ハムスターのしっぽが短い理由。しっぽで気持ちや病気も分かる⁉︎
ハムスターのしっぽといえば、とても短くて丸っこいイメージがあるでしょう。
ハムスターの仲間であるネズミは長いしっぽを持っているのに、ハムスターのしっぽはなぜ短いのでしょうか?
今回の記事では、ハムスターのしっぽが短い理由や、短いしっぽの役割についてご紹介します。しっぽを立てているときのハムスターの気持ちや、しっぽが濡れているときの病気の危険性などについても解説しているので、ぜひ最後までご一読ください。
ハムスターのしっぽはなぜ短い?
ネズミのしっぽが長い理由
なぜハムスターの仲間であるネズミは長いしっぽを持っているのでしょうか?
それは、危険を察知したときなどに、高いところに登って行動することが多いからです。
長いしっぽでバランスをとりながら歩いたり、しっぽを木の枝などに巻きつけて落下を防いだりします。
この特徴はネズミ以外にも、木の上で行動することのあるリスなどの多くの動物に共通します。
ハムスターは高いところに登らない
ハムスターの生活圏は地表や地下にあり、高いところには登りません。外敵に襲われそうになったときには、木の上ではなく地下の巣穴に隠れます。
高いところでバランスをとりながら走り回ることはしないため、長いしっぽは必要なく、次第に退化していったと考えられています。
しっぽの長いハムスターもいる
ハムスターの中でも、チャイニーズ・ハムスターは木に登る習性があるため、他のハムスターに比べて長いしっぽを持っています。
上手に身体のバランスをとりながら、飼い主さんの腕によじ登ってくることも多いようです。
ハムスターのしっぽの役割
ハムスターには長いしっぽが必要ないから退化したわけですが、完全になくなったわけではありません。
短いしっぽにも、ちゃんと役割があるのです。
身体のバランスを保つ
ハムスターの短いしっぽにも、立ち上がるときや、走るとき、少しの段差を上り下りするときなどに、身体のバランスを保つ役割があります。
ハムスターをよく観察していると、お尻を振りながら歩いている様子が見られるでしょう。この際、お尻だけでなく、しっぽも微妙に動かして姿勢を保っています。
発情期のサイン(メスのみ)
メスのハムスターのみ、発情すると交尾受け入れのサインとして、しっぽをピンと立て、お尻を少し持ち上げる行動を取ります。
「ピンと立てる」と言っても、大型ハムスターのしっぽでも1cmほどしかないため、人間には少し分かりにくいかもしれません。
警戒するとしっぽが立つ!
先述した通り、メスのハムスターは発情のサインとしてしっぽをピンと立てることがあります。ただし、しっぽを立てているからと言って、必ずしも発情しているとは限りません。
周囲の音に集中している
オス・メスどちらとも、周囲を警戒した際にもしっぽをピンと立てる傾向にあります。このとき、後ろ足だけで立ち上がったり、しっぽだけでなく耳もピンと立ててフリーズしたりもします。
こうした行動は、周囲の音を集中して聞くためのもので、住環境が変わったときや、知らない人がきたとき、普段聞かない音がしたときなどによく見られます。
慢性的な場合は飼育環境の見直しを
しっぽを立てるなどの警戒行動が一時的である場合は、そっとしておけば元に戻るためあまり問題ありません。
しかし、常に警戒しているのなら、飼育環境は不適切であると考えられます。今一度、飼育環境を見直しましょう。
- ハムスターのケージの近くに、テレビやラジオなど音のでる機械を置かない。
- ハムスターのケージのそばで、大声で会話をしない。
- ケージのそばでなくても、急に大声を出したり、怒鳴ったりしない。
- ハムスター以外のペットを飼っている場合は、ハムスターの視界に入らないよう部屋を分ける。
- 木箱の巣穴など、ハムスターが隠れられる環境を整える。
しっぽが濡れていたら病気のサイン!
