貝類は与えちゃダメ?「猫の耳が取れる」といわれる理由とは
東北地方の漁師の間では、「春先に猫にアワビの肝を与えると耳が取れる」という言い伝えが存在します。アワビを食べると耳が取れるというのはなかなかイメージしづらく、実際にはそんなことは起こらないだろうと思うかもしれません。
しかし、貝類の中には猫に与えてはいけないものもあります。なんとなく「猫は魚介類が好き」というイメージのまま食卓にのぼった貝のお刺身を与えてしまうと、猫の健康を害してしまう恐れがあります。
この記事では、猫がアワビを食べると耳が取れるという言い伝えの真偽と、猫に与えてはいけない貝類、与えても良い貝類について解説していきます。
言い伝えの真偽は?
皆さんは冒頭でご紹介した「春先に猫にアワビの肝を与えると耳が取れる」という言い伝えをご存じでしたでしょうか。あまりにも突拍子もないことなので、聞いたことがある方も初めて聞いたという方も、なかなか信じ難いかもしれません。
このような言い伝えは江戸時代からあったようで、複数の文献に記載が残っているものの、その真偽ははっきりわかっていません。
しかし、これは「光線過敏症」という病気が関連していると考えられており、実際に耳が取れるほどの症状を発症することはありませんが、程度によっては起こり得る可能性があります。
なぜ耳が取れるという言い伝えが生まれた?
かつての日本では、アワビがたくさん取れました。食べる時に身だけをむいて肝は捨てていたため、猫がその肝を食べた結果、数日後に耳を掻きむしっていたり、ただれてしまったりしていたのでしょう。
それを見た漁師が、猫がアワビの肝を食べると耳が取れると考えるようになり、このような言い伝えが広まったとされています。実際に耳が取れた猫がいたかどうかはわかりませんが、なかなかひどい症状だったことは想像できます。
猫の光線過敏症
では、光線過敏症とはどのような病気で、なぜ猫の耳が影響を受けてしまうのでしょうか。詳しく解説していきます。
光線過敏症の原因
光線過敏症とは日光の紫外線によって引き起こされる免疫反応のことで、日光アレルギーとも呼ばれます。紫外線は適度に浴びる程度であれば問題ありませんが、猫を屋外で飼育していたり、メラミン色素の少ない白毛の猫は注意が必要です。
光線過敏症の原因はいくつかありますが、アワビと関連があるのがピロフェオフォルバイドという物質です。アワビの肝に含まれているピロフェオフォルバイドは、猫が食べることで全身を巡り皮膚に蓄積されて毒性反応を示すことがあります。
光線過敏症の症状
光線過敏症は次のような症状を示します。
- 皮膚の赤みや腫れ
- かゆみ
- 痛み
猫は体が毛で覆われているため、直射日光を浴びても皮膚までは光が届きにくいですが、猫の耳は日光が当たりやすく皮膚も薄いため、光線過敏症の症状が強く現れるとされています。
そのため、かゆみから何度もかきむしっているうちに傷がつき、症状がひどくなるとカサブタで覆われたり、耳が変形したりすることもあります。そのまま放置すると、皮膚や粘膜組織から発生する扁平上皮がんに進行してしまうこともあります。
光線過敏症は短期間で症状が現れることは少なく、数ヶ月から数年かけて徐々に変化していきます。しかし、アワビなどの貝毒による光線過敏症の場合、翌日には発症することもあるそうです。
与えてはいけない貝類
貝類のうち、ミミガイ科とサザエ科の貝はピロフェオフォルバイドを含んでいるため、加熱をしたとしても猫に与えてはいけません。
次のような貝がミミガイ科とサザエ科に該当します。
- アワビ
- サザエ
- トコブシ
- トリガイ
どの貝が何科かよくわからないという方は、「基本的には猫に貝類を与えてはいけない」と覚えておいたほうがいいでしょう。なお、2月から5月の春の時期は特に毒性が高まるといわれているため、いつも以上に注意が必要です。
「春先に猫にアワビの肝を与えると耳が取れる」とされているのは、このためだと考えられます。
与えても問題ない貝類
猫に与えられる貝類もあります。しかし、必ず加熱し、肝などの与えてはいけない部位は取り除く必要があります。
