【犬の雑学】数字から見た犬と人の5つの違い
犬と人が違う生き物であることは周知の事実ですね。感情表現の仕方、食べ物、水の飲み方、歩き方、毛の生えている場所など、挙げればキリがないくらいの違いがあります。
今回はそんな犬と人の具体的な違いを、数字を基準に比較していきたいと思います。一緒に生活している愛犬や大好きな犬という生き物への理解をさらに深めましょう。
犬と人は違う生き物
犬は人の言葉が理解できるのではと考えたり、人と同じ感覚で接してしまうこともありますよね。もちろん、犬と人も同じであるという視点が大切な時もあります。
一方で、何もかも同じかというとそうではなく、基本的には違う生き物であることをしっかり認識した上で接した方が、愛犬も飼い主もストレスが少なくなるのではないかと思います。同じだと思うと求めることも多くなりますが、違うとしっかりとわかっていれば、良い意味で仕方ないと思えて、受け入れやすくなることもあるのではないでしょうか。
犬と人との5つの違い
具体的な数字をご紹介しながら、犬と人を比較していきます。数字で見ることで、違いだけでなく、似ている点もより明確になるかもしれません。
①嗅覚
犬は鼻が良いというのはよく知られた特徴でしょう。では、犬の嗅覚は人間の何倍と言われているかご存知ですか?
正解は、犬の方が約5000~1億倍も臭いを嗅ぎ分ける能力が優れていると言われています。ニオイの種類によっても変動はあるようですが、圧倒的に犬の嗅覚が優れていることがわかります。
この違いは、鼻にあるニオイを感じる細胞の表面積に関係があります。
- 人:約5平方cm
- 犬:18~150平方cm
※短頭種では18平方cm程度、長頭種では150平方cm程度
また、犬はニオイを識別する神経も優れています。犬の鼻の入り口にある鼻平面(びへいめん)が濡れていることによって、犬はニオイの粒のようなものを集めています。そしていくつかの工程を経て脳へと運ばれた情報を基に、脳でニオイやフェロモンの強さ、種類などを判断しているそうです。
②聴覚
人と犬が聞き取りやすい周波数は以下の通りです。
- 人:16~20,000 Hz(ヘルツ)
- 犬:65~50,000 Hz(ヘルツ)
1Hzは1秒間に音が振動する回数を表し、周波数が低い=低い音、周波数が高い=高い音となります。
つまり、犬は人よりも高い音を聞き分けることができることがわかります。また逆に、65Hzよりも低い音は聞こえないとされています。
③視覚
犬は目があまり良くないというのも比較的よく知られた話だと思いますが、その中でも色の見え方は人と大きく異なります。
犬には赤色を感じる細胞がなく、青、緑を感じる2種類の細胞のみがあるとされています。最近のアメリカの研究結果では、緑色や黄色はくすんだ黄色、青色や紫色は青っぽい色として識別され、赤色はグレーに見えていると言います。そのため、犬のおもちゃを選ぶ際は青い色のものか明るい黄色のものにすると、犬が識別しやすいと言えます。
一方で、人には青、緑、赤を感じる3種類の細胞があり、識別しているすべての色が見えています。
④脚の数と使い方
犬は脚が4本、人は2本ですね。犬の前脚を「手」として表現されることもありますが、実際には脚です。脚の数が違えば、歩き方や走り方も異なります。
ここでは、歩く時と走る時のそれぞれの足の動き方について説明していきます。
歩き方
人は手と足の左右逆側同士が対になって、左手が前の時は右足で地面を蹴るというように、交互に出して歩きます。
犬も規則正しく足を動かして歩きます。左前肢⇒右後肢⇒右前肢⇒左後肢の順で動かし、左前肢を地面に着いたとき、右後肢は地面を蹴っているといったように、歩く際は2~3本の足を地面に着き、バランスをとっています。
走り方
人は走る時も、手足を動かす順番は同じですね。一方で犬は走る時は歩く時とでは、脚の動かし方が変わります。さらには走り方には2種類あり、それぞれ動かし方が異なります。
速足(トロット)
人のジョギングくらいの軽い走りを指します。斜め向かいにある足(右前肢と左後肢、左前肢と右後肢)が対になって同時に動かします。斜め向かいの前肢と後肢が同時に地面を蹴ることになるため、歩くよりも力強く前進することができます。疾走(ギャロップ)
短距離を全速力で走り、一瞬体が空中に浮く走り方を指します。この疾走には2種類あります。
一つはグレーハウンドが全速力で走るような時に見られます。もう一つはポインターが狩りをする時などに見られる走り方です。それぞれの四肢の動きは次の通りです。①グレーハウンド系の疾走
右前肢を地面に着く⇒右前肢を後ろに蹴りながら左前肢を着く⇒左前肢を蹴ると同時に四肢が体の下に来て体が浮いた状態になる⇒左後肢と右後肢の順で地面に着く⇒両後肢で地面を蹴って大きく前進②ポインター系の疾走