「ウェットテイル」は危険
水様性の下痢が続くと、下痢便や腸からの分泌物によって、肛門のあたりやしっぽが常に濡れた状態になります。この状態を、「ウェットテイル」といいます。
ハムスターではよくみられる病気のサインで、重篤化しやすく、命に関わることもあります。
しっぽが濡れていたら、すぐに動物病院へ
人間にとって下痢はそこまで大した症状でないように思えますが、ハムスターにとっては非常に深刻です。
下痢が続けば命を落とすことも珍しくないため、日頃から排便やしっぽの状態を観察し、下痢やウェットテイルを発見したらすぐに動物病院に連れて行きましょう。
まとめ
今回は、ハムスターのしっぽについて、短い理由や役割のほか、ピンと立っているときの気持ちや、ウェットテイルが病気のサインになることなどをご紹介しました。
あまり使わないために退化したしっぽですが、じっくりと観察をすることでいろいろな情報を得られます。
しっぽは触られて嬉しい部位ではないため、なるべく掴んだりいじったりせず、くれぐれも程よい距離で観察してあげてくださいね。
猫が気分屋・ツンデレなのはなぜ?5つの理由をご紹介!
猫の性格といえば、「気分屋」で「ツンデレ」だというイメージを持つ方が多いでしょう。
さっきまで甘えていたのに、急にツンとした冷たい態度に変わってしまうことも。
では、猫が気分屋でツンデレな性格をしているのには、どのような理由があるのでしょうか?
今回の記事では、猫の性格を形成した野生生活の特徴や、気分に影響を与えている様々な要因をご紹介します。
猫は気分屋でツンデレ?
猫が「気分屋」「ツンデレ」と言われる理由は、時によって飼い主さんへの対応が異なる猫が多いからです。
例えば、ある時は飼い主さんの呼びかけに「ニャー」と鳴いて返事をするのに、別の日に呼ぶと完全無視を食らったりします。
また、ついさっきまで喉を鳴らして甘えていた猫が、急にどこかへ行ってしまったり、爪を出して威嚇してくることもあります。
甘えたり突き放したり、態度がコロコロ変わることから「気分屋」「ツンデレ」と言われるのですね。
猫によって差はある
もちろん、ツンデレ度合いは猫によって異なります。
常に甘えん坊の「デレデレ猫」もいれば、ほとんど人間に懐かない「ツンツン猫」もいます。
猫種による性格の違いもある程度ありますし、生まれ持った性格や経験によっても変わってくるでしょう。
「餌をくれる飼い主には甘える」など、人間によっても態度が違う場合もあるようです。
理由① 猫は、周りの目を気にしない生き物
猫は基本、単独行動
地域内に存在する「ボス猫」には、縄張りへの侵入者を排除したり、縄張り内でのいざこざを治めて秩序を保ったりする役割があります。
一方、狩りなどの日常生活は基本、各自が単独で行います。
群れの固い結束や狩りを主導するリーダーを必要とせず、猫はいつも自分の行動を自分で決めます。
そのため、周りの目を気にして媚びたりする必要もありません。
飼い主の目も気にしない
周りの目を気にする習性を持たないため、自分の行動によって飼い主さんがどう思おうと、猫にとっては「知ったことではない」のです。
そのため、例えば飼い主さんに名前を呼ばれたとき、返事をしたいと思えばするし、したくないと思えばしません。
猫の飼い主さんは、反応がないと少し悲しいと感じつつも、「我が道をゆく」猫の姿を羨ましく感じるのではないでしょうか。
理由② 優れた感覚器官を持っているから
猫は、動体視力、聴力、嗅覚など、人より優れた感覚器官を持っていて、獲物や縄張りへの侵入者の気配を感じ取れば、すぐに行動を切り替えられます。
人にはわからない微かな物音やにおいも察知できるため、「撫でていたのに、急に走って行ってしまった」という時には、もしかしたら猫は私たちにはわからない何かを感じ取ったのかもしれません。
決して飼い主さんに対してツンツンし始めたなどではなく、猫の意識が何かに向いてしまっただけといえます。
理由③ 時間帯や天気に気分が左右されるから
明け方と夕方に活発になる?
猫は、「薄明薄暮性」といって、夜明けと夕暮れにもっとも活発に行動します。これは、猫の獲物であるネズミや小鳥が行動し始める時間だからです。
季節によっても異なりますが、おおよそAM4時前後とPM6時前後が一番活発に動きたくなる時間帯と言えます。
猫が朝早くから元気よくごはんをねだってきて、昼間は眠そうにまどろんでいることが多いのはこのためです。
天気や気温でも気分が変わる
猫は、雨の日には比較的おとなしくなります。
これは、雨の日には他の動物もあまり動かないため、狩りの成功率が低いからだと考えられます。
また、真夏の暑い日にもおとなしくなり、日陰で体を伸ばして過ごします。
理由④ 発情期のサイクルに影響を受けるから
猫の発情期
猫は寒さに弱いため、できるだけ暖かい時期に出産をします。日本では、2〜4月と6〜8月が発情期のピークです。
なお、季節(日照時間)に応じて発情するのはメス猫だけで、オス猫は発情中のメス猫のフェロモンによって発情します。
発情中のメス猫
メス猫が発情期に入ると、4〜10日間、次のような行動が見られます。
- 飼い主に甘えたがる
- 普段と違うような大きな声で鳴く
- 背中を床にこすり付ける
- 活発になる
- お尻を高く持ち上げる
発情中のオス猫
発情中のメス猫に反応したオス猫は、次のような行動を取ることがあります。
- 普段より落ち着きがなくなる
- 大声で鳴く
- 異常に外に出たがる
- 攻撃的になる
避妊・去勢手術をしても発情行動をするの?
