犬も認知症?ペット高齢化時代は認知症にご用心
私たち人間が歳を老いたらかかりやすい病気。それは“認知症”です。
近年では、多くのお年寄りが認知症にかかり、問題や事件が多発しています。しかしながら、この“認知症”という病気は人間だけものではないんです。なんと、犬もかかりやすい病気なんです。
犬の飼い主の皆さん、特に年寄り犬を飼っている飼い主の皆さんは、ペットの犬の認知症についての知識はお持ちですか?
今回は、犬の認知症とその症状と治療法をご紹介します。
犬の認知症ってなに?
犬の認知症は、人間でいうアルツハイマー病によく似ているそうです。全く同じ症状というわけではありませんが、似ている点が多く見られます。
この“犬の認知症”は、やはり、年寄り犬に多く見られる症状で、歳を重ねるごとに、徐々にその症状を発症します。
人間の脳と同様、犬の脳も年齢と共に歳を取り、脳機能は衰退していきます。すると認知機能も低下していくのです。
認知機能とは
認知機能とは、知覚、記憶、意識、判断を指します。
これらの機能が低下してしまうと、代表的な以下の症状が現れ、通常の生活を送ることが困難になります。
- 物事を忘れやすくなる
- 集中力の低下
- 衝動的に吠えやすくなる
- 怯えやすくなる
- うつ病
人間同様、犬も知覚、記憶、意識、判断などの情報処理を脳で行なっているそうです。
しかし、これらの機能がうまく動かなくなることで、見たこと、経験したこと、感じたことから得たの情報を処理できなくなります。
すると、自己で感情のコントロールができなくなるそうです。
その結果、上記のような認知機能の低下による症状が現れるのです。
一般的な犬の認知症の兆候
症状は人間の認知症やアルツハイマー病に非常に似ています。
以下の項目は、一般的に言われている犬の認知症の兆候です。
- 年寄り犬だ
- ウロウロしている
- 視覚、聴覚、または味覚の機能が低下してきた気がする
- 混乱することが増えたように見える
- 吠えることが多くなった
- 強迫観念的な行動(舐める、吠えるなど)
- なにか不安そう
- 身近な物体や人々を認知できなくなったような気がする
- 睡眠サイクルが変わった
- 食べ物や家族に対する関心が低下した気がする
- いつも慣れている散歩道なのに、なぜか挙動不審
- 行動や生活習慣が変わった
- 上を見つめることが多くなった
上記の項目に、多くでも当てはまれば当てはまるほど、認知症の可能性が高いと言われています。ただ、ほとんどの項目の当てはまったからといって、必ずしもあなたの犬が認知症に飼っているとは限りません。ややこしいところです。
犬も人間同様、歳を取れば、体の機能も衰退していきます。ですから、老いのせいで体に変化が現れる場合もあります。病気ではなく、自然な老いの場合もあるのです。
どうしても不安な場合は、獣医さんに相談をしましょう。
診断方法
残念ながら、犬の認知症に対する専門の診断テストはまだありません。
しかし、犬の認知症を診断するには通常、身体検査や神経学的検査を行います。また、これらの検査は犬の認知症を予防する目的でも非常に役に立つと言われています。
治療法
また、この障害の回復法もまだありません。薬や治療するための医療機器も、いまだ開発されていないのが難点です。人間も同じように難しい病気ですから、仕方のないこととも言えます。
しかし、現在の獣医学では、進行を遅らせることや症状を緩和させることはできます。完全に治すことはできませんが、症状を和らげることができるので、犬の認知症にはこの方法が最善です。
薬物療法
進行を遅らせる、または症状を緩和させるには薬物治療が一般的です。また、プラスアルファで、抗生物質治療や生活改善をすることで、症状を和らげることができます。
抗生物質治療をすると、犬の毛が抜けてしまう、体がだるくなってしまう。などのデメリットはありますが、犬が認知症によって辛い思いや経験をしているのなら、抗生物質の使用を考慮してみるのも一つの手だと思います。
生涯面倒を見るとは
飼い主のみなさんは、可愛いペットの犬にはいつまでも健康でいて欲しいですよね。
長年ずっと相棒として寄り添っていくわけです。認知機能の低下によって、あなたの存在を愛するペットに忘れて欲しくないですよね。早期の発見で、進行を遅らせることができれば、最後まで辛い思いをさせずに済むかもしれません。
もし飼い主さんの犬に、体調不良や体調変化が診られた場合は、焦らず、慌てずに、獣医さんに相談しましょう。ずっと一緒に過ごしていく愛犬のためにも、定期的な健康診断をオススメします。