犬にもADHDがある!行動の特徴や接し方のポイントを解説

「ADHD」という言葉自体は近年多くのメディアでも取り上げられているため、聞いたことがある人も多いでしょう。
ADHD当事者の方や、家族や知り合いに当事者がいる方も少なくないのではないでしょうか。

そんな身近になりつつあるADHDですが、犬でも発症し得ることをご存知でしょうか?

今回の記事では、犬のADHDについて、特徴や飼育環境の見直しポイント、接し方について詳しく解説します。

そもそもADHDとは?

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特徴

ADHDとは、「注意欠如・多動性障害」とも呼ばれ、いわゆる発達障害のひとつに分類されています。
主に、「不注意」、「多動性(じっとしていられない)」、「衝動性(思いつきで行動してしまう)」などの症状が見られます。

ADHDと一口に言っても、特徴や程度は人によって異なりますが、例えば次のような行動が見られます。

  • 忘れ物が多い
  • 部屋を片付けられない
  • 外からの刺激で気が逸らされやすい
  • 時間が守れない
  • じっとしているのが苦手で、授業中に歩き回る
  • 何かに夢中になると、話しかけられても気づかない
  • 朝起きられない、過眠

原因

ADHDの原因ははっきりとは分かっていませんが、生まれつき脳の機能がADHD以外の人と異なり、ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質に偏りが生じることが原因だと考えられています。

ADHDの75%程度が遺伝によるもので、児童期には全体の5~10%程度がADHDであると言われています。
対処の仕方によっては不注意や多動性、衝動性などを緩和することができますが、脳の機能が原因であることから、完全に治すことはできないとされています。

大人になってから初めてADHDと診断されることもありますが、これは後天的にADHDになったのではなく、これまで気づかずに生きてきたのだと考えられます。

犬のADHDの特徴

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どのような行動があらわれる?

犬のADHDの場合も、人間と同じく、「不注意」「多動性」「衝動性」が見られます。

  • 他の犬と接するとき、興奮しすぎて怪我をするほど強い力で咬みついてしまう。
  • 時間を問わず吠え続ける。
  • そわそわと休みなく動き続ける。
  • 好きなこと(遊びなど)に対しても集中できない。
  • 成犬になっても極端に活発で、一度興奮するとなかなか冷静になれない。
  • しつけのトレーニングを根気強く行ってもなかなかできるようにならない。

どの犬でも多少はこのような特性を持ちますが、トレーニングをしっかりして、飼育環境を整えているにもかかわらず、こうした行動が顕著に見られる場合は、ADHDの可能性があります。

ADHDになりやすい犬がいる?

フィンランドにおける犬のADHDの研究では、犬の飼い主を対象に行ったアンケート調査を行い、2015年から3年半かけて約1万1千匹分のデータが集まりました。

調査の結果、恐怖、攻撃性、注意の欠如、多動性、衝動性などの行動特性には遺伝的傾向が強いことや、オス犬でより顕著であることなどが分かり、人間のADHDの特徴と類似していることが分かりました。
また、一人ぼっちで留守番をしていることの多い犬は、そうでない犬に比べて多動性や衝動性が高いことも分かりました。

ADHDのような行動が見られても、先天的にそのような特性を持つ場合もあれば、環境によってADHDに似た行動が出やすくなっている場合もあるのです。

ADHDを疑う前に、飼育環境の見直しを

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先述した通り、先天的にADHDの犬もいれば、飼育環境が原因でADHDに似た行動が出る犬もいます。
多動性などがあるからと言って、「うちの犬はADHDに違いない」と決めつけるのではなく、一度飼育環境を見直してみましょう。

1. 社会化は十分にできている?

生後4ヶ月齢くらいまでの「社会化期」に、できるだけ多くの犬や人間、環境や生活音などの刺激に触れさせることが重要です。

この時期にあまり刺激を与えないと、成犬になってからずっと、知らない犬や人、音などを過剰に怖がったり、威嚇したりするようになります。

社会化は社会化期に行うことが望ましいですが、成犬になってからでも不可能ではありませんし、社会化トレーニングを行った場合であっても引き続き継続して行うべきと言われています。

もし、社会化ができていない、足りていないと感じたら、少しずつトレーニングをしていきましょう。

2. 運動不足、刺激不足の可能性も

特に、牧羊犬や猟犬などは、もともと激しい運動をすることができ、時には周囲からの刺激に対して強く反応を示す犬です。

こうした犬に対して、十分に運動をさせてあげなかったり、刺激を与えていなかったりすると、ふとした時に制御できないくらい走り回ったり、刺激に対して過剰に威嚇することがあります。

