【獣医師監修】シニア期における犬・猫の変化と気をつけるべきこと
医術の進歩などにより人間社会が高齢化しているように、獣医療の発展によって動物の寿命も延びています。
過去には10年も生きられれば長生きであった犬が、今や15年以上も健康を保つような時代になってきました。猫に至っては20歳を超えることも珍しくありません。
寿命が延びるに当たって考えなければいけないのは、高齢化した動物に何が必要かということです。今回はシニアと呼ばれる7歳以降のペットのケアについてまとめます。
シニアにおける体の変化
まず重要なのは、加齢とともにペットの身体では何が起こるのかを理解することです。人間と似ている点もあるので、比較しながら確認していきましょう。
代謝の変化
加齢とともに、生活に必要なエネルギーは減少していきます。人間も30~40歳を境に太りやすくなることからもわかるでしょう。
これは筋肉量の減少や性ホルモンなどの分泌低下などが原因です。そのため、食事のカロリーを考慮しないと肥満になってしまうこともあります。
性格の変化
人間でも、歳を取ると性格が丸くなるなんていう話を聞きます。動物もやはり、ギラギラした性格が穏やかになることがあります。
ただし、大人しくなると言っても、元気や食欲がなくなるのは病気のサインかもしれません。また、猫において性格が攻撃的になった場合は、甲状腺の病気が疑われますので、一度検査をしてみた方がいいでしょう。
活動性の変化
外が大好きだった愛犬が散歩に行きたがる回数が減った、最近寝ている時間が増えたなどの行動の変化も、加齢によるものの可能性があります。これは代謝の変化にも言えますが、筋肉量の減少が関与しているかもしれません。
やはり、異常なほど元気がない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
シニアケアに必要な6つのこと
では実際に日常生活において、7歳以上の高齢動物に必要なこととは何でしょうか。
1.食事管理
例えば人間は年齢を重ねると、脂っこいものが食べられなくなってきたり、食事の量が減ったりします。これは動物にも当てはまり、やはり食事量は減少する傾向にあります。そのため、少量の食事でもしっかりと栄養を摂取することが必要です。
一方で、高齢動物は、一日に必要なカロリーが減ります。その子の食事量を把握し、過不足なく栄養を摂れるように調整しましょう。
高齢動物用の総合栄養食もあるので、利用してみるのもいいかもしれません。
2.運動量の調節
健康のためには適度な運動が欠かせません。しかし、年齢とともに自発的に運動する量は減少していきます。もちろん犬の場合、若い頃と同じ量だけ散歩に連れ出せばオーバーワークとなります。
シニア期の運動は、加齢によって落ちてくる筋肉量をできるだけ維持するという考え方が必要です。外に行きたがらない子や、室内飼いの猫には屋内でできる運動を考えてあげましょう。
また、寝たきりの子に対しては、人間の理学療法と同じようにリハビリやマッサージが必要です。
動物病院によっては理学療法に力を入れているところもあるので、スタッフに尋ねてみてもいいかもしれません。
3.環境の整備
筋肉量や視力の低下など、高齢動物には日常生活に支障が出る箇所もあります。
そんな動物が安心で安全な生活できるように、生活環境を考えてあげる必要があります。
ちょっとした段差を排除したり、トイレまでの距離を近くしてあげるなどして、できるだけ動物に負担がかからない環境を整えてあげましょう。
4.ストレスの緩和
若い頃には当たり前にできていたことが、歳を取るとできなくなるのは動物にとっても大きなストレスです。そのため、それらのストレスを取り除いてあげる工夫も必要です。
例えば、快適に生活できるように、環境を整備することも、ストレス緩和になりそうですよね。食事や散歩などの生活習慣を規則正しくすることも、ストレスの緩和に繋がります。
さらに、呼びかけや撫でるなどのスキンシップも有効です。暇な時間を極力作らず、ペットの喜ぶことをしてあげるといいでしょう。
5.定期的な健康診断
どうしても若い頃に比べて、腫瘍や代謝疾患などの病気が増えてきます。これら病気に重要なのは人間と同様、早期発見と早期治療です。
そのためには定期的な健康診断が大切です。7歳以上のシニア動物では、半年に一回のペースをおすすめしています。多いなと思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、動物は1年間で、人間に換算すると約4歳、歳を取ります。
つまり、動物は半年で約2歳も歳をとることになるのです。そう考えると、半年に一回というペースはそう多くはないような気がしませんか?内臓機能を評価する血液検査だけでも、受けておくと安心です。
6.認知機能の低下
動物でも、高齢になると認知機能が低下することがあります。
認知機能が低下すると夜鳴きや徘徊、排泄失敗、狭いところに入りたがる、壁に頭をつけたまま動かないなどの行動が見られます。
またこれら行動によって、飼い主さんが身体的にも精神的にも疲れてしまうことがあります。気になる方は無理をせず、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
まとめ
生き物が歳を取り、衰えていくのは仕方のないことです。それを理解し、年齢に応じた適切な環境を作ることが飼い主の義務です。
いつまでも全盛期でいてほしいのは山々ですが、衰えを受け入れ、最後まで愛情を注いであげましょう。
【獣医師監修】犬・猫の慢性心臓病にオススメな食事管理のポイント
ペットが慢性の心臓病を患っていて、長期の薬物療法をしている方も多いでしょう。
獣医療の発展のおかげで、病気に効果的な薬が次々と開発されています。
