【ペットと企業】犬や猫と一緒に仕事ができる企業は実際に存在するのか?
日本にも自分が飼っているペットを連れて行けるやペットがオフィスにいる企業があるということをご存じですか?最近、このような働く猫好き・犬好きにとって憧れのスタイルを持つ企業は欧米を中心に急速に増えており、日本でもペットに理解のある企業は増加傾向にあります。
いわゆるペットフレンドリーな企業が増えることで、ヒトと動物とが触れ合える時間が増えます。これは飼い主にとっても、ペットにとってもメリットが多い働き方のスタイルですが、筆者の身近では、このような企業の話をあまり聞くことがありません。そのような企業は本当に存在しているのでしょうか?
そこで、実際にいくつかの企業を調べてみました。ペットと一緒の空間で仕事したいと本気で考えていらっしゃる方は、就職や転職の機会にこのような企業も候補の1つに入れてみてはいかがでしょうか?
ペットフレンドリーな企業を3社ご紹介
ペットフレンドリーな企業は、外資系やIT系のベンチャー企業などに多いようです。今回はそのなかでも選りすぐりの企業をご紹介させていただきます。
マースジャパンリミテッド
マースジャパンリミテッドはSNICKERS(スニッカーズ)やM&M’s(エムアンドエムズ)等のチョコレートのお菓子で有名な外資系メーカー。主にペットフード、スナック菓子、飲料などの輸入販売を行っています。
マースは世界各国で複数の事業を展開している企業で、その中にはペットケア事業部があります。そのペットケア事業部では、「ペットのためのより良い世界(A Better World for Pets)」の実現をビジョンとして掲げています。このビジョンを実現するための1つに飼い犬と一緒に出勤したり、猫がオフィスに居住することのできるペットフレンドリーオフィスが含まれます。オフィスでのペットとの共生を会社全体が推奨している企業です。
マースジャパンリミテッドの取り組みについて
https://www.marsjapan.co.jp/careers
みんなのマーケット株式会社
みんなのマーケット株式会社は、家事代行やハウスクリーニング、不用品回収などの様々なサービスを料金や口コミで比較して予約できる「くらしのマーケット」を運営しています。
オフィスでは捨て猫2匹を引き取って飼育しており、名前はジャンゴとシー。みんなのマーケット株式会社では、Instagramを通じて、オフィスの光景を投稿しているので、本当に飼育しているのかどうかは、実際に見て確かめることが可能です。
この投稿をInstagramで見る
みんなのマーケット株式会社
https://www.minma.jp/
株式会社qnote
猫と音楽とITをテーマにアプリ・デザインの受託開発を行っている会社です。
在籍7名のネコ社員は、ヒト社員をいかにやる気にさせるか、また、おやつをいかに多くもらうかという多岐にわたる技術を日々研究し、その腕の研鑽に励んでいます。
株式会社qnoteでも、ネコ社員の様子をInstagramを使って発信しています。
この投稿をInstagramで見る
株式会社qnote
https://www.qnote.co.jp/
(おまけ)マジメナ株式会社
マジメナ株式会社は、東京都国立市にオフィスを構えるペットテック企業です。ペットの幸せを読者の皆様と一緒に考えながら、日本のペットたちを幸せにすることを目標に、ウェブメディアのシェリーやペット事業者向けのバックエンド業務効率化のためのシステムを開発・運営しています。
何を隠そうそんな弊社も、オフィス犬やオフィス猫こそいないものの、オフィスに飼い犬や飼い猫を連れてきても構いません。飼い猫は猫という生き物の特性上、オフィスに連れてくる社員はいませんが、代表の轟木が飼育する保護犬の「縁(えん)」は、時折オフィスにやってきて、社員たちを励ますという仕事をしています。
会社犬にしない理由は、オフィスに誰もいなくなった深夜、セキュリティの理由もありますが、オフィスに犬だけを置いて帰宅することはできないためです。場合によっては、十数時間以上もオフィスに一人きりにさせることは犬にとって幸せなこととは言えません。このような理由から、社員が飼育するペットを連れてこられる状況がベストだと考えました。
マジメナ株式会社
https://majimena.co.jp/
ペットがオフィスにいるということ
他にもまだまだ数多くのペットフレンドリーな企業があります。ペット関係の企業やペットテック業界では、既にペットフレンドリーな社風であることは当たり前ですが、そうではない企業でも増えてきています。それには科学的な根拠に基づく理由があり、ペットがオフィスにいることで得られる効果があることが大きく関わっていると考えられます。
ペットに理解ある職場についての調査
