どんな人が保護犬・猫の里親になれるの?譲渡の必要条件を徹底解説!
「保護犬、保護猫を引き取りたいけど、保健所や譲渡会はなんだかハードルが高い。」そう感じている方、少なくないかもしれません。
しかし、犬や猫を大切にできる家庭や不自由なく過ごせる環境があれば、引き取りの条件はそれほど難しくありません。
今回は、保護犬・保護猫の里親になりたいと考えている方のために、「保健所や譲渡会で里親になるための主な条件」と「里親になる前に知ってほしい注意点」をご紹介します。
団体によって譲渡条件の厳しさが異なる
保護団体によって、保護猫の譲渡条件は大きく異なります。
例えば、「留守番は4時間以内」「一人暮らし・未成年・同棲カップルは禁止」など、団体によっては、厳しい条件が課されている場合もあります。一方で、ほとんど決まった条件がない場合もあります。
ここでは、「保健所」、「里親サイト」、「民間の団体」それぞれの譲渡条件を詳しく見ていきましょう。
保健所など、公的な機関からの譲渡条件
保健所の譲渡条件は、比較的緩やかです。
各保健所のサイトを見ると、概ね下記のような基本的な飼育条件を満たしていれば保護犬や保護猫を引き取れるようです。
- 家族の同意
- 成人している
- 60歳以下(保健所によっては指定なし)
- 飼育環境が整っている
- 不妊・去勢手術の実施
- 法律や条例を守って飼えること
- 最後まで責任を持って飼育する
(各保健所のサイトより)
保健所によっても条件は異なる
しかし、保護犬や保護猫を譲渡できる年齢や独自の制限があるなど、保健所ごとに条件が異なります。
例えば、東京都で保護された犬猫の譲渡をしている「東京都動物愛護相談センター」の譲渡条件を見てみましょう。
- 原則、都内に住んでいる20歳以上60歳以下の方
- 現在、犬や猫を飼育していない方
- 家族に動物に対するアレルギーを持っている方がいないこと
- 飼うことを家族全員が賛成している方
- 最期まで責任を持って飼い続けることができる方
- 経済的、時間的に余裕がある方
- 動物に不妊去勢手術による繁殖制限措置を確実に実施できる方
- 集合住宅・賃貸住宅の場合は、規約等で動物の飼育が許されている方
- 当センター主催の譲渡事前講習会を受講している方
(引用元:「東京都動物愛護相談センター」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/douso/)
東京都動物愛護相談センターでは、年齢制限はありますが、一人暮らしでも譲り受けることができます。また、譲渡事前講習会の受講が必要で、1時間半の講習を受けに行かなければいけません。
里親サイトの譲渡条件
里親サイトから保護犬や保護猫を譲り受ける場合、「里親サイトの譲渡条件」と「保護した方の独自の条件」の両方を守る必要があります。
里親サイトの譲渡条件
「里親サイトの譲渡条件」では、譲渡のトラブルが発生しないように受け取り方法など譲渡に関する基本的なルールがまとめられています。
例えば、ペットの里親サイト「ペットのおうち」では、取引のトラブルを防ぐために譲渡や費用などが指定されています。
- 転売目的での譲受は禁止
- 受け取り方法は、手渡しのみ
- 不妊手術(去勢・避妊)に協力を求める
- 終生愛情と責任を持って育てることを誓約すること
- 受け取りに際し、誓約書に署名・捺印し、譲渡人・譲受人がそれぞれ1通ずつ保管
- 掲載情報に対し里親申し込みやお問い合わせを送信する際に、掲載者に一部会員情報(ユーザーID、ニックネーム、お住まいの都道府県)を開示することへの同意が必要
- 掲載者が一般会員の場合、交通費(実費)を除く一切の費用を支払うのは禁止
(引用元:「ペットのおうち」https://www.pet-home.jp/)
保護した方の独自の条件
また、「保護した方の独自の条件」は、犬や猫を保護して、その里親を探しているユーザーが独自に定めているルールです。
かなり細かく条件を決めている方もいれば、ほとんど条件がない方もいます。
例えば、以下のような条件があります。
- 定期的な近況報告が必要
- 2匹一緒に迎え入れてほしい
- 身分証の提示
- 完全室内飼い
- 単身者、高齢者は要検討
このように、里親サイトから保護犬や保護猫を貰い受ける場合は、里親を探しているユーザーによって条件面は大きく異なります。
NPO法人など民間団体の譲渡条件
NPO法人など民間団体には、保健所や里親サイトと比較して譲渡の条件が厳しい団体もあるようです。
例えば、「毎日長時間のお留守がある」「独身」「団体からのアドバイスを聞き入れない」などの場合は、譲渡できないとの条件を定めている団体も。
