【デブ猫対策】ご飯は適切?6つのチェック項目で太った体を改善!

猫は、人間のように自分で生活をコントロールすることはできません。「最近太り気味だし、最寄りの一駅で降りて、ちょっと歩いて帰ろう」なんてことは出来ないのです。

飼い主さんのお世話の仕方次第で、あなたの愛猫は健康的な猫にもおデブな猫にもなります。もし、少し太っているかも?と気になるようでしたら、これ以上太ってしまわないように、6つのチェック項目を確認し改善していきましょう。

猫の肥満は、病気のもと

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どんな病気になるの?

人間と同じで、猫も太り過ぎはさまざまな病気の原因になります。肥満の猫に特に多い病気には次のようなものがあります。

  • 糖尿病
  • 関節炎(体重が増加するため)
  • 皮膚病(グルーミングできなくなるため)
  • 尿路疾患(トイレに行く回数が減るため)

猫が長生きをするには、飼い主さんによる健康管理が欠かせません。確かに太った猫もかわいいですが、太り過ぎには注意をして、肥満から生じる病気は防ぐようにしましょう。

猫が太る原因を考える

猫が太る主な原因は、「カロリーの摂取しすぎ」と「運動不足」です。この記事では、その中でも「カロリーの摂取しすぎ」について考えます。

愛猫が最近太ってきたなぁという場合には、心当たりがあるものはないか探してみてください。

【デブ猫対策 その1】 パッケージの裏側を読もう

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猫を太らせないためには、年齢に合わせてキャットフードの量や回数を調節していく必要があります。キャットフードのパッケージの裏側に、分量などが記載されているのですが、しっかりと読んでいるでしょうか。

なお、そこに書かれている数字もあくまで一般的に言われている目安です。人間でも太りやすい人や太りにくい人がいるように、個体によって適切な量はまちまちです。猫の様子や体重の増減を見ながらフードの量を調整していくと良いでしょう。

【デブ猫対策 その2】 目分量であげない

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猫にキャットフードをあげる時、どのように分量を決めていますか?適切な分量を食べていないと、すぐに太ったり痩せたりします。猫は体が小さいため、ご飯の影響がとても大きいのです。

しっかりと計りを使って、毎回決まった分量をあげることが大切です。目分量であげていると、だんだん適量からずれていってしまうので、「いつの間にか太ってきた」、少ない場合は「猫が急に痩せてきたかも?」なんてことになりかねません。

【デブ猫対策 その3】 おやつをあげすぎない

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人間と同じで、消費カロリー < 摂取カロリーとなれば、自然と太っていきます。

おやつをあげると喜ぶからと、ついつい何度もあげてしまいがちですが、おやつのカロリーを考慮しないと猫が太る原因になってしまいます。「摂取カロリー = キャットフードのカロリー + おやつのカロリー」という公式を忘れないようにしましょう。

複数の家族がおやつをあげる場合は、タッパーなどに1日分のおやつを入れておき、与えすぎを防ぎましょう。

【デブ猫対策 その4】 回数は適切か?

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猫を太らせないようにするためには、成長に合わせて餌をあげる回数を調整する必要があります。子猫やシニア猫は、一度にたくさんの食べ物を消化するのが難しく、少ない分量を数回に分けて与えると良いとされています。

一般的な目安は次の通りです。

  • 子猫 3回
  • 成猫 2回
  • シニア猫 3回

ただし、上記はあくまで目安です。猫はもともと1日に何度も狩りをする生き物で、犬などと比べると胃が小さく、1度に少量しか食べることができません。場合によっては1日の食事量を5回に分けて与えることを推奨されることもあります。

適切な回数は猫によるところが多いため、ぜひ愛猫との生活の中で、一番ストレスがない回数を模索してみてください。

【デブ猫対策 その5】 食事は決まった時間に

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いつも猫に餌をあげるのは、何時ごろでしょうか?時間帯は決まっていますか?不規則な食生活は、太る原因にもなります。

