猫に薬を飲ませるにはどうすればいい?コツや注意点を解説
猫に薬を飲ませるのに苦労していませんか?「押さえつけようとすると暴れてしまう」「飲んだと思ったのに吐き出してしまう」など、なかなかうまくいかないことが多いようです。
獣医師に教えてもらったのに、実際自分でやってみるとできないときもありますよね。
そこで今回は、猫に薬を飲ませるコツを解説します。
錠剤・カプセルの飲ませ方
そのまま飲ませるか、ウエットフードやおやつなどに隠して与えます。バスタオルなどの大きな布とシリンジ(針の付いていない注射器の筒)を用意しましょう。シリンジは、動物病院で相談してください。
そのまま飲ませる方法
薬と水を少量入れたシリンジを用意します。
猫の背後から、片手でそっと頬骨の左右を押さえたら顔をやや斜め上に向かせましょう。すると猫は自然に口を開けるので、すかさずもう片方の手で喉の奥に薬を入れます。口の中を爪で傷つけないように注意してください。2人で行うと、うまくいきやすいでしょう。
顔を元の位置に戻しつつ、喉を静かに撫でてあげるとゴクンと飲み込むはずです。このとき、液状のおやつやウエットフードの汁を鼻に少量塗ると、鼻を舐めるついでに薬も飲みこんでくれます。そのあとシリンジを犬歯(とがった歯)の後ろの隙間に差し込み、ちょっとずつお水を飲ませてあげましょう。犬と異なり、大声でほめる必要はありません。
大きめの錠剤は、ピルカッターなどで小さくカットしてもいいでしょう。薬によっては、カットすると苦味が出る場合もあるため事前に獣医師に相談してください。カプセルの中身を出すのは、薬の効果に影響を与える恐れがあるのでやめましょう。
猫が暴れる場合はバスタオルで包む
暴れるタイプの子は、バスタオルや袋などですっぽり包んであげましょう。大きな布などで体を包むと猫はおとなしくなる傾向があります。
ウエットフードに隠す
ウエットフードの中に錠剤やカプセルを入れておく方法です。大好物のウエットフードなら、気づかずに食べてしまう猫もいます。ただし、薬と食材が合わない場合もあるので、フードに混ぜていいかどうか獣医師に確認してください。
苦い味を一度経験すると、同じ手を使えなくなるので注意が必要です。警戒される恐れがあるので、薬を入れるところは猫に見られないようにしましょう。
液状おやつに包む
猫が好きな液状おやつと一緒に飲ませる方法もおすすめです。粘性の高い液状の投薬用おやつならさらに成功率が高くなるでしょう。かかりつけの動物病院に聞いてみてください。
錠剤やカプセルが入れられる穴が開いている、投薬用おやつも販売されています。猫の好みや性格で使いわけてみましょう。
粉薬はお水に溶いてシリンジで飲ませる
粉薬は少量のお水に溶いて、シリンジで飲ませます。錠剤のあとにお水を飲ませた要領で、犬歯の後ろから差し込んで与えましょう。このとき勢いよく入れるとむせてしまいます。猫の様子を見ながら、少しずつ飲ませるようにしてください。
粉薬を溶く水が多いと、お腹いっぱいになって飲めなくなる恐れがあります。なるべく少量の水で溶くようにしてください。
おとなしい猫なら粉薬を液状おやつなどと混ぜたあと、直接頬の内側に入れても大丈夫です。外側から軽く揉んで、だ液と混ぜ合わせます。
シロップもシリンジで
シロップもシリンジで飲ませます。このときも、猫がむせないように少しずつ飲ませるようにしてください。暴れるようでしたら、バスタオルなどに包んでみてください。
猫が咬んでくる場合は投薬器を利用する
薬を飲ませようとすると咬む猫には、投薬器「ピルガン」の使用がおすすめです。投薬器とは長さが約20センチで先端に薬をセットできる専用の器具で、ピルガンの先端を口に入れて、薬を落とすだけです。
猫の口周辺に触れることなく飲ませられるので、咬まれるリスクはありません。ただし、慣れるまではコツが必要です。使う前に獣医師に相談しましょう。
薬を飲ませるときの注意点
猫に薬を飲ませる際は、次のポイントに注意してください。
飼い主さんは気合を入れすぎない
「絶対飲ませる」など気合を入れていると猫に伝わり、警戒されます。普段と同じようにふるまっておきましょう。大声で呼ぶ、叱るなども禁物です。猫の場合は犬と異なり、励ましても逆効果なので静かに見守りましょう。
口や顔のタッチに慣れさせる
猫が口や顔へのタッチに慣れていると、薬を飲ませやすくなります。1日1回、「口や顔をタッチしておやつ」の練習をしておきましょう。歯の手入れや診察などのときにも役立ちます。
うまくいかないときはすぐに動物病院に相談
あまりに試行錯誤をしていると、猫も飼い主さんもストレスです。猫がさらに体調不良になっては困るので、うまくいかないときは動物病院に相談しましょう。薬を変えてもらう、効果が長く続く注射を打つなど対応してもらえます。
まとめ
猫に薬を飲ませるのは、なかなか大変です。暴れる猫は、バスタオルなど大きな布や袋で包むとおとなしくなる可能性がありますので試してみてください。
薬を飲ませようと飼い主さんが気合を入れたり、大声を出したりすると猫は警戒してしまうため、リラックスして飲ませるようにしましょう。普段から口や顔のタッチに慣れさせておくことも大切です。