また、初めて与える際は少量にし、アレルギー反応を起こしていないかしばらく近くで見てあげてください。
アサリ
アサリにはチアミンを分解するチアミナーゼという酵素を多く含んでいるため生で食べると危険です。しかし、チアミナーゼは熱に弱いため、加熱処置を行うことで、安心して猫に与えることができます。
また、タウリンが豊富に含まれており、タウリンを体内でほとんど合成できない猫にとっては貴重な栄養源になります。
チアミンとは
チアミンはビタミンB1のことです。
体内の複雑な生化学反応関連している重要な栄養素で、欠乏すると食欲不振や、歩き方に異常が見られ、悪化すると命に関わることもあります。
ホタテ
ホタテにもアサリと同様にチアミナーゼが含まれていますが、加熱をすれば安全に与えられます。
ホタテの貝柱は高タンパクで低カロリー、タウリンや亜鉛、葉酸も豊富に含まれているため、猫にとって良い食品です。ただし、ウロと呼ばれる黒い内臓の部分は毒を含むため与えてはいけません。
まとめ
猫がアワビの肝を食べたからといって耳が取れるということはまずないと考えられますが、光線過敏症の症状によって耳がかゆくなりボロボロになってしまう可能性はあります。基本的には猫に貝類は与えない方がよいと思っておきましょう。
人間にとって安全なものであっても猫には危険なものはたくさんあります。人間の食べ物は与えず、猫にはキャットフードや猫用のおやつのみを与えるようにしてあげてくださいね。
猫の食事を手作りする場合も十分気をつけましょう。
犬を多頭飼いする家で「Levoit 空気清浄機」を使ってみた
長年犬を多頭飼いしており、常にニオイや抜け毛対策をしていた我が家ですが、空気清浄機は電気代やフィルター代が気になってしまい、使っていませんでした。
今回、アメリカでベストセラーを受賞している「Levoit Vital 100S」という空気清浄機を使う機会に恵まれたため、その効果や使い勝手などをレビューしていきたいと思います。
ペットを飼っている方で、空気清浄機の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
Levoitの空気清浄機とは
Levoit(レボイト)とは、アメリカ発の小型家電メーカーVeSync(ウィーシンク)社のブランドの名称です。ブランド内でも「Levoit 空気清浄機」は非常に人気がある商品で、今回はその新製品の「Levoit Vital 100S 空気清浄機」を10日間使用してみました。
「Levoit Vital 100S 空気清浄機」の詳細はこちらの記事をご覧ください
アメリカにてベストセラーを受賞した空気清浄機 『Levoit Vital 100S 空気清浄機3月20日より販売開始!』~深呼吸できる空気を届ける~
ニオイが気になる和室で
まずは、普段犬のニオイが気になる和室で5日間使用してみました。我が家の和室は犬が出入りできるようにしてあるため、床にはカーペットが敷いてあり、こたつやクッションなどの布製品を多く使っています。また、犬たちが過ごす時間も比較的長いため、ニオイが気になる部屋です。
通常であれば消臭剤や換気で対策していますが、今年は特に黄砂が多く、窓を開けたくありませんでした。
使用条件
- 朝7時から夜10時までの15時間
- ペットモードで使用
最初の数十分の使用で、ニオイが全く気にならなくなりました。長年犬を飼っていたため、ニオイの変化には自信がありませんでしたが、すぐにわかるほどニオイが軽減されました。
抜け毛が気になるリビングで
次に、普段犬たちの抜け毛が気になるリビングで5日間使用してみました。使用条件は先述の和室の場合と同じです。
製品紹介には「U字型の空気吸い込み口デザインにより、あらゆる角度からペットの毛皮を効果的に捕獲する」と記載されていたので、掃除してもしばらくすると落ちているような抜け毛に効果があるか試してみました。
その結果がこちらの画像です。(3層フィルターの一番前面にある「プレフィルター」の画像)
こちらは本当に驚きでした。使用期間中も毎日掃除機をかけていたので、正直ここまで抜け毛やホコリが取れているとは思っていませんでした。