薬以外にも、自宅でもできる食事療法もまた、治療を補助する上で重要な役割を占めています。
今回は、慢性心疾患を持つペットの食事療法について、獣医師が詳しく解説していきます。
慢性心臓病における食事管理の必要性
ヒトの心臓病での食事管理で思い浮かぶことは「塩分の制限」でしょうか。
それは動物の心臓病でも同様で、ナトリウムの制限がカギとなります。
しかし、心臓病での食事管理の最も重要なことは「悪液質」の予防です。
悪液質とは、重篤な全身疾患による栄養失調が原因で、全身が衰弱した状態のことを言います。食欲不振や栄養失調が原因で、脂肪と筋肉が衰えてしまいます。
悪液質は一度陥ると元には戻らないことが知られており、QOLの維持のためにも、この悪液質に陥らないことが必要です。
心疾患における食事に求められること
では具体的に、心疾患の食事は何に気を付ければいいのでしょうか。
最も注意したいことは、以下の3つです。
①カロリーの確保
悪液質防止のために、十分なエネルギーが必要です。犬の場合、できれば体重1㎏当たり60kcal程をベースに考えていきます。
②タンパク質の確保
悪液質防止のために、良質なタンパク質の給与も重要です。ただし腎疾患を併発している場合は、逆に蛋白の制限が必要となります。
③ナトリウムの制限
心臓病の食事制限としては、ナトリウムの制限が重要です。
食事だけでなく、オヤツや投薬に使う食材なども含め、全ての食物に含まれるナトリウム量を把握するのが望ましいです。
服用中の薬剤に応じた食事管理が必要
服用している薬剤によっては、特に利尿薬を使用している場合には以下のことも気にしておくといいかもしれません。
詳しくは、薬を処方してもらっている獣医師に相談しましょう。
カリウムの給与
利尿薬の種類によっては、尿と共に体内のカリウムが排泄され続けるものがあります。
定期的に血液検査を行い体内のイオンバランスなどをモニターしていく中で、必要であれば食事に添加することがあるかもしれません。
水分の確保
利尿薬を服用していると非常に喉が渇きます。常に自由に飲水できるような環境を確保しておきましょう。
市販のペットフードで食事療法
ペットフード各社では、心臓病に対応したフードを販売しています。
心臓病における必要な栄養素や、制限するべき栄養素が配慮されているため、必要に応じて利用するといいでしょう。
犬の心臓サポート
犬の心臓病療法食にはロイヤルカナンの「心臓サポート」があります。
十分なタンパク質の確保と、ナトリウムの制限がなされているフードです。
また、心筋の栄養であるタウリンの添加や、併発の多い腎臓病への配慮としてリンの制限も同時に行っています。
猫では腎臓サポート
犬に比べ、猫の心臓病用のフードは少ないです。
ロイヤルカナンの「腎臓サポート」を代用しますが、タンパク質が制限されているため、ササミなどを追加しましょう。
また、猫の場合はタウリン欠乏による心筋症の報告がありますので、魚などからタウリンを補う必要があります。
ごはんを手作りする際の注意点
栄養のバランスや嗜好性を考えると、食事を手作りすることは非常に有効です。
新鮮な食材を選ぶことができる、食品添加物を与えないようにするなどのメリットが大きいです。
病気のために何かしてあげられている感覚がするのも良いですよね。
しかし、手作り食は、きちんと管理しないと逆効果となることもあります。
必要な栄養素と食材
心臓病において摂取すべき栄養と、その栄養が含まれる食材を紹介します。
- タンパク質:ササミ、豚肉(脂身を除く)、魚、大豆など
- カリウム:バナナ、イモ類、大豆など
- ビタミンB群:豚肉、枝豆など
初めて給与する食材は、アレルギーを引き起こすこともあります。まずは少量から始めてください。
また、これらの食材のみを与えれば良いわけでもないので注意してください。
控えるべき食べ物
給与を推奨する食材があれば、できれば避けたい食材もあります。
- 粗タンパク質:ジャーキーなどのオヤツなど
- 塩分:カツオ節、人間の食べるもの全般
食事で心臓病を予防できる?
「うちのペットはまだ心臓病になっていないけど、食事で予防できるの?」という疑問を持った方もいるかもしれません。
結論から言うと、食事の改善のみでは病気の予防はできません。
しかし、日頃から栄養バランスの良い食生活を心がけることで、心臓病やその他の病気のリスクを下げることはできます。
総合栄養食による食事管理
各フード会社では、動物のライフステージに合わせた栄養を配合した「総合栄養食」が販売されています。
もちろん、心臓病にも配慮されているので、常食とするのも選択肢の一つです。
ただし、この総合栄養食は療法食ではないため、あくまで健康な状態の動物に給与すべきフードであることを留意しておきましょう。
まとめ
ペットの心臓病における食事管理は、お家でもできる補助療法です。
薬での治療と合わせて行うことで、心臓病の悪化や悪液質を予防・緩和しましょう。
かかりつけの獣医師とも相談しながら、その子にあったごはんを愛情込めて作ってあげてくださいね。
食欲の秋は愛犬と一緒に楽しもう!与えていいもの・いけないもの
肌寒い日が続き、すっかり秋も深まってきました。秋といえば食欲の秋!美味しいものがたくさんあり、皆さんも食事を楽しんでいることでしょう。
犬にとっても、秋は夏バテから解放されて食欲が増している時期です。そんな時に気をつけたいのが誤食。道端には犬が食べてしまうと危険な植物もたくさん生えています。
この記事では、秋に与えても大丈夫な食べ物と、与える際の注意点、さらに、犬にとって危険となる植物をご紹介します。
犬に与えてOKな秋の食べ物
秋には犬も食べられる美味しい食べ物がたくさんあります。愛犬に手作りご飯を振る舞って、一緒に秋を楽しんでみてはいかがでしょうか?
