猫が暴れて困る!攻撃的になる原因や対応方法を解説
触れようとすると暴れ、咬んだり引っ掻いたりしてくる攻撃的な猫に困っていませんか?
ケガの恐れもあり、お手入れもできません。抱っこもできないので動物病院に連れていくのも困難です。しかし、飼い主さんと猫のためにも、少しでも穏やかにさせたいですよね。
この記事では、猫が暴れて攻撃的になる原因や対応方法を解説します。
暴れる行動の例
次のような猫の行動に困っていませんか?攻撃されたり、理不尽な行動をされたりすると飼い主さんも気が重くなってしまいます。猫にとっても、決していい状況ではありません。
- 飼い主が触ろうとすると攻撃をしてくる
- 撫でている最中急に怒り出す
- 猫の近くを通っただけで、とびかかってくる
- 動物病院に連れて行こうとしても、クレートに入れられない
- 壁や家具など、不適切な場所での爪とぎをやめない
- 夜中になると鳴いて騒ぐ
- テーブルやタンスの上に登って物を落とす
- 同居している猫を攻撃する
考えられる原因
猫が暴れる、攻撃的になる原因はさまざまです。該当するものがないか、確認してみましょう。
1. 元々触られるのが苦手
猫の中には、一緒に遊ぶのは好きではあるものの触られるのは苦手な子もいます。飼い主さんとしては、喜んで遊ぶから撫でられるのも好きだろうと思いがちです。そのため、思いがけない攻撃を受けてしまいます。
2. 干渉し過ぎ、かまい過ぎ
猫が好きすぎるあまり、飼い主さんが干渉し過ぎるのも暴れる原因に。基本的に猫はしつこくかまわれるのは好みません。「寝ているのに起こされる」「しつこく撫でられる」は大きなストレスです。
3. 人間が猫の狩りの対象になっている
猫にとって、人間が狩りの対象になっているケースもあります。猫の遊びは狩りの練習です。子猫のころから、人間の手や足を使って遊んでいると「人は獲物」と認識してしまいます。
4. 家の環境が猫に適していない
家の環境が猫に適していない場合も原因です。例えば上下運動が好きなのに、キャットタワーがないとテーブルなどに登ってしまいます。
隠れる場所がないすっきりした家も、猫は落ち着けません。ストレスがたまるため、攻撃性が現れることもあります。さらに、適切な爪とぎがなければ、壁や家具で爪をといで傷だらけにするでしょう。
5. 多頭飼いのストレス
強い猫に食事や睡眠を邪魔されているなど、多頭飼いによるストレスも原因になります。
くつろぐ場所や寝床をとられるなどは、弱い猫にとってはストレスです。目立ったケンカをしていないと上手くいっていると思ってしまいますが、我慢している猫がいる場合もあります。
6.飼い主さんが体罰を与えている・怒鳴る
言うことを聞かないからといって叩いたり、押さえつけたりなど「体罰」も猫が攻撃的になる原因です。猫は恐怖を覚え、自分の身を守ろうとします。
猫に咬まれると、とっさに叩いてしまう場合もあるでしょう。壁で爪とぎをされると、頭にきてつい怒鳴ることも。するとますます猫は攻撃的になり、悪循環が生じます。
多頭飼いの猫のケンカを仲裁するつもりで叱るのも、猫たちの関係を悪化させる原因です。
7. 猫の体調不良
触ると攻撃的になるなどの行動の理由に、猫の体調不良が隠れているケースもあります。痛みや苦痛があるため、自分を守ろうとしているのかもしれません。
猫が高齢になると、認知症になっているケースもあります。認知症は、「夜中に起きて鳴き続ける」「突然攻撃的になる」などの原因になります。
8. 元々臆病な猫もいる
親から性質を引き継ぐなどが原因で、生まれつき臆病な猫もいます。子猫時代は野良だったなど、あまり人に慣れていない猫も臆病になりがちです。元々臆病な猫を懐かせようと、あれこれ構うのは逆効果です。
暴れる猫、攻撃的な猫への対応方法
暴れたり、攻撃的になったりする猫を少しでも落ち着かせるために、飼い主さんは正しく対応しましょう。猫が本気で攻撃すると、飼い主さんがケガをする恐れもあります。
動物病院を受診する
攻撃的な行動の裏に、体調不良や病気がないかを確認するために動物病院を受診しましょう。大きなバスタオルなどで猫を包むと、落ち着く傾向があります。
なかなかクレートに入らない猫は、好きなおやつなどで誘導してみてください。連れて行くのが困難な場合は、往診してもらうのもいいでしょう。
キャットタワーを設置する