どうしてもうまくいかないときは、早めに動物病院に相談してくださいね。
犬に薬を飲ませるコツとは?警戒されずに与える方法を解説
「犬に薬を飲ませようとおやつに入れたのに吐き出されてしまった」「飲ませようとすると唸る」など薬の投与に手こずる飼い主さんは多いようです。
しかし、治療や予防のためにも薬を飲んでくれないと困りますよね。高齢になれば、薬を飲む機会も増えていくでしょう。
そこで今回は、愛犬の健康を守るためにも、警戒されずに薬を飲ませるコツを解説します。
薬のみをそのまま与える
口のタッチに慣れている犬なら、そのまま飲ませることも可能です。おいしい味が付いている薬なら、さらに与えやすいでしょう。
次の手順で飲ませてみてください。上手に飲めたらほめてあげましょう。ただし犬が激しく暴れる、拒絶する場合は中止して他の方法を試みます。
- 犬の顔の顎周辺を左手で上からつかむ(左利きの人は右手で)
- そのまま犬の顔を上に向ける
- 右手で口を開けて薬の喉の奥に落とす
- 上をむかせたまま喉をなでる
- 犬が鼻をなめたら飲めているのでOK
あとから吐き出す犬もいるので、少しの間様子を見ていてください。
錠剤やカプセルはおやつやフードを利用する
犬の好きなおやつやフードを使うと、上手く飲んでくれることがあります。
薬をカットする際は事前に獣医師に確認
大きな錠剤はピルカッターなどで小さくすると包みやすくなります。ただし、カットすることで苦味が出る場合があるので、必ず事前に獣医師に確認してください。
なお、カプセルの中身を出すと、薬の効果に影響を与える恐れがあるのでやめましょう。
犬の好きなおやつやフードに包む
薬を犬の大好きなおやつやフードで包むようにして与えます。犬用チーズなどは包みやすいでしょう。錠剤やカプセル、粉薬にも使える手です。ただし、薬だけ吐き出す犬もいるので、きちんと飲んだかチェックしてください。
投薬ペーストを利用する
チーズやチキンなど、犬が好む味がついた犬用の投薬ゼリーやペーストが販売されています。包み込むと薬の匂いを感じにくくなるのもメリットです。
他にもコングペーストや液状おやつも利用しやすいでしょう。動物病院でも購入できる投薬用ペーストがあるので、相談してみてください。
ピルポケット(投薬用の補助おやつ)を利用する
真ん中に薬を入れられるように、穴が開いている、薬専用のおやつの利用もおすすめです。
軟らかく、薬を簡単に包み込めるのがメリット。動物病院で購入できるので、相談してみましょう。ネットで購入したものは、獣医師に確認してから使用してください。
粉薬は水やペーストに溶かす
粉薬が処方されることもあります。次に紹介する方法を犬に合った方法で与えてください。ふりかけのように、フード全体に混ぜるのは薬の味がわかってしまうのでおすすめしません。
粉薬は水に溶かしてシリンジで
粉薬は少量の水に溶かして、シリンジ(針のない注射器)で与えます。犬歯(尖っている歯)の後ろにある隙間から、少しずつ入れてください。犬がむせないように少しずつ押し出します。
甘みのあるものに混ぜ込む
犬は甘いものを好むので、練乳に薬を混ぜて与えるのもおすすめです。粘り気があるので歯茎や上あごに塗り付けてみてください。練乳は大変甘いため、薬のときだけ利用し普段のおやつには与えないようにしましょう。
投薬ペーストもおすすめ
犬用投薬ペーストは、粉薬の投与にも使えます。混ぜ込んでしまうと、薬の味もわかりにくくなります。
ペット用オブラートに包む
ペット用オブラートの利用もおすすめです。犬の好きな甘みが付いています。
シロップ薬は練乳やヨーグルトを活用
シロップ薬も、シリンジに入れて少しずつ流し入れます。犬の好きな練乳やヨーグルトなどに混ぜて舐めさせてもいいでしょう。
おやつやフードを利用する際の4つのコツ
おやつやフードを利用して、犬に薬を与える際はコツがあります。
1. 犬に薬を仕込むところを見られないように注意
薬をおやつやフードに仕込むところを、犬に見られないように注意しましょう。飼い主さんがコソコソとしているのを見ると「いつもと違う」「なんだか変だな」と犬が警戒します。
2. 丸めるときは一口サイズに
おやつやフードで包んで丸めるときは、一口で丸のみできる大きさにします。大きいと、犬が噛むため薬の味が口に広がる恐れがあるためです。一度苦い味を経験すると、警戒して食べなくなってしまいます。
3. 最初はダミーを与える
薬を仕込んだおやつやフードを与える前に、薬を入れていない状態で同じおやつやフードを与えます。続けて、薬を入れたおやつやフードを与えればほとんど警戒しません。
4. 薬を仕込んだことを知らない人が与える
おやつに薬が入っていることを知らない家族や友人に与えてもらうと、さらに警戒される可能性が減ります。
薬を仕込んだ人や薬が入っていることを知っている人が与えると、「ちゃんと食べてくれるかな」という不安が犬に伝わりやすいのです。その点、薬のことを知らない人が与えれば、犬が警戒しないで食べてくれます。
犬に薬を与える際の注意点
気合を入れすぎたり、怒ったりしないことが大切です。いつも通りに行動します。
いつも通りに犬に接する
