気になるペット保険。契約する前にチェックしたいポイントとは?

人が病気やケガをした場合、日本では公的医療保険が充実しているため、医療費の負担が安く済み気軽に医療機関を受診することができます。

では、ペットはどうでしょうか。ペットの治療も手術となれば高額になることが多く、保険に入っていない限り全額負担しなければいけません。そのため、最近ではペットの保険に加入したり、検討する方も増えているようです。

しかし、ペットの保険といってもさまざまで、どんなものがあるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、ペット保険の種類と、保険を決める時のポイントについて解説します。

※この記事で紹介する保険の内容は一般的なものです。実際の保険は保険会社やプランによってさまざまですので、契約する前にその内容をしっかり確認するようにしましょう。

世界と日本のペット保険事情

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ペットの保険は、動物愛護先進国であるスウェーデンで1890年に誕生した馬や家畜を対象としたものが起源とされています。1924年には世界初となる犬を対象とした保険が同国で販売され、イギリスなどのヨーロッパ諸国やアメリカに広がりました。

日本でペット保険が誕生したのは1995年と、海外に比べるとその歴史はまだ浅く、当時は法整備が行われていなかったため悪質な保険を販売する会社もありました。2005年になると保険業法が改正され、ペット保険を扱える会社が限定されたことにより、ペット保険に加入する飼い主は増えつつあります。

現在のスウェーデンのペット保険加入率は50%ほどで、犬だけでみると75%が加入しています。一方で、日本では15%前後と、加入率が低いのが現状です。

ペットの保険を決めるときのポイント

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ペットの保険を選ぶときは内容をしっかり確認することが重要です。ここでは、ペットの保険を決める上でチェックしたいポイントをご紹介します。

補償される治療の確認

多くのペット保険において、以下の治療は補償範囲外となることが多いため注意しましょう。

  • 契約前のケガや病気、先天性異常
  • 狂犬病やフィラリア症など、ワクチンにより予防ができる病気
  • 妊娠や出産に関わる費用
  • 避妊や去勢手術、爪切りなどのケガ・病気にあたらないもの
  • 健康診断の費用

以上は一例です。保険によって上記のものが含まれたり、他の病気が含まれなかったりするため、補償内容をしっかり確認し、あとで後悔しないように気をつけましょう。

また、犬種によって、かかりやすい病気やケガをしやすい部位もあります。犬種の特性をしっかり理解し、将来予想される病気をカバーできるものを選択しましょう。

日額や回数制限の確認

通院、入院、手術で補償できる日額や日数制限が設けられている場合、一見手厚いと思われるプランであっても受け取れる保険料が制限される可能性があります。

また、ある病気に対して、保険料が下りる回数や金額に制限があることもあります。

年齢による保険料の確認

子犬の頃の保険料は安くても、年齢が上がるに連れて保険料が上がるものは少なくありません。長期的に保険料を支払うことを見据え、シニア期の保険料もしっかり確認しましょう。

子犬の頃は他の保険と比べると高めに設定されていても、ある年齢を超えると保険料が据え置きになる保険もあります。

特約も要チェック

ペット保険には、人の保険と同じように追加の料金を支払うことで特約をつけられる場合があります。代表的なものは以下の通りです。

  • ペット賠償責任特約…飼っているペットが他人をケガさせたり、物を壊してしまったときに、損害賠償費を一定範囲内で補償
  • 火葬費用特約…ペットが亡くなった時の火葬費用をサポート

犬による咬傷事故は年間4000件以上発生しています。おだやかな犬であっても、ちょっとしたことをきっかけにパニックになり、他人や他の犬に危害を加えてしまうこともあります。

いざというときに備えておきたいという場合は、特約の有無も確認しておきましょう。

保険契約の際に注意したいこと

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保険の契約に慣れていないと、意外なところに落とし穴があるかもしれません。契約書に書かれている以上、「知らなかった」は通用しませんので、契約内容をしっかり理解し、トラブルを防ぎましょう。

申し込んだ日から補償されるわけではない

保険には待機期間があります。これは保険に加入したペットの健康状態を保険会社が確認するためで、多くの場合は30日程度の待機期間が設けられています。基本的にこの期間に発症した病気はその後も含めて保険は適用されません

高齢になると新規加入ができない

対象となるペットが一定以上の年齢に達している場合、新たに加入できない場合があります。また、入れたとしても保険料が高めに設定されていることが多いため、シニア期になってから保険に入れたいと考える場合は要注意です。

告知義務は正確に

人の保険と同じように、病歴によっては入れない保険も存在します。保険を適用したいがために、告知の義務を果たさなかったり虚偽の告知をすると、保険料が支払われず、契約を解除させられてしまうことがあります。また、これまで支払った保険料も原則として返金されないため、告知は正確に行う必要があります。

終身保険なのに特定の病気の保証がなくなる

終身で加入できるとうたっているにも関わらず、腎臓病や心臓病などの慢性疾患に罹患した場合、更新のタイミングで補償から除外されてしまうことがあります。

定期的に行われる更新の際に、申し込み時の条件で継続できることを確認しましょう。

最後に

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ペットが病気になったりケガをしてしまったりする場合でも、お金を気にせず治療ができるよう、ペット保険を検討したことがある方も多いのではないでしょうか。

ペットの保険といえど、保険会社によって金額や補償内容はさまざまで、保険料も決して安くありません。だからこそ、よくわからないまま契約するのではなく、内容をしっかり把握した上で、愛するペットを守れる保険を選択できるといいですね。