特別な理由がない限りは、猫も人間と同様、規則正しい生活をしたほうが良いとされています。猫の体調把握のためにも、時間を決めてあげるようにしましょう。これにより、いつもお腹が空かない時間に求めるのはなぜか?など推測ができるようにもなります。

【デブ猫対策 その6】 置き餌はしない

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キャットフードを、決まった時間に出したり片付けたりせずに、ずっと出しっ放しにしておくことを「置き餌」といいます。

置き餌をしていると、食べすぎてしまったり、いつどれぐらい食べているかを把握することができず食生活が不規則になってしまいます

特に、多頭飼いをしている場合、「ある猫だけが太りだす」というケースをよく聞きます。多くの猫がいる状態で餌を置きっ放しにしていると、どの猫がいつ、どれぐらい食べたのかを把握することが難しくなるため、その点からも良くない習慣と言えます。

また、長時間、キャットフードを放置しておくと酸化してしまうので、健康にもあまり良くありません。

適切な食事あってこその、健康体!

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愛する猫が甘えた声で要求すると、餌やおやつを与えたくなってしまうでしょう。しかし、甘やかすことでデブ猫になってしまったら、苦しむのは愛する猫です。毎日あげる餌だからこそ、しっかりと管理し、肥満にならないように気をつけましょう。

特に、キャットフードを変えた時はいつも以上に注意が必要です。キャットフードにより、カロリーも違いますし、吸収される栄養素の量も異なります。愛猫の観察をしっかり行い、体重や体型の変化にいち早く気づけるといいですね。

改訂履歴
2021/08/27 情報を更新
2020/05/08 情報を更新
2017/11/01 初版公開

【獣医師監修】太り過ぎに注意!アメリカンショートヘアの好発疾患

アメリカンショートヘアは、昔から日本で人気の猫種です。

猫を飼ったことがなくても、アメリカンショートヘアの名前くらいは知っているという人も多いでしょう。それだけメジャーで、日本でも飼育頭数が多い猫です。

では、猫の品種によって気をつけなければならない病気や、飼育環境はあるのでしょうか。今回はアメリカンショートヘアの好発疾患と飼育環境についてまとめました。

アメリカンショートヘアの歴史

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アメリカンショートヘアの祖先はイギリスのブリテッシュショートヘアで、1620年に移民を乗せたメイフラワー号のネズミ退治猫としてアメリカにやってきました。

もともと使役猫として飼われていたことから、愛玩目的の純血種である必要がなく、異なる種の猫との交配が行われました。そのため、比較的丈夫な体になったとされています。

その後、アメリカの愛好家たちの手により品種が固定され、「アメリカンショートヘア」という純血種として現代にまで受け継がれてきました。

アメリカンショートヘアの好発疾患7つ

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純血種というのは、近い血を交配し続けることで守られています。それ故に遺伝的に発生しやすい疾患があり、体が丈夫とされるアメリカンショートヘアも例外ではありません。

それでは、アメリカンショートヘアの好発疾患について詳しく見ていきましょう。

肥大型心筋症

【症状】
・呼吸速拍
・胸水
・腹水
・嘔吐
・食欲不振

【原因】
心臓の筋肉(心筋)が大きくなり、心臓の拡張能が低下することによる。アメリカンショートヘアでは遺伝性の肥大型心筋症が報告されている。

【備考】
診断には超音波検査が必要。また動脈血栓塞栓症が続発することが多く、注意が必要。

動脈血栓塞栓症

【症状】
・突然の後肢麻痺
・後肢の冷感
・大声で鳴く

【原因】
心臓などで形成された血栓が、動脈の細い部分(特に大腿動脈)に詰まる。

【備考】
肥大型心筋症では血栓が形成されやすい。治療には血栓を溶かす薬剤を用いるが、長く閉塞した血栓がなくなると、末端の壊死した組織や細胞が全身を巡る「腫瘍溶解症候群」が起こり、時に命に関わる。