「薬を絶対飲ませなきゃ」「飲まなかったらどうしよう」と考えすぎないようにします。飼い主さんの緊張や不安は、犬に伝わるものです。犬も不安になってしまいます。
犬を叱らない
犬が薬を拒んでも、決して叱らないでください。もちろん怒鳴るのも叩くのもNGです。二度と薬を飲まなくなるだけでなく、信頼関係が崩れる恐れもあります。
上手く飲ませられないときはすぐに動物病院へ
犬が暴れたり、どうやっても吐き出したりする場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。自己判断で薬を中止するなどは、犬の健康維持に関わります。
薬をうまく飲むために日頃からやっておきたいこと
日頃から口のタッチなどをやっておくと、薬を与えやすくなります。歯みがきなどにも役立つので、ぜひ習慣にしてください。
1. 口周辺や口のタッチに慣れておく
口の周りや、口の中のタッチには日頃から慣れさせておきましょう。いきなり触ると驚くので、口の周りをちょっと触ってはほめることを少しずつ毎日行います。
タッチに慣れると、歯のケアにも役立つのでおすすめです。
2. シリンジに慣れておく
飼い主さんも愛犬も、シリンジに慣れておくことをおすすめします。シリンジは犬のサイズに合わせて用意してください。獣医さんに聞けば適切なサイズを教えてくれますし、購入もできる動物病院がほとんどです。
シリンジは、犬が高齢になって介護が必要になった際の水分補給やフードの補給などにも役に立ちます。ときどきシリンジでお水を飲ませてみたり、お肉の茹で汁などを与えたりしてみてください。
まとめ
薬は犬の健康維持や治療に欠かせません。もし、愛犬が薬を飲むのが苦手なのであれば、犬の好きなおやつやフード、投薬用おやつ、シリンジなどを利用して与えるのがおすすめです。
飼い主さんは、リラックスして与えることがコツです。不安や緊張は犬に伝わるので注意してください。また日頃から、口周辺に触ることやシリンジにも慣れさせておきましょう。
上手く飲ませることができないときは、すぐに動物病院に相談してください。
【クイズ】春から予防を!犬のフィラリア症の原因と投薬時の注意点
本記事では、犬のフィラリア症についてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、犬のフィラリアクイズにチャレンジしてみましょう!
体内に侵入したフィラリアの子虫は、犬の皮下組織、筋肉、脂肪組織などで2〜3ヵ月かけて成長します。その後、静脈に入り、心臓に達して犬の身体を蝕みます。
1980年の犬の平均寿命は3歳程度で、死亡原因の上位をフィラリア症が占めていました。しかし、大村教授が開発したフィラリア予防薬の定期的な投与によりフィラリア症で亡くなる犬が激減しました。最近では犬の寿命が13歳〜14歳となり、ここ30年で寿命が10年伸びたことになります。
血中にフィラリアの幼虫がいる状態でフィラリア薬をする投与と、犬がショック死を起こしてしまう危険性もあります。薬を投与する前には必ず動物病院で血液検査をしてください。
フィラリア薬は蚊が出現する時期に投与を開始し、蚊が出現しなくなってから1ヶ月後まで続ける必要があります。そのため、蚊がいない冬の時期は投与する必要がありません。一方で、マンションの高層階では蚊はいませんが、外から帰って来た人間が室内に持ち込んだり、散歩の際に刺される可能性がありますので、フィラリア薬を投与する必要があります。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】愛犬の命をフィラリアの脅威から守ろう!
【クイズ】ちゃんと対策してる?この時期に気をつけたい猫の花粉症
本記事では、猫の花粉症についてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、猫の花粉症クイズにチャレンジしてみましょう!
・くしゃみ猫の場合は、特に皮膚に症状が現れることが多いようです。
・鼻水
・目の充血
・目やに
・皮膚が炎症を起こしている
・目や体全体を強くこすっている
・被毛の一部分がハゲている
猫が外に出なくても、飼い主さんが室内に花粉を持ち込んでしまうこともありますので、外から帰宅したときは、衣類に付着した花粉をハンディクリーナーや粘着テープを使って綺麗に取り除いてから室内に入るようにしましょう。すぐにシャワーを浴びて着替えるのも効果的です。
また、雨の翌日や風の強い日の翌日も飛散量が多い傾向にありますので注意が必要です。
なお、猫の場合は血液検査をしても、花粉症と断定するのは難しいようです。しかし、複数の情報から花粉症と診断できることもありますので、まずは獣医師に相談しましょう。
猫の花粉症はブタクサが原因であることが多く、7〜10月にかけて花粉が飛散します。また、最近になって2〜3月にかけて飛び交うスギ花粉にアレルギー反応を示す猫も増えてきています。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【春花粉】猫の花粉症の症状と4つの対策
【獣医師監修】ヒトにも感染します!寄生虫から愛犬や家族を守ろう
内部寄生虫とは