バンフィールド社がアメリカ在住の200人の人事担当者を対象として、オフィスにペットがいることの効果について調査を行いました。その結果、以下のことが明らかになっています。
- 従業員の士気向上 93パーセント
- 従業員のストレス軽減 93パーセント
- ワークライフバランスの改善 91パーセント
- 会社に対する忠誠心の向上 91パーセント
- ペットを家に置き去りにする罪悪感の軽減 91パーセント
士気向上やストレス軽減は想定の範囲内でしょう。ですが、なんと、ワークライフバランスの改善に貢献していると9割以上の人事担当者が回答しているのです。この結果は「働き方改革」を推進しているここ日本でも、大きな意味を持つのではないでしょうか。
ペットの存在とヒトの健康
アメリカ心臓協会の報告によると、犬の飼い主は「血圧が低い」「ストレスの影響を受けにくい」「活動的である」「心臓発作を乗り切る可能性が高い」ことが示されています。
また、ハーバード大学の研究により、「高血圧で多くのストレスを感じている人がペットと一緒に過ごした結果、血圧が明確に下がった」という研究結果が出ています。今では、このようなペットが人の健康に与える好影響は良く知られるところです。
私たちは、1日8時間勤務と考えても、人生の1/3近くの時間を仕事に割り当てています。そのくらい多くの時間を仕事に当てているのですから、職場にペットがいるということはそれだけ多くの時間を、私たちの健康にも好影響を与えてくれるペットと一緒に過ごせるということです。しかも、職場はどうしてもストレスが多く、運動不足になりがちな場所です。そんな私たちのストレスを軽減するという意味でも、職場にペットがいるということの意義は大きいのではないでしょうか。
ペットをオフィスに入れるときに気をつけたいこと
良いことばかりのペットフレンドリーなオフィスですが、何の考えや準備もなく、オフィスにペットを出入りさせるわけにはいきません。ましてや、オフィスでペットを飼うというのはかなりハードルが高いことでしょう。また、ペットが苦手な従業員もいるでしょう。企業のオフィスである以上、オフィスを出入りする人たちへの配慮や、業務を効率よく遂行するための環境づくりというのも同時に重要になってきます。
何よりも仕事に集中できる環境を作ること
ペットが苦手な従業員や犬や猫のアレルギーを持つ従業員もいるでしょう。このような従業員への配慮は、企業にとっても重要なことと言えます。ペット好きな従業員のモチベーションが上がったところで、それを良しと思わない従業員がいれば、その効果は半減してしまうからです。
もし、従業員にペットのアレルギーを持つ人やペットを苦手とする人がいる場合、ワークスペースを区切るなどの工夫が必要です。また、ペットトイレや餌場はどうしても臭いがするため、仕事場とは別のスペースに用意すると良いかもしれません。休憩用スペースに、ペット用の大きなサークルやガラス張りのスペースを用意しても良いかもしれません。
犬猫が自由に生活できる環境を作ること
いくら人にとって働きやすい環境が出来たとしても、ペットが窮屈なところに詰め込まれてしまっているようでは、ペットフレンドリーとは言えないでしょう。あくまでも、ペットたちが自然に生活できるような環境が必要です。トイレや餌場の他に、猫や犬だけのスペース(隠れ家など)を用意してあげてください。
警戒心の強い犬や猫がいる場合は、人から常に見られているような場所にペットを置いておくことは避けたほうが良いでしょう。また、オフィス内を自由に動き回れるようにしている場合は、コードや配線をむき出しにしておくのは非常に危険なため、ペットが触れないように工夫する必要もあります。
足音や電話音に敏感なペットのため(電話の音やチャイムに反応して吠えてしまう犬は日常でも良く見かけます)、ワーキングスペース以外にゆったりくつろげるような場所も必要です。
ペットに理解のある社会へ
ペットの飼育頭数が水平に推移している一方で、ペット関連の市場規模は拡大し続けています。市場規模が拡大している要因として「ペットは家族の一員」という考えが浸透してきたことによる1頭あたりにかける費用が膨らんできたことが挙げられるのかもしれません。
こういった考え方と時を同じくして、企業も優秀な人材を確保するため、その影響を受けるようになりました。動物病院の診察に伴う休暇や保護犬や保護猫手当、福利厚生にペット保険を導入する企業も現れ始めたようです。
一方でペットフレンドリーなオフィスを作ることは、様々な問題も引き起こします。不動産の確保の問題に始まり、従業員のペットに対する感情に問題、オフィスで飼育する場合は、飼育の分担なども問題になるかもしれません。しかし、このような流れは、私たち飼い主にとっては良い流れなのではないでしょうか。1つ1つの課題をクリアしながら、人にもペットにも住みやすい世の中を作っていきたいですね。
【ペットフレンドリー】進化するアメリカの職場、ペットと共に働ける環境とは?
