愛犬のエネルギー発散足りてる?手軽にできるおすすめの発散方法4選
みなさんは、愛犬のエネルギー発散が日常的に十分できていると思いますか。そしてお散歩以外のエネルギー発散の方法と言われてどんなことを思いつくでしょうか。
犬は人が思うよりも体力がしっかりあり、年齢や愛犬の体力にもよりますが一日2回、30分程度のお散歩ではエネルギーが十分に発散されていないことが多いと考えられます。
そこで今回は、ご自宅でも飼い主と一緒にできる発散方法を紹介していきます。
エネルギーの発散不足によるデメリット
具体的な発散方法を紹介する前に、エネルギー発散が十分にできないことによるデメリットを紹介します。発散不足は、愛犬にとってストレスになりますが、飼い主にとっても問題行動と言われる困った行動が出やすくなります。
問題行動としてよく聞かれるものとしては、(甘)噛み、日中の吠え、夜鳴き、早朝吠え、食フンではないでしょうか。いずれも発散が足りていないことが原因で起こっているものが多いはずです。もちろん他にも原因がある場合や発散とは全く別のことが原因になっていることもありますが、特に子犬のうちは発散量が大きく関係しているでしょう。
発散方法①飼い主さんとのおもちゃ遊び
おもちゃ遊びは、愛犬におもちゃを渡すだけでは意味がありません。発散をしてもらうためには、愛犬とおもちゃの引っ張りっこや、おもちゃを投げて持ってきてもらうなど、飼い主も一緒になって遊ぶことが大切です。
愛犬がしっかりと全身を使って、楽しそうに遊べているか確認してみましょう!
発散方法②知育玩具
知育玩具とは、おやつやフードを中に入れ、それを愛犬が頭を使って、取り出し、食べられるようになっている玩具です。
人に飼われている犬は、野生の犬のように獲物を見つけ、仕留めて食べるといった狩猟行動をすることはありませんが、知育玩具を使うことでで、その中におやつがあることに気付き、どのようにしたらそれが食べらえるかを考え、実際に前脚やマズル、口を使って取り出し、食べるという行動が取れます。
この一連の行動では、獲物を取る感覚にやや近い体験ができ、本来犬が持つ行動を発現できる場を作ることで、環境エンリッチメントにも繋がります。
知育玩具使用時の注意点
- 一回の使用は10-15分程にしましょう。長時間の使用は、飽きや知育玩具の破壊、誤飲の可能性があります。
- 使用後は食器用洗剤などで洗い清潔に保ちましょう。汚れていると、使わない子もいます。
- はじめは簡単なレベルにし、少しやればおやつが出てくるように調整しましょう。いきなり難しくすると、おやつが得られず知育玩具へモチベーションが下がり、興味を失う可能性があります。
発散方法③ノーズワーク
ノーズワークとは、犬が優れた嗅覚を使って決められたニオイやおやつを見つける仕事や遊びです。「嗅覚を使う」といってもイメージし辛いかもしれませんが、ニオイを嗅ぎ分けターゲットとなるニオイやおやつを見つけ出すことは、人が想像する以上に体力も使い良い発散ができます。
ご自宅でもお部屋の様々な場所や段ボールなどの空き箱におやつやフードを隠すことで、ノーズワークを行うことができます。最近では手軽にノーズワークができるノーズワークマットなども多く売られています。
ノーズワークをやる際の注意点
- いきなり難しくせず、易しいレベルからスタートしましょう。初めから難しいと見つけられずにノーズワークが楽しくないものになる可能性があります。
- ノーズワーク中は静かに見守りましょう。近くで動いたり声を掛けられると集中がしにくくなってしまいます。答えを教えるのもNGです!
