犬の垂れ耳に隠れた進化の秘密とは?人気の垂れ耳犬種8選もご紹介!
犬の耳は、犬種や個体によって大きさや形にさまざまな違いがあります。
猫の耳はだいたい立っているのに、犬には垂れ耳が存在するのはどうしてなのでしょうか。
今回は、犬の垂れ耳と進化の関係性についてご紹介します。
犬の垂れ耳は進化の賜物?その理由とは
犬の祖先であると言われるオオカミは立ち耳でしたが、現在では多くの垂れ耳の犬がいます。このように耳の形が変化した理由には、さまざまな説があります。
説1. 人間にかわいがられるため
オオカミが人間との共同生活を始め、犬へと進化していく過程で、より人間にかわいがってもらえるように容姿を変化させてきました。
人間の幼いものをかわいいと思う本能に合わせて、長く鋭かった口元は丸まり、目も大きく丸くなりました。耳が垂れるようになったのも、このためではないかといわれています。
実際、立ち耳の犬種でもほとんどが子犬の頃は耳が垂れていることからも、「垂れ耳=幼い」という印象を自然と与えることが考えられます。
説2. 狩りのお手伝いに垂れ耳の方が都合がよくなったから
人間の狩猟にお供するようになった犬は、人間が使う狩猟用の銃の大きな音から耳を守るため、耳を垂らして覆ったのではないかという説もあります。
また、水に入って獲物を追ったり、穴に潜って獲物を探すとき、水や土が耳の中に入るのを防ぐため、耳が垂れるようになったとの考え方もあります。
人間と一緒に狩猟をするスタイルに変化したことで、それに適した耳の形に変化していったのかもしれませんね。
説3. 気を張っている必要がなくなったから
あるドイツの生物学研究所は、犬の垂れ耳の原因は犬に進化する手前のオオカミのアドレナリンの欠如が原因ではないかと報告しています。
アドレナリンは、副腎髄質から分泌されるホルモンの一つで、血糖量の上昇や心拍数を増加させるなど作用があります。危険を察知したときや獲物を探知したとき、オオカミはアドレナリンによって戦闘状態に入ります。すると、相手を威嚇するため、毛を逆立て、尻尾や耳をピンと立てて体を大きく見せます。
しかし、やがて人間と暮らすようになると、自分で獲物をとらなくても食べ物がもらえ、縄張り争いも必要なくなったので、気を張ることが少なくなった結果、アドレナリンの分泌量が減ったことが、垂れ耳誕生の原因のひとつと考える人もいます。
垂れ耳にもいろいろ!垂れ耳の人気犬種8選!
トイ・プードル
トイ・プードルは毛が抜けにくく、特に室内犬としてもっとも人気のある犬種です。
クルクルと巻いた毛に、つぶらな瞳と垂れ耳がまるでぬいぐるみのようにかわいらしいトイ・プードルですが、好奇心旺盛で運動能力も高く、「ワンちゃんと一緒にレジャーを満喫したい!」という方にもぴったりです。
カットスタイルを変えておしゃれを楽しみたい方にもオススメの犬種です。
ビーグル
がっしりした体格の中型犬で、毛は短く、大きめの垂れ耳が特徴的なビーグル。
かつては集団で獲物を追う猟犬だったので、その名残で他の犬とも上手に仲良くなれる子が多いです。
ダックスフンド
短足胴長、長いマズルに大きな耳が特徴的なダックスフンド。
かつては穴に入って小動物を捕まえる狩猟犬として活躍していたのでこのような体型になったと言われています。
性格は友好的、好奇心旺盛で、体は比較的がっちりと引き締まっているので、小型犬のわりに多めの運動量を必要とします。
ラブラドール・レトリーバー
体が大きく、優しそうな顔立ちが魅力のラブラドールレトリーバー。
これほど体が大きいのにかわいらしく感じられるのは、垂れ耳のおかげかもしれませんね。短毛なので季節の変わり目以外は毛が抜けにくいですが、その分脂肪で寒さをしのぐので食事量がとても多いのが特徴です。
ゴールデン・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバーは短毛犬種ですが、ゴールデン・レトリーバーは毛が長く、抜けやすいのが特徴です。子供の頃はやんちゃですが、大人になるととても心優しく、思いやりあふれるワンちゃんに成長します。
ただ、やはり体が大きいので、飼うことを決める前に、家に十分なスペースがあり、十分な食事量や運動量を確保してあげられるかどうかをよく考えることが必要です。
パグ
「ぶさかわ」で大人気のパグは、くしゃっと潰れた顔と、くりくりした大きな目、そして小さな垂れ耳が特徴の犬種です。