上下運動をするためにも、キャットタワーをぜひ用意してあげましょう。運動はストレスの解消にもなります。高いところから部屋を見渡せるので、落ち着く猫もいるでしょう。
高齢の猫ちゃんには、安全性の高い低めのキャットタワーがおすすめです。
猫が隠れられる場所を作る
猫が隠れられる場所があると、安心します。猫用ケージを設置して、布をかけるなどするといいでしょう。あまりにすっきりしたお家は、猫が落ち着けません。
ダンボールや猫が入り込めるベッドも用意し、いくつか置いてみてください。
爪とぎを適切な場所に設置する
猫の爪とぎは本能なので、やめさせることはできません。爪とぎには縄張りを示す意味もあるので、猫が通るところに爪とぎを設置してみましょう。
猫は伸びをしたり、後ろ足で立ち上がったりしながら爪をとぎます。爪とぎを猫が使わない場合は、「爪とぎのたびに動く」「グラグラする」などの原因が考えられます。
床に置く場合は、爪とぎが動かないように滑り止めをつけてください。立てる場合もグラグラしないか確認しましょう。
多頭飼いの関係を確認、環境を改善する
多頭飼いをしている場合、強い猫が弱い猫をいじめていないかなど関係性を確認します。弱い猫が邪魔されない寝床を確保するなど、配慮してあげましょう。
同じ場所で一斉に食事をすると、強い猫がフードを独占する場合もあります。ケージに入れるなどして、それぞれの猫がゆっくり食事ができる環境作りを心がけてください。しょっちゅうケンカしている場合は、思い切って生活空間を分けることをおすすめします。
接し方を見直す
ベタベタされるのが苦手な猫には、やたらと声を掛けたり、寝ているところを触ったりするのはやめましょう。大声や大きな物音も出さないよう注意してください。
四六時中猫をかまい過ぎていた飼い主さんは、少し距離を置いてみましょう。距離を置くと、猫の方から近づいてくる可能性もあります。もちろん、フードを与えたり、トイレ掃除をしたりなどのお世話を欠かしてはいけません。元々臆病な猫も、淡々と静かに接していくうちに落ち着いてくるケースもあります。
自分の手足にじゃれつかせるのもやめましょう。人は獲物であり、攻撃対象だと勘違いしてしまいます。獲物にならないためにも、猫用のおもちゃで遊ぶように心がけてください。フードが出てくるおもちゃなど、ひとり遊びも楽しめるようにするのもおすすめです。
効果がない場合
いろいろなことをやっても暴れる、飼い主さんがケガをするなど効果がない場合は、再度動物病院を受診します。動物の行動に詳しい獣医師などを紹介してもらいましょう。
まとめ
愛猫が暴れて攻撃的になると、飼い主さんにとって悲しいだけでなくケガなどの危険もあります。体調不良などが隠れている場合もあるので、まずは動物病院の受診をおすすめします。
家の中が猫にとって快適か、かまいすぎていないかなども確認し、改善しましょう。多頭飼いがストレスになり攻撃的になる猫には、落ち着ける場所を作ってあげましょう。
淡々と接していると、多くの猫は徐々に落ち着いてきます。どうしても治らない場合は、行動に詳しい先生に相談しましょう。
猫も年齢ごとにフードを変えるべき?ライフステージに合ったフード選び
キャットフードのパッケージには、適した年齢やライフステージが表示されているものもありますが、キャットフードも年齢に合わせて変えていったほうがいいのか、悩んでいる飼い主さんもいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、年齢に合ったキャットフードを与えることをおすすめします。これは、猫の年齢やライフステージによって、必要なカロリーや栄養素が異なるためです。
この記事では、猫の年齢やライフステージに合わせたキャットフードの上手な選び方を解説します。
猫も年齢ごとにキャットフードを変える
猫の健康を維持するためにも、年齢やライフステージに合わせてキャットフードを変えていきましょう。どの年齢、どのライフステージでも「きちんと栄養が摂れているか」「健康が維持できているか」を確認するために、動物病院で健康診断を受けることも重要です。
猫のライフステージと年齢の目安
猫のライフステージは次のように分けられます。メインクーンなどの大型猫等は当てはまらない場合もあるので、かかりつけの動物病院に相談してください。
