犬や猫にも感染する?毛の抜けたタヌキを見かけても近寄らないで!
都心でタヌキを見かけることはあまりなくなりましたが、市街地などではいまだによく目にする野生動物です。
一見かわいらしいタヌキですが、毛が抜けてしまっているタヌキを見たことはあるでしょうか?筆者は先日、毛がほとんど抜けてとても痛々しいタヌキが目の前を横切っていくのを見ましたが、すぐに住宅地の中へ姿を消してしまいました。
このようなタヌキを見かけた場合、どうすればよかったのか、筆者自身が気になり調べてみました。
この記事では、毛の抜けたタヌキを見かけた場合の対応と、犬や猫などのペットに影響があるのかについて解説していきます。
どうしてタヌキの毛が抜けるの?
毛が抜けたタヌキは、「疥癬症(かいせんしょう)」という病気に感染している可能性が高いと考えられます。
疥癬症は、ヒゼンダニというダニが毛根に寄生することで起こる病気で、感染した動物との接触や、感染した動物と行動圏が重なることで感染します。
疥癬症を発症しているタヌキは免疫力が落ちており、他にもさまざまな感染症をもっている可能性があります。かわいそうだからと保護しようとしたり、接触したりしようとするのはやめましょう。
疥癬症の症状
初期症状では激しいかゆみに襲われ、体を掻いたり噛んだりすることで傷がつき皮膚が化膿していきます。
かゆさゆえに食べることも寝ることも十分にできず、免疫力が低下すると他の感染症に感染してしまい、治療の受けられない野生下では死に至ります。
全身の毛が抜けてしまったり、象のような皮膚になったタヌキは、ひと目見ただけでは何の動物かわからない場合もあります。
疥癬症のタヌキを見かけたら
とても痛々しいタヌキの姿ですが、野生動物であり、地域によっては害獣と指定されていることから、基本的に疥癬症のタヌキを駆除したり、保護したりすることはありません。
もしタヌキを保護する場合には、都道府県の野生動物の担当部署に連絡して指示を仰ぎましょう。地域によっては引き取って治療してくれる場合もあります。
しかし、保護は自分でしなくてはいけませんし、保護しても受け入れてもらえない可能性があります。
犬や猫などのペットには感染する?
疥癬症は犬や猫などにも感染する可能性があります。特に、野良猫で疥癬症を患っている子は珍しくありません。
タヌキをよく見かける地域でペットを放し飼いにすると、疥癬症に感染してしまう可能性がありますので注意しましょう。
犬や猫の疥癬症の症状
犬や猫が疥癬症に感染した場合は、以下のような症状が見られます。
- 激しい皮膚のかゆみ
- 脱毛
- 掻き傷や噛み傷
- かさぶた
また、疥癬症に感染すると、激しいかゆみから生活の質が低下して免疫力が下がり、他の感染症に感染する可能性が高くなります。重症化する前に異変に気づき、早期治療をすることが肝心です。
疥癬症の予防
野生動物との接触を極力減らすことが最大の予防です。
疥癬症のタヌキをよく見る地域では、タヌキが自宅の敷地内に入らないよう対策し、ペットは屋内で飼育するようにしましょう。
また、動物病院やペットホテルなどを利用した時に感染してしまう場合もあります。
ペット同士でも容易に感染してしまうため、多頭飼いをしている場合や動物の多い場所に行く場合は、特に注意しなければなりません。
疥癬症の治療
駆虫薬の投与が効果的です。
疥癬症の治療によく用いられるイベルメクチンは、コリーなどの一部の犬種で重篤な副作用が見られることから、獣医師の指示に従って投与してください。
きちんと治療すれば、かゆみも治まり被毛も元どおりになりますので、焦らず治療を受けましょう。
野生動物には安易に近づかない
野生動物は、寄生虫や感染症に感染している可能性が高く、安易に近づくことは危険です。
また、かわいい/かわいそうだからという理由で野生動物にエサを与えるのもいけません。
一度でもエサを与えると、その味を覚えてしまいますし、人間の与えるエサは自然界のエサと比べると栄養が良すぎてしまい、自然界で生きるのが困難になります。
一時的な感情で手を差し伸べてしまうと、結局不幸になるのは動物です。動物のためを思うなら、近づかないようにしましょう。
まとめ
毛のないたぬきは疥癬症という病気にかかっており、一度かかってしまうと野生下では治癒する術はありません。助けてあげたい気持ちはとてもわかりますが、野生動物に人間が干渉してしまうと、自然界のバランスが崩れてしまう可能性がありますので、そっとしておきましょう。
自宅付近で毛のないタヌキを見かけた場合、ペットにも感染してしまう危険性があります。なるべく室内飼いにし、タヌキが自宅の敷地内に入らないよう対策をしましょう。
もし、愛犬や愛猫の被毛が抜けてきたり、かゆがっている様子が見られたら、なるべく早く動物病院を受診し、治療してあげてください。
野生動物を飼ってもいいの?関連する法律をわかりやすく解説!