ここでは、犬に与えても大丈夫な秋の食べ物をご紹介します。
カボチャ
カボチャには、食物繊維はもちろん、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
砂糖を加えなくても甘みがあるため、犬も喜んで食べるでしょう。しかし、その分カロリーも高いので、与えすぎに注意してください。
与える際は必ずやわらかくなるまで加熱し、種は取り除きましょう。
サツマイモ
サツマイモもカボチャと同様に、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。一方、炭水化物も豊富に含むため、与えすぎないよう気をつけましょう。
与える際は加熱し、食べやすい大きさに切ってあげてください。
なお、結石ができやすかったり、腎臓や心臓の疾患を抱えたりしている場合は病気を悪化させる可能性があるため与えないほうがいいです。
栗
栗は意外にも水分を多く含んでいるため、水分補給としても優秀な食べ物です。食物繊維やミネラルも豊富で、栄養満点です。
しかし、こちらも炭水化物が豊富でカロリーの高い食べ物ですので、あげすぎには注意しましょう。
生のままの栗は消化しづらいため、必ず加熱し、皮を剥き、細かく刻むか裏ごしするなどしてから与えてあげてください。
柿
柿には、ビタミンC、β-カロテン、食物繊維などが多く含まれています。また、約8割が水分でできているため、食事が細くなっている老犬にもオススメです。
ヘタや種は消化できないため、取り除いてあげてください。なお、渋柿にはアルカロイドが通常の柿に比べて多く含まれているため、食べさせてはいけません。
リンゴ
リンゴにはビタミン、ペクチン、カリウム、ポリフェノールなどの栄養分が含まれています。
リンゴの種や芯にはシアン化合物が含まれており、中毒症状を引き起こす可能性があるため、必ず除去してください。また、皮も農薬などが付着している可能性があるため、よく洗うか取り除くことをオススメします。
レンコン
レンコンにはエネルギーの源であるデンプンが多く含まれています。また食物繊維、ビタミンC、ミネラルも豊富に含まれています。
キノコ類
私たちがよく食べる、シイタケ、マイタケ、シメジ、エノキ、マッシュルームなどは犬にも与えることができます。
キノコ類には食物繊維、ビタミン、ミネラルや、免疫力の維持に役立つβグルカンが含まれています。
なお、当然ですが畑や山などに自生している、種類の分からないキノコはあげてはいけません。素人目では毒キノコと区別できないものも多いので、必ずスーパーで購入したものを与えてくださいね。
与える際の注意点
芯や種は与えない
多くの植物の芯や種には有毒成分を含んでいるため、必ず除去しましょう。また、種を丸飲みすると、喉に詰まってしまう危険もあります。
アレルギーに注意する
食材によってはアレルギーを起こしてしまうことがあります。
初めて与える時は少量にし、食べた後はしばらく観察してください。
生のまま与えない
根菜や木の実、キノコなどは生のままでは消化しづらいため、基本的には加熱して柔らかくしてから与えてください。
小さく刻む
大きいまま与えると丸飲みして喉に詰まってしまいます。細かく刻んだりや裏ごししたりして、食べやすい大きさにしましょう。
調理済みの人間の食べものは与えない
スーパーなどで売られている調理済みのものは、塩分や糖分がたくさん含まれているため、あげてはいけません。
家庭で作ったおかずも、味付けをしている場合は犬にとって塩分・糖分過多となる場合が多いです。素材の味を生かし、余計な味付けはしないようにしましょう。
与えたらNGな秋の植物
人間にとっては美味しく食べられるものでも、体の小さな犬にとっては強い毒になることがあります。
大切な愛犬に苦しまないためにも、秋に特に気をつけたい植物をご紹介します。
散歩中に見つけた植物や家の中の植物を、犬が間違って食べてしまわないように注意しましょう。
ギンナン
イチョウの果実であるギンナンは秋を代表する味覚の一つでもありますが、犬が食べてしまうと中毒症状を引き起こします。
紅葉の季節は黄色く色付いたイチョウがとてもきれいですが、近くにはギンナンが落ちていることがあるので、十分注意しましょう。
イチジク
秋の果物として人気のイチジクは樹液や葉、枝に毒性があります。樹液に触れると皮膚炎を起こしたり、葉や枝を食べてしまうと嘔吐などを引き起こします。
シクラメン
シクラメンは秋の定番の花で、庭や室内でよく栽培されていますが、実は根や茎には「シクラミン」という成分が含まれています。
口にすると下痢や嘔吐などの症状が出ます。大量に食べると神経症状を引き起こし死に至ることもあります。
ヒガンバナ
秋に鮮やかな赤い花を咲かせるヒガンバナ。球根、茎、葉、花と全ての部分にアルカロイドの一種である「リコリン」という毒性成分が含まれています。
摂取すると下痢や嘔吐などがみられ、大量に食べると神経麻痺などを引き起こし、死に至ることもあります。
もし食べてしまったら
