犬の引っ張り癖を直そう!お散歩で元気すぎる犬に3つのアプローチ

「お散歩好き」「好奇心旺盛」「若くて元気があり余っている」といった犬の場合、お散歩中に飼い主をおいてきぼりにして、グイグイ引っ張ってしまう子も多いのではないでしょうか。お散歩は毎日のことなので、毎回引っ張られてしまうと飼い主もストレスが溜まりますよね。

今回は、犬の「体力」、「テンション」、「歩き方」の3つに着目した、引っ張り癖の直し方をご紹介していきます。引っ張り癖に悩んでいる飼い主さんはぜひ試してみて下さい。

お散歩前にやってみよう

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お散歩前の家での過ごし方を少し工夫をすることで、犬のテンションを落ち着かせ、引っ張るのを防ぐことができます。

1. 十分に運動をさせる

犬の「体力」に対するアプローチです。

お散歩の前におうちの中や庭で、ボール遊びや引っ張りっこ遊びなど、体力を使う運動させてください。パンティング(口を開けてハアハアといつもより速く呼吸すること)するくらい遊んであげます。

十分に遊んだあと、お散歩に行く前に水を飲ませるなどをして小休止しましょう。遊ぶことで高まったテンションを少し落ち着かせることが大切です。

時間の都合上、「遊び」と「散歩」の両方が難しい場合は、初めのうちは「遊び」の時間を多く取り、「散歩」は少し時間を減らしても構いません
引っ張り癖が良くなってきたら、少しずつ「遊び」を減らし、「散歩」の時間を増やしていきましょう。

2. ルーティーンを変える

犬の「テンション」に対するアプローチです。

お散歩前に飼い主がするルーティーンを変えてみましょう。
それぞれお散歩前のルーティーンがあると思いますが、一つ例を挙げてみます。カッコは犬の気持ちです。

上着を着る(お散歩かな?) → お散歩バッグを持つ(お散歩だ!) → リードを持つ(嬉しい!嬉しい!)

と、犬のテンションが高まっていきます。
このテンションの高まりが引っ張り癖にも繋がっていくので、お散歩前のルーティーンが終わった後、軽く掃除をしてみたり、ちょっとスマホをいじったりして、ルーティーンを崩してみましょう。

この方法は犬によって、「ルーティーンを変えただけで、だいぶ落ち着いた」という子もいれば「落ち着いていたのに、玄関をあけた瞬間にハイになって引っ張った」という子もいます。
愛犬の様子を見つつ、取り入れてみてください。

リーダーウォークをしてみよう

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犬の「歩き方」に対するアプローチです。
リーダーウォークとは、飼い主がリーダーとなり歩く方向やペースを決め、犬がそれについて行くという歩き方です。

リーダーウォークのやり方

  1. 犬が見ている向きと逆側に飼い主さんが歩き出します。
  2. 犬が飼い主さんを追い抜かしたら、飼い主さんはUターンします。
  3. 犬がついてきて飼い主さんの横に来たら、おやつをあげます。
  4. 「飼い主を追い抜かす → Uターン」「飼い主の横を歩く → おやつ」を繰り返していきます。

※リーダーウォークには、犬を無視して無言でやる方法もありますが、個人的にこちらの方法がより効果があったため、ご紹介しています。

  • リードを引っ張る → 行きたいところにいけない
  • 飼い主の横を歩く → 美味しいおやつがもらえる

この2つを繰り返し教えていきましょう。

リーダーウォークをやる場所・時間

まずは近場で5分を目安に

引っ張り癖がある犬は、玄関を開けたらスタートダッシュしてしまう子が多いので、リーダーウォークをして少し落ち着かせてからお散歩に出ましょう。

家を出てすぐ、5分くらいを目安にやってみましょう。すぐについて歩くことが出来れば、そのままお散歩へ出掛けます。

出来なくても5分程度で終了しましょう。あまり長々やっていると、犬が飽きたり、「飼い主さんとのお散歩嫌だな」と感じてしまったりします。その後は引っ張り癖が出ても、普段通りお散歩して下さい。

毎日繰り返していくと、家を出てすぐ「はい、いつものリーダーウォークですね」という感じで犬も慣れてきます。

慣れてきたら徐々に遠くで

慣れてきたら、リーダーウォークをする場所を家から少し離れた場所に変更します。家を出てから1~2分くらいは普通に歩き、5分程度のリーダーウォークをしましょう。

少し離れた場所でも慣れてきたら、また少し遠くで、とリーダーウォークをする場所を徐々に遠くにしていきます。

犬は「場所」と「トレーニング」を関連付けて覚えやすいため、いつも同じ場所でトレーニングをしていると他の場所ではできなくなる可能性があります。また、いきなり刺激の多い場所でトレーニングするよりも、上手に歩ける場所をちょっとずつ延長していくというイメージでやってみて下さい。