右後肢⇒左後肢⇒左前肢の順に地面に着く⇒両後肢で地面を後ろに蹴る⇒右前肢が地面に着く⇒左前肢で地面を蹴る⇒右前肢で地面を後ろに蹴る⇒体が空中に浮き前進⇒右前肢が地面に着く⇒左遠視が地面を蹴る⇒右前肢が地面を後ろに蹴る同じ疾走と言っても、グレーハウンド系の方がスピードが出ます。
寿命
犬の方が平均寿命が短いというのも有名です。寿命が短いということは、人にとっての一年、一日、一時間が、犬たちにとってはもっと長い時間に相当するということです。
では、具体的に人間の一年、一カ月、一週間は犬たちにとってどれくらいの時間になるのかを見ていきます。
犬の年齢に関しても多くの考え方や説があり、簡単に「人の一時間=犬の〇時間」という断定はできません。
今回は1997年にGary J. Patronekさんらによる「ペットの犬と人間の寿命の比較」という論文で書かれた、人と犬の年齢を比較したものの一部を参考に紹介します。
犬の年齢 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 |
---|---|---|---|
3カ月齢 | 7歳 | 8歳 | 9歳 |
7カ月齢 | 9歳 | 10歳 | 12歳 |
1歳齢 | 12歳 | 13歳 | 15歳 |
2歳齢 | 19歳 | 19歳 | 21歳 |
3歳齢 | 25歳 | 25歳 | 27歳 |
4歳齢 | 30歳 | 31歳 | 32歳 |
5歳齢 | 35歳 | 36歳 | 37歳 |
6歳齢 | 40歳 | 40歳 | 42歳 |
7歳齢 | 44歳 | 45歳 | 46歳 |
8歳齢 | 48歳 | 49歳 | 51歳 |
9歳齢 | 52歳 | 53歳 | 55歳 |
10歳齢 | 56歳 | 56歳 | 59歳 |
11歳齢 | 59歳 | 60歳 | 63歳 |
12歳齢 | 62歳 | 64歳 | 67歳 |
13歳齢 | 66歳 | 67歳 | 72歳 |
14歳齢 | 69歳 | 71歳 | 71歳 |
15歳齢 | 73歳 | 75歳 | 80歳 |
小型、中型犬よりも大型犬の方が、より時間の流れが速いことがわかりますね。そして、3カ月までの成長が非常に早く、若い時期に社会化といったトレーニングをすることが大切であるということもわかるのではないでしょうか。
また、人からすると3カ月から7カ月は4カ月ですが、犬にとっては2~3年分相当となり、いかに犬にとっての1カ月や1週間が長いものなのか、そして、8時間のお留守番は、犬からするとざっと2、3日独りにさせられている感覚ということも読み取れます。
まとめ
数字で表すと、犬と人の違いをより感じやすかったのではないでしょうか。人よりも犬が優れている点もあり、だからこそ、人は犬と一緒に暮らすようになったのでしょう。
また、年齢の違いを見て、本当に改めて一日、一時間を大切に過ごしていかないといけないと感じます。お留守番をしていなくても、寝るか排泄をするかごはんを食べるといった退屈な過ごし方ではなく、より豊かに時間を過ごしてもらうには何ができるかを、考えていただくきっかけになったらうれしく思います。
- 参考文献
- 楽しい解剖学 ぼくとチョビの体のちがい 第2版
【クイズ】私たちとはこんなにも違う!人間と犬の五感の比較
今回は犬の五感のうち、視覚、聴覚、嗅覚についてクイズ形式でご紹介します。犬の感じている世界をぜひ感じてみましょう!
それではさっそく、犬の五感クイズにチャレンジしてみましょう!
しかし、その分、視野はとても広く、250°程度もあります。人間が150°程度であることを考えると、とても広いことがわかりますね!
また、人間と比べると3分の1程度の光量で、物体を視認することができるそうです。そして、かつて犬は白と黒でしか世界を判別できないと言われていましたが、実は青、黄色、紫なども判別できていることが分かっています。
人間がおおよそ16Hz〜20000Hzの音を聞き取っているのに対して、犬は65Hz〜50000Hzもの音を聞き取っています。そのため、犬は高い音を聞き取るのが得意ですが、低い音に関しては人間より聞き取る能力が劣っており、低周波などにはあまり反応しません。
また、音源を判別する能力に関しても、人間は16方向しか区別できないのに対して、犬は32方向もの区別が可能です。
犬の嗅覚の感度はとても優れており、人間の1000倍〜1億倍もあるといわれています。また、鼻の長い種類ほど嗅覚が発達しており、警察犬に多いシェパードやレトリーバーなどが嗅覚の鋭い犬の代表として挙げられます。
犬の発達した嗅覚は「雌雄を見分ける」「発情期を感知する」「獲物を発見する」「食べ物を識別する」など多くのの役割を果たしています。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
犬と人の五感の違い!犬の世界の見え方
実は人間の顔は認識できない?猫は飼い主を「音」と「匂い」で認識する
聴覚情報で判断する

