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いぬ飼い方

ペットホテルの快適環境づくりに学ぶ!犬や猫が生物学的にリラックスできる究極の住環境とは?

ペットホテルはペットのための快適さを追求して日々進化し続けています。

普段とは違う特別な体験を提供したり、自宅ではできない環境づくりを行ったりと、近頃の先進的なペットホテルはプロならではの試みがたくさん詰まっています。そうした試みはすべて、ペットの居心地の良さを生物学的に追求することで生まれました。

これらのペットホテルが取り入れているさまざまな工夫を知ることで、飼い主の皆様が安心して大切なペットをペットホテルに預けられるようになるでしょう。そして、どのような工夫が行われているか、その理由から知ることで、きっとご自宅のペットの住環境改善にもつなげることができると思います。

進化し続ける!世界と日本のペットホテル

部屋
従来のペットホテルといえば、旅行や遠出のために、動物病院やペットサロン、空港近くの専用施設内の狭い多段ケージのなかに収容されるイメージがあるでしょう。

しかし、昔と比べて現在の飼い主のペットに対する意識は大きく変化しました。「ペットは愛情を注ぐべき家族だ」「ペットにも恵まれた生活を」と考える飼い主が増えたのです。そんな飼い主とペットに寄り添うようにして、ペットホテルもペットのために進化し始めました。

世界で拡大する「ラグジュアリータイプ」

アメリカで超豪華なペットホテルが話題になって以来、「愛犬にも贅沢なホテルライフを」とセレブが好みそうな豪華なペットホテルが世界各地に拡大しました。

ラグジュアリータイプ(豪華路線)に共通するのは、ふかふかな人間サイズの大型ベッドや大画面TVが設置されたゴージャスな個室での宿泊です。宿泊環境を自宅以上にレベルアップさせて、「寂しい思いをさせる罪滅ぼしに、せめて贅沢なお留守番をさせたい」という飼い主の声に応えています。

日本に広がる「エクスペリエンスタイプ」

日本のペットホテル市場は今、豪華さを追求する海外のペットホテル市場とは少し違った特徴を見せています。それは、預かり中にどんな体験を提供できるかを追求した、エクスペリエンスタイプ(体験型)のペットホテルが増えていること。

ペット版の人間ドックなどの医療サービス、ホリスティックケアやアロマセラピーのような癒し体験、アジリティやスイミングのような運動体験、さらには遊びやしつけといった学習系のトレーニングなどが用意されているペットホテルも出てきています。

もちろん、有意義な時間を過ごすための体験プログラムだけでなく、宿泊の快適性にもさまざまな工夫がなされており、飼い主がペットを安心して預けられるように日々、改善が行われています。

ペットホテルの工夫から快適な住環境を学ぼう


ここからは、そんな進化し続けるペットホテルが追求する快適な環境づくりから、ペットがよりリラックスできる住環境の作り方を考えていきます。

ペットとの共生生活で一番重要なことは、ペットを理解することです。生物学的なアプローチでペットのための環境づくりに取り組んでいるペットホテルは、まさに教科書。これらのペットホテルで工夫されている内容をヒントにして、ペットへの理解を深めることで、飼い主とペットとのよりよい関係作りに生かすことができるでしょう。

ペットに適した寝床とは?

ヒトであれペットであれ、外泊で重要なのはなんと言っても「安眠」ですよね。

犬の祖先は、見通しのよい平原の地面に穴を掘って半身をうずめて寝ていました。その名残として、今でも座布団をガリガリ引っかいて寝床を整えたり、クッションの窪みのなかに丸まって寝たりします。飼い主の皆様であれば、よく見る光景ではないでしょうか?
ヒトの目線では、狭い寝床よりも広い寝床の方が良いと思いますが、犬の場合は、逆に体がすっぽり収まるくらいの狭い寝床の方が落ち着くとされています。

この習性を取り入れたのが愛犬ヴィレッジさん(東京都新宿区)のドッグホテルです。海外の豪華ペットホテルでは広いお部屋を提供しているところもありますが、愛犬ヴィレッジさんではあえて空間を狭く、「穴ぐら」仕様にすることで、犬が最大にリラックスできる究極の寝床を実現しています。
ホテル愛犬ヴィレッジ

異種を離して緊張をほぐす

猫の嗅覚はヒトの数万倍から数十万倍、犬の嗅覚はヒトの5千倍から1億倍優れていると言われています。そのため、犬猫の住環境ではニオイに対する配慮が肝心です。

異種の存在を嗅ぎつけると動物は緊張してしまいます。これはヒトも同様です。例えば、キャンプの最中に外でガサガサと物音がしたら、身構えて緊張状態になると思います。そのような中で、安心して過ごすことはできません。そのため、犬と猫の両方を預かるペットホテルの多くは、犬と猫の居場所を別の場所に離すことで、異種の存在を悟らせないようにしています。

アロマオイルでリラックス

アロマセラピーのリラックス効果に着目し、オリジナルアロマを犬の寝床に焚くサービスを提供しているペットホテルもあります。

ただし、猫にアロマは禁物です。猫は犬と違い、完全な肉食動物です。そのため、植物性の精油をうまく代謝できず、中毒になってしまった事例があります。猫を飼っている飼い主の皆様はくれぐれもご注意ください。

ペットがリラックスできるBGM

ヒトに聞こえる高音域の限界は最高2万ヘルツまでですが、犬は5万ヘルツぐらい、猫は7万ヘルツぐらいまで聞こえます。また、音を聞き取る能力においても、犬はヒトの4倍、猫はヒトの8倍もあります。
そのため、ヒトには聞こえない超高音域の音やかすかな物音でも、ペットのストレスの原因になっていることがあります。

猫や犬がリラックスできるのは、1/fゆらぎ(心地よい不規則な音のかたまり)の特性を持つ自然音や、アナログ音源のヒーリング音楽です。モーツァルトやワーグナー、ドビュッシーといったクラシック音楽がこのヒーリング音楽に当たります。

アイビー動物病院さん(神奈川県横須賀市)では、BGMに小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど自然界の1/fゆらぎ音を流すことで、滞在中のペットがリラックスできる環境を整えているそうです。

蛍光灯より白熱灯やLED電球

犬や猫は聴覚や嗅覚がヒトの何倍も優れている反面、光に対する感度はヒトよりも低めです。明暗を見分ける力はあまり役立たなかったので発達しておらず、ヒトほどに光量を気にしていません。

ペットのために配慮すべきなのは光の強弱ではなく、電球の種類です。蛍光灯にはフリッカーという光のちらつきがあり、さらにブゥーンというハム音を出しています。蛍光灯よりも白熱灯のほうがいいですし、できれば熱くならないLED照明を推奨したいところです。

ペットホテルで個室もあるファイドドッグケアさん(神奈川県横浜市)でも、LED電球を使用しています。また、オーナーは獣医師としての生物学的な知見と衛生意識によって、他にも多面的に預かり環境の整備に取り組んでいます。

ペットの世界とヒトの世界の違い

犬とクッキー
ペットは見えている景色、住んでいる世界が違います。そのため、ヒトにとって幸せな環境がそのままペットにとっても幸せであるとは限りません。ペットホテルを選ぶときには、安易にヒトの感覚で考えてしまうのではなく、何がペットにとって適切な環境であるかをよく吟味することが大事です。

こちらで紹介させて頂いたプロのペットホテルで行われている取り組みは、ペットが我が家の環境作りにも参考になる工夫ばかりです。ご自宅にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

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