公園を散歩中にかわいらしい鳥を見つけたときや、家の近くでアライグマを見つけたとき、「飼いたい」と思ったことがある方、いらっしゃるかもしれません。
昔話では鳥や野生動物を飼育するシーンが登場することもありますが、現代には野生動物に関する法律が存在し、むやみやたらと飼育してしまえば、法律違反になることがあります。
今回は、野生動物の狩猟や飼育に関わる様々な法律をご紹介していきます。
野生動物を飼育するのは原則禁止
野生動物を捕獲したり、飼育したりすることは、「鳥獣保護管理法」により、原則禁止されています。
ただし、狩猟鳥獣に指定されている動物であれば、狩猟や飼育が可能な場合があります。まずは、狩猟鳥獣にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。なお、狩猟鳥獣であれば全て狩猟・飼育して良いわけではありませんので、この後の解説もぜひよく読んでください。
狩猟鳥獣に指定されているもの
狩猟鳥獣とは、野生鳥獣のうち、肉・毛皮などを利用する目的で狩猟(捕獲・殺傷)の対象となる鳥獣のことで、狩猟が生息状況に大きな影響を与えることがないと判断されたものです。狩猟鳥獣は環境省によって定められ、現在は以下の48種が指定されています。
鳥類(28種)
カワウ、ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ、キジ、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス獣類(20種)
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(亜種のツシマテンを除く)、イタチ(オスに限る)、チョウセンイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ(雑種のイノブタを含む)、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ
狩猟には基本的に免許が必要
狩猟鳥獣は、狩猟の対象となる鳥獣ですが、実際に狩猟をするには都道府県からの許可により狩猟免許を獲得しなければなりません。
また、次のような様々な規則を適切に守って狩猟することが求められます。
狩猟期間
1年の中で、狩猟を行って良い期間は、日にち刻みできっちり決まっています。
狩猟期間は鳥獣の種類や自治体により異なり、また年によって期間が異なることもあるので、確認が必要です。
猟具の規定
鳥獣により罠や銃の規定も異なります。猟具によって免許の種類が異なるので、自治体に確認しましょう。
狩猟可能区域
自然環境保全の観点から制定された「鳥獣保護区」や、公道では狩猟をすることができません。
また、水鳥の鉛中毒防止のため、鉛散弾銃を使うことなどが禁止されている「指定両方禁止区域」や、狩猟鳥獣を増やすために一時的に狩猟を禁止する「休猟区」などの制度もあります。
狩猟鳥獣はルールを守れば飼育が可能
狩猟鳥獣は、捕獲の時期と場所の制限を守るなど適正に捕獲をした場合には、自治体の申請や許可などを得なくても飼育が可能です。
ただし、特定外来生物に指定されている動物の新たな飼育が原則として禁止されていたり、鳥獣への負担などを考えるとむやみやたらに捕獲、飼育をすることはおすすめしません。
飼育の許可・不許可は変わることがある
野生鳥獣の飼育をして良いかどうかは、時間の流れとともに変化することがあります。メジロを例にみてみましょう。
1950年 鳥類保護のために飼育可能な野鳥として、7種類の野鳥(メジロ、ウグイス、ホオジロ、ヤマガラ、ヒバリ、ウソ、マヒワ)が指定された
2007年 飼育可能な野鳥はメジロのみ、1世帯1羽に限るとされた
2012年 密猟者が飼育のための登録票を悪用してメジロを販売する問題が増えたため、野鳥の飼育が原則すべて禁止となった
※ただし、禁止になる前から飼われていたメジロに関しては飼育を続けて良いことになっています。
このように、飼育が可能か不可能かは、状況によって変化することがあるので、「昔は良かったんだから今も良いだろう」と考えず、随時情報を更新していくようにしましょう。
知っておきたいその他の法律
ここまで主に、鳥獣保護管理法で規定された野生動物の取り扱いルールをご紹介しましたが、実はその他にも野生動物に関わる法律はたくさんあります。今回はその一部を取り上げて解説します。
文化財保護法
建物や芸術、史跡や景観などの文化財に加え、野生動物や植物などの天然記念物を保護するための法律です。天然記念物には、動物、植物、地質・鉱物、天然保護区域の4つがあり、全国で1000以上の記念物が指定されています。