このような行動は衝動性があるようにも見えてしまいますが、犬種の特性を理解し、適切な運動量や刺激量を与えれば、行動が落ち着く場合があります。

3. 犬にストレスがたまりやすい環境になっていないか

適切な運動量もそうですが、家の中の犬の飼育環境はどうでしょうか?
ひとりぼっちの時間が長すぎるのが良くないのはもちろんですが、逆に子供が走り回ったりテレビがつけっぱなしだったりして、犬が落ち着ける時間が少ないのも良くありません

1日中ケージの中に閉じ込めたり、鎖に繋いだりして行動の自由を制限しすぎることも、犬にとってストレスがかかることです。

犬とのコミュニケーションは適度にとり、犬が落ち着いて過ごせる飼育環境を整えましょう。

ADHDの犬との接し方

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飼育環境を整えても犬の多動性や衝動性などが落ち着かない場合は、ADHDの可能性があるかもしれません。
その場合、しつけを厳しくしてもそのような特性がなくなるわけではないので、そのことを理解した上で犬と接する必要があります。

診断を受けて投薬が可能な場合も

動物病院によっては、犬のADHDの検査・診断ができるところがあります。

そこでADHDと診断されれば、人間と同じように投薬によって行動を緩和させることもできますし、投薬をせずに問題行動を抑える方法を相談することもできるでしょう。

特性を理解して接しよう

ADHDの特性を持つ犬を飼う際、しつけがうまくいかなかったり、他の犬に攻撃をしてしまうなど、何かと大変なことも多いでしょう。ですが、それは犬が悪いわけではありません。

飼い主さんが犬の特性を理解して接してあげることで、犬のストレスを減らしたり、トラブルを未然に防ぐことができます。

人間同様、ADHDと一口に言っても犬によって特性が異なるので、それぞれの犬に合った接し方をする必要がありますが、具体的には次のようなポイントを意識しましょう。

①多動性を抑えずにストレスを解消させる

  • 運動量が少ないとストレスがたまりやすいので、外で思い切り走って遊ばせる時間を作る。
  • 雨が続いて外に行けない時期は、家の中でたくさん遊んであげる。
  • 拘束されるのを嫌うので、ケージの中に閉じ込めたり鎖で繋いだりしない。

②散歩中のトラブルを防ぐ

  • 他の犬に怪我をさせてしまわないよう、適度な距離をコントロールする。
  • 急に道路に飛び出したりしないよう、リードは短く持つ。

③家の中でできること

  • 衝動的にいたずらをしてしまうことがあるので、壊されたくないものや危険なものは犬の届くところに置かない。
  • トイレ以外のところで粗相してしまう可能性を考えて、布団など洗いにくいものは犬の行動範囲に置かない。
  • しつけは厳しくせず、おすわりだけでもできたらたくさん褒めてあげる。
  • 外からの刺激に気が散りやすいので、刺激が少なく落ち着ける環境を整える。

まとめ

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ADHDは犬でも発症する可能性があり、適切に対応しないと犬にも飼い主にもストレスがかかってしまいます。

ADHDのような行動が見られても、実は社会化がうまくいっていないことや、飼育環境のストレスが原因になっていることもあり、この場合はトレーニングや飼育環境の見直しで改善することができます。

それでもなかなか緩和できない場合、「もしかしたらADHDかもしれない」と考え、犬の特性に合った接し方を考える必要があります。
ひとりで対処するのが難しければ、獣医師やドッグトレーナーに相談することも考えましょう。

シャム猫の色は温度で変化!とっても不思議な仕組みについて

みなさんは「シャム」という種類の猫をご存知ですか?

スラッとした胴体に青い目のついた逆三角形の小さな頭、そして顔や耳、手足の先にポイントカラーがあるのが特徴的な猫で、またの名を「サイアミーズ」とも言います。

とても綺麗で気品のある雰囲気を漂わせる猫として絶大な人気を誇り、キャットショーなどでも毎回上位に入る猫種です。

今回はそんなシャム猫の「色が変わること」について詳しくご紹介します。

シャム猫とは

タイから来た伝説の猫
古代からタイ王国に伝わる猫で、限られた血筋の人たちしか飼うことが許されなかったと言われています。

世に出てからは、たくさんのキャットショーで賞を受賞し、一躍有名になっていきました。

この猫の特徴といえば顔や耳、尻尾や手足だけ色が濃いことです。この色の濃くなっている部分のことを「ポインテッド」と言い、この色のことを「ポイントカラー」と言います。

