初めての猫!家の準備や用意するグッズ、心構えを解説
猫を初めて飼うときは、「家の中をどうすればいいのだろう」「何を用意すればいいの」と悩みますよね。今は情報が多い分、迷ってしまうでしょう。
今回は、猫を飼うときに準備することや用意したいグッズ、心構えについて解説します。準備や心構えは、子猫も大人の猫も基本的には同じですので、猫を飼う前によく確認しておきましょう。
家の中を整える
猫はひも類や小さなものに興味を示します。高いところも大好きなので誤飲やケガをしないように、家の中を「猫仕様」にします。
誤飲の危険があるものは片付ける
ひも類、糸、ヘアゴム、ボタンなど小さなものは誤飲の危険性がありますので、猫が届かない場所にしまってください。大人の猫でも油断できません。
猫は器用なので、ちょっとした扉や引き出しなどは開けてしまいます。頑丈な箱や引き出しに入れましょう。
観葉植物やお花は別の部屋に
観葉植物の種類によっては、猫が齧ると中毒を起こす恐れがあるものがあります。猫が過ごす部屋には飾らないでください。ユリの花は、活けた水を舐めただけでも危険です。お花も飾らないようにしましょう。
電気コード類にはカバーを
電気コード類を噛んで感電などしないようにカバーを付けておきます。
押し入れやクローゼット、洗濯機の扉に注意
猫は狭いところが好きなので押し入れやクローゼット、洗濯機などに入りたがります。飼い主が気付かないまま、閉め切ったり、洗濯機を動かしたりすると大変危険です。
扉は開けたままにしない、洗濯機のふたは必ず閉めるなどをしっかり心がけてください。
お風呂の水は捨てる
夏は涼しく、冬は残り湯があれば温もりがあるためお風呂が好きな猫がいます。
ふたの上で暖を取る姿はかわいいですが、滑って落ちるとおぼれてしまいます。残り湯は捨てるほうが安全です。
外には出さない
猫は外に出さず家の中で飼います。散歩は必要ありません。特に家に来たばかりの猫は、外に出ると戻れなくなる恐れがあるので十分注意してください。
身を隠す場所を作る
猫が入れるような段ボールに敷物を入れていくつか置いておくと、猫は身を隠せるので安心します。狭いところにいたいという欲求も満たせるのでおすすめです。
買っておきたい猫のためのグッズ
事前にペットショップやホームセンター、ネットなどで購入します。リストを作っておくと、買い忘れがありません。
フード
ブリーダーやペットショップで購入した場合、もしくは保護施設から来た場合は、そこで食べていたフードを用意します。野良猫を拾った場合は、猫の年齢に合った総合栄養食を与えましょう。
ドライフードとウエットフードの両方があると便利です。
食器と水入れボウル
どちらも陶器がおすすめです。猫は入れ物にもこだわりがあるので、複数用意しておきます。ひげが容器に当たるのを嫌がるので、猫専用を購入するほうが安心です。
猫用トイレ
猫用トイレは、大きさの十分にあるタイプを複数設置しましょう。最低でも1匹あたり2個は欲しいところ。大きさは猫の体長1.5倍が目安です。
猫砂にもこだわりがあるので、いくつか用意して様子をみてください。ペットシーツもあると、おしっこがこぼれたときなどに安心です。
爪とぎ
猫の爪とぎは本能なので、爪とぎの用意は必須です。段ボールタイプや麻ひもタイプなど、猫の好みに合わせて複数用意するといいでしょう。基本的にほとんどの猫が段ボールタイプを喜びます。
クレート
必ずクレートは用意してください。普段からハウスや落ち着ける場所として使えますし、動物病院の受診の際も便利です。災害時の避難にも役立ち、避難所にもそのまま持ち込める場合もあります。
素材は頑丈なプラスチック製がおすすめです。
キャットタワー
猫は高いところが大好きなので、キャットタワーを設置してあげましょう。しっかりした頑丈なものを選びます。窓の外を見られる場所に置いてあげるといいですね。
サークル
サークルは留守番や来客時に活躍します。猫の落ち着ける場所にもなるでしょう。高さがあり、スペースが三段ほどあるタイプなら上下運動ができます。ベッドやトイレも置いてあげましょう。
