激怒症候群（Rage Syndrome）は、特に犬に見られるまれな行動障害で、突然理由もなく激しい攻撃行動を示す発作的な症状を指します。普段は大人しく穏やかな性格の犬が、急に怒り狂ったような行動を見せ、周囲に危害を加えることがあります。発作が終わると、犬は元の穏やかな状態に戻ることが多く、発作時の記憶がないと考えられています。
激怒症候群の原因は明確には解明されていませんが、遺伝的な要因や脳内の異常が関与していると考えられており、一部の犬種（特にコッカースパニエルなど）で発症しやすい傾向があるとされています。また、てんかんの一種と関連があるとも言われており、発作的に脳が異常興奮することで攻撃行動が引き起こされる可能性があります。
治療には、抗てんかん薬や鎮静剤を用いたり、行動療法を取り入れたりすることがありますが、症状の程度や発作の頻度によって異なります。飼い主には、犬の行動をよく観察し、発作が出た際には冷静に対処することが求められます。また、専門の獣医師に相談しながら適切な治療と管理を行うことが大切です。