犬も仮病を使う!?理由と対策、病気との見分け方をご紹介

飼い主のみなさんは、人生で一度くらいは仮病を使った経験があるかもしれません。では、犬は仮病を使うことはあるのでしょうか?結論だけお伝えすると、犬も仮病のような行動をとることがあります。

この記事では、犬が仮病を使う理由と対策、本当の病気との見分け方について解説していきます。

犬の仮病とは

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人と同様、犬の仮病はさまざまですが、以下のような行動がよく見られます。

  • 体が震える
  • 足を引きずって歩く
  • お腹が痛いふりをする
  • ご飯を食べなくなる

慌てて病院を受診しても、症状や悪いところは見つからないため、「とりあえず様子を見ましょう」と言われる場合が多いです。

ちなみに、獣医学的には「仮病」と診断されることはありませんが、この記事ではあえて「仮病」と表記させていただきます。

犬が仮病を使う理由

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では、なぜ犬は仮病を使うのでしょうか?その理由はいくつか考えられます。

1. 飼い主に構ってもらいたい

犬は、ケガや体調不良のときに飼い主がやさしくしてくれたことを覚えています
すると、病気の時と同じことをすれば飼い主が構ってくれたり優しくしてくれることを期待し、仮病を使うことがあります。

多くの場合、飼い主とのコミュニケーション不足が原因と考えられます。

2. 何かを要求している

例えば、普段は食べていたご飯やおやつを突然食べなくなった場合に、もっと美味しいものが食べたいと要求している可能性があります。

散歩が嫌な場合は足を引きずるような行動をしたり、爪切りやシャンプーが嫌な場合は聞こえないふりや元気のないふりをしたりすることもあります。

愛犬が仮病を使っていたら?

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もし、愛犬が仮病を使っていることがわかったら、以下のように対処しましょう。

コミュニケーションの時間をしっかり取る

犬が仮病を使うのは、飼い主とのコミュニケーションやスキンシップが足りていない場合が多いです。まずは、愛犬と遊ぶ、撫でる、トレーニングをする等コミュニケーションを取る時間をしっかり確保しましょう。

この場合、一時的に犬とコミュニケーションを取る時間を増やすのではなく、普段のコミュニケーション量を増やす必要があります。仮病を使わなくなったからといって、コミュニケーションを減らしてしまうと、また仮病を使うようになりエスカレートしかねませんので注意しましょう。

不満を解消する

いつもの食事に飽きてしまったり、試供品などで一度だけ食べたものがおいしかったりなど、現在の食事内容に満足していない場合があります。

飼い主に構ってもらいたくてご飯を食べない場合はスキンシップを増やすことで改善できるかもしれませんが、食事に不満があるようでしたらご飯の変更も検討しましょう。

散歩に行きたがらない場合は、その理由を見つけて不満を解消してあげましょう。

仮病を見分ける

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犬が仮病を使っているかどうかを見分けるのは大変難しいです。仮病だと思っていたら本当に病気だった!とならないように、仮病の判断は慎重に行いましょう。不安な場合は、獣医師に診てもらうのが安心です。

ケース別の見分け方

1. ご飯を食べない場合

ご飯を食べないようであれば、すぐに下げてしまいましょう。もし仮病であれば、名残惜しそうにしていたり、時間を置いて再度ご飯をあげると食べるはずです。

2. 足を引きずる場合

引きずっている部分を軽く触っても痛がらないようであれば仮病の可能性が高いです。また、「おやつだよ」と声をかけたときに、いつも通りに元気におやつを要求する場合も仮病の可能性が高いでしょう。

<注意>
犬が仮病を使うたびにおやつをあげすぎてしまうと、同じことをすればおやつをもらえると学習してしまいます。
仮病なのかどうかを確認するのではなく、根本的に仮病を使わなくてもいい環境を整えてあげてください。

初めての行動だったら病気の可能性が高い

今までに、腹痛や、足の痛みなどの経験があれば、そのような行動を取れば飼い主が優しくしてくれることを知っています。

しかし、経験がない場合はその行動をすることはできません。そのため、初めて見る行動の場合は本当の病気である可能性が高いです。

飼い主がいない時の反応を確認する

飼い主が目の前にいなければ仮病を使う必要がありません。
愛犬が仮病を使っているかもしれないと思ったら、見守りカメラや、スマートフォンのビデオ機能などで飼い主がそばにいないときの様子を観察してみましょう。

他の異常はないか

本当に体調が悪い場合、他の部分にも異常が現れている可能性があります。

  • おしっこやうんちの量・色はいつも通りか
  • 呼吸は乱れていないか
  • 歯茎の色は健康的なピンク色をしているか
  • 食事や水分補給は適切か
  • 脱毛は見られないか

もし、これらの異常が見られたら病気の可能性が高いですので、動物病院を受診しましょう。

まとめ

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愛犬が仮病を使っている場合、飼い主からの愛情やスキンシップが不足している可能性が高いです。愛犬に寂しい思いをさせないよう、普段からしっかりスキンシップを取り、愛情を注いであげてください。

仮病か本当の病気かを区別するのは獣医師でもとても難しく、検査結果に異常はなくても、病気の一歩手前の状態である可能性もあります。症状が悪化したり、再発したなどがあれば、必ず獣医師に相談するようにしましょう。

足裏の脱毛には注意!うさぎのソアホックの原因と予防方法とは

うさぎに多いと言われる病気である「ソアホック」。足裏の毛が抜けることで、皮膚の炎症を起こしてしまう病気です。
英語でソア(sore)は痛い、ホック(hock)は後脚の関節を意味します。

今回は、ソアホックの症状、原因と予防策についてご紹介します。日頃のちょっとした予防策でリスクを下げることができるため、是非試してあげてください。

ソアホックとは?