個人的な考察として、掃除機で舞い上げてしまった毛やホコリを吸い込んだほか、犬たちがワンプロやボール遊びなどで動き回った時に抜けた毛やホコリを吸い込んだ可能性もあります。普段は落ちている毛がほとんど無くなっているとは思っていましたが、本当に驚きでした。
「Levoit Vital 100S 空気清浄機」の良いところ
先に犬のニオイと抜け毛に対する効果をご紹介しましたが、その他に実際に使用してみて感じた「Levoit Vital 100S 空気清浄機」の良い点をご紹介します。
運転音の小ささ
おやすみモードでは、耳をそばだてないと聞こえないほど音が小さいため、就寝中だけでなく、仕事に集中したい時などにも役立ちました。
SMART機能
VeSync公式アプリを利用して、スマホでの設定や状況の確認が可能です。スマホを使用するため、操作がわかりやすく、取扱説明書もあまり必要ありませんでした。
オトクな電気代
最大風量モードのⅣで稼働させた場合でも、1時間あたりの電気代は0.86円。15時間使用しても、一日12.9円と非常に経済的です。(※新電力料金単価27円/kWh(税込)で計算しています。)
プレフィルターは水洗い可能
三層フィルターの一番前面にあるプレフィルターは、簡単に取り外しができ水洗いが可能なため、衛生的かつ環境やお財布にもやさしいのがうれしいポイントです。
「Levoit Vital 100S 空気清浄機」の気になった点
ペットがいる家で利用する場合、少し気になる点もありました。
最大風量モードの音の大きさ
自動モードやペットモードで利用した場合、状況に応じて自動で最大風量モードに切り替わることがあります。その場合は、風や音がかなり大きくなります。
我が家の犬たちは全く平気でしたが、神経質な犬や猫は気になるのではないかと感じました。 敏感なタイプの子は、音が一番小さいおやすみモードから慣らしていく方が良いかもしれません。
ペットがいる家に空気清浄機は必要?!
ここまでは飼い主の視点から空気清浄機の良かった点を語ってきましたが、ここからはペットの病気予防の観点から空気清浄機の有効性を見ていきましょう。
ペットにも花粉症がある
あまり知られていませんが、犬や猫にも花粉症はあります。ペットの花粉症は人間の症状と異なるため、飼い主が気付いていないことも考えられます。実際に花粉症にかかっているペットは意外に多いのかもしれません。
アンケートによるとペットにも花粉症があることを知っている人のうち、何かしらの対策をしていると回答したのは70.7%で、そのうちの45.7%が花粉症対策に空気清浄機を使用しています。そして、空気清浄機を購入した人のうち約9割が自身やペットの花粉症に対する効果を実感していることが明らかになりました。(VeSync社「ペットの花粉症に関する実態調査」より)
このことから、ペットの花粉症予防と対策のために空気清浄機を使用することは、有効な手段の一つであると言えます。
空気中の菌にペットの皮膚病のリスクがある
空気中にはペットの皮膚病の原因となる菌が浮遊していますが、一般的にはあまり知られていません。空気中の菌のリスクを知っている人にアンケートを取ったところ、多くはその対策を実施しており、「ブラッシングをする」(55.2%)、「シャンプーをする」(48.1%)、「空気清浄機を利用する」(44.8%)という結果になりました。(VeSync社「ペットの花粉症に関する実態調査」より)
リスクを知っている人の約半数が空気清浄機を利用しており、皮膚病対策に取り入れられていることがわかりました。
最後に
長年空気清浄機とは縁がない暮らしをしていましたが、実際に使ってみると部屋の空気がとても清々しく感じられ、とても心地よいと感じました。さらに、犬たちの花粉症や皮膚病予防にも役立ち、まさに一石二鳥です。
また、「Levoit Vital 100S 空気清浄機」は本体価格が手頃なのも嬉しい点です。
これを機に、犬にも人にも優しい空気清浄機を生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