これらの天然記念物に対してなんらかの影響をもつ行為をする際には、文化庁長官の許可が必要です。
種の保存法
絶滅危惧種の保存を目的とした国際条約「ワシントン条約」に基づき、国内法として制定された法律で、正式名称は「絶滅のおそれのある野生動物の種の保存に関する法律」です。
種の保存法では希少野生動植物種を、国内希少野生動植物種、国際希少野生動植物種、緊急指定種、特定国内希少野生動植物種の4つの区分に分類しています。
国内希少野生動植物種と緊急指定種に関しては、生きている個体の捕獲、採取、損傷、譲渡(器官や加工品も含む)が禁止されています。国際希少野生動植物種は、通関後の国内での譲渡などが禁止されています。
指定されている動植物の、特に重要な生息地は「生息地保護区」に指定されていて、監視や立ち入り禁止などの管理がされています。もちろん、こうした地域で勝手に動物を捕まえて飼育するなどといった行為は論外です。
外来生物法
特定外来生物の飼養・輸入を規制する法律で、正式名称は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」です。
特定外来生物とは、海外から日本に導入されることで、在来生物の減少など、生態系に被害を及ぼすおそれがある生物のことです。
特定外来生物に関して、飼養、栽培、保管、運搬、輸入、譲渡、野外放出、植栽など、野外に拡大する可能性がある行為が禁止されています。
なお、生きている個体だけでなく、卵や種子なども含むので、例えば海外旅行先で見つけた卵を「帰って育てよう」などと、安易な気持ちで持ち帰ってはいけません。海外旅行をの際、帰りの飛行機の中で申告する必要があるのも、このためです。
また、外来生物法は、動物を海外から輸入する際にはもちろん気をつけなければなりませんが、国内ですでに繁殖している外来生物(アライグマなど)についても飼育が禁止されているので注意が必要です。
自己判断は禁物
今回は、野生動物の飼育について、様々な法律を元に解説しました。
野生動物を捕まえたり、飼育したりすることは基本的に禁止されていますが、狩猟鳥獣に指定されている動物であれば、飼えることがあります。
ただし、自治体や時間の経過によって状況が異なるので、都度、法律や条例を確認しなければなりません。
また、生態系の保護などを目的とした法律もたくさんあります。今回ご紹介できなかった法律や国際条約が、他にもいくつか存在します。保護地域などで狩猟をしないことはもちろん、各リストに指定されている動物かどうかを見極めるのは難しいですし、むやみに野生動物を捕まえるのは避けるべきでしょう。
色々な法律があって頭が混乱しそうですが、とにかく「野生動物は勝手に捕まえたり飼ったりしない。まずは自治体に相談する。」これをしっかり守ることが大切だということを覚えておきましょう。
中国が犬肉の消費を禁止。伝統の食文化にも「コロナショック」
中国農業農村省は、「食べていい動物リスト」を公表し、今まで中国の一部で伝統の食料とされてきた犬が初めて外されました。
中国国内では、伝統を壊すとして反対の意見もある一方、犬はパートナーであるとの認識が高まりつつあり、今回の法案に対して喜びの声も多く上がっています。
今回の法案のきっかけは、野生動物を媒介したとされる新型コロナウイルスの感染拡大によるもので、犬以外にもこれまで中国で消費されてきたさまざまな野生動物がリストから除外されています。
今回は何でも食す中国の食文化に新型コロナウイルスが及ぼした影響を見ていきます。
「食べていい動物リスト」を発表
中国農業農村省は今回、「食べていい動物」リスト(厳密には、食用や酪農用、毛皮用として飼育をして良い動物のリスト)を公的に発表し、それ以外の動物を食べることを禁止しました。
リストには、豚、牛、コブウシ、水牛、ヤク、ガヤル、羊、ヤギ、馬、ロバ、ラクダ、ウサギ、ニワトリ、カモ、ガチョウ、シチメンチョウ、ハト、ウズラなど31種の動物が掲載されており、犬や猫、ヘビ、カメなど、ペットとして飼われている動物のほか、コウモリ、センザンコウ、ハクビシンなど、新型コロナウイルスやそれに似たウイルスを持つ動物はリストから除外されました。
リストに載っていない動物を食べた場合、有罪となり、多額な罰金が請求される予定です。
「犬は人間のパートナー」と説明
中国農業農村省は特に、犬をリストから除外したことに関して、「犬はもはや人間のパートナーとして認識されているためだ」と説明しました。
中国国内で犬を飼う人も増えたこともありますが、欧米諸国を中心に犬を食べることについて世界中からの批判が相次いでいたことも、この説明の裏側にはあると想像できます。
「食べていい動物」の判断基準は?
