観察しましょう。動物病院で定期的に体重だけ測定してもよいです。

長毛の場合は削痩に気付きにくい

パッと見ただけで痩せているかどうかを主観的に判断することは間違いではないと思います。

しかし、特に長毛の子は、被毛の下に皮膚があるために削痩に気付きにくいことも事実です。
体を撫でる時に肋骨に触れられるか、肉付きはどうかなどを常に気にしてあげましょう。

まとめ

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猫は人間よりも体が小さい分、例えば体重が1kg減った時に人間よりも大きな体重変化になります。

体重減少は比較的わかりやすい体調不良のサインでもあり、いち早く気付いてあげることが、病気の早期発見と早期治療に直結します。

愛猫とスキンシップを取りながら、日常での健康チェックを徹底していきましょう。