愛犬が毒性のあるものを食べてしまった時、パニックに陥ってしまうかもしれません。しかし、そんな時だからこそ冷静に行動しましょう。
すぐに動物病院に連れて行く
食べた物が消化される2〜3時間以内に動物病院に連れて行き、食べたものを吐かせます。
大丈夫だと思っていたら急に容体が悪化するということも考えられるため、「食べたのも少量だし、特に症状が出ていないから大丈夫」と自分で判断せずに、まずは病院で診てもらいましょう。その際、事前に電話をしておくとスムーズに対応してくれます。
いつ・何を・どれくらい食べたか確認する
動物病院に行く時は、いつ・何を・どのくらい食べたのかを確認しましょう。情報が多ければ多いほど、獣医師は適切に処置してくれます。
可能であれば、食べてしまった植物等の一部を持っていくと診察の参考になる場合があります。
最後に
人間が食べても影響はないものの、犬にとっては毒というものはたくさんあります。危険な食べ物を与えてしまったり、お散歩中などに愛犬が誤って口にしないように気をつけましょう。
せっかくの食欲の秋!たまには愛犬に手作りご飯を振る舞い、一緒に秋を楽しんでみてはいかがでしょうか?
【獣医師監修】ちょっと太り気味?愛犬のダイエットに有効な食事方法
肥満は、糖尿病や関節疾患などに深く関わると同時に、夏季には熱中症のリスクにもなりかねません。
痩せるためには運動も大事ですが、忙しくてあまり外出できない、暑すぎて長いこと外にいられないなど、運動には様々な支障もあります。
そこで、今回は肥満対策に大切なもう1つのポイント、「食事」から犬の生活を見直してみましょう。本記事では、食事による犬のダイエットについて、獣医師が指南していきます。
肥満と病気のリスク
一般に、理想体重から15%程増えた状態を肥満と評価します。ここでの理想体重とは、生後1歳齢の時の体重だといわれています。
では、肥満にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
人間にとって肥満は万病の元ですが、それは犬にとっても同様です。肥満によって、膝や腰などの関節への負担、脂肪に内臓が押されることによる内臓への負担などが危惧されます。また、全身麻酔の際にも、標準体型の犬と比較して麻酔リスクが高くなるという傾向もあります。
いざという時のためにも、体型はしっかりと維持しておきたいですね。
ボディ・コンディション・スコア(BCS)で愛犬の体型を知る
適切な体型を知る目安として、「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」があります。
これは、犬の体型を5段階もしくは10段階に分類し、体型を数値化することで客観的な体型の評価を可能にするものです。
理想の体型は、上から見たときに腰にくびれが見える、軽く肋骨が触れる程度であるBCS3(5段階)、またはBCS4〜5(10段階)です。
犬を太らせるのは人間
犬が太ってしまう原因は人間にあります。愛犬がかわいいのはわかりますし、そのかわいい愛犬に好かれたいという気持ちもよくわかります。
しかし、だからといって、食べ物をあげすぎてしまったり、身体に悪いものをあげてしまうのは愛犬のためになりません。
人間のオヤツは犬には危険?
クッキーやケーキ、アイスクリームなどの人間のオヤツを、愛犬にあげていませんか?
人間の食べ物の多く(特にスナック菓子など)は、犬にとって糖分や塩分などが多すぎます。
また、果物も意外と糖分が多いので、自然由来だからと油断して与えすぎると、肥満の原因となります。
オヤツは適切に活用しよう!
トイレや社会化のトレーニングなど、生活に必要なしつけを行う際にご褒美として与えることで、オヤツは最大限の効果を発揮します。
カロリーをきちんと計算し、塩分や糖分が少ない犬用の食べ物を適切に選び、与える量を間違えなければ愛犬との友好な関係を築くツールとなるでしょう。
その際には、家族の中でしっかりとオヤツのルールを決めておきましょう。
ただ単に「あげすぎないようにしようね」と言うのではなく、1日にあげていいオヤツの量を把握するようにしましょう。1日分をタッパーなどに入れておくことで、ついついあげすぎてしまうなどといったことが防げます。
適切な給餌量とは?
ダイエットのためには、ただエサの量を減らせばいいというわけではありません。1日にどのくらいのカロリーが必要なのか、今のフードがどのくらいのエネルギー量なのかを把握しましょう。
ダイエットしたい場合には目標体重を設定し、無理のない範囲で給餌量を決めます。体に負担をかけないよう、獣医師と相談しながら目標体重を設定しましょう。
また、途中でお腹が空いてしまい、食べ物をしつこくねだってくるようなら、1日の給餌量を変えずに食事回数を増やしてみましょう。
犬は少ない量でも、何回も貰えた方が満足度も高いと言われています。オヤツも食事も少ない量を何度も与えたほうが、満足感を与えることが可能です。
適切な給餌量を計算してみよう!