リラックストレーニングをしてみよう

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犬の「テンション」に対するアプローチです。
「リラックストレーニング」とはその名の通り、犬と飼い主が共にリラックスするトレーニングです。
お散歩で引っ張ったり、興奮しやすい犬は、

外 = 楽しくて興奮する場所

という感情しかありません。

「リラックストレーニング」をすることで

外 = 楽しくて興奮することもあるけど、飼い主とリラックスも出来る

というように「リラックスも出来る」ことをプラスしてあげましょう。

リラックストレーニングのやり方

準備するもの:ガムなどの長く噛めるタイプのおやつ、飼い主用の飲み物、(必要であれば)レジャーシート

リラックストレーニングは毎日やる必要はありません。休みの日など飼い主さんの余裕がある時にやってみましょう。

  1. お散歩の後、公園や広場へ行きます。
  2. その場所を一周し、犬が落ち着けるように少し散策しましょう。
  3. ベンチやレジャーシートに座り、犬にはおやつをあげ、飼い主も飲み物を飲むなど一緒にリラックスしましょう。

初めのうちは人や犬が少ない(刺激の少ない)場所の方が上手くいきます。慣れてきたらいろいろな場所でやってみましょう。
愛犬との「まったりタイム」を楽しんで下さいね。

まとめ

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引っ張り癖の直し方で一番のポイントは「毎日コツコツとやること」です。人間も直したいのになかなか直らない癖があるように、犬もすぐには直りません。

しかし、毎日のお散歩のついでに出来るトレーニングですので、意識していれば継続しやすいのではないでしょうか。犬も飼い主も楽しめるお散歩を目指して下さいね。

犬が夢中で穴掘りをする4つの理由。困った時の対策もご紹介!

犬はよく土の地面で穴掘りをしたり、室内でもソファーやクッションなどをほりほりしたりしますよね。
夢中になって穴掘りをする姿は微笑ましいものですが、愛犬はどのような気持ちで掘っているのか不思議に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか?

また、愛犬の穴掘りで庭やソファをダメにされて困っている…という方もいるかと思います。

今回は、犬が穴掘りをする理由と穴掘りで困っている場合の対策をご紹介します。

【犬が穴掘りをする理由①】野生の習性の名残

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何かしらのきっかけで狩りモードにスイッチが入ってしまうと、獲物を探すように穴掘りを始め、それが習慣化することがあります。

地面に巣穴を掘って暮らすアナグマやキツネなどの小動物を捕まえる「狩猟犬」として活躍していた犬種は特に土を掘る本能が強いとされています。
ダックスフンドやテリア種、ボーダーコリー、ビーグルなどに見られることが多いです。

大切なものを隠すことも

また、犬が野生で暮らしていた頃は、とった獲物を隠したり貯蓄したりするために地面に穴を掘っていました。
この習性の名残で、掘った穴におもちゃやおやつなどを隠すことがあります。土だけでなく、ソファや毛布の間に隠すことも。

【犬が穴掘りをする理由②】安心できる巣穴・寝床作り

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犬が寝たり、リラックスしたりする前に、くるくると回りながら掘る様子を見ることがあると思います。
これは、自分にとって心地の良い寝床を整えているのです。寝る前のルーティーンのようになっている犬もいることでしょう。

また、犬の野生時代には、気温に応じて穴を掘り、暖を取ったり涼んだりすることがあったようです。掘ることでちょうど良い暖かさを求めているのかもしれません。

さらに、掘ることで好きなベッドの香りを舞い上がらせて、安心感を得ているのではないかとも言われています。

【犬が穴掘りをする理由③】遊びとして楽しいから

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遊びとして掘る行動をする犬もいます。
狩猟本能から始めた穴掘りが楽しいことに気がついて、繰り返し行うことがあります。

土の地面を掘って穴ができていく様子を楽しんだり、顔を突っ込んで匂いを嗅いだり、何かを見つけたりすることを純粋に楽しんでいるのでしょう。

【犬が穴掘りをする理由④】ストレスの発散

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眠る前や遊びとしてではなく執拗に穴掘りをする場合は、ストレスが溜まっていて発散をしている可能性があります。
不安な生活環境、運動不足、コミュニケーション不足などが原因のストレスがあり、気持ちを落ち着かせるために穴掘りをしているのかもしれません。