【繁殖・授乳期】
【哺乳期】生後2~3週齢
【離乳期】生後7~8週齢
【成長期】生後8週齢~12カ月
【維持期】生後12か月~7歳ごろ
【高齢期】7歳~
ライフステージごとの必要なカロリーや栄養バランス
猫の年齢やライフステージによって、必要とするカロリーや栄養バランスは異なります。それぞれのライフステージ期の特徴を知り、適切な栄養を与えるようにしましょう。
●妊娠・授乳期、子猫
成長著しい子猫や妊娠・授乳期の母猫は、多くのカロリーを必要とします。子猫の細胞や組織の成長を促し、体の基盤を作る時期です。
栄養面では、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなどを大人の猫より多く必要とします。子猫用フードは、未熟な消化器官に配慮して消化しやすくなっている点も特徴です。
●維持期
12ケ月頃になると、猫の成長は落ち着き成猫になります。今度は健康を維持していくためのカロリーや栄養素が必要です。避妊去勢手術をした猫は太りやすくなる傾向があるため、肥満に注意します。
●高齢期
猫も高齢になると、活動量が減っていくため高齢猫用フードは低カロリーになります。関節の痛みなどに配慮したフードや腎臓、心臓をケアするフードなどが主流です。
猫の高齢期間は長くなっています。一般社団法人ペットフード協会が行った2022年の調査によると、外に出さない猫の寿命は16.02歳でした。7歳からが高齢と考えるので、ほぼ10年が高齢期になります。
参考:2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査結果 一般社団法人 ペットフード協会「7歳以上」「10歳以上」「15歳以上」など、高齢猫用はさらに年齢が分けられているフードも販売されています。年齢や猫の健康状態に合わせて、フードを変えていくのもおすすめです。
年齢に合わないフードを与えるのは禁物
猫が欲しがっても、年齢に合わないフードを与えないようにしましょう。子猫に成猫用のフードを与えれば、カロリーや栄養不足になり成長や健康に影響を与えることが十分予想できます。
さらに消化器官の負担になり、下痢などを引き起こす恐れもあるでしょう。逆に、成猫に子猫用を与えるとカロリーオーバーになり、肥満などの原因にもなります。
実際のところ、カロリーや栄養素はどう異なるのか、ヒルズの子猫用フード(妊娠・授乳期)と、避妊去勢手術後の成猫用のフードで比較してみましょう。
子猫の成長用フード
たんぱく質:39.4%
脂質:25.5%
炭水化物:26%
粗繊維:1.3%
カルシウム:44%
リン:1.12%
カリウム:0.87%
ナトリウム:0.51%
マグネシウム:0.107%
ビタミンC:110ppm
ビタミンE:384IU/kg
オメガ3脂肪酸:33.75%
オメガ6脂肪酸:52.11%
(参考:ヒルズ サイエンス・ダイエット キトン 12ヶ月まで 子猫用/妊娠・授乳期の母猫にも まぐろ (hills.co.jp))
成猫太りやすくなる避妊・去勢後の体重管理と健康をサポートするフード
たんぱく質:33.8%
脂質:10.5%
炭水化物:48.6%
粗繊維:1.3%
灰分:5.8%
カルシウム:0.87%
リン:0.73%
カリウム:0.78%
ナトリウム:0.4%
マグネシウム:0.093%
リジン:2.28%
タウリン:0.23%
ビタミンA:7486IU/kg
ビタミンC:109ppm
ビタミンD:643IU/kg
ビタミンE:621IU/kg
オメガ3脂肪酸:0.6%
オメガ6脂肪酸:2.57%
ベータカロテン:2.49ppm
カルニチン:577.4ppm
(参考:ヒルズ サイエンス・ダイエット 避妊・去勢後~6歳 チキン(避妊・去勢猫用) (hills.co.jp))
たんぱく質は子猫用で39.4%、成猫用では33.8%と子猫用の方が多くなっています。また、脂質においては、子猫は25.5%、成猫用では10.5%と2倍以上です。
顕著なのは、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の量の違いです。子猫用フードは、オメガ3脂肪酸は33.75%でオメガ6脂肪酸は52.11%ですが、成猫用フードではオメガ3脂肪酸は0.6%、オメガ6脂肪が2.57%です。