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ソアホックとは、うさぎの足裏に起こる皮膚炎のことです。日本語では、飛節びらん、足底潰瘍などと呼ばれることもあります。

ソアホックの症状としては、まず何らかの原因で足の裏、特に踵の部分の被毛が薄くなります。脱毛よって皮膚が露出してしまうと、表面に傷や炎症を起こしやすくなってしまいます。
進行すると足裏が厚く固い白いタコのようになり、赤く炎症を起こしてしまいます。

ソアホックは、後ろ足に発症することが多いです。
直ちに重篤化することはありませんが、炎症による痛みで歩けなくなったり、食欲不振になったりします。悪化すると二次的な病気を引き起こすことがあります。

進行すると治りにくくなるため、早期発見と予防がが大切です。

ソアホックの原因

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うさぎのソアホックは、日常的に足への負担がかかってしまうことが主な原因となります。

  • 固い床材
  • 爪が伸びすぎている
  • 運動不足
  • 肥満による体重の負荷
  • スタンピング(足で床を蹴る)を頻繁にする
  • 加齢により、同じ姿勢で長時間足を床につけている

以上の環境や行動が見られる場合は、足に負担がかかっている可能性があります。
うさぎの足には肉球がないため、皮膚が床に直接触れてしまいます。そのため、少しの摩擦でも擦れてしまい毛が抜けやすくなるのです。

そのほかにも、ストレスや遺伝的要因によって足の裏の毛が薄いことも原因として挙げられます。また、水や尿などが足裏にこびりついて、足裏が常に湿っているなど不衛生な状況も良くありません。

日頃から足裏をチェックしよう

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抱っこをしたりブラッシングをしたりなど、普段からうさぎと触れ合っていると、足裏の脱毛に気がつきやすいでしょう。
しかし、抱っこが苦手なうさぎだと、歩けなくなるまで気がつかない場合もあります。

換毛期など毛が生え変わる時期は特にデリケートになるため、普段からうさぎの足裏を意識してみてください。

ソアホック予防のためにできること

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ソアホックを予防するために、飼い主さんができることをご紹介します。

1. 足に負担のかからない床材

ケージや散歩するお部屋の床材は、足に負担のかからないものを選びましょう。
固い床やフローリングなどの滑りやすい床は、ウサギの足には負担になります。

爪を引っ掛けにくい毛足の短い、適度に弾力がある、滑りにくく摩擦が起こりにくいマットが適しています。

2. 定期的に爪切りをする

爪が伸びすぎてしまうと、かかとに体重が乗ってしまい足に負担がかかります。
そのほかにも、カーペットに爪が引っかかりやすくなり折れる原因になってしまいます。

日頃からうさぎの爪の長さを確認し、切ってあげましょう。暴れてしまってうまく切れない場合は、動物病院等で切ってもらうことをおすすめします。

3. うさぎの足を綺麗に保つ

ケージの中でうさぎが水皿をひっくり返してしまったり、尿が散乱してしまったりすることがあるでしょう。
足裏が湿って不衛生な状態が続くと、皮膚の炎症により脱毛が起こりやすくなります。
こまめにケージの床を掃除し、ウサギの足裏を綺麗に保ちましょう。

4. 肥満予防

体重が増えると足の負担も増加します。適切な体重管理はうさぎの健康につながります。
年齢ごとに食事を見直し、おやつのあげすぎには注意しましょう。

5. うさぎにストレスを与えない

うさぎはストレスに敏感な動物です。
うさぎはストレスを感じた時、後ろ足で力強く床を蹴るスタンピングをすることがあります。
特に固い床の上で頻繁にスタンピングをすると足裏に良くないため、ストレスとなる要因をなるべく取り除いてあげましょう。

部屋の中をお散歩させて運動させる、しっかり遊んであげる、大きな音を立てないなどの対策をし、ストレスフリーな環境を作ってあげることが大切です。

まとめ

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ソアホックは、足の負担による脱毛が原因の病気です。
うさぎがかかりやすい病気の一つで、悪化すると歩けなくなることがあります。そのため、予防と早期発見が重要になります。

負担の少ない床材を選ぶ、定期的に爪を切る、足を綺麗に保つなどの日頃の予防策をしっかり行い、日頃から足の裏の状態チェックをしてあげましょう。
少しでも脱毛や赤みが見られたら、動物病院に相談することをおすすめします。

犬のまばたきが少ないのはなぜ?多い場合は病気・怪我の可能性も!

犬の目を見つめていると、「まばたきが少ないな」と感じたことがあるかもしれません。

犬のまばたきが人間よりも少ないのは正常で、それにはちゃんとした理由があります。また、犬のまばたきが通常よりも多い場合は、犬が飼い主さんに何かを伝えていたり、病気や怪我をしていることが考えられます。

今回の記事では、犬のまばたきについて考えます。

犬のまばたきが少ない理由

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犬のまばたきの回数が人間に比べて少ない理由は、目の構造の違いにあります。
人間の目には、「上まぶた」「下まぶた」がありますが、犬の目にはそれに加えて「瞬膜(しゅんまく)」という第3のまぶたがあります。

瞬膜は見える?