筋肉質でがっちりとしており、毛は短いです。陽気な性格ですが、マイペースで頑固なことも。無駄吠えが少ないのも人気の理由です。
アメリカンコッカースパニエル
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アメリカンコッカースパニエルは、ゆるふわパーマをかけたような長い垂れ耳がとてもかわいらしい中型犬です。
好奇心旺盛で、人懐っこい性格をしています。毛が長いので、毎日のブラッシングなど、頻繁なお手入れを必要とします。
ボーダーコリー
ボーダーコリーの耳の形は個体によって異なります。子犬の時はみんな垂れ耳ですが、大人になって立ち耳・半立ち耳・垂れ耳のどれになるかは、成長してみないとわかりません。同じ犬種内でも立ち耳と垂れ耳が存在するので、それぞれのワンちゃんの個性を楽しめるでしょう。
垂れ耳や半立ち耳のボーダーコリーも、気を張ったり音に集中する時は耳がピンと立つことがあるようです。
垂れ耳の犬が気をつけたい耳の病気
垂れ耳の犬はかわいく魅力的ですが、立ち耳の犬に比べて耳の中が蒸れやすく、中耳炎や外耳炎になりやすいため注意が必要です。
- 後ろ足で耳を掻く
- 前足で耳を触ろうとする
- 頭を振ったりして耳を気にしている
- 耳から独特のにおいがしてくる
このような様子が見られたら、耳の病気を疑いましょう。湿気の多い梅雨や夏は耳のトラブルが特に増える季節です。「おかしいな」と思ったら、獣医師に相談するようにしましょう。
立ち耳派?垂れ耳派?
今回は、垂れ耳の犬が誕生した理由と、垂れ耳の人気犬種を8種ご紹介しました。
立ち耳だったオオカミから垂れ耳の犬へと進化した理由には、「人間にかわいがられるため」「狩りがしやすいように」「アドレナリンの欠如」など、さまざまな説があります。
いずれも、野生での生活から人間との生活に変化したことが関わっています。
立ち耳の犬も垂れ耳の犬も違ったかわいさがあります。みなさんは立ち耳派ですか?それとも垂れ耳派ですか?
オオカミには真似できない!進化の過程で得た犬の「愛され目力」とは
犬好きのみなさんは、犬に見つめられると「かわいい!」「愛おしい!」と感じますよね。
実は犬の眼差しは、進化の過程で人間の好みに合わせて発展したことをご存知ですか?
また、犬と人間が見つめ合うと双方で「幸せホルモン」であるオキシトシンの濃度が高まることも実証されています。
今回は、人間との生活の中で長い時間をかけて培われた犬の「愛され目力」について、さまざまな実験・研究結果を元にご紹介します。
オオカミにはない犬の目の周りの筋肉
イギリス・ポーツマス大学の研究者たちは、イギリスのシェルターに保護されている犬27匹と、動物園で飼われているハイイロオオカミ9匹の比較実験を行いました。
愛され目力を作り出す筋肉
犬とオオカミの顔の筋肉組織を比較したところ、両者の筋肉組織は似通っていますが、目の周りの筋肉だけは犬の方が発達していることがわかりました。
その筋肉とは、眉の内側を上に引き上げる筋肉で、目を大きく見せたり、悲しげな子犬のような表情を作り出すことができます。
人間との交流でその力を発揮する
同研究は、人間との交流の際、人間を見つめて眉頭をあげるという行動を頻繁に行うのは、犬だけであることも解明しました。
なお、犬は犬でもオオカミに近いシベリアンハスキーには眉の筋肉の発達は見られなかったということです。
また、シェルターに保護されている犬の中でも、とくに眉の筋肉を使って人間を悲しげに見つめる犬ほど、引き取り手がより早く見つかることもわかりました。
犬の愛され目力は人間との生活で発達した
長い歴史を持つ犬と人間の関係
オオカミが家畜として人間に飼われるようになった過程には諸説あり、昔から多くの研究者がその歴史を探ってきました。
オオカミが家畜化して犬になったのは、今から約3万〜1万5000年前と言われています。はっきりとした時代や進化の経緯、具体的な場所等は未だに謎に包まれていますが、人間と犬が長きにわたって生活を共にしてきたことは確かです。
人間好みに発達した犬の愛され目力
ポーツマス大学の研究チームは、人間が長い歴史の中で好ましいと感じる犬、かわいいと感じる犬を選別して飼ってきた結果、ほぼ全ての犬が愛らしい表情を作れるようになったと考えています。
