猫の顔の模様の謎!クレオパトラ・ラインやM字模様の特徴や由来とは
縞模様の猫を飼っている方は、猫の顔の模様にいくつかの名前が付いていることをご存知ですか?
「顔の模様なんて猫によって違うでしょ?」と思うかもしれません。しかし、実は縞模様の猫に共通する模様があるのです。
今回の記事では、猫の目元の「クレオパトラ・ライン」と、額の「M字」模様について、その特徴や由来、言い伝えをご紹介します。
猫の飼い主さんは、実際に愛猫の顔と照らし合わせながら読んでみてくださいね。
目元の「クレオパトラ・ライン」
「クレオパトラ・ライン」とは、猫の目尻から頬にかけて伸びているラインのことです。
縞模様の猫は、ほとんどがこの模様を持っていると言われています。長めに引いたアイラインのようで、顔の引き締まった印象を際立たせていますよね。クレオパトラ・ラインの濃さや長さは、猫によって様々です。
「クレオパトラ・ライン」の名前の由来
古代エジプト、プトレマイオス朝の最後の女王であり、絶世の美女として知られているクレオパトラ。
猫の「クレオパトラ・ライン」は、そんな彼女の特徴的な目元に似ていることが由来であると考える人が多いでしょう。確かにその説もありますが、実は、彼女自身が猫の目尻のラインに魅了され、真似るようにしてメイクをし始めたことに由来するという説が有力なんです。
クレオパトラは、現代では「猫界のクレオパトラ」と呼ばれる猫種「アビシニアン」を、こよなく愛していたとも伝わっています。
猫は高貴な存在だった
当時のメイクは、顔を美しく見せるというよりも魔除けや虫よけなどの実用的な効果を狙っていたと考えられています。もし、クレオパトラが本当に猫の顔を真似てメイクをしていたとすれば、猫はそれだけ高貴な存在だったことが分かりますね。
実際、エジプトの神話には猫の女神「バステト」などがおり、人々から崇拝されていたことは間違いないでしょう。
額の「M字」模様
「タビー」や「トラネコ」と呼ばれる、身体にトラのような縞模様を持つ猫には、額に「M」のマークがあることが多いです。
タビーには、1本の毛に濃淡がある「アグーティタビー」、トラ猫やサバ猫が属する「マックレルタビー」、渦巻き模様の「クラッシックタビー」、点々模様の「スポッテッドタビー」、「ティックドタビー」などがいます。
はっきりとしたM字模様の猫もいれば、途中で途切れているM字模様の猫もいます。
迷彩効果の名残?
現代のイエネコの祖先である、リビアヤマネコやヨーロッパヤマネコなどのヤマネコには、もともと額のM字模様が存在していました。
M字模様をはじめとするトラ柄は、猫が森の中で周囲の風景に溶け込めるよう、迷彩効果のような役割をしていたと言われています。
宗教的な言い伝えも
猫が大好きだったというイスラムの預言者「ムハンマド」が、自身のイニシャルを猫の額につけたのではないかという言い伝えもあります。
イスラム教だけでなく、キリスト教関連の説もあります。イエス・キリストが誕生した日、たくさんの猫がマリア様を祝福しに来たところ、猫が赤ん坊にいたずらしないようにとマリア様が猫に手を伸ばし、その時に額に「M」の文字が現れたという説です。
それぞれの宗教で重要な人物が猫のM字模様に関わっていた説があることからも、猫が人々に高貴な存在として扱われてきたことが読み取れます。
ゴースト・マーキングとは?
子猫の時にはあった縞模様が、成猫になると消えてしまうことがあります。あったはずの模様が姿をくらますことから、この模様を「ゴースト・マーキング」と呼びます。
なぜ子猫の時だけ模様がでるの?
M字模様のところでも説明した通り、野生時代のヤマネコの身体は、周囲に溶け込むために縞模様をしていました。猫本来の模様とも言える縞模様は非常に遺伝子が強いため、今では単色となった猫であっても子猫の頃だけは模様が現れるのではないか、と考えられています。
つまり、たとえ単色の猫であっても、多くの猫が縞模様の遺伝子を多少なりとも持っているのです。
縞模様の出る場所や濃淡はさまざま
縞模様の出方は猫によって異なり、全身に出たり、しっぽにうっすらと出たりします。白猫の場合は頭頂部に「キトンキャップ」という縞模様が出ることが多く、成猫になると消えてしまいます。
まとめ
今回は、縞模様の猫の顔に見られる「クレオパトラ・ライン」と「M字」模様、さらにゴースト・マーキングについてご紹介しました。
古代エジプト・クレオパトラのメイクとの関係や、野生のヤマネコ時代の名残、宗教的な言い伝えなど、どちらの模様も遠い昔と関係があり、猫と人間の長い歴史が感じられますね。
顔の模様について学んだところで、改めて愛猫の顔を観察してみてはいかがでしょうか?今までと少し、見方が変わるかもしれませんよ。
飼い犬と顔や性格が似る理由!実は科学的に証明されていた!?
犬を飼っている方は、飼い犬と顔や性格が似ていると言われたことがあるかもしれません。
あるいは、「あの犬、飼い主とよく似ているな」と思ったことが一度はあるのではないでしょうか。
「飼い主とペットが似る」とはよく聞きますが、実はこの現象、実験によって科学的にも裏付けられているのです。
今回は、飼い犬と飼い主が似るプロセスについて、実験結果とともにご紹介していきます。
飼い主と顔が似るって本当?