- 一回10分程度のノーズワークを2~3回やったら休憩しましょう。やりすぎると飽きにも繋がります。
発散方法④刺激のあるお散歩
毎日行くお散歩は、マンネリ化しやすいのではないでしょうか。しかし、愛犬にとっては一日の中で数少ないお外に出られるチャンスです!ゆったり歩くお散歩も時には良いですが、愛犬が元気いっぱいの時には様々な方法で刺激のあるお散歩にしましょう。
- 色々な道を歩きましょう。朝と夕方では違う道をお散歩するのがおすすめです。
- 歩くだけでなく、ゆったり走る、思い切り走るなど、歩くスピードもランダムに変えるのもいいでしょう。
- 安全な場所でロングリードを使い、外でのおもちゃ遊びもいいでしょう。ご自宅で行うおもちゃ遊びとはまた違った雰囲気になり、さらに楽しめるかもしれません。
- お友達犬と一緒にお散歩するのもたまには良いのではないでしょうか。もちろん愛犬が他の犬といることが苦にならないことが大前提です。
- たまには遠出も良いでしょう。普段とは違う場所を歩くことは愛犬にはもちろん飼い主にとっても良い気分転換になるでしょう。
当然ですが、お散歩は安全第一で行いましょう。慣れているお散歩も危険は常にあることを意識し、安全で刺激のあるお散歩を心掛けてみてください。
まとめ
初めの章で「問題行動」と記載していますが、この問題行動はあくまでも人間都合の話であり、愛犬からすれば当然の行動です。むしろ人間が問題行動とする行動をしなくてはいけない状況であることが、愛犬からすると問題でありその問題解決のためには十分なエネルギーの発散が必要です。
人間からみた問題も、愛犬からみた問題もどちらも発散で改善できることもあります。改めて愛犬の発散が足りているか考え、いつもとは違う良い刺激や楽しみを日常にプラスしたり、十分な発散の場を作り、愛犬の生活の質をアップさせてあげることをおすすめします。
[犬の飼い方]愛があれば何でもOK?虐待になりかねない対応4選
皆さんは、ご自身のペットへの対応がペットにはどのように伝わっているかを考えたことはありますか。ペットに愛情を持っていても、一時的なある対応がペットにとっては好ましくなく、度を越すと虐待になってしまう可能性もあります。
今回は、愛犬にやってしまいがちな好ましくない対応を、良くない理由や、好ましい対応方法と併せて紹介します。
①長時間の留守番
「平日は仕事で朝から夜まで8時間以上は留守番をさせている」という話はよく聞きます。しかし、本来ひとりで過ごすことが苦手な犬にとって、長時間の留守番は好ましくありません。
特に、迎えたばかりの子犬をすぐに留守番させるというのは、非常に酷です。知らない場所に連れてこられ、そこにひとり置き去りにされるのは多くの不安と恐怖を伴います。長時間の留守番は子犬の脳の発達にも悪影響を及ぼすとも言われています。
約4割の犬は6時間以上の留守番を毎週している
ドッグカメラFurbo(ファーボ)を展開するTomofun株式会社が、日米の25~45歳の女性の飼い主1,759名(うち日本は759名)を対象に実施した「愛犬のお留守番に関する実態調査」によると、日本の家庭犬のうち約9割が毎週留守番をしており、そのうちの約4割が1回6時間以上の留守番をしているという結果になりました。
スウェーデンの動物愛護法で禁止される6時間以上の留守番
スウェーデンの動物愛護法では、犬を室内で飼う場合は少なくとも6時間に1回は外に出すと定められています。つまり、6時間以上の留守番は禁止されています。では、スウェーデンの人たちはどのようにして、留守番を回避しているのでしょうか。
スウェーデンで行われた留守番に関する調査結果
200人の飼い主を対象にした留守番に関するある調査によると、7割以上の人が仕事の際は愛犬を家に残すと回答しています。しかし、愛犬をひとりにさせる方はそのうち16%で、それ以外の人は友人、近所、家族に頼むか、デイケアに預けており、愛犬をひとりにさせてはいませんでした。留守番時間の平均も4.5時間という結果になっています。
留守番時間を短くするには