他にも「トライアル前の自宅調査」「定期報告の義務」「同居人を含めた面談」など、保護犬・保護猫を大切にして欲しいからこそ、条件面が少し厳しくなる傾向があるのかもしれません。
民間団体の譲渡条件の例として、猫の保護団体であるNPO法人「東京キャットガーディアン」の条件を見てみましょう。
- 原則として、6歳以下の子供がいる家庭への譲渡はしない
- 18歳以上で経済能力のある方
- 定期検診や獣医療の必要性を理解し、あたり前に医療を受けさせられる方
- 終生愛情と責任を持って飼育し、東京キャットガーディアンの許可なしに他人への再譲渡をしない方
- 伴侶動物としてのみ飼育し、再譲渡・販売・貸出し・展示・動物実験などに利用しない方
- 飼育について家族の同意が得られている方
- 飼育できる環境に居住している方
- 完全室内飼いを守れる方(脱走防止策が必要)
- 60歳程度の方が里親を希望する場合は、本人が万一飼育継続が出来なくなった場合に猫を引き取って終生飼育できる方の同伴と、その方にも誓約書の用意が必要
(引用元:「東京キャットガーディアン」https://tokyocatguardian.org/)
どこから保護犬・保護猫を引き取るにしても、譲渡には何らかの条件がありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
里親になる条件がない引き取り方はあるの?
公的な機関や保護猫サイト、民間団体などを経由して里親になると、譲渡条件がある場合がほとんどです。
どうしても条件がない方がいい場合は、自分で野良猫の保護したり、SNSを使って里親を探している方に直接連絡すると条件なく里親になれる可能性が高いでしょう。
ただし、保健所や保護団体が設定している条件は、ペットを健全に飼育する上で最低限必要な条件である場合が多いです。
仮に条件なしに譲渡できるとしても、飼育環境をきちんと整え、各団体が設定しているような条件を満たせない場合は飼育を考え直す必要もあるでしょう。
里親になる前に知っておいて欲しい注意点
たとえ保護犬や保護猫の譲渡条件を満たせていたとしても、実際には飼い始めてからすごく大変な思いをすることがあります。
ここからは、保護犬や保護猫の里親になる前に最低限知っておくべき注意点についてご紹介します。
1.引き取りには費用がかかる
「譲渡」と言っても、実はお迎えに費用が発生する場合があります。
保護時にワクチン代・去勢代などの費用がかかるためです。
支払いは任意とする(寄付の形をとる)保護団体もありますが、犬や猫の保護にはそれなりに費用がかかっているので、できれば支払うことをおすすめします。
保護団体によって金額は変わりますが、だいたい30,000~60,000円を見ておくと良いでしょう。
2.寝不足になる覚悟が必要
保護犬や保護猫が初めての家で緊張してしまい、夜鳴きをすることがあります。
夜鳴きが2〜3週間続くこともあるため、保護して寝不足になる飼い主さんも少なくありません。
保護団体等にあらかじめ「夜鳴きをしていたか?」を聞いておくと、夜鳴き対策が立てやすいでしょう。
3.定期報告が必要になるかもしれない
団体によっては、保護犬や保護猫をお迎えした後にメールなどで、1週間に1回や1年に1回の頻度で定期報告をしなければいけない場合があります。
報告が必要なのは、保護犬や保護猫を粗末に扱う人が少なからずいて、譲渡の際にはそれを見抜けないことがあるからです。
定期報告を求められている場合は、頻度や連絡方法など事前にしっかり確認しておきましょう。
まとめ
動物の里親になるための条件は、各団体や誰から譲り受けるかによって大きく異なります。ただし、条件が緩やかであっても、ペットの健康状態を良好に保ち、最期まで責任を持って飼育できることは、ペットの飼い主として必要な義務です。
なんとなく、「里親は条件が難しいんじゃないかな?」と思っている方も、今の状況でも条件が通る場合もあります。ペットを飼う覚悟ができた方は、まずは近くの保護施設や譲渡会に行って聞いてみると良いでしょう。素敵な出会いがあるかもしれません。
クラウドファンディングで応援しよう!コロナ禍のペット関連団体
新型コロナウイルスの感染拡大によって、営業自粛や活動自粛に追い込まれ、苦しい思いをしている人たちがたくさんいますが、ペット関連業界も例外ではありません。
多くの動物保護団体や、ペット同伴可能な施設などが、新型コロナウイルスによって資金不足に陥っています。そんなペット関連業界ですが、いくつかの団体がクラウドファンディングにチャレンジしています。
ペット関連の団体を少しでも元気にできるように、みなさんもクラウドファンディングで応援してみませんか?