避妊、去勢手術をした場合、していない場合と比べると、かなり発情期特有の行動やストレスが抑えられます。
ただし、避妊・去勢手術済みの猫であっても、他の猫が出す発情期のフェロモンの匂いに反応して活発になったり、ストレス・不安を感じてしまうこともあるようです。
理由⑤ 身体が痛いこともある
猫を撫でている時、触る場所を変えたら急に機嫌が悪くなることがあるかもしれません。
もしかすると、病気や怪我などが原因で触られた場所が痛いと感じている可能性があります。
猫は普段、痛みをあまり表現しないので、触った時に不機嫌になるなどの些細なサインが重要な手がかりになります。
ただし、お腹や尻尾、足先などは単純に触られるのを嫌がる部位でもあります。
同じ部位を触ってなんども不機嫌になることや、その部位を普段から気にするようにする仕草が見られたら、病院に連れて行くことを考えましょう。
まとめ
今回は、猫が気分屋でツンデレな性格をしている理由として、考えられる要因をいくつかご紹介しました。
野生の頃の「単独行動」が一番大きな理由と考えられますが、ほかにも感覚器官の発達や時間、季節、発情期なども猫の気分に影響を与えます。
また、病気や怪我によって身体が痛いために機嫌が悪くなる可能性もあります。
猫の気分が急に変わる理由を考えながら、猫とより充実した生活を送ってくださいね。
猫にも反抗期がある!?その原因や対処法とは
皆さんは、猫にも反抗期があることをご存知でしょうか?実は人間に限らず、猫にも飼い主さんや親、兄弟に対して反抗心が芽生える時期があるのです。
「猫が急に攻撃的になった」「なかなかいうことを聞いてくれなくなった」などの悩みがある場合、それはもしかしたら反抗期かもしれません。
今回は、猫の反抗期について詳しくご紹介します。
猫の反抗期とは
猫の反抗期は、一般的に生後1年までに起こります。これは、猫が自立や発情期を迎えるタイミングで、これまでとはやや異なる行動が見られるようになります。
猫の反抗期は何回かあり、その原因や行動は、人間に対する反抗なのか、親猫や兄弟猫に対する反抗なのかによっても変わってきます。
ここからは、反抗期の猫がどのような行動を取るのか、なぜ反抗するのかを見ていきましょう。
反抗期の猫はどういう反応をするの?
反抗期になった猫はどんな行動を見せるのでしょうか。ここでは、特徴的なものをご紹介します。
親猫や兄弟猫を避け自立する
猫が反抗期を迎える理由の1つに、「自立」があげられます。
生後6週間ごろになると、これまでずっと一緒に過ごしてきた親猫や兄弟猫を避け始めたり、ひとりで過ごす時間が増えたりします。これは、猫の本能的なものであり、自然界で生きていくために、成長とともに自立していくのです。
これまでのように他の猫とじゃれ合うことは減りますが、決して仲が悪いなどではなく、一人前の猫として独立しようとしているのだと理解してあげましょう。
攻撃的になる(警戒心)
猫は反抗期に攻撃的になることがあります。
これは、縄張り意識の強い猫特有のものであり、自身の縄張りを守るために他の猫や人間に対して威嚇をしたり、攻撃を仕掛けたりすることが増えます。
猫の反抗期はいつか終わる
猫の反抗期も成長するにつれてだんだんと落ち着き、ある一定の期間で終わりを迎えます。
そのため、反抗期で暴れ回っていたとしても、しつけのために必要以上に叱ったり、怖がらせたりしないように注意をしてください。
このときに無理をすると、猫が人間を怖がってしまい、いつまでたっても警戒されてしまう可能性があり、まったく逆効果となってしまいます。
社会化ができていないと人間に反抗する?