お仕事をされている皆さんは、ペットが家で何をしているか気になりませんか?危ないことをしていないか、事故はないか、等など。
あなたが飼っているペットと一緒に出勤できたらいいのに、と思ったことはありませんか?アメリカには、ペットフレンドリーと呼ばれる考え方が一般的なのはご存知でしょうか?
今回はそんなアメリカ、ニューヨークのペットトレンドを紹介します。
アメリカ大都市で浸透する、”ペットと一緒に通勤”という考え
最近では、特にニューヨーク市の職場にペットを連れてくるのが一般的です。
大手企業、Google、Mashable、Amazonなどでは”Pet Friendly(ペットフレンドリー)”と呼ばれる方針があります。
ペットフレンドリーのメリット
ここでご紹介するように、ペットフレンドリーには、たくさんのメリットがあります。
仕事の疲れやストレスを軽減させる
愛犬、愛猫と一緒に仕事ができるって幸せですよね。ちょっと一息つきたい時や休憩時間に、ペットに癒されちゃうわけです。
仕事もはかどっちゃいますよね。
ペット好きな仲間が職場で見つかる
それから、職場での会話も増えること間違いなしです。
アメリカの研究ではとても面白い研究結果が出ています。
ある研究では、犬と一緒にグループワークをしたチームのほうが、犬がいない通常のチームよりも、チームの雰囲気がより協調的でコミュニケーションが多かった。と発表されています。
ペットの話題から会話が増える
また、飼い主さん同士、犬や猫の飼い方、しつけ方、ペットと一緒に遊べるオススメのスポットなどの情報交換ができるかもしれませんね。
ペットにとっても、他の犬や猫と一緒に遊ぶことができるので、社会化の観点からのとても良いことなのです。忙しい飼い主さんにとっては、まさに良いことづくめです。
仕事探しの項目に“ペット同伴出勤OK”?
アメリカの就活や求人情報誌に、日本では見かけない項目があります。それは“Pet Free(ペットフリー)”という項目です。
これは、”職場がペットフレンドリーである”ということです。
ペットフリーという項目は、大都市部の求人情報誌で多く見られます。やはり、大都会に住む飼い主さんの多くは、マンションやアパートの一人暮らしが多いみたいです。
マンションやアパートだと、ペットを室内で管理しなくてはならないので、家の中で何をしているか、余計に気になりますよね。ペットシッターや散歩代行を利用するにも、お金がかかりますし、不安もあります。
こうしたペットフリーの条件のおかげか、近年では、“ペットフリーにしたら求人応募者が増えた”という会社も多いらしいです。就職の際に、こんなありがたい条件があったら、一人暮らしの飼い主さんにとっては、安心ですよね。
ひとり暮らしの方でも、ペットを飼いやすくするための環境が整えられているのです。
ペットフレンドリーの課題
こうして、職場のペットフレンドリーがトレンド化する中、様々な問題点も出てくるようになりました。
たとえば、ペットアレルギーのある人やペット恐怖症のある人、ペットが嫌な人にとっては、社内で安全に健康的に仕事をすることができません。ペットフリーが設けられているにも関わらず、ペットフリーの問題に対する解決方法が設定されていない会社も多くあるのが実情です。
企業がペット所有者の仕事や生活のニーズを満たす場合、私たちペット所有者は何をしなくはならないでしょうか?
衛生面の配慮
私たちができる一般な配慮としては、衛生面の管理です。
飼い主である私たちが積極的に掃除を行ったり、会社の室内に空気清浄機を設けることが必要になってくるでしょう。また、トイレ等の排泄のしつけをきちんと行っておくことも求められてきます。
徹底的な衛生管理が、ペットを職場に連れ込む際に求められます。
ペットフレンドリーなルールの確立
ペットフレンドリーな社内環境を作るために、以下のようなガイドラインやルールなどを確立することが重要です。
- ペットのワクチン接種の証明書の提出
- ペットによって引き起こされた損害または傷害の責任を誰が負うか
- 一般の顧客や訪問者の苦情の対処
- 持ち込めるペットの種類を設定する
- もしペットが社内で病気になった場合の対処
- 会社で獣医を雇う必要はあるのか
ペットフレンドリーは、一見、飼い主さんにはありがたい方針ですよね。しかし、企業にはまだたくさんの課題があります。
日本にもペットフレンドリー?
こうしたアメリカの職場のあり方が、日本で見られる日もそう遠くはないかもしれません。ペットにとっても、飼い主さんにとっても、安心安全な生活を過ごしたいですよね。
世界では、ペットと飼い主さんが共存できる環境が、職場にまで広がっています。
今後の発展が楽しみです。