【獣医師監修】犬の震えの原因は?実は病気のサインかも!?
犬の飼い主のみなさんは、愛犬が震えている様子を一度は見たことがあるでしょう。
冬の時期なら、「きっと寒くて震えているのだろう」と考えるかもしれません。しかし、本当に寒いだけでしょうか。もしかしたら、愛犬の震えは体調の異常のサインかもしれません。
小さな変化ですので、動物病院に連れて行こうか迷う方も多いでしょう。震えの原因はとても複雑で、獣医師であっても確定診断が難しい場合もあります。
そこで今回は、犬の震えについて、獣医師が詳しく解説していきます。
そもそも震えって何?
震えは、意識とは無関係な筋肉の収縮や伸展によって起こります。
中には、部分的な痙攣や筋肉の異常によって引き起こされる場合もあります。
犬は言葉が話せませんから、なぜ震えているのかや、それが異常な震えかどうかは判断が難しいところです。
考えられる震えの原因
もちろん、震えているからといって全てが病気の兆候とは限りません。
愛犬がなぜ震えているのか、考えられる原因をみてみましょう。
生理的反応
寒さ、恐怖、警戒などによって、震えることがあります。
これらは生きていく上で必要な反応なので、異常ではありません。
ただし、犬にとってはストレスがかかっているサインですので、原因を突き止め早めに取り除いてあげましょう。
疼痛(とうつう)
お腹など、体のどこかが強く痛む場合も震えることがあります。
痛みが原因の場合は、触られることを嫌がったり、抱き上げた時に鳴いたりすることがあります。
外傷などのわかりやすいものもあれば、椎間板ヘルニアなど見た目にはわかりにくい疾患もあります。また、動かない、攻撃的になる、呼吸が速いなどの症状が付随して見られることも多いので、注意深く観察しましょう。
ミオクローヌス
自分の意志とは無関係に筋収縮が起こることです。しゃっくりを思い浮かべて頂ければわかりやすいかもしれません。
中枢神経系(脳や脊髄)の異常や、各種中毒物質の摂取によって見られることがあります。また高齢犬が立ち上がろうとする時に後肢に震えが見られるのも、このミオクローヌスです。
中毒
色々なものを誤食することで、中毒症状が現れると震えることがあります。
代表的なものには、キシリトール、チョコレート、カフェイン、マカダミアナッツ、ニコチン、エチレングリコール、農薬類などがあります。
誤食の際には必ず痕跡(食べ残しがある、保管しているビニールが破れている、ゴミ箱が荒らされているなど)があるので、何かを食べてしまった可能性がある場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
低血糖
肝疾患やインスリノーマなどによって、血液中のグルコース濃度が低下することでも震えが引き起こされます。
さらに深刻な低血糖状態に陥ると、発作や昏睡といった症状が現れるため、基礎疾患を持つ犬は震えを見逃さないようにしたいです。
犬の震えを発見したら飼い主ができること
ご紹介したように、震えには正常なものと異常なものがあります。
明らかに震えている原因がわかる場合を除いて、異常かどうかの素人判断は危険でしょう。
電話で獣医師に相談しても対処できない場合がほとんどですので、変わったことがあれば一度動物病院を受診してください。
動物病院で聞かれることを押さえておこう
動物病院を受診する前に、予め次のようなことをチェックしておけば診断がスムーズに進みやすいです。
・経過:止まっている時と動いている時の震えの違い、特定の動作時に起こるかなど
・予防歴:寄生虫、ウイルス疾患(犬ジステンパーなど)の可能性
・家族歴:遺伝性の可能性、犬種による好発疾患の推定など
・食事:栄養性、中毒性の可能性
・既往歴:代謝性、他臓器の疾患の可能性
痛みが震えの原因と考えられる時
震えの原因が強い痛みの場合、診察室内でも歩き方や姿勢に異常が見られれば診断しやすいですが、緊張や興奮によって動物病院内で痛みが隠れてしまうことも多くあります。
筆者自身、「検査を行っても異常は見られないし、治療もせずに帰宅するとやっぱり痛そう」といった事例も経験があります。
できれば、自宅でリラックスしている状態の時に体を一通り触ってみて、どこか嫌がる箇所がないか確認しておきましょう。
ただし、愛犬が攻撃的になっている可能性もあり、痛みのある箇所に触った時に咬まれないように注意してください。
動画の撮影も有効
痛みが原因の場合に限らず、「自宅では震えるのに診察室内では平気そうにしている」可能性は十分にあり得ます。
自宅で異常を感じた際は、すぐに動画を撮影しておきましょう。
動画撮影時の環境や、撮影前の状況を把握しておくことも非常に重要です。
何もしていない時、呼びかけた時の反応、おやつやおもちゃを見せた時の反応などが望ましいです。
自宅での愛犬の素の状態を知らせるためにも、文明の利器を最大限活用しましょう。
まとめ
小さな震えなどは、日常生活の中で愛犬をよく観察していないと見落としてしまうかもしれません。しかし、「その小さな震えが大きな異常のサインであるかもしれない」ことは忘れてはなりません。