- 製品ページ:https://vesync.jp/products/levoit-airpurifier-vital-100s
- Amazon Levoit 公式店舗:https://www.amazon.co.jp/stores/page/FA0B1B30-0C0D-4864-8524-96F4B845F834
- 楽天 VeSync公式店舗:https://www.rakuten.ne.jp/gold/vesync/
- VeSync Store:https://jp.vesync.com/
【獣医師監修】アレルギーか感染症かも。犬の痒みがみられる疾患とは
耳が痒い、足が痒いなどの症状は遭遇する可能性が非常に高い徴候です。
痒みがあるからと言って直接命に関わることは少ないかもしれませんが、生活においては大きなストレスになることは間違いないでしょう。
また、強い痒みは食欲不振や寝不足などの悪影響をもたらすことも考えられるため、愛犬の病的な痒みは一刻も早く取り除いてあげる必要があります。
今回は犬の痒みについて解説します。
犬の痒みの原因
犬の痒みの原因を大きく2つに分けると、アレルギー性皮膚炎と感染症が挙げられます。
アレルギー性皮膚炎が原因の痒み
- アトピー性皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 食物アレルギー
感染症が原因の痒み
- 膿皮症
- マラセチア性皮膚炎
- 疥癬
- 耳ヒゼンダニ症
- 肢端舐性皮膚炎
それぞれ、何が原因でどのような症状があるのか、詳しくみていきましょう。
アレルギー性皮膚炎
痒みの原因として、最初にアレルギーによるものを想像する方もいるのではないでしょうか。人間も花粉症で眼が痒くなったりしますよね。犬でもやはりアレルギーによる痒みは少なくありません。
まずは、動物病院でもよく見るアレルギー性皮膚炎を紹介します。
アトピー性皮膚炎
【症状】
初期に痒みが現れ、慢性経過により発赤、脱毛、苔癬化(たいせんか:皮膚が厚く硬くなる)を呈する。これらの症状は頭部(眼周囲、口周囲、耳)、頚部、腋窩、腹部、四肢、肛門周囲に見られやすい。
【原因】
遺伝的素因、皮膚バリア機能の異常、免疫学的要因、環境要因(多頭飼育、環境微生物など)などの複数の要因が関与していると考えられている。
【備考】
6カ月齢~3歳齢で発症し、生涯にわたる管理が必要となる。日本における好発犬種は柴、パグ、シーズー、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ヨークシャーテリア、ウエストハイランドホワイトテリアと言われている。
ノミアレルギー性皮膚炎
【症状】
強い痒み、発疹などが季節性(夏~晩秋)に現れる。腰部、胸背部、側腹部、尾部、会陰部に分布する傾向があり、吸血部位から離れた箇所でも症状が現れることがある。
【原因】
主にネコノミによる吸血が原因となる。少数寄生でも発症する。
【備考】
草むらや土への接触、公園やドッグランの利用、定期的・適切なノミ予防を行っていない、旅行後、湿度や温度の高い室内、屋外飼育などの環境ではノミとの接触に注意する。
食物アレルギー
【症状】
痒み、皮疹、脱毛、苔癬化の他に、外耳炎や膿皮症、消化器症状(嘔吐、下痢)を伴うこともある。
【原因】
食物中の成分に対する過剰な免疫反応が原因となる。
【備考】
皮疹は顔面、耳介、肢端部、腋窩部、鼠径部に好発する。
感染症
皮膚に微生物が感染し、痒みを生じることもあります。
皮膚には元々、微生物に対するバリア機能が備わっていますが、免疫力の低下やその子の体質(垂れ耳で耳道の通気性が悪いなど)によって、感染が成立することがあります。
感染する微生物は皮膚に常在する細菌や真菌などが多く、実際に動物病院での症例でも、海外などの遠くから持ち込まれた微生物よりも、どこにでもいるありふれた微生物によるものが多いように思います。
膿皮症
【症状】
痒み、表皮小環(微生物の感染部位を中心に同心円状に広がるカサブタ)、鱗屑(フケ)、紅斑、脱毛など。