シャム猫に関する言い伝え

タイには次のようなシャム猫に関する言い伝えが存在します。

シャム猫の夫婦をある僧侶が飼っていた。

ところが、しばらくその僧侶が旅に出るので、シャム猫夫婦に仏様の像を守るように言いつけた。

そこで、2匹は朝も夜も仏様の前から離れず、尾を仏様に巻き付け、夜も目を凝らして闇を見つめ、仏様を守った。

その僧侶が帰ってきた時には、目は赤く、尾はくるりと回り、声もしわがれ、顔も黒くなっていたという。

(保育社カラーブックス「ねこ」より)

シャム猫の忠誠心とハスキーな声、特徴的なポイントカラー、そして色が変わることについての逸話ですね。ちょっとかわいそうになる話ではありますが…。

シャム猫のポイントカラー

シャム猫の色の変化はなぜ起こる?
ポイントカラーには、以下の4つの種類があります。

  • チョコレートポイント
  • シールポイント
  • ライラックポイント
  • ブルーポイント

シャム猫のポイントカラーは母猫、父猫から受け継ぐ遺伝子の組み合わせによって決まります。

なぜ色が違うのか?

なぜシャム猫は、特定の部分だけ色が濃く変わるのでしょうか?

その理由は、シャム猫がサイアミーズ遺伝子という遺伝子をもっているからです。

このサイアミーズ遺伝子は、毛の色の色素の発現を抑えて白に近い色にする働きがあります。しかし、この働きは体温の低いところではうまく働きません。

そのため、シャム猫は体温の低い鼻先や耳、手足、尻尾などの身体の先端部分だけ濃い色に変わり、それ以外の体温の高いところは、白に近いアンティークホワイトのような色になっているのです。

季節・年齢によっても変わる

シャム猫の色はシーズンごと、年ごとに変わっていく
ここで「温度で変わるのであれば、寒いときや暑いときでも身体の色が変わるのではないか」と思った方、実はその通りなのです。

暑い夏はポイントカラーが薄く変わり、寒い冬はポイントカラーの色が濃く変化します。ただし、シャム猫は短毛で毛も薄いため、あまり寒い環境下におかないように注意しましょう。

また、ポイントカラーの色味は年齢によっても変わります。実は、生まれてきたばかりの時は体温が高いので真っ白なのです。月日が経つとポインテッドが現れて、年齢を重ねるごとにその色は濃く変わっていき、そしてその範囲も広がっていきます。

目の色が青いのはなぜ?

シャム猫の澄んだ青い目も、同じ原理でそうなっている
シャム猫の瞳は澄んでいて、とても綺麗な青色をしていますよね。このような色はあまり他の猫種には見られません。では、なぜこのような色になるのかというと、これもサイアミーズ遺伝子が関係しているのです。

先ほども述べたとおり、サイアミーズ遺伝子は色素の発現を抑えます。

その働きは瞳にも現れます。温度の高い眼球において瞳の色が発現するのを抑えるため、あのような綺麗に澄んだ青色になるのです。

肉球・鼻鏡の色も!?

また、ポインテッドの色を決める遺伝子は肉球や鼻鏡(鼻先の皮膚の部分)にも影響を与えます。

ポイントカラーの色 肉球・鼻鏡の色
チョコレートポイント シナモンピンク
シールポイント シナモンブラウン
ライラックポイント ラベンダーピンク
ブルーポイント スレート

また、シールポイントなのにシナモンピンクの肉球を持っている子がいたり、ブルーポイントなのにピンクの肉球を持っている子がいることがあります。そのような子は「ミスカラー」と呼ばれて珍しいそうです。

#シャム猫の色変わりすぎ選手権

シャム猫の色の変化が凄すぎて驚く飼い主さんたち

Teitterのハッシュタグ「#シャム猫の色変わりすぎ選手権」では、飼い主さんたちがシャム猫たちのビフォーアフターの写真を載せて楽しんでいます。Instagramでも「#シャム猫の色変わりすぎ選手権」のハッシュタグがついた投稿が見られるので、こちらもチェックしてみましょう。

生まれたときは白かったから「ミルク」と名付けたのに、ときが経ってみればいつの間にかカフェオレほどの色になっていたなんて子も。本当にびっくりするくらい色が変わっているので、ぜひ確認してみてくださいね。