犬の目をよく見てみると、端の方に少しだけ白い膜があるのがわかるかもしれません。
あるいは、犬が寝ているときに白目になっていることがあるかと思いますが、実はそれは白目がむき出しなのではなく、瞬膜が閉じているのです。

この白い膜が「瞬膜」の正体で、犬や猫の目に存在します。

上まぶたや下まぶたは通常上下に移動しますが、瞬膜は水平方向に移動します。

瞬膜の役割

そもそもまぶたは、涙を目に行きわたらせて目の乾燥を防いだり、目の中にゴミが入るのを防いだりする役割があります。

瞬膜は、涙の約30%を作り出す働きがあると言われているため、それがあることでまばたきの回数が少なくて済むのです。

犬のまばたきが多い理由

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人間に比べてまばたきが少ないとはいえ、犬がまばたきをするのは正常です。
では、いつもよりもまばたきの回数が多いと感じる場合、犬はどのような状態なのでしょうか?

1. 目にゴミが入った

人間も、目にゴミが入ればまばたきをして排出しようとしますよね。
犬でも同じように、目に入ったゴミを出すために一時的にまばたきを多くすることがあります。
この場合は通常、すぐにまばたきはしなくなります。

2. まぶしい

光がまぶしいと感じると、目を細めるようにしてまばたきをすることがあります。
まぶしくないところに移動してまばたきが止めば、心配する必要はありません。

3. 敵意がないサイン

他の犬や飼い主さんと目があったときに、視線を逸らしたりまばたきをするのは、相手に対して敵意がないサインです。
犬と目があってまばたきをされたら、ゆっくりとまばたきを仕返して優しく撫でてあげましょう。

4. 緊張・退屈を感じてる

緊張していたり、退屈しているとまばたきをすることがあります。
また、いたずらをした後や粗相をした後にまばたきをする場合は、「バツが悪い」「あまり怒らないでほしい」と思っている可能性があります。

5. 目の病気・怪我

まばたきの回数が慢性的に多かったり、片目だけパチパチとしている場合は、ドライアイや角膜炎などの目の病気にかかっていたり、怪我をしているかもしれません。

特に、次のような症状が伴っているのなら、病気や怪我の可能性が高いと考えられます。なるべく早めに動物病院に連れて行きましょう。

  • 目を盛んに気にする、痛がる。
  • 涙が多い、涙やけをしている。
  • 目やにが出ている。
  • 目が充血している。
  • 目が白っぽくなっている。
  • 目をこする、掻く。
  • つまずいたり、ものにぶつかったりする。

考えられる目の病気

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では、犬のまばたきが多い場合、どのような病気が疑われるのでしょうか。

角膜びらん・角膜潰瘍

角膜が何らかの原因で損傷を受け、上皮が欠損した状態が「角膜びらん」、上皮を失った状態が「角膜潰瘍」です。
シャンプーやドライヤー、目に異物が入るなど、外的な刺激による細菌感染が原因となります。

【症状】
目やに・涙が出る、よくまぶしがる、眼瞼痙攣、角膜が赤または白っぽくなる

乾性角結膜炎(ドライアイ)

涙の分泌量が減って眼が乾燥すると、角膜や結膜に炎症が起こります。
シーズーやパグなど、目が飛び出ている犬種に多く見られる病気です。

なお、呼び名は「ドライアイ」ですが、人間のドライアイとは症状は異なります。

【症状】
粘り気のある目やにが出る、白目が充血する、角膜の色素沈着

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

いわゆる「ものもらい」です。涙を作り出す分泌腺が細菌に感染して起こる病気です。

【症状】
まぶたの腫れ、痛み

進行性網膜萎縮

遺伝性の疾患で、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエル、ラブラドールレトリーバー、プードルなどに多く見られます。

【症状】
両眼に異常が起きる。初めは暗いところで目が見えにくくなり、最終的には失明する。

緑内障

眼内を満たしている「房水」が滞り、眼の内部の圧力が上昇することで起こる病気です。
柴犬、シーズー、コッカースパニエルなどによく見られます。

【症状】
充血、まぶしがる、瞳孔散大、激しい痛みによる元気消失

白内障

「水晶体」と呼ばれる眼の中の透明なレンズが白く濁る病気です。
遺伝、年齢、糖尿病、薬物、外傷など、様々な原因があり、犬にとって決して珍しい疾患ではありません。

【症状】
目が白く濁る、つまずいたりものにぶつかりやすくなる

ぶどう膜炎

脈略膜、虹彩、毛様体を合わせて「ぶどう膜」と呼びます。
感染症や免疫・代謝・血液疾患、外傷、潰瘍など、眼に関わる他の疾患に関連して起こることもありますが、原因がわからない場合も多いです。

【症状】
涙が出る、まぶしがる、眼瞼けいれん、充血

まとめ

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犬のまばたきは通常、人間よりも少ないですが、様々な要因でまばたきが多くなることがあります。
一時的なものであれば心配する必要はありませんが、慢性的な場合、何らかの病気や怪我を抱えている可能性があります。

異変に気付いたら、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。

愛犬の呼吸が速いけど大丈夫?正常な呼吸数と考えられる病気を解説

「なんだか今日の愛犬の呼吸が速い…」と感じることはないでしょうか?
特に理由がないのにも関わらず呼吸が速い場合は、何かしらの病気が隠れていることがあります。

呼吸数はどこまでが正常でどこからが注意が必要なのか、知っておくことで愛犬の体調悪化の目安にすることができます。

今回は、犬の正常な呼吸数と呼吸が速い際に考えられる病気について、ご紹介します。

犬の正常な呼吸数

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犬の正常な呼吸回数は以下の通りです。

犬の正常な1分間の呼吸数(安静時)
・小型犬:25回前後
・大型犬:15回前後

大型犬は小型犬より少なめで、子犬の場合は上記の回数よりも数回が多くなります。
また、フレンチブルドッグ、パグ、チワワなどの短頭種は、鼻孔や気管が狭いため呼吸の回数が多いです。
運動後、緊張時、暑い時などは上記よりも呼吸の回数が増えますし、特に夏場は体温調節のために少し呼吸が速くなることがあります。

このように犬種や状況によって正常な呼吸数は変化しますが、1つの目安として平常時の呼吸数が30回を超える場合は、呼吸が早くなっていると考えても良いでしょう。

犬の呼吸数の測り方

寝ている間やリラックスしている間など、安静時の1分間の胸の上下運動の回数を測ります。食後や運動後は避けましょう。

胸の上下運動が分かりづらい場合は、鼻先にティッシュペーパーを当てて揺れる回数、または、鼻先に鏡を当てて曇る回数を数える方法もあります。

正確な値を得るためにも、最低30秒の回数をもとに1分間の呼吸数を出してください。

TPRって知っていますか?