【原因】
常在するブドウ球菌の感染による。通常の免疫状態では感染は成立しないが、内分泌疾患、アレルギー、皮膚炎、他の感染症が背景にあると感染が起こると考えられている。
【備考】
近年では薬剤耐性を持ったブドウ球菌が問題となっている。また、再発を繰り返しやすい疾患である。
マラセチア性皮膚炎
【症状】
皮膚の紅斑、痒み、脱毛、脂漏、鱗屑(フケ)、苔癬化(皮膚が厚く硬くなる)など。
【原因】
マラセチアという酵母菌が原因となる。これは皮膚や外耳道周囲に常在している。
【備考】
好発部位は外耳、口唇、鼻、四肢、眼周囲、趾間、腋窩、内股、会陰部、肛門周囲など。
疥癬
【症状】
強い痒み、紅斑、丘疹、鱗屑、厚い痂皮など。
【原因】
ヒゼンダニの寄生による。公園、ドッグランなどが感染の機会となる。
【備考】
ヒゼンダニはヒトにも感染することがあるので注意が必要。
耳ヒゼンダニ症
【症状】
耳道の激しい痒み(頭を振る、耳介を倒しているなどの素振り)、黒色の耳垢、疼痛(耳付近を触ると怒るなど)、耳孔周囲の紅斑、腫脹。強い痒みによって睡眠不足になることもある。
【原因】
ミミヒゼンダニの寄生による。
【備考】
ペットショップから迎え入れた子犬に多い。
肢端舐性皮膚炎
【症状】
初期はよだれやけ、脱毛など。慢性化すると潰瘍、硬化などが見られる。
【原因】
肢端の感染症や常同行動(ストレスや暇つぶし)、飼い主の興味を引こうとする心理が起因となり、肢端を持続的に舐めたり咬むことによって発症する。
【備考】
腫瘍、関節炎、異物なども考えられるため、早期診断のためにも早めに動物病院へ。
まとめ
愛犬が身体を掻きむしっていても、それが生理的なものなのか病的なものなのかの判断は難しいかもしれません。
普段から掻く頻度や皮膚の状態などをよく観察しておき、おかしいと思ったらすぐに動物病院まで相談してください。
【犬図鑑】8月9日はパグの日!ぶさかわなパグの魅力とは
日本記念日協会によって8月9日は「パグの日」として記念日登録されています。登録されたのは2018年と比較的最近ですが、パグの飼い主の間で毎年ちょっとしたイベントになっています。
小柄ながらも体つきはしっかりしており、しわくちゃな顔をもつパグには、世界中にファンがいます。では、一体、パグにはどんな魅力があるのでしょうか。
この記事では、パグの歴史や特徴、飼い方のポイントについてご紹介していきます。これから飼おうと思っている方だけでなく、現在飼っている方も、改めて飼育環境等の確認をしましょう。
パグの歴史
パグの祖先は紀元前2000年頃には存在したとされており、チベットの僧院で飼育されていたマスティフ系の犬をスパニエルやペキニーズなどと交配して小型化されていったと考えられています。
15世紀になると、アジアと交易していた東インド会社によってヨーロッパに渡り、オランダの王室や貴族に愛されるようになりました。18世紀には、ナポレオンの妻ジョセフィーヌの愛犬としてかわいがられていました。
パグにはラテン語で「握り拳」という意味、もしくは中国語の「いびきをかいて眠る王様」という意味があると考えられています。なお、パグの呼び名は国によって様々で、フランスでは「カーリン」、ドイツでは「モプス」、オランダでは「モプスホンド」などと呼ばれています。
パグの特徴
身体的特徴
パグの体高は20cm~25cm程度、体重は約6kg~8kgが理想とされています。
体型はスクエアで、筋肉質のがっしりとした体つきをしています。耳は前に垂れたボタン耳もしくは短く巻かれたローズ耳で、目は丸く、尻尾は巻いています。
鼻は低く、しわくちゃな顔が魅力の犬種です。
被毛
短毛のダブルコートで、換毛期には多くの毛が抜けます。
毛色は、シルバー、アプリコット、フォーン、ブラックの4種類で、被毛がブラックでなくても口周りや耳が黒くなる個体が多いです。
性格
一般的に明るくて愛情深く、飼い主さんと一緒に遊ぶことが大好きな子が多いです。穏やかな性格で警戒心も低い傾向にあり、知らない人にも懐きやすく、子供とも上手に遊べる子が多いと言えます。