最後に

ほんとうにうちのシャム猫?
多くの方はシャム猫と言うと、体はクリーム色で手足や顔が黒いという特徴を思い浮かべるのではないでしょうか。

今回の記事では、その不思議な模様についての豆知識をご紹介しました。遺伝子の組み合わせによってそれぞれが絶妙な色合いを持ったシャム猫、とても魅力的な猫です。

【犬クイズ】実はダックスフンド以外もかかる!犬の椎間板ヘルニア

「椎間板ヘルニアはダックスフンドがなりやすい」とよく聞きますが、実はダックスフンドなどの短足犬種だけが発症するものではありません。どんな犬でも椎間板ヘルニアになる可能性があります。

この記事では、椎間板ヘルニアの主な原因と予防方法をクイズを通して紹介していきます。

それではさっそく、犬の椎間板ヘルニアクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 椎間板ヘルニアの説明として正しくないのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「ウェルシュコーギーやトイ・プードルなどはかかりにくい」です。
ウェルシュコーギーやトイ・プードルはダックスフンドと同様にヘルニアを起こす危険性が高いとされています。このような犬種を軟骨異栄養症性犬種と呼び、飼育するときは特に注意する必要があります。

椎間板ヘルニアは症状が悪化すると脚が麻痺したり、排泄が困難になることがあるため、椎間板ヘルニアのサインに気付いたら早めに獣医師に相談しましょう。
Q.2 椎間板ヘルニアの原因として適切でないものはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「性格」です。
椎間板ヘルニアの原因は、遺伝、加齢、生活習慣の3つが挙げられます。軟骨異栄養症性犬種は遺伝的に椎間板ヘルニアを発症する可能性が高いことがわかっています。また、加齢により椎間板への負担が積み重なり発症することもあるため、若いうちから腰に負担がかかりにくい生活習慣を心がけましょう。

性格については、その子の行動に及ぼす影響があるため、全く影響がないとは言えませんが、一般には先に挙げた3つが特に重要な要因とされています。
Q.3 椎間板ヘルニアを発症させないために気をつけることは?
正解です!
不正解です!
正解は「抱き上げるときは横向きにする」です。
犬を縦向きに抱き上げると腰に負担がかかるため、必ず横向きで抱っこするようにしましょう。

大きな段差があるときは自分で歩かせず飼い主さんが抱えてあげてください。また、滑りやすい床も危険です。カーペットやマットを敷いたりと、滑りにくい工夫をしましょう。フローリングには滑り止めワックスなどをかけることをおすすめします。 食事の管理や運動をすることで、肥満によって腰に負担がかかるのを防ぐことができます。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
実はダックス以外もかかる!犬の椎間板ヘルニアの原因や対策の紹介
結果発表
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【三毛猫クイズ】知っているようで知らない三毛猫の事実

有名な赤川次郎作品「三毛猫ホームズ」の相棒役で出てきたり、地方駅で動物駅長を流行らせた先駆者である和歌山電鐵の貴志駅の「たま駅長」だったり、日本では代表的な猫とも言える三毛猫。

そんな三毛猫ですが、実はその詳しい生態や情報はあまり知られていません。今回はそんな三毛猫について、クイズ形式でご紹介します!

それではさっそく、三毛猫クイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 三毛猫ってつまりどんな猫?
正解です!
不正解です!
正解は「三色の毛が生えた猫」です。
三毛猫とは三色の毛が生えている猫の総称を指しています。つまり実際の猫種がシャム猫であろうがジャパニーズボブテイルであろうが、三種の毛色をしている限りそれは三毛猫と呼ばれるのです。
Q.2 三毛猫が生まれてきた場合、それがオスである確率は?
正解です!
不正解です!
正解は「30000匹に1匹」です。
三毛猫のほとんどがメスで、オスはほとんど生まれてきません。三毛猫が生まれてきた場合、それがオスである確率は30000分の1と言われています。
日本ではおなじみの三毛猫ですが、三毛猫自体が希少な存在であり、猫のすべての模様のうち4%しかいません。大変珍しいオスの三毛猫は、幸運を招くとして航海安全の守り神とされました。
Q.3 オスの三毛猫について誤っているものはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「日本の特別天然記念物に指定されている」です。
三毛猫のオスは染色体の異常によってのみ生まれるため、ほとんどの個体は生殖能力をもちません。また、その珍しさから、アメリカのオークションでは2000万円で落札されたことがあるそうです。

ちなみに、いくら希少な動物だからといって、三毛猫のオスが特別天然記念物に指定されているわけではありません。
問正解/ 問中
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
三毛猫って何者?知っているようで知らない三毛猫の事実と遺伝学!
結果発表
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身近で広がる「クローンペット」ビジネス。あなたは賛成派?反対派?