些細なことでも構いません。何か気になることがあれば、気軽にかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。
犬が車に乗ると吠える?嫌がる犬に試したい7つの方法
あなたのわんちゃんは、車におとなしく乗っていられるタイプでしょうか?吠えてしまったり、トラブルを起こしてしまう子も少なくありません。
知らない場所に連れていかれて犬もイライラ。鳴きっぱなしの声に、飼い主さんもイライラ。そんなイライラムードの車内を転換し、愛犬も飼い主さんも快適に車内を楽しめるようにしたいですよね。
わんちゃんも何か困ったことがあって吠えているわけなので、頭ごなしに叱るのではなく、様々な方法を試して行く必要があります。
吠えるのには意味がある。
ずっと鳴きっぱなしだと、喉が枯れてしまうんじゃないかと不安になったり、その鳴き声にイライラが募ったりしてきますよね。犬が鳴く行為に対して、よく「無駄吠え」と言ったりしますが、犬の立場からすれば無駄な鳴き声はないはずです。
犬が吠えるのには、そこに理由が必ずあります。理由がわかれば、対処もスムーズになるのでどれが当てはまるか考えて行きましょう。
- 車が怖い
- 変わる景色に落ち着かない
- 車から伝わる振動が嫌
- 不安感や恐怖感、トラウマ
どういった対策が有効なのかは、原因によって様々です。特定が難しい場合も多いと思うので、1つ1つやってみる必要があるでしょう。
1.クレートに入れ、布をかける
狭くて暗い場所が落ち着くから
「犬をケージに入れるのは狭くてかわいそう!」と思う方もいるかもしれません。しかし、犬は狭くて暗い場所の方が落ち着くことができます。
犬の先祖は、穴ぐらで暮らしていたと言われています。そのため、狭くて暗い場所を好み、本能的に心を落ち着けることができます。
窓から色々見えるのが落ち着かないから
また、犬が吠える原因が「窓から見える風景が目まぐるしく変わリ、それが落ち着かないから」というものも考えられます。その場合、クレートに入れて、上から布を被せることが効果的です。
クレートに入れてそっと布をかけてあげることで、目に飛び込んでくる情報量が多くて混乱してしまわないようにできます。
2.身体を安定させる
身体が揺れる不安定な状態が嫌だと思って吠えるわんちゃんも少なくありません。そのため、小さめサイズのクレートを用意し、身体を固定させるような状態を作ってあげましょう。
また、クレートに入っていない状態で急ブレーキがかかったりすると、思わぬ事故も招きます。それだけでなく、席から落ちてしまった場合に、車にトラウマを持つようになる可能性もあります。
そうならないためにも、身体を固定させてあげましょう。
3.少しずつ慣れさせる
犬が車に慣れるのには、ある程度の回数と時間がかかります。いきなり遠出をするのではなく、少しずつ距離を伸ばして行きましょう。
また、初めて車に乗るときも
- 車に乗り込む(エンジンをかけない)
- エンジンをかける
- 慣れてきたら、近場を運転してみる
のように、徐々に車に慣れさせることが必要です。
車のエンジンや振動にびっくりして吠えてしまうわんちゃんも多いので、ゆっくりと慣れるのが良いでしょう。
4.「車=嫌なところに連れて行かれる」のイメージはない?
最初の方は、動物病院でのワクチンなど、楽しくない出来事のために車に乗ることも多かったのではないでしょうか。車に乗って、最初に出かけた先が病院などの怖い場所だと、「車に乗る=嫌な思いをさせられる」という方程式が、わんちゃんの中で作られてしまいます。
車に乗って近くの公園に行くなど、むしろ楽しい場所に連れて行ってくれる乗り物というイメージを持ってもらいましょう。
5.車=楽しいのイメージづけ
車は怖くない!と思ってもらうために、ご褒美作戦で、イメージ回復を狙いましょう。車に乗れたら褒める、目的地まで着いたらおやつをあげるなどして、楽しいイメージを持ってもらいます。
何度も繰り返すことで、「パブロフの犬」でおなじみの条件反射として効果を発揮するでしょう。
6.お気に入りグッズを置く
不安にならないように、愛犬の大好きなおもちゃや使い慣れたブランケットを用意しましょう。普段使っているものであれば、家のにおいや自分の匂いがするはずです。
車内は、いつもと違う匂いがしているはずなのに、安心出来る匂いを作り出すことも重要です。
7.車の中で遊ぶ
車内が怖いものでなくなるように、お出かけがない日にも、車の中で遊んでみてはいかがでしょうか。そうするうちに、車が怖いもので亡くなって、むしろ好きになったという事例もあります。
快適な車内を目指して!
愛犬が車の中を快適に過ごせるようになったら、大きくライフスタイルも変わるのではないでしょうか。
「愛犬が吠えるから、かわいそうでドライブに連れていけない」「吠えるから、私までイライラしてしまって…」などの困ったを解決して、楽しいドライブを楽しめるようになりたいですね!