糖尿病

【症状】
・多飲多尿
・脱水
・易感染性
・嘔吐
・下痢
・昏睡
・低体温

【原因】
インスリンの分泌不足や、インスリンの作用不足。猫の場合、インスリンは分泌されていることが多く、ヒトのⅡ型糖尿病と類似する。

【備考】
雄は雌の1.5倍発生が多く、肥満はインスリンの効きを悪くする。他の危険因子としては加齢、膵炎、腫瘍、感染症も挙げられる。

多発性嚢胞腎

【症状】
・多飲多尿
・尿が薄くなる
・食欲不振
・嘔吐
・口内炎や消化管潰瘍などの尿毒症症状
・貧血

【原因】
多くは遺伝性で、両親に発病がないか確認する必要がある。

【備考】
治療法や予防法がないため、早く発見してできるだけ症状を緩和していく。

肝リピドーシス

【症状】
・急激な体重減少
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・便秘
・黄疸

【原因】
肥満の猫が、2週間以上の食欲不振などで栄養が偏ると肝臓に過剰な脂肪が蓄積する。

【備考】
肥満の予防が重要であるが、他の病気による食欲不振も引き金になり得る。

尿石症

【症状】
・血尿
・頻尿
・トイレに行くが排尿しない
・腹痛

【原因】
腎臓や膀胱などの泌尿器に結石が形成されることによる。

【備考】
結石は普段の食事や、体質によって形成されやすいものがある。また雄の場合は、尿道に結石が閉塞することも多く、緊急手術が行われる。

関節炎

【症状】
・動きたがらない
・患部を舐める
・関節の腫れ
・痛み

【原因】
慢性的な関節への負担、肥満などにより関節軟骨が擦り減ると、骨の変形が引き起こされる。

【備考】
肥満の予防が重要。

アメリカンショートヘアを飼うなら注意したい4つのこと


「猫は犬と違って散歩も必要ないし、手間がかからない」と思っていませんか?しかし、人間と一緒に生活をする以上、愛猫の健康を守るためにはやはり気をつけなければならない生活習慣があります。

アメリカンショートヘアの好発疾患を理解し、どんなことに注意すべきかを確認しましょう。

①太りにくい食事管理

糖尿病や関節炎、あるいは膀胱にできた結石が尿道に閉塞しないためにも、肥満を防止することが重要です。そのためには、栄養バランスの整った太りにくい食習慣を作りましょう。

特に避妊や去勢をした子は太りやすい傾向にありますので、ライフステージにあった食事を用意してあげてください。

②しっかりした運動

食事管理と同様に、肥満の予防のためには適度な運動も必要です。

もともと、日常的にたくさんの運動を必要とする猫種ではありませんが、キャットタワーを設置するなどの工夫は必要でしょう。時間がある時はおもちゃで遊んであげるのも良いですね。

③尿のチェック

アメリカンショートヘアの好発疾患には、腎臓疾患や糖尿病など尿に異常が現れるものが多くあります。
日々の生活の中で、尿量がいつもより増えていないか、あるいは減っていないかを確認しましょう。また、尿の色が薄い、赤いなどの見た目の異常もあるかもしれません。

トイレをただ片付けるのではなく、排泄物を確認する習慣をつけましょう。

④飲水量の把握

尿の量は、飲水量と密接に関係しています。

留守の間は置き水をすることになりますが、一日で愛猫がどのくらい水を飲んだかを把握しておくことはとても大切です。
目盛りのある容器を用意すると、飲んだ量が分かりやすいのでおすすめです。

また、夏場などは特に、飲み水を切らさないように注意してください。
常に新鮮な水を飲めるような環境を整え、しっかり飲んでしっかり排泄をしてもらうことで、腎臓への負担を軽減します。

まとめ

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アメリカンショートヘアは、猫の純血種の中では特に病気が多いというわけではありません。しかし、やはり生き物ですので、どうしても体調を崩すことはあるでしょう。

病気にさせない環境を整えると同時に、病気を早く見つけられるよう、排泄物のチェックや飲水量の確認を習慣づけることが大切です。