クローンとは「遺伝的に同一である個体や細胞やその集合体」のことで、クローン技術を用いることで、ほとんど同じ遺伝的特徴を持った生物を人工的に作り出すことができます。 1996年、世界初の哺乳類クローンである羊の「ドリー」が誕生しました。羊のドリー誕生から20年以上が経った今、クローン技術をペットに適用するビジネスが世界各地で広まっています。 ヒトのクローニングについては反対意見が多く、いくつかの国では法律で禁止されている一方、ペットのクローニングは明確な規制がなく、賛成意見も複数存在します。 クローンペットがビジネスとして広まりを見せている今、私たちはペットのクローニングについても真剣に考えなくてはなりません。

世界に広がるクローンペットの実態

世界のクローンペット

中国の企業「Sinogene」

中国北京の企業である「Sinogene」は、2019年第1四半期時点ですでに20匹のクローン犬を生み出しており、さらに20匹の予約が入っていると明かしました。 中国ではペット産業が急成長を見せており、ペットを飼っている人は推定7800万人、市場規模は165億ドルにもなると言われています。 Sinogeneは、今後5年以内に年間500匹の犬をクローニングできるまでに成長したいと意気込んでいます。また、Sinogeneでは世界で初めて猫のクローニングにも成功しており、世界中から注目が集まっています。

日本のクローン技術の実態

日本のクローン技術

ヒトのクローンは規制されている

農林水産省によると、人クローン胚を人、または動物の胎内に移植することは 「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(平成12年12月6日法律第146号)」によって禁止されています。

動物のクローンは禁止されていない

動物のクローン個体の作製に関しては、「畜産、科学研究、希少種の保護等において、大きな意義を有する一方で人間の倫理の問題等に直接触れるものではないことから、情報公開を進めつつ適宜推進する」(平成9年ライフサイエンスに関する研究開発基本計画)という基本方針が出されています。 社会からの批判は根強くありそうですが、動物のクローニングに関しては法的に禁止されているわけではありません。今後、クローンペットを扱う企業が出てくる可能性は否定できません。

クローンペット賛成派の意見

クローンペット賛成意見

能力の高い働く犬を作り出せる

警察犬や災害救助犬など、強い嗅覚や運動神経を要する犬へのクローン技術の活用が期待されています。 もちろん、クローン技術では犬の訓練等の経験までコピーすることはできないので、クローン犬であっても訓練は必要です。しかし、遺伝的な身体能力の高さはコピーできるので、能力の高い犬を探し出す手間が省けます。

愛するペットは何にも変えられない

愛するペットが死んでしまった悲しみは計り知れません。実際にペットのクローン技術を望んでいる人たちは、愛するペットと姿形がそっくりなペットを再び作り出すことで悲しみを少しでも癒したいと考えています。

クローンペット反対派の意見

クローンペット反対派の意見

他に救いを求めている命があるのに…

世界中には、飼い主を必要としている動物がたくさんいます。シェルターで暮らしている動物もいれば、飼い主が見つからなくて殺処分されてしまう動物もたくさんいます。 クローンペット反対派の中には、高いお金を払ってペットの「コピー」を新しく作り出すくらいなら、救いを求めている他の動物を世話してほしいという意見があります。

自然の摂理に反する

自然の摂理に従えば、動物の命は一度きり。死んでしまえば生き返ることはありません。 もちろんクローンペットは、経験が違えば元のペットと完全に同じペットにはなりません。しかし、全く同じ遺伝子をもった動物を人工的に作り出すことは、自然の摂理に反するのではないかと考える人も多いでしょう。

クローニングが失敗する可能性もある

いくら技術が発達していると言っても、必ずクローニングが成功する保証はありません。依頼主が望む通りのクローンペットができなかったり、何らかの障害を伴って生まれた場合、そうしたクローンペットはどうなるのでしょうか。 人間によって作り出されたあげく、うまくいかなければ殺されたり、不幸な運命をたどることになるかもしれません。

母犬への負担

クローンペットを生み出すにはまず、ドナー犬の卵子から、DNAが収納されている核を除去します。そして、クローンする元の犬の細胞から核を取り出し、卵子の中に配置します。この卵子が胚となったら、代理母の子宮の中に移します。 これらの過程において、ドナー犬や代理母にかかる負担を懸念する声が上がっています。人の手によって卵子を無理やり取り出されたり移植されたりし、強制的に子供を産まされる犬のことを考えると、人間の自分勝手が許されるべきではない、という意見です。