つまり、人間がオオカミを家畜化して一緒に生活することがなければ、この表情筋は発達しなかったと言っても過言ではありません。
犬の愛され目力が人間の好みに沿って発達してきたことを考えると、私たち人間が犬たちを「なんてかわいいんだろう」と愛おしくなるのも納得です。
「愛おしさ」を作り出すオキシトシン
犬の愛おしい目の表情が人間との生活によって形成されたことがわかりましたが、実は人間が犬と見つめ合ったり触れ合ったりすることで生まれる「愛おしさ」を生物学的に裏付ける研究がいくつか報告されています。
麻布大学の菊水教授(2015年)は、人間と犬が見つめ合ったり触れ合ったりすると、双方でオキシトシンの濃度が高まることを実証しました。
オキシトシンは母子の絆を強くする
オキシトシンは多様な脊椎動物種が分泌するホルモンで、メスが妊娠出産する際に濃度が高くなり、養育行動の活性化に貢献するとされています。
マウスの母子を用いたある実験では、母子の間でオキシトシン神経系の刺激を介した「ポジティブ・ループ」が形成されることがわかりました。
ポジティブ・ループとは、「妊娠出産で母親のオキシトシン神経系が活性化→母親の養育活動の促進→養育を受けた子どものオキシトシン神経系が活性化→子どものアタッチメント行動(泣く、甘える)の促進→母親のオキシトシン神経系をさらに活性化・・・」というループのことを言い、母子間の生物学的な絆をさらに強くします。
オキシトシンは人間と犬の絆も強くする
その後の実験で、犬と人間の間にもマウスの母子のようなポジティブ・ループが存在することが発見されました。
犬が人間を見つめる行為は、マウスの実験で言うところの、子どもが母親にとる「アタッチメント行動」にあたります。犬に見つめられた人間は、オキシトシン神経系の活性化により、犬を撫でる、話しかけるなどの「養育活動」を行います。養育活動により犬のアドレナリンが活性化し、さらにアタッチメント行動をとり・・・といったような具合です。
オオカミと人間の間には視線とポジティブ・ループの関係が見られなかったことからも、犬が人間との長い関係の中で、人間との絆を築くスキルを身につけたことは想像に難くありません。絆を強化するポジティブ・ループによって、犬と人間の信頼関係・協力関係はより強いものになっていったのでしょう。
犬好きでない場合はその効果も薄い
ここまでで、人間と犬が見つめ合ったときに生まれる「愛おしさ」は、ホルモンレベルで説明できることがわかりました。これは全ての人間に共通することなのでしょうか?
なんと、犬好きでない人と犬が見つめ合ってもオキシトシン神経系は刺激されず、オキシトシン濃度はほとんど上昇しないそうです。
オキシトシンのさらなる効果
オキシトシンは、「幸せホルモン」や「思いやりホルモン」と呼ばれることもあり、高濃度化することで養育活動やアタッチメント行動の促進以外にもさまざまなメリットがあると言われています。
例えば、ストレス解消、感染症予防、学習意欲の向上、心臓の機能を上げる、社交的になるなどがオキシトシンの効果です。
犬好きの人が犬と見つめ合うだけでこんなにいいことがたくさんあるなんて、とても素晴らしいと思いませんか?これにより、人間は精神的、肉体的にもポジティブな影響を与えられ、より充実した生活ができることが科学的にも証明されているのです。
犬の愛され力は進化の証
犬は人間との長い歴史の過程で、さまざまな進化を遂げてきたことがわかりました。
目の周りの筋肉の発達により、犬は人間に「かわいい」と思わせるような眼差しを作れるようになりました。
また、犬と人間が見つめ合うことで双方のオキシトシン神経系が活性化し、ポジティブ・ループによって絆を築けるようになりました。
犬の愛され力は、人間好みに進化した眼差しと、「幸せホルモン」オキシトシンによるものだったんですね。これからも人間と犬が、お互いの幸せを作れるような関係であり続けられますように。
歴史を感じる猫の種類分け。6種類のボディータイプを紹介!
人の手によって世界中に広まり、その土地で計画的な繁殖が行われたりする中で、変化を繰り返してきた歴史を持つ猫たち。現在では膨大な数の種類があり、その体型や容姿などは様々です。
壮大な歴史を感じずにはいられない、猫のボディータイプ6種類を紹介していこうと思います。
猫は6種類に分けられる?