人間に対する反抗期は、社会化期を過ぎた生後8週間ごろに起きると言われています。
社会化期とは
社会化期とは、生後2〜7週間ごろのことで、猫はこの期間に社会性を身につけます。
この時期の子猫は警戒心が低く、様々な刺激を受け入れやすいとされており、この期間を利用して多くの人間やおもちゃ、水、他の猫などと触れ合わせることで、成猫になった後も苦手意識を持たないように育てることができます。
社会化ができていないと反抗する
社会化期に色々な人や物に触れ合わせないと、社会化期が過ぎた頃に反抗的になってしまう場合があります。
未知のものが多いため、臆病で警戒心が高く、また攻撃的になってしまうのです。
社会化期を過ぎてからでも諦めないで!
社会化がうまくいかずに反抗的になってしまった場合でも、長期的にふれあう時間を設けることで、ゆっくりではありますが警戒を解いてくれるようになります。
環境に慣れてくると猫の性格も安定するので、根気よく続けることが重要です。
社会化ができているのに反抗することも
また、社会化期に触れ合っていたとしても、社会化期が終わる頃に、飼い主さんを避け始めたりする時期があります。
この場合はあくまで一時的なものと考えられるため、またすぐ元に戻ります。必要以上に猫に関心を向けないようにしましょう。
ストレスを感じさせてしまうと、苦手意識を植え付けてしまうこともあります。
猫が攻撃的になるのはストレスの可能性も
猫が攻撃的になるのは、上記のような「反抗期」に限らず、ストレスによる可能性もあります。猫は神経質な動物であり、ストレスを感じて、突如攻撃的になったり、いうことを聞かなくなることもあります。
ここでは、考えられるストレスの原因についてご紹介します。
- 環境の変化:引っ越しや新しい猫のお迎えといった環境の変化
- 騒音:隣人や車の音、生活音と言った大きな音
- 運動不足:室内飼いによる慢性的な運動不足
- 外敵:野良猫や新しい猫の縄張りへの侵入
まとめ
今回は、猫の反抗期についてご紹介しました。
反抗期とは言いますが、決して飼い主さんや他の猫のことを嫌いになったのではなく、あくまで成長の一環として自立するだけということが多いでしょう。
また、社会化期に猫とたくさん触れ合うことで、反抗期を無くしたり、あるいは軽度なものにすることもできます。そのため、できるだけ、子猫との時間を作ってあげるようにしましょう。
反抗期のように見えて、実はストレスが原因という場合も少なくありません。ストレスを抱え過ぎてしまうと、食欲不振や便秘、下痢、脱毛など様々な病気に罹患してしまいます。猫の行動を観察し、できるだけ早くその原因を取り除いてあげることが重要です。
猫が口を開けて目を見開いている…とっても不思議なフレーメン反応を解説します
猫がクンクンとにおいを嗅いでいると思ったら、突然ポカーンと口を開けて目をまん丸にした…。
このような光景、見たことある方はいませんか?実は猫のこの行動、「フレーメン反応」と呼ばれる本能的な反応なんです。
今回の記事では、とっても不思議なこの行動を解説しています。あなたの猫がこのような行動をとる理由についてお伝えします。
フレーメン反応とは?
まずは、フレーメン反応がどのような時、どのようなもので起こるのかを見ていきましょう。
フレーメン反応はどのようにして起こるか
猫の口の中には、フェロモンを感じ取る器官であるヤコブソン器官というものがあります。
フェロモンが混じっているかもしれない臭いを嗅ぎ取ると、口を半開きにして臭いをヤコブソン器官へと取り込み、フェロモンを分析します。これがフレーメン反応です。
猫が口をポカーンと開けてマヌケ(失礼かな?)な顔をするのは、変な臭いを嗅いでびっくりしたからではなく、フェロモンを分析するための反応、「フレーメン反応」だったのです。
他にフレーメン反応を起こす動物もいる
猫に見られがちなこのフレーメン反応ですが、実は他の動物も同じような反応を見せます。
例えば、ウシ、ヒツジ、ウマ、ゾウ、コウモリなどの動物です。残念ながら、ヒトにはヤコブソン器官はありません。
同じフレーメン反応でも、これらの動物全てが猫と同じように口をポカンと開けるわけではありません。トラは口角を上げて下をペロリと出しますし、ウマは唇をまくり上げて笑うようなしぐさを見せます。
フレーメン反応を起こすものとは?