逆に、長時間ひとりで留守番するのは苦手で、吠え声も小さいので番犬としてはあまり期待できません。
パグの好発疾患
パグは、他の犬種と比べて、病気にかかりやすいという報告もあります。
どんな病気にかかりやすいかを事前に把握しておくことで、異変が起こってもすぐに気づけるようになるかもしれません。
壊死性髄膜脳炎…パグ脳炎とも呼ばれ、突然けいれんを起こして倒れる。遺伝が関与していると考えられており、発作から数日で死に至ることもある。
呼吸器疾患…軌道が狭くなり、呼吸困難になる。いびきや呼吸音が気になったら要注意。
熱中症…体温が上昇し、呼吸が速くなったり意識が混濁したりする。
皮膚病…顔のシワに汚れがたまり、細菌が増殖して皮膚に炎症が起こる。
パグの飼い方のポイント
パグが健康的に生活していく上で、気をつけたいポイントがいくつかあります。
運動嫌いでも散歩の習慣をつける
小型犬のため、運動量はそれほど必要としませんが、散歩は毎日行う必要があります。1回20〜30分程度の散歩を1日に2回行うようにしましょう。
また、室内での遊びも取り入れて一緒に遊んであげると喜んでくれるでしょう。
肥満に気を付ける
パグは食欲旺盛にも関わらず運動が苦手なため太りやすい犬種です。さらに、もともとがっしりした体型であることから、知らないうちに肥満になっていたということも少なくありません。
食事と運動の管理はしっかり行いましょう。
目のケガに注意する
パグは目が突き出ているため、目が傷つきやすいです。
家具の角にはぶつかっても大丈夫なようにカバーをしておきましょう。散歩のときは、目に当たる高さの草木が生えている場所は避けると安全です。
熱中症対策をしっかり行う
短頭犬種であるパグは、体温調節が苦手で熱中症になりやすいため、夏場は特に注意が必要です。
エアコンやサーキュレーターを活用して、適切な室温を保ちましょう。
また、昼間の暑い時間帯の散歩を避け、早朝や夜の涼しい時間帯に行うようにしてあげてください。
定期的に健康診断を行う
パグは他の犬よりも病気になってしまう可能性が高いことが分かっており、1年に一度は健康診断を受けましょう。
病気の可能性が高くなるシニア期に突入したら、半年に一度を目安に頻度を増やすことをおすすめします。
まとめ
パグの人懐っこい性格やかわいらしい見た目は多くの人を惹きつけています。
パグを含む短頭犬種は、皮膚病や呼吸器疾患にかかりやすいことで知られますが、パグには他にもかかりやすい病気がたくさんあります。愛犬が少しでも長く健康でいられるよう、普段のお手入れはもちろん、健康診断もしっかり行ってあげてください。
【クイズ】気をつけたい猫ニキビ!原因を知って対策しよう
今回は、猫のニキビとはどのようなものかについて、クイズ形式でご紹介します。
それではさっそく、猫のニキビクイズにチャレンジしてみましょう!
毛穴に皮脂が詰まってしまい、炎症を起こすことで発症する皮膚疾患で、正式名称も人間のニキビと同じく「ざ瘡(ざそう)」と呼ばれます。
性別や品種、年齢などにかかわらず、どの猫にも発症する可能性があります。また、再発を繰り返す場合もあるため、しっかりとしたケアが重要です。
症状が進むと、軽度の炎症や脱毛が見られ、赤く腫れ上がったり、赤い斑点ができるので、気づきやすくなります。このような症状を見つけたら、動物病院で診てもらいましょう。
中等度のニキビをそのまま放置していると、掻きすぎなどによる出血や、細菌感染により膿みやただれといった、重度の症状が見られるようになります。重症化する可能性は約40〜50%程度だとされており、症状の進行を気づかずにいるとそのリスクはどんどん上昇していくため、早めの対処が必要です。
- グルーミング不足
- アレルギー
- 食器に付着した細菌
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- ネコニキビダニ
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
猫にもニキビができる!?その原因と対処法とは?