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動物の体温・心拍数・呼吸数のことをTPRと呼びます。Temperature(体温)、Pulse(脈拍)、Respiration(呼吸)のそれぞれの頭文字を取っています。
獣医師は体の異常の有無を判断する際、この3つの数値を考慮することが多いです。

飼い主さんが愛犬のTPR値を知っておくことで、異変に気付きやすくなります。
先ほど呼吸数についてはご説明したので、以下では、犬の体温と心拍数の目安もご紹介します。

・体温 小型犬:38.5〜39.0℃、大型犬で:7.5~38.5℃ 
(子犬はこれよりもやや高く、老犬はやや低くなる傾向があります)

・心拍数 小型犬:60~80回、大型犬:40~50回ほど 
(子犬の場合は成犬の2倍ほどあります)

呼吸が速い時に考えられる病気

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犬の呼吸が荒い際に、考えられる病気はたくさんあります。以下では、その中から5つをご紹介します。

気管支炎

ウイルス、寄生虫、ハウスダスト、タバコなどの化学物質、誤飲などが原因で起こる気管支の炎症です。咳や食欲不振が見られ、悪化すると呼吸困難が見られます。
ウイルスが原因の場合は、ワクチンによる予防が可能です。

気管虚脱

気管や気管支が潰れ、呼吸ができなくなる病気です。遺伝や肥満、加齢が原因と考えられており、中高齢犬や小型犬に多く見られます。
興奮後や首輪の状態で引っ張った際などに、ガーガーという喉鳴りが見られ、悪化すると呼吸困難やチアノーゼになります。

肺炎

主にウイルスや細菌感染によって肺胞やその周辺に炎症が起こる病気です。
咳、鼻水、震えなどの症状が見られ、悪化すると呼吸困難を起こし命に関わることがあります。

僧帽弁閉鎖不全症

犬の心臓病で非常に多くみられるのが僧帽弁閉鎖不全症です。心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が閉じることができなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
シニアの小型犬に多く発症するといわれています。

早期は無症状で、進行すると運動時などの咳、さらに進行すると疲れやすい、痩せる、呼吸困難などを起こし、命に関わることがあります。

熱中症

熱中症とは、体温上昇に伴い、脱水症状やさまざまな臓器の障害、脳や体内組織の酸欠などを引き起こされる病気です。
口を開けたまま苦しそうに速い呼吸をする、吐き気や下痢、元気消失などの症状が見られます。

こんな場合は動物病院を受診しましょう

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運動後や暑いなどの理由がないのにも関わらず呼吸が正常値より速いときは、動物病院へ連れていくことをおすすめします。
また、呼吸数が正常値でも以下の様子が見られる場合は、動物病院へ相談しましょう。

  • 上を向いて呼吸をしている
  • 伏せることができない
  • 深い呼吸が続く
  • 咳が続く
  • 舌の色が青い・白い

まとめ

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犬の呼吸数の正常値や計測方法は、知っていて損はないため把握しておくと良いでしょう。

犬の呼吸が速いときに考えられる病気は、呼吸器官や心臓など重大な病気に繋がっている可能性があります。
少しでも違和感を感じたら動物病院に相談することをおすすめします。

日頃から愛犬の健康管理をするためにも、呼吸の観察を気にしてみてくださいね。

犬の鼻が濡れているのは健康の証?乾いてしまう原因も解説

「犬の鼻が濡れているのは健康な証拠」とよく言われますが、なぜ犬の鼻は濡れているか、濡れていることでどのようなメリットがあるかを知っていますか?

本当に犬の鼻が濡れていれば健康で、乾いているのは良くないことなのでしょうか。

この記事では、犬の鼻が濡れている理由と、乾いている場合の原因と対策についてご紹介します。

どうして濡れているの?

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犬の鼻の奥には、外側鼻腺という分泌腺があります。ここから出た分泌物が、涙腺から出てきた水分と合わさり、鼻を濡らしています。

勘違いしてしまいがちですが、犬の鼻を濡らしている成分は人間でいう鼻水とは異なり、どちらかというと涙と汗が混じったものです。

また、自分で鼻をペロッと舐めて湿り気を保つこともあります。

犬の鼻が濡れることで得られる2つのメリット

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では、犬の鼻が常に濡れているとどのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。

1. 匂いを感じ取りやすくする

犬の鼻の表面には「鼻鏡(びきょう)」と呼ばれる細かい溝がたくさんあります。ここに水分があると、匂いの分子が吸着しやすくなり、嗅覚の感度が高まります

逆に言えば、鼻が乾燥していると嗅覚が鈍くなってしまうということ。視覚よりも嗅覚を頼りに生活している犬にとっては、鼻が濡れているということはとても重要なことなのです。