野生化して生態系を壊す可能性

同じ遺伝子をもつ動物を人工的に作り出すのは自然の摂理に反するのではないかという意見をご紹介しましたが、クローンペットが捨てられたり、逃げ出したりして野生化すれば、自然界の生態系を壊すのではないか、という懸念もあります。 犬猫の場合ももちろんですが、今後もしも、クローンペット市場の拡大により、爬虫類や鳥類、魚類など、他の動物のクローンが作られるようになれば、生態系への影響がますます危険視されるでしょう。 これは遺伝子に関わる技術発展において必ず登場する議論ですが、クローン技術が生態系に与える影響は完全には予測できず、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。

まとめ

クローン犬 マンガの世界の話のようですが、既に世界ではクローン技術を用いた「クローンペット」ビジネスが広まりつつあります。 愛するペットが死んでしまっても姿形が同じペットが再び手に入るとあって、高いお金を払ってクローンペットを注文する飼い主も少しずつ増えています。 ペットのクローニングはヒトのクローニングに比べて規制が弱く、技術とお金さえあれば生み出せてしまうのが現状です。クローンペットに関しては反対の意見も多く、ビジネスの広まりに伴い今後さらに激しい議論が展開することでしょう。 この機会にペットのクローンについて一度考えてもいいかもしれませんね。もし愛犬や愛猫が亡くなってしまったとき、あなたはクローンがほしいと思うでしょうか?

純血種の猫がかかりやすい?代表的な遺伝性疾患を5つ紹介

純血種の猫は病気が多いとよく言われていますよね。 純血種は近親交配で生まれてくる個体が多いため、先天的疾患を持って生まれてくることが多いのです。 猫種によってかかりやすい病気は変わってきますが、純血種がかかりやすい病気にはどのようなものがあるのか、代表的なものを紹介していきたいと思います。

遺伝性疾患とは

薬 遺伝性疾患とは、生まれつき持っている疾患のことを言います。 生まれてからすぐに症状が出て、遺伝性疾患とわかる場合もありますが、少し時間が経ってから発症がわかることもあるので、心配な場合は遺伝子検査が必要になることもあります。

近親交配の影響

純血種に遺伝性疾患がつきものである理由は、種の特徴を維持するための近親交配が理由としてあげられます。 近親交配は一度発生した病気の原因遺伝子を排除しにくいこと、特に突然変異の個体を人為的に繁殖する場合は、血筋が濃すぎるために、隠れていた原因遺伝子が顕在化しやすいということもあります。 これは猫に限った話ではなく、犬でも同じです。そのため、猫でも犬でも、ブリーダーさんから譲ってもらう場合は、そのブリーダーさんがどこまで遺伝に関する知識があるのか、きっちりと見極めることが重要になってきます。

代表的な遺伝性疾患

赤血球ピルビン酸キナーゼ欠損症

アビシニアン なかなか馴染みのない病名かもしれませんが、赤血球ピルピン酸キナーゼ欠損症とは、赤血球の寿命が短くなることで貧血になってしまう病気です。 赤血球ピルピン酸キナーゼ欠損症は予防することができず、治療法がないため、発症すれば寿命は4年ほどと言われています。 赤血球ピルピン酸キナーゼ欠損症の主な初期症状は以下の通りです。
  • 運動をしたがらない
  • 元気がない、疲れやすい
  • 粘膜が青白い(まぶたの裏、口の中など)
  • 頻脈
  • 貧血
  • 脾腫、肝臓腫大
  • 黄疸 など

代表的なかかりやすい猫種

アビシニアン、ソマリ、シンガプーラ、ノルウェージャンフォレストキャット、ベンガルなど

多発性嚢胞腎(のうほうじん)

ペルシャ 多発性嚢胞腎とは、腎臓の中に嚢胞と呼ばれる液体の詰まった袋が発生し、成長とともに大きくなり腎臓の機能を低下させてしまう病気です。 幼い頃から緩やかに進行していき、7〜10歳ごろに腎不全を引き起こしてしまいます。症状が緩やかであることから、気づかないこともあるようです。 この病気も予防することができないため、症状を和らげるため対症療法を施し、腎臓の健康な部分をできるだけ維持させることが必要になります。 親が多発性嚢胞腎の原因遺伝子を持っている場合、50〜100%の確率で発症する遺伝性の疾患です。 多発性嚢胞腎の症状は以下の通りです。
  • 食欲不振
  • 多飲多尿
  • 体重減少