「コロナに負けない!!5頭の補助犬を育成するプロジェクト」
聴覚や視覚などに障害のある人たちをサポートする、盲導犬や聴導犬、介助犬の育成をしてきた日本補助犬協会。
これまで、募金活動やイベント等で資金を集めてきましたが、新型コロナの流行でイベントが中止になり、寄付を募るのが難しくなってしまいました。需要に追いついていない補助犬たちの育成をストップさせないために、クラウドファンディングを始めました。
リターンは額に応じて、補助犬のステッカーやサポーター証明書、HPでの氏名掲載などです。
プロジェクトオーナー:公益財団法人 日本補助犬協会
目標金額:13,700,000円
終了予定日:2020年8月31日
クラファンサイト名:Readyfor
HP:https://readyfor.jp/projects/hojyoken2020
「心を癒すセラピードッグカフェを存続する力を貸してください」
ダウン症や視覚障害、認知症の人たちや、少し疲れがたまってしまった人たちの心を癒すセラピードッグと触れ合える「セラピードッグカフェ まいら」を運営しているNPO法人とちぎアニマルセラピー協会は、関東地方を中心に様々なところでアニマルセラピー活動を行ってきました。セラピードッグカフェは、その活動の資金源として運営されていましたが、新型コロナによって営業や活動の中止を余儀なくされています。
クラウドファンディングによって集めた資金は、カフェの運営に必要な光熱費、スタッフの人件費に加え、セラピードッグの健康を維持するための費用に使われます。リターンは額に応じて、活動報告メールや食事・ドリンク券、Tシャツなどが提供される予定です。
プロジェクトオーナー:NPO法人とちぎアニマルセラピー協会
目標金額:700,000円
終了予定日:2020年8月31日
クラファンサイト名:Readyfor
HP:https://readyfor.jp/projects/cafemaera
「わんちゃん・ねこちゃんの楽園「つくばわんわんランド」を未来につなぎたい!」
たくさんのワンちゃんや猫ちゃんに出会えるテーマパーク「つくばわんわんランド」は、筑波山周辺地域の重要な観光スポットとしても活躍してきました。しかし、新型コロナによる営業自粛中も、ワンちゃんや猫ちゃんのお世話にはお金がかかってしまうため、運営が大変になってしまいました。
ファンが多いためか、すでにたくさんの支援金が集まっています。リターンは額に応じて、入園券やオリジナルキーホルダーなどです。
プロジェクトオーナー:つくばわんわんランド
目標金額:5,000,000円
終了予定日:2020年8月21日
クラファンサイト名:CAMPFIRE
HP:https://camp-fire.jp/projects/view/290676?list=search_result_projects_populer
「【医療従事者へアフターコロナの楽しみを】ペットホテルを無償提供」
新型コロナウイルスの感染者の命を助けるため、大変な思いをしながら日々奮闘してくれている医療従事者さんとその家族に感謝を伝えたい。そんな思いから、コロナが収束したら医療従事者の方々が、家族や愛犬と一緒に思い切りリフレッシュできるよう、ペットホテルを無償提供する資金を募っています。
リターンは額に応じて、塗り絵ポストカードや、ペットホテルやトリミングサロンの6ヶ月フリーパスが提供されます。
プロジェクトオーナー:Dog Salon La vie de chien(宮城県)
目標金額:4,500,000円
終了予定日:2020年8月30日
クラファンサイト名:GoodMorning(CAMPFIREのグループ)
HP:https://camp-fire.jp/projects/view/290530?list=search_result_projects_populer
新しいプロジェクトを探してみよう!