猫用ベッド
好きな場所でくつろげるように、ベッドも複数用意してあげましょう。出窓やリビングの隅、サークル内などに置いておきます。
おもちゃ
ひとり遊びができるおもちゃと、飼い主さんと一緒に楽しめるおもちゃを用意しましょう。転がすとフードが出てくるおもちゃは、猫の狩猟本能を刺激するのでおすすめです。誤飲を防ぐためにも、猫じゃらしは飼い主さんと遊んだら片付けてください。
首輪
猫のサイズに合った首輪を選びます。ケガや事故防止のためにも、何かにひっかかったら外れるタイプがおすすめです。
動物病院を受診する
猫を飼うことになったら、必ず動物病院を受診します。
健康診断を受け、ワクチンや避妊・去勢手術のスケジュールを立てましょう。猫の飼い方のアドバイスなどももらうと安心ですね。
猫を飼う=猫の命に責任を持つ
猫を飼うことは、最期の時まで責任を持って猫のお世話をすることになります。猫の平均寿命は室内飼いの場合15~16歳といわれています。つまり少なくとも15年は、毎日こまめに猫のお世話をする覚悟が必要です。
いたずらをされたり、ひっかかれたりなどのトラブルもあるでしょう。思い通りにならないこともあります。旅行にも行きづらくインテリアもおしゃれにはできないかもしれません。
しかし、猫がいる暮らしは、たくさんの喜びとかけがえのない幸せに満ちています。猫の習性をしっかり理解し、猫との暮らしを楽しんでください。
猫の誤飲を予防しよう!日常生活に潜む食べ物以外の危険と対策
猫は、遊んでいるうちにひもやビニールを飲み込んでしまうことがあります。飲み込むとお腹の中で絡まったり、腸閉塞を起こしたりする恐れもあり大変危険です。
場合によっては開腹手術などで取り出すケースもあります。大切な猫を守るためにも、飼い主さんはしっかり対策をしましょう。
この記事では、食品や植物以外の猫の誤飲について解説します。
猫が誤飲しやすいもの(食品以外)
猫の舌はザラザラしているため、単になめているだけであっても口の中に入ってしまいやすいです。
猫が普段過ごしているスペースには、飲み込んでしまう恐れがあるものはたくさんあります。どんなものが危ないのかをしっかり把握し、部屋に放置しないように気をつけましょう。
1. ひも類
毛糸やリボン、猫のおもちゃについているひもなどです。「ひも」ならすべて誤飲の恐れがあります。じゃれているうちにそのまま飲み込んでしまうケースが多いようです。
毛糸にじゃれている猫の写真やイラストはほのぼのしていますが、危険な遊びをしていると考えたほうがいいでしょう。
2. ヘアゴム
ヘアゴムを咥えて遊んでいるうちに飲み込んでしまいます。
嘔吐が続く猫を診察したら、胃から大量のヘアゴムが出てきた例もあるため、テーブルなどに放置すると危険です。
3. 縫い針
縫い針に通っている糸に興味を示して、針ごと飲み込むケースもあります。
4. 布製品
クッションやお気に入りの毛布をなめているうちに、出ていた糸くずを飲み込んでしまいます。
5. ビニール製品
ビニール袋で遊んでいるうちに、破れたビニールのかけらを飲み込んでしまいます。薄手のビニールは破けやすいので注意しましょう。
6. スポンジ類
スポンジにかみついて遊びながら、ボロボロになったスポンジ片を食べてしまいます。
7. 猫のおもちゃや飾り
ネズミなどの小さなおもちゃは、飲み込みやすく危険です。また、おもちゃについた羽やリボンなどをかじりとって飲み込む場合もあります。
粗雑な作りのおもちゃには要注意です。
8. クリップや安全ピン、画びょうなど小さな文具
床に落としたまま気づきにくいクリップや安全ピンは、猫の恰好のおもちゃです。遊んでいる際に飲み込んでしまう恐れがあり危険です。壁に刺した画びょうを、前足で取り外してしまう猫もいます。特に画びょうは使わない方が安心です。
9. ティッシュペーパー
ティッシュケースからティッシュを出して遊んでいるうちに飲み込んでしまいます。
10. その他
他にも、人間の子どものおもちゃや、ピアスなどアクセサリー類、ボタンなども誤飲の原因になります。
誤飲したらどんな症状が出るの?