以下のサイトでは、犬の年齢と体重などを入力すると、1日に必要なカロリーの目安を計算してくれます。与えているドッグフードのカロリーを入力すれば、1日に何グラム与えれば良いかも教えてくれます。
給餌量を設定する際の参考にしてみてください。
給餌量計算ツール
https://www.ugpet.com/guide/dog/food/ingredient/calorie/calc
各社のダイエットフード
ペット用品の各会社からダイエット食が販売されています。
ドライフードなら粒の大きさ、缶詰タイプなら味などが各会社で微妙に異なるので、愛犬の好みに合わせて選んであげるといいでしょう。
ダイエット食にしないと痩せない!
中には、常食として「太りにくい」フードもありますが、これらは「痩せる」ための食事ではなく、あくまで「太りにくい」食事ですので、続けていても減量は難しいでしょう。
また、太りにくい食事に変えたのに加え、さらにダイエットだからといって単純に食事量を減らしてしまうと、栄養不足になる恐れがあります。減量を目指すには、適切なダイエット食を、適切な量、与える必要があります。
以下では、主なダイエット食を紹介します。
ロイヤルカナンの「満腹感サポート」
低脂質と高食物繊維により無理のない減量とリバウンドに配慮しています。高食物繊維が故に、腹持ちがいいのが特徴です。
また、蛋白質もしっかり配合されているので、減量しながら筋肉量の維持が可能です。
ヒルズの「メタボリックス」
メタボリックスの最大の特徴は、脂肪代謝のサポートです。
フード中の脂肪を制限するのではなく、脂肪が燃えやすい体を作る、というものです。
私は、「トクホのお茶と同じような感覚」と説明しています。粒が小さく、小型犬でも食べやすいのも特徴です。
かさ増しについて
減量の際に、キャベツやササミで食事量を増やすのも有効です。ここで忘れてはならないのが、キャベツやササミにもカロリーはあることです。
かさ増しし過ぎて、結局食べ過ぎということもよくあります。本末転倒にならないように注意をお願いします。
肥満にならないために
一昔前よりも、優秀なダイエット食が登場したことによって、肥満の改善は少し楽になりました。しかし、まずは肥満にさせないことが重要です。
そのためには日頃の生活習慣が大切といえるでしょう。適切なカロリー管理、適度な運動、ストレスのない生活などが健康を守るために必要です。
暑くて外に出られない日には、家の中でたくさん遊ぶなどして、できるだけ身体を動かすようにしましょう。
まとめ
愛犬を可愛がるあまりに、ついつい食べ物をあげてしまうこともあるかもしれません。しかしそれは、長い目で見れば愛犬のためにはなりません。
肥満は、飼い主さんの適切な健康管理によって予防・改善することができます。
動物病院で、肥満の犬を診ない日が来ることを願っています。
犬の早食いを防止!悪影響の理由と5つの改善方法
「愛犬の食べる速度が早い・・・」そう思ったことはありませんか?犬の早食いは、言葉で教えて直るものではありません。
しかし人間と同じで、早く食べることによる健康面でのほぼメリットはないと言えます。
今回の記事では、早食いが飼い犬に与える影響と、早食いの改善方法をご紹介します。
早食いが犬に与える影響とは?
食べる速度が早いと、飼い犬に以下のような影響があります。
1. 食べすぎ・肥満に繋がる
人と同じように、犬にも満腹中枢があると考えられていますが、満腹感を得る前に食べ物がそこにあれば、犬はどんどん食べ続けてしまいます。
食べすぎて肥満になると、様々な病気に罹患するリスクが高くなるので注意が必要です。
肥満になってしまった犬は、早食いを抑えることによって、体型の改善に役立ちます。
2. 食べ物が喉につまりやすくなる
喉に食べ物がつまれば、犬は上手に呼吸ができなくなり、そのまま命を落としてしまうこともありえます。
もし、早食いした後に犬がえずいた場合は、あと少しでつまるところだったと言えます。
3. 消化不良を引き起こす
特にドライフードを与えている場合、硬いままの粒が犬の体内に流れるので、消化不良を引き起こす可能性が大いにあります。
早食いをすることで空気を一緒に飲み込みやすくなるので、ゲップも出やすくなります。
4. 胃拡張・胃捻転になりやすくなる
「胃拡張」とは、一気に食べた大量のフードが犬の胃で膨らみ、胃が拡張してしまうことです。これによって胃の内容物が腸へ流れないので、消化不良を引き起こし、嘔吐することもあります。
そしてその胃拡張が、胃がねじれる「胃捻転」を引き起こしてしまうことがあります。
胃がねじれると周りの血管も共にねじれ、胃の内容物が腸へ移動できなくなります。そして、ガスが発生して胃が膨らみ、周囲の臓器を圧迫してしまうのです。
胃捻転は、発症から数時間で犬が死に至ってしまう恐れがある病です。
5. 口内の病気にかかりやすくなる
食べるときに分泌される唾液は、歯周病菌の繁殖を防いだり、歯石を予防してくれたりと、健康な歯を保つ上で重要な役割を担っています。
早食いをすると唾液の量が少なくなり、それに伴って歯周病のリスクも高まります。
5つの早食い改善方法
では、一体どのようにして早食いを改善すれば良いのでしょうか?以下にまとめました。
1. ふやかして与える
ドライフードの早食いに困っているのなら、水でふやかしてあげることをオススメします。ふやかすことによって膨張し、満腹感を得やすくなります。
水分の摂取量も増えるので、尿路結石のリスクを減らすこともできます。