猫はフェロモンに対してフレーメン反応を起こすと先述しましたが、実は他の匂いに対してもフレーメン反応を見せます。
それらの一例としては、まず人間の足や靴下の臭いです。人の足の臭いを嗅いだ猫が口を開けてのけぞるところを映した動画、見たことがある人は多いのではないでしょうか。
また、ほかにもマタタビやキャトニップと呼ばれるハーブ、洗剤や石鹸(せっけん)にも反応しやすいと言われています。
フレーメン反応をする理由
フェロモンを嗅ぎ取るため
猫がフレーメン反応をする理由のひとつめは、フェロモンの微細な粒子を嗅ぎ分けるためです。
猫はオスもメスも、発情期には「性フェロモン」を分泌します。
この時期には、異性に自分のフェロモンを嗅ぎ取ってもらうために、さまざまな場所で排尿したり、異性の性フェロモンを嗅ぎ取るためにお尻に鼻を近づけたりします。
猫はより多くのフェロモンを嗅ぎ取るために、発情期には普段よりも高い頻度でフレーメン反応を起こすことが知られています。
初めての臭いを調べるため
飼い主以外の人や、初めて会った動物などの臭いを嗅いで、フレーメン反応を起こすことがあります。
この場合、性フェロモンを嗅ぎ取ろうとしているのではありません。フレーメン反応を起こして臭いを緻密に分析し、対象が自分にとって害のないものであるかを判断しようとしています。
危険性がないか確かめるため
自分の縄張りの中に今までに嗅いだことのない強烈な臭いがした場合に、それらが安全であるかどうかを確認するためにフレーメン反応をすることがあります。
ヒトも見慣れない植物や毒々しい見た目のものはよく観察し、注意するようにしますが、猫はその対象が危険でないかどうかを臭いを嗅いで詳しく調べます。
縄張りを確認するため
猫は、他の猫に自分の縄張りを主張するためにマーキングを行います。猫が家の中におしっこをかける行為や、ガリガリとツメを研ぐ行為、頰や耳を飼い主にすり寄せる行為も、マーキングの一種です。
他の猫の尿に含まれているフェロモンや、肉球から出たフェロモン、頬から出るフェロモンを嗅ぎ分け、その場所が誰の縄張りであるかを認識するための手段としてフレーメン反応を起こすこともあるのです。
余談
ところで、人間の足の臭いを嗅いでフレーメン反応が起こるのはなぜでしょうか?
猫が飼い主の足の裏の臭いを嗅いだり、靴下の臭いを嗅いだりして口をポカーンと開けて気絶しそうな顔を見せる映像、結構ありますよね。これは、あまりの臭さに気絶しそうになっているわけではありません。
人間の足の裏から分泌される臭いは猫のフェロモンの匂いに似ていると言われており、猫は動物的な本能でチェックしているのだと考えられています。これも上述した理由に該当していますよね。
- マタタビとフレーメン反応
- マタタビに含まれている成分のマタタビラクトン、アクチニジンがヤコブソン器官を刺激すると、猫はクラクラして酩酊状態になってしまうと言われています。猫が酩酊状態になる植物は、マタタビの他にもキャットニップというものがあります。こちらはヤコブソン器官ではなく嗅球と呼ばれる脳の一部で感知しているようです。
まとめ
とっても不思議なあの現象の理由は、フレーメン反応という猫の本能的な反応だったのですね。
フレーメン反応が起こる様子を動画で見かける機会は多いと思いますが、とても面白かったです。実際に猫を飼っている方は、自分の靴下のにおいを嗅がせたこともあるのではないでしょうか?フレーメン反応について知った後にこの行動を見ると、また新しい発見があるかもしれませんね。
猫飼いさんなら知っておきたい。猫の妊娠から出産までの道のり
もし、猫の妊娠から出産までの知識がなければ、猫が妊娠をした際にびっくりして慌ててしまいます。今回は、猫の出産タイムスケジュールを添えて、妊娠から出産までの道のりをご紹介します。
注意
いくら可愛い子だからと言って、自分で繁殖させることはオススメできません。多頭飼育崩壊は、このような無計画な繁殖により、どんどん頭数が増えてしまい、最後は自分では面倒が見きれなくなり、保護活動を行っている方のお世話になっているケースがほとんどです。あくまで知識として、知って頂くための記事であり、繁殖をススメている記事ではないことをご理解ください。
受精
猫は生後6ヶ月から1年で妊娠することができます。つまり、メス猫は生まれて半年でお母さんになることができます。
猫の6ヶ月は、人間の年齢に換算するとおよそ9歳にあたります。すこし早い気がしますよね。
しかし、猫は人間に比べて成熟速度が早いので、生後半年で妊娠することは可能です。
いつまで妊娠できるの?