回虫名 | 症状 | 人獣共通感染症 |
---|---|---|
犬回虫 | 消化器症状の他、重篤化すると神経症状や肺炎を起こします。 | ○ |
犬小回虫 | 犬回虫よりやや小さく、消化器症状を呈します。 | |
犬鉤虫 | 小腸粘膜に咬みつくため、消化管出血を起こします。 | ○ |
犬鞭虫 | 土壌中でかなり長い期間の感染能を有します。 | ○ |
多包条虫 | 犬やキツネでは無症状ですが、ヒトに感染すると長い潜伏期間の後、肝機能障害や神経症状呼吸器症状を呈して死亡します。 | ○ |
瓜実条虫 | ノミによって媒介され、糞便中に片節が見られます。 | ○ |
内部寄生虫の予防方法

フィラリア薬での予防の落とし穴は「冬の予防」
フィラリア薬は蚊がいる季節を中心に投与します。では、冬の期間、お腹の寄生虫の予防はどうなっているのでしょうか。 答えは「完全に無防備」です。 フィラリアと異なり、お腹の寄生虫にシーズンはありません。冬の間は別途、駆虫薬を投与する必要があります。または、フィラリア薬を通年投与します。 万が一、冬でも室内のプランターなどの水回りから蚊が発生したとしてもフィラリア薬を飲み続けていれば安心です。また、フィラリア薬投与前の血液検査が不要になるメリットもあります。 いずれにしても、冬も忘れずに寄生虫感染のケアをしましょう。外部寄生虫とは