スウェーデンの調査結果にもあったように、愛犬が慣れいて飼い主も信頼できる友人、家族に預けるのは良い方法でしょう。または、ペットシッターや犬の保育園、犬の幼稚園にお願いするのもおすすめです。
特に、保育園や幼稚園はトレーニングをするところも多いため、退屈になりがちな留守番にトレーニングや発散、他の犬と関わるといった良質な経験を通し、精神的な成長もできるのは一石二鳥、三鳥にもなるでしょう。
いまだに日本のペットショップなどでは、「犬は留守番できます」と言って購入をすすめるところもあるようですが、もしこれから犬をお迎えすることを検討されていて留守番が長くなることが予想される場合は、飼わない、またはひとりにさせない方法をしっかりと考えた上でお迎えしましょう。
②リードを強く引っ張る
よく聞くお悩みにお散歩時の引っ張りがあります。この対処法として、チョークチェーンなどを使用することがあり、実際にネットなどでも推奨していることがあります。
しかし、チョークチェーンは、犬に痛みや不快感、恐怖を与えることで引っ張りを回避しているため、精神的ショックに加え、首が締まって失神したり、首を痛める、ひどいと骨折といった身体的ダメージを受ける可能性もあります。
飼い主との関係性も悪化しかねないため、ドッグトレーナーの筆者としては小型犬はもちろん大型犬であったとしてもおすすめしません。
リードを引っ張る以外の散歩時の引っ張り軽減の方法
お散歩時の引っ張りを減らすためには、人と一緒に歩く練習をしましょう。
一緒に歩く練習のやり方
①おやつを親指で持ち、手の甲(掌も可)を静かに犬の顔の側に出し、犬が手の甲(掌)を鼻で触ったら持っているおやつをそのままあげる
② ①を何度も繰り返し、徐々に手を出す位置を顔の側ではなく犬から離れた場所に出しても鼻で触れたら、持っているおやつをあげる
③ ②を繰り返し、2回、3回連続で手を出しても鼻で触れたら、持っているおやつをあげる
連続で手を出す際は、左右など場所を色々変えても触れるようにする
④ これまでと同様に手におやつを持ち、犬を左右どちらか横に来てもらい、犬の顔の高さと同じ位置で進行方向にまっすぐ手を出し、犬が手に鼻で触れたら持っているおやつをあげる
⑤ ④を繰り返し、人が手を出したら鼻で触る流れを何度もやることで、人と一緒に歩く感覚を覚えてもらう
⑥ ⑤ができるようになったら、手を出すタイミングを少しずつ減らす
3、4歩に一回や5、6歩に一回など徐々に手を出すタイミングを減らしていく
ポイント
練習はまずは刺激が少ない自宅内で行い、自宅でほぼ完ぺきになったら、外でまた①から徐々にレベルをあげて⑥を目指していきましょう。うまくできない時は、レベルを下げたり家でも練習を行いましょう。
練習がなかなかうまくいかない時は、ドッグトレーナーに頼むのをおすすめします。失敗が続くと、愛犬も正解がわからず引っ張り癖がさらに付いてしまうかもしれません。そうなる前に、プロの力を借りるという判断をするのも大切です。
また、お散歩時に使用するものはチョークチェーンや首輪ではなく、負担の少ないハーネスをおすすめします。
③暑い日の散歩
最近の日本は、多くの地域で6月~9月にかけて30度を超える真夏日になることが多くなっています。今年の夏は35度を超える猛暑日の日も非常に多く、人にとっても犬や猫など多くの動物たちにとっても辛い暑さが続きました。
しかし、そんな中でも暑い日に犬を散歩させている人を見かけました。体温調節が得意ではない犬が、素足で地面から近い位置を歩いたら人以上に暑く危険であることを想像してほしいと思います。仮に真夏日に愛犬を散歩に連れて行くのが愛情からだったとしても、愛のある対応とは言えないのではないでしょうか。
犬の熱中症対策はしっかりと
犬は20度くらいから熱中症の発症率が上がるというデータがあります。人からすると20度は快適な温度でお散歩日和となりがちですが、以下の点に注意しながらお散歩をしましょう。
- 20度を超える日は散歩を短めにする
- 日中の散歩は避け、涼しい早朝、夕方に散歩をする
- 新鮮な水を頻繁にたっぷりあげる