切り替える時期の目安や注意点
フードを切り替える目安や注意点を解説します。
「〇歳になったから」と突然変更するのではなく、猫の様子を見ながら少しずつ変えていきましょう。
授乳期から子猫用フード
子猫の場合、歯が生えてきたらフードを与えましょう。親子で飼育している場合、母猫のフードに興味を持ち始めたら離乳時期です。
いきなり切り替えるのではなく、下痢などをしないか様子をみながら少量ずつ与えます。食べにくそうにしている場合は、ふやかすのもおすすめです。
子猫のうちにウエットフードも食べさせてあげましょう。シニアになってからは、ウエットフードが多めになる場合もあります。慣れていないフードは食べない猫もいるので、子猫のうちに慣れさせておくと困りません。
子猫から成猫
ほとんどの猫は1歳前後で成猫になります。1歳になる前に、子猫用フードに少しずつ成猫用フードを混ぜて切り替えていきましょう。突然すべて成猫用に変えると、お腹を壊す恐れがあるので1週間ほど時間をかけます。
メインクーンなど大きな猫は、一般の猫と成長スピードが異なるので注意が必要です。1歳でも大人になっていない場合があるため、動物病院で相談しましょう。
成猫から高齢猫
一般的に、高齢期は7歳ごろからです。7歳を迎えるころ、高齢猫用フードに徐々に切り替えていきましょう。
高齢猫用フードは「7歳以上から」「10歳以上から」「13歳以上から」など分かれています。年齢にあわせてフードを変えていくのもいいでしょう。
目的別フードを加えるのもよい
キャットフードには、「避妊・去勢猫用」「肥満」「尿路の健康維持」など、目的別フードもあります。動物病院で獣医師に相談してから、猫の体質や心配事に合わせて与えるのもおすすめです。
目的別フードで病気が治るわけではないので、体調不良があった場合も動物病院を受診してください。
多頭飼いの注意点
多頭飼いは、猫それぞれの食事を管理するのが困難になりがちです。特に年齢やライフステージが異なる猫を多頭飼いしていると、子猫用を成猫が食べるなどのトラブルが生じやすくなります。
あまりにも年齢差が大きい猫を複数買っている場合は、ケージの中か別の部屋で食べさせるといいでしょう。
まとめ
猫は、年齢やライフステージごとに必要とするカロリーや栄養素が異なるため、年齢やライフステージに合ったフードを与えるようにしましょう。子猫が成猫用フードを食べると、カロリーや栄養不足になり、子猫用フードを成猫が食べると肥満などのリスクがあります。
肥満気味など猫の体質に合わせて、目的別フードを与えるのもおすすめです。フードを切り替える際は、消化不良などを起こさないためにも徐々に行ってください。
栄養がきちんと摂れているか、健康を維持できているか確認するためにも、定期的に動物病院で健康診断を受けることが大切です。
【獣医師監修】デメリットはほとんどない?子猫の避妊・去勢手術
アメリカではシェルターから譲渡される子猫を中心に、生後8~16週での早期避妊/去勢手術が普及しています。これは譲渡後の繁殖を防止することで猫の殺処分数を減らす目的があり、実際に数字に表れています。
では、日本における猫の避妊/去勢時期はどうでしょう。推奨される年齢はあるのか、さらに早期に手術をする場合のメリットやデメリットはあるのでしょうか。
今回は猫の早期避妊/早期去勢手術について解説します。
日本における猫の避妊/去勢時期
日本の動物病院では、避妊/去勢手術は性成熟後の生後6~9カ月で行うことが多いように思います。
体が小さい、体重が少ない子は麻酔管理が難しく、ある程度成長してからの方が手術が容易となります。しかし、これは獣医師の技術的な部分によるもので、手術自体は生後2~3カ月からでも可能です。
避妊/去勢手術の推奨時期
猫における避妊/去勢手術の推奨時期は特にありません。
繁殖を考えていない場合、あるいは外に出したい場合には望まない妊娠を防ぐためにも子猫のうちに手術を受けさせるのが良いでしょう。
完全屋内飼育でも、万が一の脱走や災害などによる屋外への接触を考えると、子猫のうちの手術の検討はすべきかもしれません。
早期避妊/早期去勢のメリットとデメリット
生後8~16週での早期避妊/去勢を不安に感じるかもしれませんが、どんなメリットやデメリットが考えられるのでしょうか。
早期避妊/去勢手術のメリットは?