犬や猫にも感染する?毛の抜けたタヌキを見かけても近寄らないで!
どうしてタヌキの毛が抜けるの?

疥癬症の症状
初期症状では激しいかゆみに襲われ、体を掻いたり噛んだりすることで傷がつき皮膚が化膿していきます。 かゆさゆえに食べることも寝ることも十分にできず、免疫力が低下すると他の感染症に感染してしまい、治療の受けられない野生下では死に至ります。 全身の毛が抜けてしまったり、象のような皮膚になったタヌキは、ひと目見ただけでは何の動物かわからない場合もあります。疥癬症のタヌキを見かけたら
とても痛々しいタヌキの姿ですが、野生動物であり、地域によっては害獣と指定されていることから、基本的に疥癬症のタヌキを駆除したり、保護したりすることはありません。 もしタヌキを保護する場合には、都道府県の野生動物の担当部署に連絡して指示を仰ぎましょう。地域によっては引き取って治療してくれる場合もあります。 しかし、保護は自分でしなくてはいけませんし、保護しても受け入れてもらえない可能性があります。犬や猫などのペットには感染する?

犬や猫の疥癬症の症状
犬や猫が疥癬症に感染した場合は、以下のような症状が見られます。- 激しい皮膚のかゆみ
- 脱毛
- 掻き傷や噛み傷
- かさぶた
疥癬症の予防
野生動物との接触を極力減らすことが最大の予防です。 疥癬症のタヌキをよく見る地域では、タヌキが自宅の敷地内に入らないよう対策し、ペットは屋内で飼育するようにしましょう。 また、動物病院やペットホテルなどを利用した時に感染してしまう場合もあります。 ペット同士でも容易に感染してしまうため、多頭飼いをしている場合や動物の多い場所に行く場合は、特に注意しなければなりません。疥癬症の治療
駆虫薬の投与が効果的です。 疥癬症の治療によく用いられるイベルメクチンは、コリーなどの一部の犬種で重篤な副作用が見られることから、獣医師の指示に従って投与してください。 きちんと治療すれば、かゆみも治まり被毛も元どおりになりますので、焦らず治療を受けましょう。野生動物には安易に近づかない

まとめ

【クイズ】天気予報になる?猫がグルーミングを行う意味
本記事では猫のグルーミングについてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、猫のグルーミングクイズにチャレンジしてみましょう!
雨雲が近づき湿度が高くなると、猫のひげに水滴がつき重くなってしまいます。すると猫は、ひげの手入れをしてハリを取り戻すために、頻繁に顔を洗うようになるのです。
また、湿度が高くなると猫の顔にいるノミが活発に動き出すため、猫はかゆみを感じて顔を洗うこともあります。
また、毛についた汚れや毛玉を取り除いたり、食後にグルーミングをして体をきれいにします。
さらに、ストレスを感じた時や、不安になったときなどに、そのストレスを発散しようとしてグルーミングすることもあります。
過剰なグルーミングは、皮膚病によって感じるかゆみを和らげている可能性があります。毛が抜けてしまったり、かゆみを感じているそぶりを見せたら動物病院を受診しましょう。
また、猫はグルーミングの際に被毛を飲み込んでしまうことがあります。通常であれば便とともに体の外に排出されますが、量が増えると開腹手術が必要な場合もあります。猫が飲み込む毛の量を減らすためにも、ブラッシングは定期的に行いましょう。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
猫が顔を洗うと雨が降るのは本当だった!グルーミングの驚くべき理由
食器や首輪が原因に!犬の金属アレルギーの症状と対策
犬も金属アレルギーになる

金属アレルギーの仕組み
金属から溶け出した「金属イオン」は、体内のタンパク質と結合します。 結合した物質(アレルゲン)を体が異常なものだと認識すると、再び同じ金属イオンがタンパク質と結合したときに過剰反応してしまい、皮膚や粘膜を破壊することで痒みや発疹などの症状を引き起こします。全ての犬が金属アレルギーになるわけではない