- 体を冷やすための保冷剤を用意する(使用時はタオルなどを巻く)
- できるだけ日陰を歩く
- 日陰でこまめな休憩をとる
- 散歩後は涼しい室内で休憩する
真夏日にできるお散歩以外の発散
筆者は、真夏日はお散歩に行くべきでないと考えています。しかし、お散歩以外の方法でエネルギーを発散することは非常に大切です。以下の室内でもできる発散を参考に、発散や運動の機会をしっかり作り、お散歩が減る夏場や雨の日も運動不足やストレスが溜まらないようにしてあげましょう。
- 飼い主とおもちゃのひっぱりこやもってこい遊び
- 知育玩具
- ノーズワーク
- トレーニング
夏場は、水を入れたビニールプールの中を歩くのも良い運動になります。犬が足が付く程度の水を入れて、おやつやおもちゃを使いながら水の中を歩かせてあげます。水が苦手な子は、少しずつ水に慣れるところからやってあげましょう。ただし、プールに入っている間は絶対に目を離さないよう注意が必要です。
④犬嫌いな子にドッグラン
犬が苦手な子や、犬に慣れていない子をいきなりドッグランに連れて行くのは、多くのリスクがあります。犬に慣れてもらうためにドッグランに連れていくという話をよく聞きますが、それと同じくらいドッグランがきっかけで犬が苦手になり犬を見ると吠えるようになってしまったという話も聞きます。
ドッグランはある意味無法地帯であり、愛犬が怖い思いをする可能性も、他の犬に怖い思いをさせてしまう可能性もあります。犬が苦手な子からすると、ドッグランは楽しい場所ではなく恐怖の場になりかねません。
他の犬に慣れるには
安全に犬に慣れるには犬の保育園や犬の幼稚園が最適だと考えています。もちろん犬の保育園などでも絶対に事故がないとは言い切れませんが、ドッグトレーナーがいる保育園であれば、その多くが犬の相性や状態を見て会わせる犬を決めたり、犬同士で過ごしている際も安全管理を行っているはずです。
また、犬に慣れる=犬と遊べるようになるということではなく、周りに他の犬がいても落ち着いていられる状態が望ましいと考えています。周りに犬がいても落ち着けるようになると、お散歩やドッグカフェなどに行った際も、愛犬も飼い主も安心してストレスなく過ごすことができるため、多くのメリットがあります。
まとめ
愛犬が大好きで愛情を持って接していても、ある対応が実は愛犬に辛い、怖い思いをさせているかもしれません。叩く、蹴るなど身体的に傷つける対応は論外ですが、日頃の対応を愛犬はどんな風に感じているかを考え、見直してみてはいかがでしょうか。見直すことで愛犬との関係性もさらに深まるかもしれません。
今までもやっているから、慣れているから大丈夫ではなく、今からでも改善し愛犬の日々がより良いものになるようにしてあげてください。
【クイズ】春は犬のストレスが溜まりやすい!原因や発散方法をご紹介
本記事では、犬が春に受けやすいストレスの原因や発散方法についてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、犬が春に受けやすいストレスクイズにチャレンジしてみましょう!
また、人間と同様に犬も花粉症になり、体の不調からストレスを感じます。犬の花粉症は皮膚炎が多く見られるため、気になる場合は動物病院へ連れていきましょう。
犬は環境の変化に敏感です。家族の増減や引越しなどで環境が変わると、新しい環境に慣れるまでの間はストレスを感じやすくなります。飼い主さんは愛犬のケアをしっかりしてあげてください。
なお、オス犬には定期的な発情期はありませんが、メス犬同様に去勢手術によってストレスを減らすことができます。
犬のストレスを発散させるには、お散歩や知育玩具などのおもちゃを使って遊んであげてください。また、飼い主さんとのコミュニケーションも効果的です。日々のブラッシングやマッサージを通して愛犬とコミュニケーションをとり、ストレスを発散させてあげましょう。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
犬がストレスを感じやすいのは春だった?!5つの理由とその対処法。