病気の疑いも

この状態を放置してしまうと、意味のない行動を繰り返す「常同障害」を発症する恐れがあります。

また、シニア犬がずっと穴掘りを繰り返す場合は、認知症の疑いもあります。認知症の場合は、他にも同じところをぐるぐる歩き回る、狭い場所に入って出られなくなるなどの症状が合わせて見られるかもしれません。
「やりすぎだ」「何かおかしい」と思ったら、すぐに動物病院に相談しましょう。

穴掘りに困っているときの対策

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穴掘りは基本的に本能や遊び目的のため、害がないようなら止める必要はありません。ただし、庭やソファなどを壊して困っている、あるいは犬自身の体を痛めてしまうような場合は対策を取りましょう。

庭やソファを荒らしてしまうとき

庭やソファを穴掘りで荒らされて困っている場合は、掘っても良い場所を別に設けてあげましょう。
庭の場合は柵から離れた場所に、室内の場合は強度の高い素材のクッションや布がお勧めです。

掘ってもいい場所を設けたら、おもちゃやおやつを半分埋めてみる、連れて行って掘ったら褒めてあげるなどを繰り返して、ここでなら掘っても良いと認識させましょう。

また、庭の場合、球根など犬が食べると危険な植物があるため、掘ってはいけない場所には立ち入れないような工夫をすると良いでしょう。

爪を痛める程に掘ってしまうとき

爪を痛める程にガリガリと掘ってしまうときは、まず原因を見極めることが大切です。ここでは、興奮しすぎている場合とストレスが原因の場合について考えます。

1.興奮しすぎて歯止めが効かなくなっている場合

子犬や元気のある犬は、遊んでいるうちに興奮しすぎてハイテンションになることがあります。穴掘りに夢中になりすぎて爪を傷つけてしまうことがあるかもしれません。
そういう場合は、おやつやおもちゃ、コマンドを使って注意を逸らしましょう。穴掘り遊びの時間を区切ることも1つの方法です。

2.ストレスが原因の場合

ストレスが原因と考えられる場合は、愛犬の生活を見直す必要があります。
十分な運動をさせているか生活環境は清潔・快適か飼い主とのコミュニケーションは十分か、などもう一度改めて考えてみましょう。

まとめ

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犬に穴掘りには狩猟本能、リラックス、遊び、ストレス発散など様々な理由から穴掘りをすることがわかりました。害がないようであればそっと見守ってあげましょう。

穴掘りで困っている場合は、犬の気持ちを汲み取りながら対策を取りましょう。
犬と一緒に暮らすと、どうしても家具などが壊れてしまうことがあります。避けられることは避けながら、愛犬のニーズも満たすことのできる解決策を見つけてあげられると良いですね。

犬がくるくる回るのはなぜ?考えられる8つの理由

犬の飼い主のみなさんは、犬がくるくると尻尾を追いかけるようにして回る様子を見たことがあるでしょうか。犬がくるくると回る姿を見て、「かわいい」や「楽しいのかな」と思うかもしれません。

しかし、犬が回るのは、もしかしたらストレスや病気のサインかもしれません。

今回は、犬がくるくると回る原因を、心理的な原因5つと、身体的な原因3つに分けてご紹介します。

犬がくるくる回るのはなぜ?心理的な理由の場合

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まずは、犬がくるくる回る心理的な原因を5つ見ていきましょう。

1.嬉しくて興奮しているから

ごはんをあげる前や散歩の前、飼い主さんが帰ってきた時などに犬がくるくる回る場合は、嬉しくて興奮しているサインです。

2.ストレスや不安を和らげるため

退屈によるストレスや、恐怖感、不安感を感じていると、犬はくるくる回ることでネガティブな感情を和らげようとすることがあります。

エスカレートすると、頻繁に回るようになったり、回りながら自分の尻尾を噛んだり、うなったりする様子が見られることも。運動が足りなかったり、ひとりで過ごす時間が長い場合は、ストレスが原因かもしれません。

3.回るのが楽しいから

単純に自分の尻尾を追いかけながら回るのが楽しくてくるくる回る行動をする犬もいます。

ただし、回転頻度が増えたり、尻尾を噛むなどの行動が見られた場合は、ストレス行動の可能性が高いため、注意深く観察しましょう。

4.うんちの前の安全確認

うんちをするときの体勢は、犬にとってとても無防備です。そのため、うんちをしているときに外敵に襲われたりしないよう、前もって周囲の安全をくるくる回って確かめることがあります。