2. 早食い防止用のグッズを利用する
犬が食べる際の障害があるように設計がされています。これによって、食べる速度を抑えることができます。知育玩具のようなもので、ストレスの解消にもなります。
毎日使っていると犬もコツを掴んでしまうので、3つくらい早食い防止用のお皿等を用意し、毎日違うものであげるとなお良いでしょう。
また、大型犬用の早食い防止用食器で小型犬にご飯を与えると簡単に食べられてしまうので、愛犬のサイズに合うものを選んであげてくださいね。
3. 一度の給餌量を減らし、回数を増やす
1日に与えるフードの量は同じでも、それを細かく3〜4回程度に分けて与えることによって、早食いの防止をすることが出来ます。回数を多く与える方が、愛犬の満足感も増します。
これは、ダイエットにも有効です。
4. フードの粒を小さくする
早食い防止のために大きな粒のドッグフードに切り替えるという方法を聞いたことがあるかもしれませんが、丸呑みしてしまう食べ方を効果的に改善できるわけではありません。喉に詰まる可能性を高めてしまう上に、消化不良の理由にもなってしまいます。
逆に、とっても小さなフードであれば、口からこぼれやすく、一気にたくさん呑み込めません。また、消化不良も改善できます。
5. 落ち着いて食べられる環境を整える
多頭飼いの場合、早食いの理由の1つとして、他の犬にフードをとられるのではと考え、慌てて食べてしまうということがあります。
これを避けるために、1匹が落ち着いて食事ができる環境を整えてあげると良いでしょう。別々の部屋で食べさせてあげる等の工夫が有効です。
また、犬が食事をしているときに、じっと側で見つめたりするのはやめましょう。
まとめ
今回は、犬の早食いが犬の健康に与える影響と、早食いの対策法を5つご紹介しました。
犬の早食いはデメリットが多く、改善しなければ健康を脅かしてしまうこともあります。
早食いの程度やその理由は犬によって違うと思うので、ぜひ愛犬に合った改善方法を試してみてくださいね。
猫にも生活習慣病のリスクがある?意外な原因と対策方法
一緒に暮らしている猫ちゃんには何の病気にかかることもなく、できるだけ長生きして欲しい。これは飼い主さんたちに共通する願いだと思います。
確かに感染症やガンなど、予防するのがなかなか難しい病気もあります。しかし、生活習慣病の類は、飼い主さんのちょっとした工夫やひと手間で予防できます。
生活習慣に関する知識を蓄えて、猫ちゃんの生活も健康なものにしてあげましょう。
猫の生活習慣病
医療の発展により、人間の病気の多くは、予防・治療が可能になりました。しかしながら、病気にかかる人たちが大幅に減っているわけではありません。むしろ、不規則な食生活や運動不足、ストレスなどが原因で発症する生活習慣病は、近年多くの人を悩ませています。
人間と同じように、猫も生活習慣が原因で病気を発症することがあります。特に、加齢とともに発症しやすくなる病気として、膀胱炎などの泌尿器疾患、口内炎や歯周病などの歯・口腔疾患、糖尿病などの内分泌疾患、心筋症などの循環器疾患が挙げられます。
生活習慣病の原因として考えられること
人間の生活習慣病の場合、その主な原因は運動不足と肥満とされることが多いです。これは猫にも同じことが言えます。肥満が運動不足を招き、運動不足がさらなる肥満を招くというような負のスパイラルに陥ることは何としても避けたいですね。
食生活
猫には、好きなものしか食べようとしない子が多くいるようです。ソーセージや焼き魚、缶詰め、チーズなど、人間向けの濃い味付けがされた食べ物を欲しがり、ついついあげてしまうというような飼い主さんも多いのではないでしょうか。
これらの食べ物は猫にとっては塩分過多なうえにカロリーが高すぎます。また、濃い味付けに慣れてしまうと、キャットフードなどの猫用の食事に興味を示さなくなってしまうこともあるため、欲しがる様子を見せてもなるべく与えないようにしましょう。
運動不足
近年、ペットを室内で飼うという飼い主さんが増えてきました。家の中であれば交通事故に遭う心配もなく、よその猫から病気をもらってきてしまうこともありません。しかし、外で動き回るということもなしに、三食昼寝付きの生活をずっと続けていれば、遅かれ早かれ太ってしまいます。
そうならないためには、室内飼いでも十分な運動量を確保してあげる必要があります。キャットタワーなどのカロリー消費の激しいおもちゃを用意してあげたり、一緒に遊ぶ時間を設けてスキンシップをとるようにしましょう。
生活習慣病の危険
肥満は高血圧の原因になり、高血圧は心臓疾患の原因になります。食べ過ぎにより糖尿病になってしまったり、脂肪肝になってしまったりもします。肥満により余計な脂肪がつくと満足にグルーミングできなくなってしまい、皮膚病になるケースというのもあるそうです。
さらに、肥満は高血圧や糖尿病などの病気を引き起こすだけでなく、加齢とともに猫のからだへの負担を大きくします。体重を支えられなくなった関節、靭帯、筋肉などが痛んで動けなくなってしまったり、脂肪が増えることにより肝臓や心臓などの内臓への負担が増えます。
「うちの猫は太っていてもいつも元気に動き回っているから大丈夫だ」と安心してしまう飼い主さんたちもいるかもしれませんが、おうちの猫は気づかないうちに病気のリスクを抱え続けているかもしれません。
生活習慣病かもしれないと思ったら
生活習慣病に限らず、おうちの猫に何か異変が見られたら、なるべく早く、かかりつけの動物病院に行って診察を受けるようにしましょう。