犬も金属アレルギーになることはありますが、ネギ類やアルコールなどのように、全ての犬がアレルギー反応を起こすわけではありません。犬の金属アレルギーの主な原因

アレルギーになりやすい金属がある
合金やメッキ加工の製品は、金属アレルギーを引き起こしやすいと言われています。 逆に、純金、銀、チタン、ジルコニウムなど、純度が高く値段も高い金属のほか、医療用器具にも使われるサージカルステンレスは金属アレルギーになりにくいです。犬の金属アレルギーの症状

痒み
- 金属アレルギーで最も多い症状。
- 首輪が原因なら首に、食器が原因なら口や鼻先などに痒みの症状が出る。
湿疹
- 痒みとともに、皮膚に湿疹が現れる。
- 犬は全身が毛に覆われているので、人間に比べて気づきにくい。
脱毛
- 金属アレルギーが直接脱毛を引き起こすわけではない。
- 痒いところを掻いたり舐めたりすることで、毛が抜け落ちる。
目やに、涙
- 金属が目の周りに接触した場合は、目やにや涙が出る。
- 目元の違和感を感じると、床や足に擦り付けるなどして傷つけてしまい、結膜炎や角膜炎などを引き起こすことがある。
外耳炎
- 耳に金属アレルギーの反応が出た場合は、足で耳を掻いたり、首を振るなどの行動を起こす。
- 掻くことで傷や耳血腫ができることがある。
- 耳に血が溜まってしまうと、注射針で抜く必要がある。
脂漏症(しろうしょう)
- 金属アレルギーの症状が長引くと、皮膚の新陳代謝異常やホルモン分泌異常により「脂漏症」を発症。
- 皮膚のベタつきまたは乾燥、フケの増加などがみられる。
- 脂漏症は遺伝性の場合もあり、後天性でも完治に時間がかかるため、持病として長いこと苦しむ犬も多い。
金属イオンが体内に入った場合
金属が皮膚に接触しておこるアレルギー以外にも、なんらかのきっかけで体内に金属イオンを取り込んでしまうと、接触アレルギーとは異なる次のような症状を起こすことがあります。- 嘔吐や下痢など、消化器系の症状
- 気管支が腫れることで、空気の通り道が狭まり、呼吸困難や酸欠、痙攣を起こすこともある。
金属アレルギーを発症しやすい犬種

遺伝性の皮膚病になりやすい犬種
遺伝的に皮膚の疾患や、金属以外でもアレルギーを起こしやすい犬種は、比較的金属アレルギーにもなりやすいと言えます。皮膚疾患を起こしやすい犬種の例 シーズー、パグ、柴犬、ゴールデンレトリバー、ビーグル、ラブラドールレトリバー、コーギー、シェルティ、シュナウザー、マルチーズ
短頭種
マズルの短い短頭種は、食器などの金属に接する顔の部分が広いため、広範囲にアレルギーが出やすいです。 また、もともと呼吸器が弱いので、金属アレルギーによる気管支の腫れなどは特に命取りになります。短頭種の例 フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリア、シーズー
犬の金属アレルギーの治療・予防

とにかく金属製のものを使わないこと
金属アレルギーは治らないので、発症・再発を防ぐには、できるだけ金属に触れないようにすることが最も重要です。今は金属アレルギーの症状が出ていなくても、金属に触れ続けることによって発症することがあります。 もちろん、少し触れただけでアレルギー反応を起こすことはほとんどありませんが、食器や首輪など、毎日一定時間触れ続けるものは、プラスチック製や布製のものを使いましょう。服の上からハーネスをつける
金属製のハーネスを使いたい場合は、服の上からハーネスをつけ、皮膚に直接当たらないようにすれば問題ありません。合金、メッキ加工はNG
合金やメッキ加工の製品は金属アレルギーを引き起こしやすいため、なるべく使用を避けましょう。 一度金属アレルギーになってしまうと、他の金属にも反応するようになってしまうことがあるため、これまで発症したことがない犬でも注意が必要です。まとめ