犬と人間では顔の作りが違いますから、そっくりというわけにはいきませんが、「どこか顔の雰囲気が似ている気がする」「目のあたりがなんとなく似ている」と感じたことがあるかもしれません。
似ているような雰囲気を受けるペットと飼い主の顔ですが、果たして本当に似ているのでしょうか。
心理学者が行った実験
関西学院大学の心理学者、中島定彦氏が2009年に行った実験は、「飼い主と犬の画像をバラバラに配置し、全くの他人が正しいペアを作ることができるのか?」というものでした。
実験では、飼い主や飼い犬の目元、口を隠した画像を用いて、500名以上の参加者にペアを作ってもらい、顔のどのパーツが特に似ているのかを実験しました。
実験の結果
実験の結果、何も加工をしていない画像でペアを作ったケースでは、最高で80%の精度で正しいペアを作ることができました。
また、目元を隠した画像を用いた場合では正答率は50%程度まで低下しましたが、目元だけを写した画像では約75%の正答率を示したそうです。
このことから、飼い主と犬の顔が似ていることは事実であり、特にその目元に共通の特徴が存在しているとの結論が出されました。
「顔が似てくる」わけではない…?
飼い主と飼い犬は顔が似ているという結論が出ましたが、中島氏はこれを、「単純接触効果」によるものだと推測しました。
単純接触効果とは、ある刺激(図形や味、においなど)に触れれば触れるほど、それを好きになっていく現象のことです。
つまり、飼っているうちに愛犬が飼い主に似てくるのではなくて、人が犬を選ぶ際に、見慣れた自分の顔に似た犬を無意識のうちに選んでいるのではないかと考えたのです。
中島氏のブログサイト
https://sadahikonakajima.cocolog-nifty.com/nakajima/2013/10/test-1.html
飼い主と性格が似るって本当?
顔や表情の他にも、性格が似る場合もあります。
人間と同じように、千差万別な犬の性格ですが、飼い主と飼い犬の性格も、顔と同じように似るという結果がある調査を通して出されたのです。
性格の形成に関わる要素は?
犬の性格形成には、人間と同じように様々な要素が関わっているとされています。
- 生まれ持った性格
- 幼少期の環境
- 成長する過程での経験
- 犬種ごとの性格的特徴
社会心理学者の調査
米ミシガン州立大学の社会心理学者、ウィリアム・J・チョピク氏はこの中でも、「生まれ持った性格」と、「成長する過程での経験」に着目して調査を行いました。
チョピク氏の調査は、1681匹の犬の飼い主たちに、飼い主自身の性格と飼い犬の性格についてアンケートをとり、「飼い主と飼い犬の性格にどのような特徴があるのか」を調べるものでした。
調査結果
調査の結果、飼い主と飼い犬の間には、性格の類似点が存在していることが判明しました。
例えば、外向的で活発な飼い主の犬は元気で活動的、内向的でインドア派な飼い主の犬は臆病で人見知りしやすいなどの傾向がありました。
この他にも、真面目で誠実と自分を評した飼い主の飼う犬は言うことをよく聞く、人当たりがいい飼い主は社交的な犬を飼っているなどの例があり、両者は性格が似ていることが多いとの結論が出されました。
なぜ性格が似るの?
飼い主と飼い犬の性格が似る理由について、チョピク氏は2つの仮説を提唱しています。
1. 性格が合うペットを選んでいるため
飼い主と飼い犬の顔が似ている場合と同じく、飼い主が自身の性格に似ている犬を選んでいるという仮説です。
例えば、静かで落ち着いている犬を好む人もいれば、活発でアクティブな犬を飼いたいと思う飼い主もいます。
このように、飼い主は無意識のうちに自身が好む性格の犬を選択していると考えられます。
2. 生活していく中で似てくる
飼い犬は基本的に、飼い主の生活リズムに適応して生きています。
そのため、飼い主と一緒に生活していく中で、飼い犬の性格は飼い主によく似たものへと変化していくと考えられます
例えば、社交性が高く、頻繁に犬仲間に会いに行く飼い主だと、犬もその経験により社交性が高くなっている可能性があります。
参考論文
William J.Chopik(2019)”Old dog, new tricks: Age differences in dog personality traits, associations with human personality traits, and links to important outcomes”
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0092656618301661
生活習慣や仕草も似る?
飼い主と飼い犬の間で似ている点としては、顔や性格だけでなく、生活習慣、仕草などが挙げられるとされています。
群れで生活する犬は、本能的にリーダーの行動を真似する事があると言われています。
つまり、家族として生活する中で、リーダーである飼い主を行動の真似をしたがるのです。
そのため、同じ生活リズム、同じ環境で過ごしているため、習慣や仕草も飼い主と似る傾向があるとされています。
まとめ
今回は、飼い主と飼い犬の顔や表情、性格が似る理由についてご紹介しました。
飼い主と飼い犬が似るという話はよく聞きますが、実際に実験や調査によって裏付けられているとは驚きですね。
飼い主にとって、愛犬は最高のパートナーであることに間違いありません。
家族として長い時間を過ごしている以上、似ているのも当たり前のことかもしれませんね。