2. 体温調節

犬には汗をかく汗腺がほとんどなく、体温が高いときには「ハァハァ」と呼吸するパンティングによって体温を調節しています。

それに加えて、鼻が濡れていることで、気化熱を利用して体の熱を放出し、体温を下げる役割があります。犬の鼻に触れるとヒンヤリと感じるのは、このためなのです。

濡れすぎは病気かも

すでにお伝えしている通り、犬の鼻が濡れているのは健康である証拠なので、何かの病気なのではないかと心配する必要はありません。

しかし、血が混ざっていたり、黄色や白、緑などの色が付いている場合は、感染症や炎症を起こしている場合もありますので、注意が必要です。

犬の鼻が乾く4つの原因

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犬の鼻が乾く原因は複数あり、鼻が乾いているからといって必ずしも体調が悪いというわけではありません。まずは、愛犬の様子をよく観察し、食欲や元気がなかったり、下痢をしていたりしたら獣医師に相談しましょう

ここでは、犬の鼻が乾く原因について解説していきます。

1. 体に異常がある

犬の鼻が乾いている場合は、体に何らかの異常が起こっている可能性があります。主に考えられるのは以下の通りです。

皮膚疾患

犬の鼻は皮膚疾患により乾くことがあります。
この場合、かゆみを伴ったり、ヒビ割れが起こったりします。

脱水

熱中症や腎不全などにより脱水が起こった場合も、鼻が乾燥することがあります。
脱水が疑われる場合はすぐに水を与え、動物病院へ連れて行きましょう。

アレルギー

犬がアレルギーを起こすと、分泌物が減少し、鼻が乾燥することがあります。
ハウスダストや花粉など、アレルギー反応を引き起こすものは、なるべく犬に触れさせないように気をつけましょう。

2. 日焼け

鼻が乾燥し、赤くなったり皮がむけたりしている場合は、日焼けが考えられます。
鼻がピンクなど淡い色の犬は日焼けしやすいため、夏場は特に注意しましょう。

3. 老化

歳をとると分泌物の量が減少し、鼻が乾燥しやすくなります。
老化が原因で鼻が乾燥してしまっている場合は特に問題はありません。

後述する犬用の保湿クリームを塗ってあげても良いでしょう。

4. 睡眠中

睡眠中は嗅覚を研ぎすます必要がなく、鼻を舐めることもあまりないため、乾きやすくなります。この場合も特に問題はありません。

また、犬が何かに夢中になっていると、鼻を舐めるのを忘れて乾燥してしまうこともあります。

人間用の保湿クリームはNG!

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愛犬の鼻が乾燥によりカサカサしているから、保湿クリームを塗ってあげたいと考える人もいるでしょう。その際、犬用の保湿クリームであれば問題ありません

しかし、人間用のクリームは絶対につけてはいけません。人間用のクリームには、犬にとって有害な物質が含まれていることもあります。鼻につけたクリームはすぐに舐めてしまうことが多いので注意しましょう。

愛犬の鼻の乾燥が気になるようであれば、まずは獣医さんに相談することをおすすめします。

まとめ

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犬の鼻は健康のバロメーターでもあります。愛犬の健康状態を知るためにも、普段から犬の鼻の様子を確認するようにしましょう。

犬の鼻が乾いていても健康上問題がない場合が多いです。しかし、食欲や元気がない、鼻が乾燥してカサカサになってしまっている場合は獣医師に診てもらうことをおすすめします。

愛犬とのスキンシップを行う中で、鼻の様子のチェックも取り入れてみてください。

【犬図鑑】柴犬のルーツや性格、飼い方のポイントを解説!

日本を代表する犬種である「柴犬」は、日本ではもちろん、今や世界中で人気となっています。

犬好きなら、柴犬を飼いたいと思ったことのある方も多いことでしょう。

そんな柴犬ですが、家族の一員として上手に付き合っていくためには、性格や飼い方のポイント、かかりやすい病気などをきちんと把握しておくことが重要です。今回の記事では、柴犬を飼う上で知っておきたいことを詳しくご紹介します。

柴犬の歴史

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日本古来の地犬(土着犬)である柴犬の祖先は、アナグマやウサギ、鳥などの小動物の狩猟を手伝う猟犬でした。

柴犬の「シバ」は、もともと「小さなもの」「小さな犬」を意味し、日本犬の中では小型犬に分類されています。

柴犬のルーツは島根県?

明治時代に入ると、イギリスから日本に持ち込まれた西洋犬との交配が進み、純粋な日本犬の頭数は急激に減少します。それを受けて、日本各地で日本犬を保存する動きが高まり、1928年には日本犬保存会が設立されました。

そんな中、島根県の山間部にいた「石(いし)」という名前の石州犬が、犬の愛好家によって東京に連れてこられ、1936年の日本犬保存会展覧会で入賞。同年、保存会の創始者によって「柴犬」という犬種名が生まれ、国の天然記念物にも指定されました。

その後、繁殖、改良を経て現在の柴犬に至ります。現在の柴犬は、みんなこの「石」の血を受け継いでいると考えられています。

「豆柴」 について

成犬になってもサイズが小さい柴犬を「豆柴」と呼ぶことがありますが、日本犬保存会もジャパンケネルクラブ(JKC)も、豆柴という犬種は認定していません。

豆柴を育てるために、柴犬の中でも小さい犬同士の交配を繰り返したり、ごはんを少なめにして育てるといった行動は、犬の健康を害する恐れがあるため、あまり望ましいとは言えません。また、「豆柴」として売られていても、成長してみたら大きくなってしまったケースも少なくありません