代表的なかかりやすい猫種

ペルシャ、アメリカン・ショートヘア、スコティッシュ・フォールド

肥大型心筋症

メインクーン 肥大型心筋症は、左心房の壁が中心に向かって分厚くなってしまうことで心機能に障害が出てくる病気です。 この病気になると、心房の内側が狭くなり、血液を貯められなくなるため血液を十分に送り出せなくなってきます。 血液が滞ると血栓もできやすくなり、命の危険があります。 肥大型心筋症もやはり治療法はありませんので、なるべく早期に発見することが望ましく、対症療法を施して進行を遅らせます。 初期症状は以下の通りです。
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 口で息をする

代表的ななりやすい猫種

メインクーン、ペルシャ

骨軟骨形成不全症

スコティッシュフォールド こちらの病名は聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 骨軟骨形成不全症は、現在人気の猫種、スコティッシュフォールド特有の病気です。 骨軟骨形成不全症になると、手足やしっぽの関節部に骨瘤(こつりゅう)と呼ばれる軟骨の「こぶ」ができます。 この「こぶ」の部分は痛みを伴います。軽度であれば「他の猫より大人しいな、あまり動かないな」程度で済みますが、歩くことが困難になってしまうこともあります。 主な初期症状は以下の通りです。
  • 関節が腫れる
  • 変な歩き方をする
  • しっぽが短く変形する
  • 足や手を痛がる
  • ジャンプなど激しい動きをしなくなる…など

代表的なかかりやすい猫種

スコティッシュフォールド

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーとは、筋骨格を形成するのに必要な「ジストロフィン」が欠如することで、全身の筋肉が萎縮して歩行や運動が困難になる病気です。 進行性のため、徐々に症状が重くなり、最終的には動けなくなってしまいます。 この病気も予防法や完全な治療法が見つかっていないため、症状を遅らせてなるべく苦痛を緩和させてあげることが必要になります。 幼少期に発症することが多く、雄がかかりやすいと言われています。 主な症状は以下の通りです。
  • 筋肉が硬くなっている
  • 筋肉が震えている
  • 手足が肥大化している
  • 舌が肥大化している
  • よだれを垂らしやすい
  • 不自然な歩き方…など

代表的なかかりやすい猫種

短毛種、デボンレックス

気をつけるべきこと

病院 繰り返しになってしまいますが、猫種によって差はあれど、純血種は遺伝性疾患がつきものです。 飼い始めてから思いもよらぬ苦労をして飼い主も猫も不幸にならないためには、特定の飼いたい猫種がいる場合、その猫種特有の病気や、習性などの知識を学ぶことが大事になってきます。 また、一般的に病気になりやすい猫種であっても、なるべく病気を発症しないような交配を心がけているブリーダーの方もいます。 猫の遺伝性疾患は、犬に比べるとまだ研究が進んでいないそうですが、まず購入者である飼い主が知識なしに飼わないようにすると心がけることが、少しでも状況を良くする手がかりになるのではないでしょうか。

スコティッシュフォールドの例

スコティッシュフォールドであれば、親が「折れ耳×折れ耳」から生まれた子は高確率で骨軟骨形成不全症になってしまうことがわかっているため、飼う前に両親とも折れ耳でないことを確かめた方が良いでしょう。

終わりに

手の中の猫 猫をお迎えしようと考えた時、一人暮らしはダメなどの制約がある保護猫譲渡会を諦めて、ペットショップを考える方も未だ多くいらっしゃると思います。 飼えるハードルが少し低い分、一目惚れの出会いだけでなく、その先ずっと面倒を見るということも踏まえてお迎えできると良いですね。

三毛猫って何者?知っているようで知らない三毛猫の事実と遺伝学!

有名な赤川次郎作品「三毛猫ホームズ」の相棒役で出てきたり、地方駅で動物駅長を流行らせた先駆者である和歌山電鐵の貴志駅の「たま駅長」だったりと日本では猫の姿のスタンダードとも言える三毛猫。 そんな三毛猫ですが、実はその詳しい生態や情報はあまり知られていません。今回はそんな三毛猫について、みなさんがあまり知らないような情報まで詳しく紹介します!
監修:吉野聡(株式会社ANICAL代表取締役獣医師/夜間動物病院.com)

三毛猫の基本情報

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一般的に三毛猫は一つの猫の種類と勘違いされがちです。実は、三毛猫とは三色の毛が生えている猫の総称を指しています。つまり実際の猫種がシャム猫であろうがジャパニーズボブテイルであろうが、三種の毛色をしている限りそれは三毛猫と呼ばれるということです。 ですので、どの猫種の血を引いているかで、それぞれの猫の体型や顔立ち、耳や尻尾の形は多種多様なのです。

毛色と模様によって三つに分類

白・茶色・黒の三色で斑模様がよく知られているタイプの三毛猫ですが、「キジ三毛」と呼ばれる白・茶色・焦げ茶の種類と、白・黒・茶色の三色ではあるものの、縞模様をしているのが特徴的な「縞三毛」という種類があります。ちなみに上の写真は縞三毛です!