早期に手術を受けるメリットには以下の通りです。
- 術後の回復が早い
- 精神的なトラウマになりにくい
また、実施時期に関係なく、避妊/去勢手術を行うメリットには以下のものがあります。
- 望まない妊娠を防ぐ
- 外でのケンカの予防
- 病気(特に生殖器疾患)の発生予防
- 問題行動改善への期待
肥満傾向は避妊/去勢手術後で見られる
時期に関係なく、避妊/去勢手術を行うことで、ホルモンバランスの乱れや必要エネルギーの減少などによって体重が増えやすくなります。手術後は手術前以上にしっかりと運動する機会を作るなど、肥満にならないような対策が必要となります。
尿道閉塞を起こしやすくなる?
猫の場合、早期去勢手術により尿道の発達が未熟となり、将来的に尿道閉塞を起こしやすくなると言われていました。
しかし、現在ではこれは否定されており、去勢時期による尿道閉塞の発生頻度に差はないという研究結果が出ています。
長骨(橈骨や大腿骨など)成長板の閉鎖遅延が起こる?
卵巣や精巣から分泌されるホルモンには、骨の成長板を閉鎖させる作用があります。ヒトでも性ホルモンが分泌され始める思春期に骨の成長は止まります。
早期の避妊/去勢手術によって成長板の閉鎖が遅れ、成長に影響が出るのではないかという意見がありました。しかし、これも現在では問題ないという研究結果が出ています。
早期避妊/去勢手術のデメリットは?
これらのことから猫においては早期の避妊/去勢手術は、術後におけるデメリットはほとんど無いと言ってもいいかもしれません。太りやすいことぐらいでしょうか。
犬では早期に避妊/去勢手術を行うことで、犬種によっては特定の疾患の発生リスクが増大するという報告がありますが、猫ではそういった報告は今のところありません。しかし、麻酔や手術の難度が上がるため、早期避妊/去勢手術のに慣れている病院で行うことが推奨されます。
かかりつけの動物病院が早期の手術に対応しているかは、事前に確認しておくといいでしょう。
成猫/高齢猫での避妊/去勢のメリットとデメリット
子猫の時期を過ぎてからの避妊/去勢手術についても触れておきましょう。
動物病院から避妊/去勢手術を勧められるのは子猫の時期ですが、成猫になってからでも手術を行うことは可能です。しかし、子猫の時期に比較してデメリットが目立つようになります。
- 高齢になるにつれて麻酔のリスクが上昇する。
- マーキングなどの問題行動が習慣化されている場合には改善が見られないこともある。
そのため、繁殖を考えていないのなら、早めの避妊/去勢が推奨されます。オスだから予想外の妊娠はしないし、去勢手術は考えていないという方も稀にいらっしゃいますが、猫の殺処分数を減らすためにはオスの去勢手術も重要です。
屋外に出る習慣のある子は、ケンカの抑制や望まない妊娠のリスクを減らすことができるので、早い段階での手術は考慮すべきでしょう。
まとめ
猫における早期避妊/去勢手術は、日本ではあまり馴染みのないように思います。本来であれば、猫と一緒に暮らし始める前に、手術を受けさせるかを考えておくことが一番良いのですが、なかなか難しい部分もあるかもしれません。
この記事が、早い時期に手術を受けさせようか悩んでいる方の助けになれば幸いです。猫にとって一番良いのは何なのかをぜひ考えてあげてください。