事前に猫の様子のどこがおかしいのか、どのような異変が見られているのか、を細かくチェックしておいてください。獣医師に「どこにどんな異常がありますか」と聞かれたときに、漏らさず正確に伝えられるようにメモを用意しておくといいでしょう。
また、異変が見られた場合は、動画を撮っておくことをおすすめします。動画はスマホで撮影した簡単なもので構いません。
病院へ連れて行っても、その症状を見せてくれるとは限りません。病院へ行くことが慣れていて、リラックスしていれば別かもしれませんが、ほとんどの場合は緊張状態にあるはずです。そんな時、動画を獣医師に見せることで、獣医師もその症状を見ることができるため、その場で的確な診断を下せる可能性が高くなるのです。
最後に
病気や疾患には遺伝的なものが関わっている場合も多く、生活習慣病と呼ばれる病気の全てが予防すれば回避できるものというわけではありません。
しかし、少しでも長く猫と一緒にいたいと考えるなら、健康管理はしっかりしておいたほうがいいでしょう。人間の食べ物が欲しいと甘えられたとき、あげたい気持ちをグッとこらえられるようになるといいですね。それが愛するペットの健康寿命を延ばすことにもつながるのです。
あげるべき?あげないべき?猫が食べる草「猫草」とは。
猫ちゃんが食べる草、「猫草」をご存知ですか?
猫ちゃんと暮らし始めたばかりの飼い主さんの中には、その存在を知らないという方も少なくないと思います。
こちらの記事では、猫ちゃんが食べる「猫草」とは何なのか。また、その必要性や注意すること等をご紹介します。
猫草って何?
「猫草」とは、猫が食べる草の総称です。「猫草」として扱われる植物は、以下のような植物です。
- エンバク(燕麦)
- 大麦
- 小麦
- ハルジオン
- イヌハッカ
- セイタカアワダチソウ
- メヒシバ
猫ちゃんが食べる草は猫草と呼べるので、他にも多くの種類があります。
しかし、猫ちゃんは食べられない植物も多く、注意が必要です。草が好きだからと思って、何でもかんでもあげてしまうと危険なので、気をつけましょう。
猫草の役割
「猫草を食べることによる効果」に関しては、諸説あります。「飲み込んだ毛を吐き出すため」「胃腸を整えるため」「栄養を取るため」等々です。
しかし、どの説も明確な裏付けはありません。
ただ、積極的に草を食べる猫ちゃんは実際にいますから、嗜好品としての役割が強いのではないかと言われています。草を食べること自体が快感なのかもしれません。
猫草はあげた方が良いの?
猫草は、「あげなくても問題はない」と言えるでしょう。
猫草を食べなければならない理由というのは、現段階では証明されていません。
ただ、草を好む猫ちゃんの場合、とても喜んでくれると思いますので、欲しがっている子にはあげてみてはいかがでしょうか?
猫草をあげる時に注意すること
猫草をあげる時に注意したい点が3つあります。
①一気に大量に食べさせない
一気にたくさんの量の猫草を食べさせないように気をつけましょう。なぜなら、消化しきれずに下痢・嘔吐を引き起こす場合があるからです。
一気にたくさん食べてしまう猫ちゃんは、飼い主さんが1本1本あげる等、管理しながらあげましょう。
また、体質に合わない場合も、下痢・嘔吐などの症状がでることがあります。猫草によって、下痢・嘔吐の回数が増えるようであれば、あげないほうが良いでしょう。
あげるかあげないか、猫ちゃんの健康を脅かすことがないよう、慎重に判断する必要があります。
②子猫・老猫には食べさせない
成長期の子猫や老猫ちゃんの場合、消化機能がまだしっかりしていないことが考えられます。
消化機能がしっかりしていないのにあげてしまうと、消化できず、下痢・嘔吐をする可能性もあります。
猫草を食べたことのない子猫・老猫ちゃんに与えるのは避けましょう。また、ずっと嗜み続けていた老猫ちゃんは、様子を見ながらあげることをおすすめします。
③お部屋の観葉植物に注意
猫草が大好きな猫ちゃんは、他の植物にも興味を示す可能性が高いです。そんな猫ちゃんがいるお部屋に、有害な観葉植物を置いたりすると大変危険です。
猫ちゃんの安全のために、食べてしまうかもしれない植物には特に気をつけましょう。
以下の記事では、猫ちゃんにも安全な観葉植物をご紹介しています。興味のある方はご参照ください。
どうする?猫草の栽培
もし、猫草をあげてみたいという場合、その入手方法や栽培の手間のかけ方は様々です。
ご自分で栽培するために必要なものを一通り用意して、一から栽培しても良いですし、栽培キットを購入するのも良いでしょう。
猫草は、下のような商品があります。
育っていない猫草を購入すると、食べられるようになるまでに1〜2週間必要になることもあります。もし、すぐに食べさせたいようであれば、成長した猫草を購入した方が良いでしょう。
食べるも食べないも「猫ちゃん次第」
もちろん、中には猫草を積極的に食べない猫ちゃんもいます。その場合は、無理にあげたりしなくて大丈夫です。
猫草は食べなくても健康上問題ありませんから、猫ちゃんが食べたいようならあげる、いらないようならあげないで良いと思います。
猫ちゃんが喜ぶことをしてあげたいと思ったら、ぜひ、猫ちゃんの反応を見ながらプレゼントしてあげてくださいね。
猫草の必要性など研究が進むに連れ、新しいことが分かってきたら、またレポートしたいと思います。
【ドッグフード】ドライフードとウェットフードの違いって?