「柴犬が好きだけど、家が小さいから豆柴しか飼えない」といった理由で豆柴の購入を検討するのは危険だということを覚えておきましょう。

柴犬の身体の特徴

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身体の大きさ

柴犬の体高は、オスで39.5cm前後、メスで36.5cm前後と定められています。
体重はおおよそ10kgになります。

日本犬の中では小型犬に分類されていますが、現代の日本にはもっと小さい洋犬がたくさんいるため、一般的には中型犬に位置付けられることが多いです。

骨格はしっかりしていて、筋肉が発達したがっしり体型です。

被毛の色

JKCに登録されている柴犬の被毛の色は、赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻です。
また、すべての色に「裏白」という白色の毛が入ります。

山間部で狩猟をしていた頃には目立たない色が多かったようですが、現在では全体が白色の柴犬も人気があります。

柴犬の性格

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飼い主に忠実だが警戒心は強い

狩猟犬だったこともあり、賢くて勇敢、飼い主に対してはとても忠実です。一方で、見知らぬ人に対しては警戒心が強いため、近寄られると吠えてしまうこともあります。

子犬の頃から、知らない人や犬と適度に触れ合わせておくことが大切です。友達に遊びにきてもらって、おやつをあげたりしてもらうと良いでしょう。

適度な距離が大切

もともと屋外や半屋外で飼育されていたため、独立心があり、飼い主とも適度な距離を必要とします。
飼い主に甘えたがる性格ではありますが、常にべったりとくっついていたいタイプではなく、抱っこで体を拘束されるのを嫌がる場合も多いようです。
 
もちろん個体差はありますが、小型の洋犬と比べると、少しツンデレで猫のような性格だと言われることもあります。

柴犬の飼い方の3つのポイント

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1. 無駄吠えは少ないけど・・・

庭で飼われている柴犬は、縄張り防衛の本能から通行人に吠えることが多かったのですが、最近では室内で飼われることが増えたため、そういった場合は吠え癖はあまり気にならなくなってきたようです。

ただし、室内で窓越しに吠えてしまうこともあるので、子犬の頃の社会化のほか、カーテンをかけるなどの環境づくりも有効です。

また、「ごはんが食べたい!」「散歩に行きたい!」といった要求吠えの場合は、要求に応え続けてしまうと吠え癖がついてしまいます。つい反応してしまいたくなる気持ちは分かりますが、我慢して無視を貫けば、どこかのタイミングで吠えなくなります。

2. 赤ちゃんに攻撃的になることがある

「人間の赤ちゃんが嫌い」ということでは決してありませんが、以下のようなときなどに攻撃的になることがあります。

  • 赤ちゃんがパーソナルスペースに入り込みすぎる
  • おもちゃや食べ物を取られそうになる

これらはどの犬にも当てはまることですので、きちんとしつけをして、慣らしておく必要があります。小さいうちからいろいろな人と触れ合わせておき、人間に対する警戒心を和らげることが大切です。また、赤ちゃんと触れ合わせる際は、犬と赤ちゃんだけにせず、必ずそばで見守りましょう。

赤ちゃんだけでなく、犬にもしっかり愛情を注いであげることも忘れないでください。

3. 運動量はそれなりに多い

レトリーバーなどの大型犬ほどではありませんが、柴犬もそれなりの運動量を必要とします。具体的には、朝晩に1回ずつ、それぞれ30分の散歩に行くのが理想的です。

体重5kg以下の超小型犬に比べてリードを引っ張る力も強いので、散歩中はある程度力のある大人がリードを持つようにしましょう。

柴犬がかかりやすい病気

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膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨(膝の皿)が、正常な位置から外れてしまう病気で、小型犬に多く見られます。生まれつきの場合と、転落や打撲などによる場合があります。

足を引きずるなどの行動が見られたら、早めに動物病院に連れて行くことが重要です。

予防するには
・日頃から体重をしっかり管理して肥満を防ぐ
・フローリングにはマットを敷くなどして滑りにくくする
・ソファには犬用の階段を取り付けて段差を小さくする

アトピー性皮膚炎

ハウスダストや花粉、ダニ、食べ物などのアレルゲンが原因で起きる皮膚炎です。特に、指間、手首、足首、脇下、マズル、目の周り、お腹、肛門周辺に発症しやすいとされます。

体を痒そうにしていたら、早めに獣医師に相談しましょう。

予防するには
・こまめに部屋を掃除する
・シャンプーをするなどして、清潔さを保つ

まとめ

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今回は、大人気の日本犬「柴犬」について、歴史や特徴、飼い方をご紹介しました。

柴犬は、飼い主さんに忠実でよく懐きますが、パーソナルスペースを大事にするので、飼い主さんがベタベタしすぎると嫌がることもあります。愛犬の性格を見極めながら適度な距離感を保ちつつ、たくさん愛情を注いであげましょう。

また、知らない人に対する警戒心を解くため、小さいうちに家族以外の人と触れ合わせておくと良いです。

それなりにサイズもあるため、しつけを間違うと初心者には少し厄介な犬種かもしれませんが、性格や飼い方のポイントをきちんと理解できれば、初心者でも上手に飼える犬種だと考えて良いでしょう。

ロシアンブルーでも病気にかかる!リスクを減らす飼い方のポイント

グレーのきれいな毛並みとエメラルドグリーンの瞳が特徴の、ロシアンブルー。

筆者の動物病院にも連れて来られることが多い猫種で、きちんと手入れがされているロシアンブルーは、「カッコイイ」、「上品」という印象が強いです。

そんなロシアンブルーですが、猫種特有のかかりやすい病気はあるのでしょうか?