今回ご紹介したプロジェクト以外にも、新型コロナのダメージからペット関連業界を救うためのプロジェクトはたくさんあります。今後も新しいプロジェクトがさらに誕生するでしょう。
クラウドファンディングサイトで、「ペット」「犬」「猫」などと検索して、みなさんが応援したくなるようなプロジェクトをぜひ探してみてくださいね。
おすすめクラウドファンディングサイト
今回ご紹介したプロジェクトは、以下のクラウドファンディングサイトで募集しています。
他にもクラウドファンディングサイトはいくつかありますが、今回利用したものは規模も大きく、グッズなどの新商品以外にも、NPOの活動や、カフェ・旅館などの様々なプロジェクトを取り扱っています。
- Readyfor
https://readyfor.jp/projects?topbutton - CAMPFIRE
https://camp-fire.jp/projects - GoodMorning
https://camp-fire.jp/goodmorning/projects/search?utf8=%E2%9C%93&word=
まとめ
今回は、クラウドファンディングにチャレンジしているペット関連の団体をいくつかご紹介しました。
ペットが関わるお仕事は、動物園や水族館と同じように、休業中でもペットのお世話にはいつも通りお金がかかってしまいます。
ワンちゃん、猫ちゃんが大好きなみなさんや、「自分に何かできることはないか」と思っているみなさんは、この機会に、クラウドファンディングでペット関連の団体を応援してみてはいかがでしょうか。
保護団体から犬猫を譲渡してもらうためにすべきこと5つ
家族の一員として犬や猫を迎えようと考えた時、皆さんはどのような選択をするでしょうか?ペットショップやブリーダーさんから購入?あるいは、知り合いからの譲渡や、保護犬・猫を受け入れるという選択肢もあります。
今回は、保護団体さんからの譲渡について、飼い主さんが取るべき行動や準備すべきことについてまとめました。
まずは調べよう
一口に保護団体と言っても、様々な場合があります。個人単位で行っているケースもあれば、大規模なシェルターで多くのわんちゃんを保護しているケースもあります。
まずは近隣の保護団体について調べてみましょう。保護団体にもよりますが、実際に「この家庭に譲渡しても大丈夫なのかな?」と、家まで訪ねてくる場合もあります。また、譲渡後も、様子を見に来てくれたり、連絡を取ったりすることもあります。
遠方の場合は、保護団体の方に負担をかけてしまうこともありますので、少し注意したいところです。
どうやって探す?
ほとんどの団体がホームページを持っています。まずは、GoogleやYahoo等のインターネットの検索サービスを使って調べてみましょう。例えば、以下のようなキーワードが良いかもしれません。
東京 保護犬 譲渡 団体
東京 譲渡会 NPO
あまりにも遠いと、譲渡が難しい場合があります。同じ都道府県内の団体であれば、地域を理由に断られることは少ないと考えられるため、近隣の団体から探して見ましょう。
都道府県の動物愛護センター
最近では、各自治体の動物愛護センターでも、譲渡に関する情報を積極的に発信しています。中でも東京都と横浜市は積極的で、譲渡会の開催日程等も公開されています。まずは、動物愛護センターのサイトを調べてみるのも良いでしょう。
ただし、動物愛護センターは、譲渡をする場ではなく、一時的に迷い犬や猫を保護する場でもあります。そのことを忘れないようにしましょう。
東京都動物愛護センター
http://wannyan-tokyo.jp/
横浜市動物愛護センター
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/hokenjo/genre/douai/
保護犬猫の検索サービス
現在、様々なベンチャー企業が、積極的に保護犬猫の譲渡を促進するためのサービスを開発しています。以下のサービスが代表的なものになります。ここを取っ掛かりにして、まずは譲渡を考えている犬や猫が近所の団体や個人が保護していないか探してみるのも手です。
ペットの里親募集情報 :: ペットのおうち【月間利用者150万人!】
http://www.pet-home.jp/all/
保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)
https://omusubi-pet.com/
ペットの命|可愛い犬・猫の里親募集&迷子情報サイト
https://satooya.wancat.info/
実際に会いに行こう
近くの保護団体で気になる場所が見つかったり、譲渡を受けたいという犬猫がいた場合、実際に見に行ってみましょう。
シェルターに会いに行く
保護団体の場合は、直接メール等で連絡を取り、日時の調整をすれば、シェルターを見に行くことが出来る場合があります。団体によって、規定が異なりますので、必ずホームページで調べてから連絡するようにしましょう。