毎日愛犬が食べるフードは、愛犬の体を作る大切なものです。
ドッグフードには、大きく分けてドライフードとウェットフードがあります。しかし、飼い始めたばかりの飼い主さんは、その明確な違いと役割がわからない…ということもあると思います。
そこで今回は「ドライフードとウェットフードの違い」についてご紹介します。
ドライとウェットの違い
ドッグフードは、「製法」や「どれだけ水分が含まれているかによって、ドライフードとウェットフードに分けられています。まずは、それぞれの特徴をご紹介します。
ドライフードの特徴
ドライフードは、含まれる水分が少ないものです。「総合栄養食」と表示されているものは、栄養バランスにも優れており、これと水だけで十分な栄養をとることができると言われています。
ウェットフードと比べると、以下のような特徴があります。
- 硬い
- 開封後も長時間保存することが可能
- 比較的値段が安い
スーパーマーケット等で、大きな袋に入って陳列されているものは、そのほとんどがドライフードです。保存期間が長く、一袋の量も多いので、コスト面でのメリットがあります。
ドライフードを愛犬にあげる時には、必ず水が必要です。人もパサパサした食べ物を食べるときには、水を多めに用意しますよね。わんちゃんにもたくさん用意してあげましょう。
硬いフードなので、食欲のないわんちゃんや、あごの力が弱くなった老犬には、あまり向かないフードです。
ウェットフードの特徴
ウェットフードは、含まれる水分量が多いものです。おかずのようなもの(一般食)が多いので、総合栄養食と組み合わせてあげることが多いです。
そして、ドライフードと比べると、以下のような特徴があります。
- やわらかい
- 嗜好性が高い
- 保存期間は短い
- 値段が高い
水分を多く含んでいるため、食べることで水分補給をすることができます。また、見た目も美味しそうなものが多いです。
しかし、腐りやすいものを加工して、ある程度長持ちするようにしているため、保存料・添加物を多く含むともいわれています。
ウェットフードは、ドライフードが向かない顎の力や食欲が落ちているわんちゃんにも向いています。
ただ、ウェットフードは缶詰などで小分けにされて売られており、毎回購入していると食事の費用が大きくなります。
ドライとウェット、どっちが良いの?
それぞれに特徴があり、どちらがよいとは一概には言えません。わんちゃんの好みや、栄養のバランスなどを考えて食べさせてあげましょう。
ただ、ドライフードよりもウェットフードのほうが、がっついて食べることが多いです。素材の形が残っているウェットフードは、肉類を中心に加工されているので、わんちゃんも喜ぶのです。
しかし、だからといってウェットフードばかりあげることが、健康面上良いとは言えません。ドライフードと比べて、噛む力を鍛えることができませんし、栄養も偏ってしまいます。また、費用の面で飼い主さんの負担になるかもしれません。
ですから、ドライフードとウェットフードをバランスよく食べさせてあげるのがおすすめです。食欲がない等の理由がない限り、基本的にはドライフードをあげて、たまにウェットフードをあげるというのもよいかと思います。
また、ドライフードをベースにし、ウェットフードをよく混ぜて与えてあげると、わんちゃんも喜ぶことが多いようです。ドライフードだけでは食べないような場合にはオススメです。
ドッグフード選びに関しては、以下の記事もぜひご参照ください。
適切なフード量は守る
わんちゃんの食いつきがよいと、ついついたくさんあげてしまう飼い主さんもいますが、これは注意しなければなりません。多くの食事を与えてしまうと、肥満になってしまうことも少なくないのです。
また、プレミアムペットフードなど、カロリーが高く、吸収率の高いフードも出てきています。大抵はパッケージに適切量に関する記載があるので、そちらをよく確認の上、適量を与えると良いでしょう。
以下の記事では、犬のダイエット方法についてまとめています。予防するにあたって役に立つ情報ですので、ぜひご参照ください。
さいごに
愛犬のごはんは、飼い主さんがコントロールするものですから、愛犬の健康は飼い主さん次第です。
食べ物のことにも気を付けて、1つでも多くの思い出をわんちゃんとつくりましょう。
ドッグフードだけではなく、手作り食もオススメです。バランスの良い食事を心がけ、わんちゃんと一緒に健康的な生活を送りたいですね。
また、食事は健康管理の基本です。アレルギーなどを誘発することもありますので、困ったときは一人で抱え込まず、獣医さんに相談をすることをオススメいたします。