猫に閉経はないので、シニア猫でも妊娠は可能です。猫の年齢で10歳は人間の年齢の50代後半にあたりますが、それでも妊娠して出産することはできます。
人間の場合、高齢出産となると死産や母体への負担が大きいことは知られていますが、猫は、シニア猫になっても出産できるそうです。
しかし、それでも若い猫に比べるとリスクはあるので、シニア猫になっての出産はさせないほうが良いでしょう。
受精の時期
基本的に猫の妊娠は発情期が重要な役割を果たしています。猫の発情期とは、春と秋の年2回起こる排卵期のことで、交尾して妊娠可能な時期のことです。
発情期に妊娠可能なため、年に2回出産することが可能です。一回の出産でおよそ4匹の子供を産みます。ですから、年間でだいたい8匹の子猫を出産します。
猫の妊娠期間は、約2ヶ月です。受精からおよそ9週間から10週間で出産します。
妊娠初期
猫の妊娠初期は、特に目立った変化が見られないことが多いです。しかし、妊娠の最初の2週間は、吐き気を催し、食欲が落ちることがあります。
普段与えている食事を残すようでしたら、じっくりと観察する必要があります。
妊娠中期
妊娠中期に入ると、食欲不振から一転して、食欲旺盛になり、体重が増え始めます。これは出産する準備を始めたことでもあります。
また中期には、乳首がピンク色に変わり、サイズも大きくなります。これは“ピンキングアップ”と呼ばれる変化のことで、妊娠している母体にしか現れない現象です。
普段は乳首は体毛で隠れていますが、“ピンキングアップ”は乳首が大きく膨らむ現象なので、探さなくても肉眼でわかります。この“ピンキングアップ”が見られたら、妊娠は確実です。
乳首が大きくなるだけでなく、この頃からお腹も大きくなってきます。食欲が旺盛になり、体重が増え、全体的に体はふっくらとしてきますが、特にお腹の周辺が異常に膨らんできます。
それもそのはず。猫は一回の妊娠で4匹出産することができるので、体に4匹の子猫を身ごもることになります。
出産準備
およそ出産1週間前から出産準備が始まります。落ち着きつきがなくなったり、鳴くことが多くなりますが、静かに見守ってあげましょう。
この時期になると、自分の出産場所や子猫のための巣を作るために、暖かくて安全な場所を探し始めます。また、出産の2日前になると食事を摂るのをやめます。
出産
出産の兆候はとても簡単にわかります。猫は性器周辺を舐めるようになります。
猫が性器を舐め始めて約1時間後に最初の子猫の出産をします。そして15分から20分ごとに他の子猫が誕生します。
すべての子猫の出産が終わったあと、親猫は子猫のお世話をします。親猫は生まれたての子猫を舐めたり、自分の胎盤を食べたりします。ごく自然の動物の行動ですので、飼い主さんは安心して見守ってください。
飼い主さんがすべきこと
飼い猫が出産ともなれば、飼い主さんも心配で仕方がないですよね。しかし、基本的に飼い主さんは何もしなくて良いです。むしろ手を出さないようにしましょう。
これは、動物によく見られる現象なのですが、妊娠中もしくは出産後の親猫はとても敏感になり、攻撃的になります。これは、子猫を敵から守るための行動です。
いくら飼い主さんでも、出産したばかりの子猫に手を出そうとすると攻撃される危険があります。
また、逆の現象なのですが、飼い主さんが生まれたばかりの子猫に手を出すと、親猫が育児放棄をしてしまうケースもあります。
ですから、妊娠中や出産後は静かに見守ってあげる程度にしましょう。
慌てないで!見守るだけで十分
少々心配ですが、猫は比較的安産が多いと言われています。我が子が出産する気持ちで、温かく見守ってあげましょう。
このように、猫は繁殖能力が比較的高い生き物です。冒頭でも述べた通り、無計画な繁殖は、すぐに多くの悲しい命を生むことになります。一般の飼い主さんが飼育する場合は、やはり去勢・避妊手術を受けさせることが、保護活動の面からも一番良いでしょう。
それでも、野良猫ちゃんや保護した猫ちゃんが妊娠しているということもあり得るでしょう。また、繁殖能力の高さを知る機会としても良いでしょう。そんな時に、この記事が参考になれば幸いです。