中国農業農村省は、食べていい動物の選出基準として、「人工繁殖方法が確立していること」「食品の安全、衛生管理に問題がないこと」「民族習慣の尊重をすること」「国際的慣習に見合っていること」の4つを挙げました。
伝統行事「犬肉祭り」
中国南部玉林(ユーリン)市で毎年6月21日に行われる「犬肉祭り」では、毎年多くの犬が食用として販売されます。
先ほども触れましたが、そもそも犬を食べることに関して、これまで世界中から批判の声が相次いでいました。それに加え、このお祭りのために、飼い犬を盗んだり、毒殺した犬や病死した犬をレストランや食肉処理工場に流す悪徳業者が出てくるなどしたことで、犬肉祭りに対しての批判は一気に高まりました。
批判を受けての玉林当局の対応
世界中の批判を受け、玉林当局は2014年、犬肉祭りは「民間行事」であって、公的な支援はないと説明しました。
玉林当局は、飲食店に「犬肉」の看板を出さないよう指導し、業者に対しても犬肉の取扱量を減らすように指示しています。また、公共の場で犬を殺したり、犬を生きたまま販売することはほぼなくなりました。
これまでにもこういった動きはありましたが、法律などで公的に犬肉販売を禁止する動きはありませんでした。
犬肉消費を巡る人々の対立
世界中から浴びせられる犬肉祭りへの批判に対し、玉林市民の多くは「これは伝統行事だ、他人に口出しされる筋合いはない」と反発していましたが、中には犬肉祭りに疑問を呈する愛犬家もいたようです。
祭り以外でも犬肉は食べられていた
犬肉祭り以外でも、中国の一部の地域では炒め物や鍋料理に犬肉が使用されてきました。
NPO法人「Humane Society International」は、年間約1000万〜2000万匹の犬が食用に殺されていると推定しています。
日本でも、主に中華料理店や韓国料理店で犬肉を提供しているところがあるようですが、犬肉の輸入は今のところ禁止されていません。
新型コロナで高まる野生動物取り引きへの懸念
中国では、多くの動物が、「野生動物農場」で飼育され、食用や毛皮用、薬用に売買されてきました。
「野生動物農場」では、田舎で生活する人でも簡単にお金儲けができるとあって、中国政府はこれまで農場を規制することはなく、むしろ促進してきました。
SARSの媒介役も・・・
SARSの媒介役になった可能性が指摘されているチベット猫も、国家林業草原局の後押しを受けて飼育を続けていたといいます。
しかし、野生動物農場経営に必要なライセンスは地方レベルで出されており、どのように繁殖が行われているかなどの情報も不確かであったことから、国全体での野生動物市場についてはっきりと把握されていませんでした。
COVID-19で農場がシャットダウン
コウモリを媒介した可能性が高いと指摘されている新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大すると、クジャク、ジャコウネコ、ヤマアラシ、ダチョウ、ガチョウ、イノシシなどを飼育していた約2万件の野生動物農場が閉鎖または休業に追い込まれました。
現在休業中の農場に関して、今後どの程度再開が許されるかはわかりませんが、少なくとも野生動物市場の規模は縮小するとみられています。
深圳市では早くも犬肉禁止へ
中国南東部に位置する深圳市では、4月2日、犬肉の消費を禁止する法令を一足早く発布し、5月1日から施行されています。
深圳市は、新型コロナウイルスを受けて野生動物取引の見直しに乗り出し、加えて犬や猫などペットとして飼われている動物を食べることも禁止しました。
犬肉禁止法案に対する賛否両論
今回政府が出した、消費目的の飼育を認める動物のリストから犬が除外されたことについて、中国国内では賛否が分かれています。
賛成意見
中国では近年、犬を飼う人の数が増えており、「犬は人間の大切なパートナーだ」という意識が高まっています。自分の愛する犬の仲間が、殺されて食べられてしまうことに心を痛めている人も多くいました。
犬肉禁止に賛同する人々は、今回の法案は中国のアニマル・ウェルフェアにおける大きな躍進だとして称賛しています。
反対意見
これに対し、犬肉を食べることは大事な伝統であると考える人たちは、「伝統文化を壊すつもりか」と反発しています。また、中国以外のアジア圏でも犬肉を食べる地域が存在することから、「犬肉禁止は西欧文化への従属だ」と厳しく非難する人もいるようです。