声
猫は、飼い主の声をかなりの確率で聞き分けることができます。実際に実験をしたところ、飼い主が呼びかけたときと、他の人が呼びかけたときで、有意差が出たことが証明されています。 (参考:ツレない猫、答えないけど飼い主の声聞き分ける。科学的に証明)音
猫は、飼い主の声の他に、飼い主が習慣的に行っている動作で出る生活音なども聞き分けているそうです。 例えば、飼い主が毎日バイクで通勤している場合、猫は飼い主のバイクの音がしたら「どこかに出かけるんだな」または「帰ってきた!」と判断することができます。 よく猫が玄関で出待ちしているという話も聞きますが、これは聴覚からの情報で飼い主が帰って来たことを認識しているからだと言えそうです。嗅覚情報で判断する

見た目では判断しづらい?

ネオフォビア(新奇恐怖症)の傾向による?

久しぶりに会って警戒されてしまったら

自分の荷物の匂いを嗅がせる
長く家を離れていたことで、匂いが全く変わってしまっています。 そのため、まずは新しい匂いに慣れてもらうため、猫に自分の荷物を置いておき、その匂いを嗅がせてあげると良いです。 警戒スイッチがオンになっている状態で猫に近づこうとすると、余計に警戒させてしまうため、自分の匂いのついた荷物を嗅がせてあげるとスムーズです。無理に近づかず普段通り生活する
物陰などに隠れてしまい近寄ってきそうにもない場合は、無理やり遊ぼうとしたりせずに、そっとしておく他ありません。 普段通り生活をして、その生活音を聞き慣れてもらうことを心がけてみると、猫も安心して出て来てくれるようになるかもしれません。ご飯をあげる
これは猫に限ったことではないですが、猫はご飯をくれる人に懐きやすいです。 あまりにも警戒されっぱなしでは悲しいですよね。積極的にご飯やオヤツをあげて、慣れてもらうというのも一つの手段になりそうです。終わりに

犬と人の五感の違い!犬の世界の見え方
視覚
見えている距離

暗視能力

色覚

聴覚
可聴周波数

耳の性能

耳の機能

犬の気持ちを読み解くボディランゲージとは?
嗅覚
優れた能力

嗅ぎ分けられるもの

好きな匂い・嫌いな臭い

味覚
判別できる味

舌の役割

触覚
ふれあいの役割

撫でられるのが嫌な部位

どこでも喜ぶわけじゃない!犬の撫でられて嬉しい7箇所・嫌な4箇所
おわりに