ちなみに、犬が用を足すときに南北を向くという研究が、2014年のイグノーベル賞を受賞しました。犬には磁場を感じる力があり、方角を探るためにくるくる回っているのではないかと考えられています。

5.寝る場所を整えるため

犬が寝床でくるくると回るのは、寝床を自分好みに整えるためです。

この場合、回るだけではなくて、手で寝床を一生懸命に掘るような仕草が見られることが多いです。

犬がくるくる回るのはなぜ?体の異常が理由の場合

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次に、犬がくるくる回る身体的な原因を3つ考えましょう。

1.認知症

犬は高齢になると、人間と同じように認知症になることがあります。
この場合は尻尾を追いかけるようにしてくるくる回るというより、同じ場所を円を描くようにして何度も回ります。

他にも、壁にぶつかっても後戻りせずに歩き続けたり、家の中で迷子になるなどの行動が見られたら認知症の可能性が高いでしょう。

2.お尻の異常を気にする

お尻にうんちが付いてる、皮膚が炎症しているなど、お尻に何らかの異常を感じると、お尻が気になってくるくる回ることがあります。

犬が回りながらお尻のにおいを一生懸命嗅ごうとしている様子やおしり歩きをするような様子が見られたら、お尻に何か異常を感じているサインかもしれません。

3.耳や脳の異常

犬がくるくると回るのは、中耳炎や脳炎、脳腫瘍などが原因で平衡感覚を失い、意図せずにくるくると回る「旋回運動」の可能性もあります。

目や首の動きが安定しなかったり、嘔吐、食欲不振、痙攣などの症状が伴って見られる場合は、危険な疾患を抱えているかもしれないので、見逃さないようにしましょう。

【ケース別】犬がくるくる回る時の対処法

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全てのケースに当てはまること

回っている理由がなんであれ、犬がくるくる回って周辺の家具や壁などにぶつかってしまわないように、安全を確保しておきましょう。特に、パグなどの目が飛び出している犬種は、目を怪我しないように十分注意してあげる必要があります。

家具の角など、犬がぶつかりやすいところにはクッション性のある柔らかいものを取り付けましょう。

また、これは回らない犬の場合にも言えることですが、足腰に負担がかからないよう、フローリングにはマットを敷くなどして足元が滑りにくい環境を作ることも重要です。

嬉しくて興奮している場合

犬が嬉しさでくるくると回っている場合は、特に心配しなくても大丈夫ですが、なるべく落ち着いてからごはんをあげたり、散歩に連れて行くようにしましょう。

トイレの前や寝床の整備が原因の場合

犬がうんちをする前の安全確認や寝床の整備のために回っている場合は、特に気にする必要はありません。

そのまま放っておいてあげましょう。逆に物音をたてたり、様子を伺おうとじっと見つめてしまうのは、自分がやろうとしていることが中断されてしまうため、よくありません。

ストレスが原因の場合

飼い主さんは、「楽しくて回っているだけだろう」と思っても、それは実は犬からのストレスサインかもしれません。犬が尻尾を噛んだりうなりながら回っている場合や、くるくる回る行動を頻繁にする場合は、ストレスや不安、恐怖が原因だと疑いましょう

運動不足や飼い主さんとのコミュニケーション不足のほか、引越しなどで環境が変わることなどもストレスの原因となります。

散歩の時間を伸ばしたり、たくさん遊んであげるなど、できるだけストレスや不安の原因を除いてあげ、犬の様子を見ましょう。

病気が原因の場合

病気が原因の場合は、くるくる回る以外にも他の症状が伴う場合が多いです。

例えば、老犬で、壁に向かって歩くなどの症状が伴う場合は認知症を疑います。また、お尻に異常を感じている場合はお尻を見てあげることで原因が分かるかもしれません。嘔吐、食欲不振、痙攣が伴う場合は、耳や脳に異常があることが考えられます。

少しでも「おかしい」と思うことがあれば、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。その際、くるくる回る様子など、犬の行動を動画に撮っておくと診断がしやすくなります。

まとめ

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今回は、犬がくるくると回る原因として考えられるものを、心理的な原因5つと身体的な原因3つに分けてご紹介しました。

犬がくるくると回るのは、うんちの前や寝床の整備など、特に心配しなくて良いものもあれば、ストレスや病気など、注意すべき原因もあります。単に回っていると言っても、その状況から考えられる原因は様々です。

犬がどのように回っているのか、他に何か症状がないかなどをよく観察し、ストレスとなる原因を取り除く、動物病院に連れて行くなど、その原因ごとに適切に対処しましょう。