三毛猫のオスはとても珍しい

三毛猫のオスが生まれる確率

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世間的にはまだまだ知られていないことなのですが、三毛猫はメスばかりでオスは非常に珍しいと言われています。三毛猫が生まれてきた場合、それがオスである確率はとても低く、実に30000分の1と言われています。 三毛猫の割合自体が、全ての模様のなかで4%しかいません。となると、驚くことに、三毛猫のオスは75万匹に1匹という珍しさになります。 その希少性から、三毛猫のオスはとても高く取引されることがあり、かつては名古屋のペットショップで3000万円で売られていたり、アメリカのオークションサイトではアメリカのオークションサイトでは2000万円で落札されたこともあるそうです。

なぜ三毛猫のオスが希少なのか

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結論から述べると、三毛猫のオスは染色体の異常によってしか生まれ得ないからです。

雄と雌の性染色体

生物の遺伝子は、2つの遺伝子がくっついて1つの遺伝子型を作り、形質を特徴づけるとされています。人間と同じように、猫も性染色体であるX染色体とY染色体の組み合わせで雌雄が決まります。XYという組み合わせがオス、XXという組み合わせがメスになります。

猫の毛色を決める遺伝子

猫の毛色を決める遺伝子は、下記の通り全部で9種類あります。しかも、優性と劣性の考え方があるため、基本的には、それぞれに2種類ずつあります。本題から逸れますので、詳細は別の機会にご説明しますが、全部で9種類あるうちの、A遺伝子、O遺伝子、S遺伝子、W遺伝子が三毛猫が生まれるために大きく関係する遺伝子です。 A遺伝子とa遺伝子 A遺伝子は1本の毛の先端と根本が黒で中間が褐色(つまり、茶色)になり、a遺伝子は1本の毛の色が黒だけになります。 O遺伝子とo遺伝子 オレンジ(茶色)を発現させる遺伝子です。他とは異なり、X染色体上に存在し、Y染色体には存在しません。そのため、X染色体を1つしか持たないオスはO遺伝子かo遺伝子のどちらか1つしか持つことができませんので、O(茶になる)となるか、o(黒になる)となります。 メスはX染色体を2つ持っていますので、OO(A遺伝子を抑制して茶になる)となるか、oo(A遺伝子が発現して黒になる)、または、Oo(黒と茶)の3つの組み合わせが可能です。三毛猫が生まれるためには、この遺伝子が鍵となりますS遺伝子とs遺伝子 S遺伝子は、白の斑模様を作ります。s遺伝子は、斑がなくなります。 W遺伝子とw遺伝子 W遺伝子は、体全体を白一色にしますが、この遺伝子を1つでも持っていると、白猫になります。w遺伝子は、他の遺伝子によって、色が決定されます。

三毛猫(メス)の遺伝学

三毛猫の場合は、黒、白、茶の3種類の毛色が必要になるので、ww(白一色にならない)、SSまたはSs(白のまだら模様が入る)、Oo(黒色と茶色になる)の3つの遺伝子を持つことが条件になります。 さらに、三毛猫が生まれるためにはもう1つの要素が必要です。それが、X染色体の不活性化です。Ooの遺伝子に対して、X染色体の不活性化が起こると、OoのOが抑制された部分では黒が発現し、Ooのoが抑制された部分では茶色が発現するので黒と茶色の斑模様になります。 このようにして、三毛猫が生まれるのです。

三毛猫(オス)の遺伝学

メスの場合でもこのように多くの条件を必要とする三毛猫の誕生ですが、どういう時にオスの三毛猫が生まれるのでしょうか。 それは、染色体がXXYとなるクラインフェルター症候群のときと、遺伝的に異なる細胞が混在してしまい、異質な様子の部分がはめ合わせのように見えるモザイクと呼ばれる事象のとき、そしてO遺伝子がY染色体に乗り移ったときです。いずれにしても、このように染色体の異常が起こったときにしかオスの三毛猫は生まれないのです。そのため、確率的にも非常に稀なのです。

最後に

猫家族 三毛猫のオスが希少な理由については少々難しかったかもしれませんね…興味のある方はぜひこの機会に遺伝学について学んでみてはいかがでしょうか? 今回の記事では、みんなが知っているようであまり詳しく知られてはいない三毛猫について、詳しく紹介させていただきました!