さらに、犬肉の販売でお金を稼いできた人たちからは、これからどのように生活していけば良いのか、何か政府から支援はあるのかなど、不安の声も上がっています。
パプリック・オピニオンを聞き、正式に発表
農業農村省が今回出した動物リスト案は、5月8日までの1か月間、中国市民から意見を募集していました。そして、5月も下旬になり、中国はリスト案が正式なものになったと発表することとなりました。
文化、倫理、衛生意識の衝突
今回は、食用に飼育して良い動物のリストから、公式に犬を除外する法案が中国で初めて発表されたことをお伝えしました。その理由は、「犬は人間のパートナーだから」と説明されています。
また、新型コロナウイルスが野生動物を媒介したと見られていることから、犬肉以外にも、さまざまな野生動物がリストから外されました。
日本人の感覚からすると、「犬や猫を食べるなんてとんでもない!」と感じ、到底信じられませんが、中国では食文化の一つでした。日本でもクジラを食す文化がありましたが、これが海外の人からバッシングされたことと近いものだと考えられます。
しかし、この食文化もいよいよ終わりを告げようとしています。今回、世界中を震撼させた新型コロナウイルスは、中国の食文化にも「コロナショック」をもたらし、大きな影響を与えているのです。
世界中の動物たちと触れ合えるAirbnbの「アニマル体験」とは?
2019年、Airbnbは「アニマル体験」という新しいカテゴリの展開に乗り出しました。これまでのAirbnbといえば民泊のイメージが強いですが、この「アニマル体験」では、動物をよく知るホストを通じて動物への理解を深めるさまざまなプランが提供されています。
アニマル体験のうち100件以上の体験は収益が非営利団体に寄付される「社会貢献体験」というカテゴリに属します。さらに、ワールド・アニマル・プロテクションの指導のもとで「動物愛護福祉ポリシー」を作成し、動物を傷つけたり、生態系にダメージを与えることがないよう配慮されています(これらについては後で詳しくご説明します)。
社会貢献や動物の福祉を考えたAirbnbの「アニマル体験」では、いったいどのような体験をすることができるのでしょうか。
【シンガポール】ナチュラリストと行くナイトアドベンチャー
シンガポールの夜の森を、ナチュラリストが案内してくれる体験。オオコウモリ、フクロウ、森林アリ、ねぐら鳥、風変わりなバグ、さまざまな種のカエル、大きなカタツムリ、ヘビ、サソリなどに出会えるそうです。
シンガポールで森を探検できるなんて、ちょっと新鮮な感じがしませんか?
【アメリカ・ロサンゼルス】ホエール&イルカウォッチング
引用元:https://www.airbnb.jp/experiences/75117?source=p2&_set_bev_on_new_domain=1578098954_NDgzODMzNDY2NTU0
6人乗りの小さなボートでクジラやイルカを観に行く体験。大型船で行くよりも、クジラやイルカをより間近に感じることができます。
ホストは世界中の海を旅してきましたが、南カリフォルニアの海は特別だと語ります。
【南アフリカ・ケープタウン】ペンギンが住む浜までカヤックで
海洋保護の活動をしているホストと一緒に、カヤックを漕いでケープペンギンを見に行く体験です。ホストの人たちは、AfriOceans Conservation Allianceの教育長や、スキューバダイバーなど、海のことをよく知る人たちです。
美しい海をカヤックで渡り、ペンギンに出会い、ホストからサメなどの海の生き物の知識を学ぶことができます。
【イギリス・ロンドン】赤シカ、フクロウの撮影ツアー
野生動物の写真家と一緒に、ロンドンの南西に位置するリッチモンド公園で赤シカや小さなフクロウなどを撮影しに行く体験です。
リッチモンド公園は野生の鹿が多く生息していることで有名で、ホストはそんなリッチモンド公園の中でも鹿の美しい写真が撮れるスポットをよく知っており、それらのスポットに体験者を案内してくれるといいます。
【イギリス・スターリング】お茶目な羊とティーパーティー
美しいパノラマビューが楽しめるお庭で、イギリスの伝統的なティータイムをかわいらしい羊たちと過ごす体験。