いきなり行くことは避けるようにしましょう保護団体は、ボランティアの方々だけで運営していることが多く、ギリギリの人数で切り盛りしていることがほとんどです。そのため、連絡のない、突然の訪問は迷惑になってしまいます。
譲渡会に参加
直接、団体への訪問が許可されていない場合でも、譲渡会への参加は自由なことが多いです。譲渡会の日程は、各団体のホームページに記載されていることがほとんどです。半月前くらいには掲載されていることがほとんどのため、今月、来月の予定を予め確認することができます。
大規模な譲渡会の場合、動物愛護センターのウェブサイトでも公開されていることが多いので、こちらも併せてチェックすることをオススメします。可能であれば、家族全員で参加した方が良いでしょう。
もし、譲渡を考えている犬猫が決まっている場合は、譲渡会に行く前に、団体へメール等で確認をしておきましょう。譲渡会にどの犬猫を連れて行くかは、その日の犬猫の状態によって決めることがあります。譲渡会に参加しない犬猫もいますので、受け入れを考えていることを事前に伝えておいたほうが、譲渡会当日に会える確率が高まります。もし、インターネット上のサービスを使っている場合は、そちらでやり取りしている方の指示に従います。
注意したいこと
受け入れたい犬・猫を決めてから譲渡会に行く場合には、事前に以下の事を済ませておきましょう。
- 家族全員で話し合い、合意しておく
- 日々、長時間の留守番がないように計画する
- マンション等の場合は、飼えるかどうか確認する
- 経済的な余裕があることを確認する
- 何があっても最後まで飼う決心をする
実際に、犬や猫と触れ合い、譲渡を希望した段階から、審査が始まります。生き物であることをよく考え、天変地異や病気など、どんなことがあってもきちんと最後まで飼えるように、ありとあらゆる事に気を配る必要があります。一時的な感情で譲渡を希望することは、保護団体の方にも迷惑をかけてしまいます。そして何より、その犬や猫が、幸せになるはずの譲渡を遅らせることにもなるのです。
また、この頃から保護団体の方と頻繁に連絡を取り合うようになってきます。これ以降、話が進んで行った段階でお断りすることはできないと言っても過言ではありません。
トライアル
ほとんどの場合、2週間から1か月程のトライアル期間が設けられています。譲渡を希望し、保護団体との話し合いや契約が済んだら、実際に一定期間、一緒に住むことになります。この期間に、自分たちの生活に溶け込めるか、犬や猫自身が安心して落ち着いて暮らすことができるか の確認をします。
このトライアル期間は、犬や猫たちに、私たち飼い主自身も審査されているのです。とは言え、犬好き、猫好きの方なら、愛情持って普通に生活していれば、気にすることはないでしょう。特に、先住犬がいたり、小さな子どもがいる場合は、その子たちとうまくやっていけるかどうかを確認する期間でもあります。
購入ではなく、寄付
トライアルが上手く行けば、晴れて譲渡が決定します。その日から、その愛する犬や猫たちは、あなたの大切な家族の一員となります。寄付金(譲渡金)の額は設定されている場合とされていない場合がありますが、去勢・避妊手術、予防接種、トレーニングにかかる人件費などを含め、だいたい3〜4万円が相場とされています。
特に、ブリーダー崩壊や悪徳業者の現場から救出されたような犬猫の場合は、大きな病気にかかっていたり、怪我、極度に人間を怖がっていたりすることがあります。保護団体から犬猫を引き取るのは「タダ」だと思っている方も多いかもしれませんが、譲渡ができるようになるまでには、相当な時間と労力、そしてお金がかかっており、それらは全て寄付で賄われています。元気な犬猫を引き取れるのは、先に寄付をした方々のおかげでもあり、今後保護される犬猫のためにも寄付金は重要な役割を果たすことをふまえて、寄付金の支払いに理解を求めてもらえるよう、多くの団体が呼びかけています。
個人的な意見にはなりますが、少し多めの金額を寄付してあげると良いと思います。病気や年齢の問題もあり、譲渡の段階まで進めない犬や猫達も数多くいます。少しだけ多くの寄付をすることで、その子達の生活費に充てることができます。
迷惑をかけないために
もしかしたら、ペットショップに行き、一目惚れで犬や猫を飼う方が簡単かもしれません。「譲渡」という選択肢は、購入に比べると、少し多くの手間がかかります。何故なら、保護団体の人たちは「この先、もうシェルターに来る必要がない、そんな幸せな生活をずっと送ってほしい」と心の底から思っているからです。
その分、私たち飼い主に、覚悟が求められます。でも、本来、動物を飼うということはそういうことではないでしょうか。
よく考え、検討した末であれば、保護団体の側も間口を広げて、待ってくれています。もし、犬や猫を飼おうと真剣に考えている方がいるなら、譲渡を選択肢の一つに加えてみてください。幼犬や幼猫ばかりではないかもしれませんが、愛情深く育てることで、より幸せな生活が待っていると思います。