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2013年、日本で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者が確認されました。 SFTSはウイルスを持ったマダニに刺されることで感染します。特効薬もなく、死者も出ていることからニュースでも取り上げられたことは記憶に新しいのではないでしょうか。 厚生労働省によると、現在も年に60〜90名の感染が確認されています。 西日本での発生が中心ですが、ウイルスを保有するマダニが他の地域でも確認されていることから、いつどこで発生してもおかしくない疾患です。 犬でもヒトと同様の症状を呈することがわかっており、感染しないためにもマダニに対する予防は公衆衛生上でも非常に重要と言えます。 マダニ感染症について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。マダニ感染症患者数が過去最多を記録。ペットからの感染にも注意して
外部寄生虫の予防方法

経口タイプ
おやつのような感覚で投与が可能。 フィラリアやお腹の寄生虫の予防も兼ねているタイプもあり、基本となる全ての寄生虫予防が一度にできるメリットがあります。 投薬してすぐにシャンプーも可能です。スポットタイプ
首筋に垂らす液体状の薬剤。 投与後に吐き出したりする心配がなく、確実な予防が可能です。 体質にとっては基剤のアルコールに反応して皮膚炎を起こすこと、シャンプーは24時間の間隔が必要となることに注意が必要です。医薬品と医薬部外品
動物病院以外の場所でも、ノミ・マダニ予防の商品を見かけることがあります。 含まれている有効成分によって区分されていますが、有効性と持続性において顕著に差が出るというデータもあります。 獣医師の視点から言わせると、動物病院で処方される予防薬を使用した方がよいと考えます。 医薬品と医薬部外品の効果の違いについては、こちらのサイトもご覧ください。フロントライン プラス 概要・特徴 https://n-d-f.com/frontline/
まとめ

【獣医師監修】愛犬の命をフィラリアの脅威から守ろう!
フィラリア(犬糸状虫)とは

フィラリアの体内での成長
蚊に刺されたときにフィラリアの子虫が犬の体内に侵入します。 体内に侵入したフィラリアの子虫は、犬の皮下織、筋肉、脂肪組織、漿膜下で2〜3ヵ月をかけて成長します。その後、静脈に入り、心臓に達します。フィラリア薬ってどんな薬?

フィラリア薬の効果
フィラリアは蚊によって媒介されますので、蚊に刺されないことこそが最大の予防となります。しかし、これは現実的に不可能です。 そこで、フィラリア薬を用いて、蚊に刺されてもフィラリアに感染しないようにすることが必要不可欠です。 ここで注意したいのは、予防薬はフィラリアから体をバリアするものではないということ。あくまでも1ヵ月に1回投与することで、犬の体内に侵入してしまったフィラリアの子虫を駆虫することが目的です。フィラリア薬の投与の仕方
各製薬会社で様々なフィラリア予防薬が販売されていますが、フィラリア予防薬は「要指示医薬品」ですので、動物病院で処方してもらいます。 血液の中にフィラリアの幼虫がいる状態でフィラリア薬を投与すると、犬がショックを起こして死に至る危険性もあるので、必ず動物病院で血液検査を行ってから投与をしましょう。 フィラリア薬は基本的に錠剤タイプですが、錠剤を嫌がる場合はチーズなどに包んで与えてみましょう。フィラリア薬の投与期間
フィラリア薬は、フィラリアの生活環の子虫と呼ばれる段階にしか効果がありません。フィラリアの子虫が血管内に入る前に駆除する必要があるため、1ヵ月ごとにフィラリア薬を投与し、フィラリアの侵入を定期的にリセットしなければいけません。 つまり、フィラリア薬は蚊が出現する時期に投与を開始し、蚊が出現しなくなってから1ヵ月後まで続ける必要があるということです。 この+1ヵ月を忘れてしまうと、蚊のいない冬の時期にフィラリアが成長し、心臓に感染してしまいます。フィラリア予防のよくある間違い

マンションの高層階に住んでいるから蚊には刺されない?
外出した人の衣服に付いてくる、エレベーターに乗ってくるなどによって、高層階であっても蚊がいることは多くあります。散歩の際に蚊に刺されることもあるので、居住環境に関わらずフィラリアの予防は必須です。
動物病院で検査を受けなくてもフィラリア薬の投与を始めてよい?
前述した通り、フィラリア薬の投与前には、成虫の感染がないか予め血液検査をする必要があります。心臓にフィラリアの感染が成立している場合、成虫から生まれたフィラリアの幼虫が血中に存在する可能性があります。 このときにフィラリア薬を投与すると、幼虫の急激な死滅によってアナフィラキシーを起こす場合があり、非常に危険です。 去年の薬が余っているからと、検査をせずに投薬を開始するのは止めましょう。
飲み忘れの期間があるけど、投薬を再開して大丈夫?
蚊によって体内に侵入したフィラリアの子虫は早ければ2か月ほどで血管内に移動します。こうなるとフィラリア薬は効きにくくなってしまいます。 前回の投薬から間隔が空いている場合は獣医師の指示を仰ぎ、定期的に検査をしながら慎重に投薬する必要があります。
まとめ