おいしいホームメイドのケーキとティーをいただいた後には、羊たちと散歩に出かけます。冒頭でご紹介したYoutubeの動画もご参照ください。
【ドイツ・ベルリン】犬の訓練士体験
引用元:https://www.airbnb.jp/experiences/57042?source=p2&_set_bev_on_new_domain=1578098954_NDgzODMzNDY2NTU0
ホストは犬のお散歩のプロ。15匹の犬と一緒に散歩しながら、犬同士がどうコミュニケーションをとり、ケンカし、友達になっているのかを観察します。そして、ホストに犬がどうしたら話を聞いてくれるかを教わることができます。ペット福祉大国のドイツの自然の中で、上手な犬との関わり方を学んでみませんか。
【アメリカ・ワトキンズグレン】保護されたファーム・アニマルとふれあい体験
アメリカの農場で虐待、ネグレクトを受けている動物の保護を行っている非営利団体「Farm Sanctuary」で、保護された動物たちと触れ合う体験。ニューヨークとカリフォルニアに保護農場を設けており、アニマル体験ができるニューヨーク州の農場には牛、ヤギ、鶏、羊、ブタなど、800を超える数の動物が暮らしています。体験料はFarm Sanctuaryに寄付され、今後の保護活動に役立てられます。
【南アフリカ・ホウィック】絶滅危惧種のサマンゴモンキーの追跡
南アフリカの絶滅危惧種、サマンゴモンキーを観察しに行く体験です。20年以上野生動物の保護活動や観察を行ってきたホストから、ミステリアスな自然界の話を聞きながら、サマンゴモンキーを探します。樹の上に住み、すばしっこいサマンゴモンキーはプロでも見つけるのが難しく、体験中に必ず見られる保証はないといいますが、それ以外にも森に住む貴重な動物たちに出会えます。
「Airbnb動物福祉ポリシー」
Airbnbのアニマル体験は、動物を観光に取り入れるにあたり、動物を傷つけたり生態系を壊したりすることのないよう、世界規模の動物愛護団体「ワールドアニマルプロテクション」の指導のもとで、動物福祉ポリシーを作成しました。
動物福祉ポリシーの内容は以下のようなものです。
- 野生動物に直接触れることはできません(禁止事項には、動物をなでる、動物に餌をやる、動物に乗るなどを含みますが、これらに限定されません)。
- 使役動物には1頭につき1人だけ乗ることができますが(最大で動物の体重の20%まで)、働かせすぎは厳禁とします。
- 海洋哺乳類の拘束は厳禁とします。
- ホストは次の行為を行いません。象に乗ること、大型ネコ科動物とふれあうこと、野生動物の違法取引、キャンド・ハンティングやトロフィー・ハンティングなどの狩猟、娯楽を目的として動物に芸をさせることなど。
- 責任ある旅行を行うため、自撮りの小道具として野生動物を使用せず、苦痛を伴うしつけも行いません。
(引用:Airbnb Newsroom “Airbnbが「体験」の新カテゴリ、「アニマル体験」を発表”)
世界中の人がホストとして活動できるのがAirbnbの特徴ですが、その分決まり事がしっかりしていなければトラブルも起きやすいと言えるでしょう。動物福祉ポリシーのように、決まり事を作り、監視をしっかり行うことは非常に重要なことです。
アニマル体験に参加するにあたり注意すること
ホストの言語は要チェック
案内をしてくれるホストは主に、英語か現地の言葉を話します。動物がメインとはいえ、ホストの説明やホストとの交流もアニマル体験の大事な要素です。くれぐれも事前にホストの言語を確認してから申し込むようにしましょう。
動物は人間の思い通りには動いてくれない
特に野生の動物を観察するプランでは、天気などさまざまな事情があって現れてくれない可能性もあります。
人間に飼われている動物でも、思うように動いてくれないこともあるでしょう。
相手は動物であり、思い通りにいくわけではないことを理解した上で申し込みましょう。
まとめ
今回は、Airbnbが始めた「アニマル体験」をご紹介しました。
Airbnbのアニマル体験は全て、ワールドアニマルプロテクションの指導のもとで作られた動物福祉ポリシーに基づいてサービスが提供されており、その内容も動物や自然界への理解を深められるものとなっています。
動物好きのみなさんはぜひ、お気に入りの体験を見つけて参加してみてはいかがですか?