今回は、ロシアンブルーの好発疾患と、飼育環境の注意点を、獣医師が詳しく解説します。

ロシアンブルーの好発疾患?

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猫には、その品種によって遺伝的にかかりやすい病気があります。それは、人間がその猫種を作出する際に近親交配を続けたことによります。

しかし、ロシアンブルーには、猫種で特徴的な遺伝性疾患が存在しません。その意味で、ロシアンブルーは非常に優秀な猫種だと言えます。

ロシアンブルーは病気に強い?

ロシアンブルーには遺伝的に発生しやすい疾患はありませんが、生き物である以上、病気にならないというわけではありません。

他の猫種と比較して特別に免疫力が強いわけでもなければ、内臓が際立って丈夫なわけでもないのです。
他の猫達と同様に、病気の基礎知識を理解しておくことで、早期発見・早期治療につなげましょう。

ロシアンブルーの飼い主さんが知っておきたい病気

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慢性膵炎(すいえん)

【症状】
元気消失、食欲不振、間欠的な嘔吐、体重減少など。
時に下痢、脱水、黄疸などが見られることも。
【原因】
急性膵炎の反復、または膵臓が長期にわたり糖尿病や他の疾患の影響を受け続けることによる。
【備考】
猫の膵炎は、胆管炎、胆管肝炎、肝リピドーシス、炎症性腸疾患との併発が多い。
また、トキソプラズマ感染症やヘルペスウイルス感染症によっても膵炎が誘発される。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、体重減少、削痩、嘔吐、脱水、下痢、便秘、低体温など。
【原因】
猫は元々インスリンの分泌が少なく、アミノ酸からグルコースを作り出す代謝系が活発。
肥満、ストレス、感染症など、血糖値が上昇する因子、血糖値を下げられない因子が関わると糖尿病になりやすい。
【備考】
猫では糖尿病による神経障害が起こることが知られており、末期には腎不全が発症する。

慢性腎不全

【症状】
多飲多尿、尿色が薄くなる、食欲減少、体重減少、嘔吐、下痢、口内炎など。
【原因】
慢性的に加えられた腎臓への負担(傷害)を修復する過程で線維化が進行することで発症する。
【備考】
慢性腎不全は貧血や尿毒症を引き起こす。

骨折

【症状】
患肢の痛み、挙上など。
【原因】
外からの物理的な衝撃。
【備考】
家具の隙間に足を挟む、ドアに尻尾を挟むなどには注意。

甲状腺機能亢進症

【症状】
体重減少、脱毛、多食、嘔吐、多飲多尿、活動の亢進、攻撃性の増加など。
【原因】
ホルモン分泌能を有した甲状腺の片側性または両側性の過形成または腺腫。
【備考】
甲状腺癌によるものは全体の1~2%と少ない。

ロシアンブルーを飼う際のポイント

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生き物ですから、気をつけていても病気が発生してしまうのは仕方のないことです。
しかし、病気によっては、日常生活を見直すことで発生のリスクを低下させられるものもあります。

1. 尿量の把握

ロシアンブルーに限らず、猫で最も注意したいのが腎臓病です。

猫は、人間や他の動物と比較して濃い尿を排泄します。
その濃い尿を作るために、腎臓には大きな負担がかかっている状態で、腎臓に対するケアを怠ると、加齢とともに腎臓病の症状が現れます。

腎臓の異変は外見では分かりませんが、尿量が増えた、尿が薄くなった、水をたくさん飲むようになったなどは、腎臓病のサインかもしれません。
毎日の排泄物を処理する際に、少しだけ気をつけてみてください。

2. 飲水量の把握

愛猫が一日にどのくらいの量の水を飲むのかは、腎臓病や甲状腺機能亢進症を発見する上で非常に重要です。

しかし、蒸発や、水飲み皿をひっくり返すなどによって正確な飲水量を計測するのは本当に難しいことです。
それでも、皿にどのくらい水を入れて、何時にどのくらい減っていたかを記録していくことによって、飲水量の増減のおおよその判断はつくと思います。

毎日の記録は大変ですが、できる範囲で構いませんので、日常の健康チェックを行いましょう。メモリ付きの容器を使うと便利です。

3. 若い頃の運動量は多め

ロシアンブルーは筋肉質で、他の猫種と比べると少しだけ必要な運動量が多い猫種です。
特に若いうちは、運動不足によるストレスから病気になることもあるため、注意が必要です。

遊んであげる時間を作る、猫が一人でも遊べる工夫をする、キャットタワーを設置するなど、考えてあげましょう。
もちろんその際に、小さなオモチャを飲み込んでしまう、高いところから落ちてケガをするなどがないように気をつけてあげましょう。

4. 定期的な健康診断を

例え病気を疑うような明らかな症状がなくても、安心ではありません。

猫は本能的に、自分が弱っている姿を隠す傾向にあります。つまり、食欲不振などの症状が現れた時には、すでに病気は進行してしまっていることが多いのです。

そこで、若いうちは1年に1度シニア(7歳以上)では半年に1度の健康診断をオススメします。
「何もないから病院には行かない」のではなく、「何かあるかもしれないから行く」という意識を持てば、病気の早期発見に繋がります。

ただし、動物病院が極度に嫌いな子もいますので、その子の性格に合わせた健康管理プログラムを獣医師と相談することが重要です。

まとめ

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ロシアンブルーは、性格の穏やかな子が多く、猫種特有の好発疾患もないため、飼いやすい猫種です。

大切な家族の一員であるという意識を忘れずに、病気にしない生活や、万が一病気になってしまった時にすぐに適切な対処ができる心構えを持っておきましょう。