例外はありますが、まず生まれた地域によって、大きく2つに分けることができます。
【南国】にみられる猫は、暑さに耐えられるようにスリムな体型で短毛の猫が多いです。対して【北国】にみられる猫は、寒さに耐えるために、大きくたくましい体型で長毛になったと言われています。
そこからボディータイプは細かく以下の6つに分けられました。
- オリエンタルタイプ
- フォーリンタイプ
- セミフォーリンタイプ
- コビータイプ
- セミコビータイプ
- ロング&サブスタンシャルタイプ
それでは、それぞれのボディタイプの特徴とその代表的な猫を紹介していこうと思います!
ほっそりした体型「オリエンタルタイプ」
手足は長く、足先は小さめ、しっぽは細長く鞭のようにしなやかなのは、このタイプです。全体的にほっそりとした四肢と胴体を持っていて、6種類の中で一番スリムな体型をしています。顎は小さく、頭が逆三角形をしているのが特徴的で、大きな耳を持っています。
*代表的な猫種*
- シャム
- バリニーズ
- オリエンタルショートヘア
- コーニッシュレックス
スレンダーな体型「フォーリンタイプ」
オリエンタルほど細くなく、コビーほど丸くないものの、少し丸みを帯びた体型です。筋肉質でスレンダーなボディをしているのが特徴ですが、その割に手足が長くてスタイルが良いのが特徴です。
暑い気候に適応するための体型で、暖かい地方によく見られるタイプです。南方タイプとも呼ばれています。
顔はくさび形で、大きな耳とアーモンド型の目を持っています。
*代表的な猫種*
- アビシニアン
- ロシアンブルー
- ジャパニーズボブテイル
- ソマリ
中間的な体型「セミフォーリンタイプ」
このタイプは、コビータイプとオリエンタルタイプのちょうど中間のボディをしています。フォーリンタイプよりも足が短く、やや小さめの細身体型ですが、実は筋肉が発達していて肉付きがよく、フォーリンタイプよりもずっしりと重みのある体型をしています。
顔は、丸みのある逆三角形型の形をしています。
*代表的な猫種*
- オシキャット
- デボンレックス
- トンキニーズ
- エジプシャンマウ
- スフィンクス
- アメリカンカール
- マンチカン
がっしり体型「コビータイプ」
四肢や胴体の骨格は短めで太いのが特徴的で、全体的に筋肉質でどっしりとした体型をしています。尻尾は短いタイプが多く、いわゆるずんぐりむっくりな体型といえます。手先が丸くて大きいのも特徴的です。
顔は丸みを帯びており、耳は小さめで、両耳の間隔が離れています。
*代表的な猫種*
- ヒマラヤン
- エキゾチックショートヘア
- マンクス
- ペルシャ
- バーミーズ
しっかり体型「セミコビータイプ」
全体的にコビーに近いですが、コビーより四肢や胴体、尻尾がやや長いのが特徴です。コビーほど重心が低くはありません。前足と後足は丸みがありますが、コビーよりは小さめです。
顔の骨格は、しっかりとしており、少し筋肉質と言えます。丸くて大きな目と、しっかりとしたあごが特徴的です。
*代表的な猫種*
- アメリカンショートヘア
- ブリティッシュショートヘア
- スコティッシュフォールド
- シンガプーラ
「ロング&サブスタンシャルタイプ」
他の5タイプいずれにも当てはまらないのが、ロング&サブスタンシャルタイプです。他のタイプと比べて、胴体が長めとなっています。
骨太で筋肉質のがっしり体型で、とても大柄であることが多いとされています。体重は、なんと10kgを超えることもあるそうです。北国の寒さの厳しい地方で生き抜いてきた猫種に多いと言われています。
首元にライオンの襟のような飾り毛がついており、胴から頭にかけてその境目が曖昧なのが特徴的です。
*代表的な猫種*
- メインクーン
- ノルウェージャンフォレストキャット
- サイベリアン
- バーマン
- ラグドール
まとめ
10000年近い年月をかけて世界中に広まり、その土地に適応するために模様・毛・骨格などを変えながら生きてきた歴史があります。
今では非常にたくさんの種類があり、その体格も多種多様です。進化の過程で環境に適した体型になっていったのかと思うと、猫の容姿に対する見方が変わってくるかもしれません。
ペットショップなど、その場の出会いで決める方も多いと思います。好みの身体的特徴や性格的特徴から、パートナとなる猫を選んでみるのも、賢い方法かもしれませんね!