死に至ることも…!犬・猫などに寄生する「マダニ」とは?
そもそも「マダニ」とは何か

見た目
マダニの成虫は黒く硬い外皮に覆われており、体長は吸血する前で3~8mmほどで、一般に家の中に住むダニの約10倍に相当し肉眼で見ることができます。また、吸血し、飽血(満腹になり血でいっぱいに膨らんだ状態)になると、10~20mm程度の大きさに変わります。生態
マダニは、草木の茂る場所で宿主となる動物が通過するのをひっそりと待ち受け、動物にかみついて寄生します。マダニが動物を待ち受けているのは地上1mくらいのところでなので、散歩をする犬や猫は特に注意が必要です。 春から秋にかけて活動が活発になりますが、温暖な地域では冬でも活動しています。日本全国に生息し、都心部でも畑やあぜ道など、自然が豊かなところに生息しています。 マダニの食べ物は動物の血液のみで、動物の体内に口器を差し込み、セメント物質を出して固着し吸血します。飽血したマダニは地上に落下し、2〜3週間の間に2000〜3000個の卵を産みます。マダニが寄生する場所
マダニは犬や猫であれば耳、目の周り、鼻の周り、胸部、内股部、おしり(こう門)の周りなど、被毛の少ないところに寄生します。マダニにかまれた時の症状

動物への直接の症状
マダニはかむときに麻酔のような物質を出すので、かまれても痛みやかゆみが出ることはありません。 しかし、マダニの唾液にアレルギー反応を起こすことがあります。また、大量に血を吸われることで貧血を起こすこともあります。さらに、マダニの種類によっては唾液に毒性物質を持つものもおり、それにより神経障害を引き起こすこともあります。マダニを媒介して現れる病気
かまれたときにマダニが保有する細菌に感染し、病気を引き起こすことがあります。全てのマダニが菌を持っているとは限りません。しかし、重症になると死に至る病気もあり、注意が必要です。 ここではマダニにかまれた犬・猫が発症することのある病気、そして主な症状について見ていきましょう。ライム病
- 発熱
- 食欲不振
- 全身性けいれん
- 関節炎
- 筋肉炎など
犬バベシア症
- 発熱
- 粘膜蒼白
- 脾腫
- ビリルビン尿(茶色い尿)
- 重症になると重度の貧血
- 黄だん
- 多臓器不全など
猫ヘモバルトネラ症
- 貧血
- 元気消失
- 体重減少
- 食欲不振など
Q熱
- ほとんどが無症状(不顕性感染)
- メスでは、ごくまれに流産や死産のケースも
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 発熱
- けん怠感
- 消化器症状(食欲低下、はき気、おう吐、下痢、腹痛)など
エールリヒア症
- 発熱
- 食欲不振
- 血小板減少
- 白血球減少
- 非再生性貧血
- 骨髄低形成など
人間にも感染する

マダニを無理やり取るのはだめ!

かまれる前に駆除をしよう

皮膚につける薬
首の後ろの皮膚につける外用薬があります。この薬を規定量垂らすと成分が全身に広がり、マダニの病原体に感染する前にマダニを駆除します。 ホームセンターやペットショップでも取り扱いがありますが、効果が不安定なものもあるようです。やはり動物病院で適切な薬を用意してもらうのが良いでしょう。食べる薬
おやつ感覚で食べさせることができる薬もあります。皮膚が弱くて皮膚につけるタイプの薬がつけられない子や食べることが好きな子におすすめです。 しかし、大豆など成分によってはアレルギーを起こす事もあるので、与える時はかかりつけの動物病院の先生に相談しましょう。虫よけスプレー
犬や猫用の虫よけスプレーでマダニなどの虫をつきにくくできます。 人間用の虫よけスプレーは人間以外には刺激が強く、炎症などを起こしたり、口に入ると中毒を起こすことがあります。必ず専用の虫よけスプレーを用意してください。この虫よけスプレーはペットショップやネット通販でも購入できるようです。まとめ