そのまま便に出てくる場合もあります。しかし、ひもの一方の先端が、消化管のどこかに引っかかると大変です。ひもが引っかかっているのに、胃腸は消化活動をするので蛇腹のようにくしゃくしゃになってしまいます。すると血液が行き届かなくなり壊死を起こすなど、命にかかわる状況になる可能性があります。
他にも、腸閉塞や嘔吐、食欲不振などもみられます。元気がなくなったり、苦しそうな様子を見せたりする場合もあるようです。状況によっては開腹手術で取り除きます。
誤飲したら飼い主さんはどうすればいい?
すぐ動物病院に連絡して、獣医師の指示に従いましょう。ウンチが出るまで待ってみるなどの自己判断は危険です。
また、肛門からひもが出ている場合は引っ張り出さないでください。引っ張ると腸が縮むなどして大変危険です。同様に、口からひもが見えている場合も引っ張り出さないようにしましょう。
確信がなく「もしかしたら何か飲み込んだかも?」という場合でも、一度受診することをおすすめします。
対策は「片付ける」
猫に誤飲させないために、飼い主さんにできることは「誤飲しそうなものから猫を遠ざける」です。
小さいものは引き出しやケースに
ボタンやヘアゴムなど小さなものは猫が開けられない引き出しや、しっかり蓋のついたケースに片付けましょう。棚の上に置くだけでは、猫は上って取ってしまいます。
引き戸や扉にはロックを
市販のロックをつけておけば、器用な猫も扉を開けられません。
裁縫や編み物は猫のいないところで
猫とは別の部屋で裁縫や編み物をします。ワンルームなどの場合は、猫をケージにいれましょう。だたし、ケージは猫を閉じ込める場所ではありません。とっておきのおやつを与えるなど「猫にとって嬉しい場所」にしてあげましょう。
ほつれた布製品は修繕するか処分
敷物やクッションカバーなど、ほつれが出たらハサミでカットしておきます。修復できないものは、処分したほうが安心です。
猫じゃらしは飼い主さんと遊ぶ
猫じゃらしなど、ひも状のおもちゃは飼い主さんと遊び、猫だけでは遊ばせないようにしましょう。遊び終わったら、猫が取れない場所に片付けてください。
退屈にさせない
猫の退屈を解消すると、糸で遊ぶなどの誤飲に繋がりやすい行動を予防できます。キャットタワーを設置したり、外が見えるくつろぎスペースを作ったりしてあげましょう。段ボールなどで隠れる場所を作るのもおすすめです。
飼い主さんと一緒に遊ぶことも、ストレス解消とコミュニケーションにも欠かせません。
布をなめる癖がある猫は受診
ストレスなどが原因で布をなめ続ける「ウールサッキング」をする猫もいます。一度ウールサッキングをしてしまうと、改善には時間がかかり再発する可能性が高いとされています。
このような行動を見かけたら、なるべく早く行動学にくわしい獣医師に相談しましょう。
まとめ
猫は遊んだり興味を示したりしているうちに、ひもやビニールなどを誤飲する恐れがあります。場合によっては腸閉塞を起こすこともあり、大変危険です。
もし飲み込んでしまった場合は、様子を見るのではなく動物病院を直ちに受診してください。自己判断をせず獣医師の指示に従いましょう。
飼い主さんは、猫が誤飲しないための対策も必要です。部屋をきちんと片付け、扉は開けられないようにするなど、猫を誤飲の危険から守ってあげましょう。