犬は日光浴が好きですが、犬が日向ぼっこをする理由は単に「気持ちがいいから」だけではありません。
日光浴には、体の健康を保ったり、気分を安定させる重要な役割があるのです。
老犬になると、足腰が弱って散歩に行くのが億劫になって、なかなか思うように日光浴ができないこともあるでしょう。
今回の記事では、老犬に日光浴をさせる方法や、注意点をご紹介します。
この記事の目次
日光浴のメリット①皮膚の健康を保つ
日光に含まれる紫外線には、殺菌効果があります。
毎日の日光浴で、ノミやダニなどの寄生虫のほか、雑菌やカビ菌などを殺して、さまざまな皮膚病を予防する効果があります。
ただし、強い紫外線を長いこと浴びすぎると、人間と同じように皮膚ガンなどを引き起こすこともありますから、注意が必要です。
日光浴のメリット②ビタミンDを生成する
ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収をサポートする効果があり、骨や歯の健康を保つために必要な栄養素です。
ビタミンDが不足すると、骨や筋肉が弱ってしまい、怪我や老化の進行に繋がります。
人間は、主に日光浴によってビタミンDを生成することができます。
犬の場合は食事からの摂取がメインになりますが、人間ほどではないものの、犬も日光浴によってビタミンDを生成することは可能です。
日光浴のメリット③自律神経を整える
日光を浴びると、脳内で「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。セロトニンには、自律神経を整え、精神を安定させる効果があります。
若い頃に比べて、走り回ったりおもちゃで遊んだりすることが難しくなってくる老犬にとって、気分を安定させるには、ホルモンバランスを整えることがとても大事です。
動けなくても昼夜の区別を!
また、セロトニンが適切に分泌されると、眠りを司る睡眠ホルモンである「メラトニン」の生成にも繋がり、夜の眠りが深くなります。
足腰が衰えて昼間も寝っ転がっていることの多い老犬にとって、昼間にきちんと日光浴をさせてセロトニンの分泌を、夜にメラトニンの分泌を促すことが、体内時計を整える上で非常に重要です。
老犬に日光浴をさせる方法
1. できるだけお散歩をさせる
老犬になると、足腰が弱ってなかなかお散歩に行きたがらない犬も多いでしょう。
ですが、お散歩に行かないともっと筋力が衰えてしまいますし、外の刺激を受けないと認知機能が鈍ったり、気分が落ち込んだりしてしまいます。
お散歩の距離を少し短くする、暑すぎない・寒すぎない時間帯を選ぶ、途中で休憩を挟むなどして、できるだけ愛犬に負担がかからないようにしながら、できるだけ自分で歩かせるようにしましょう。
休憩は、日当たりの良いところで行うと、ついでに日光浴をさせることができます。
2. カートでお散歩をさせる
自力で歩けない場合は、犬専用のカートに乗せて外に連れて行ってあげましょう。
公園など、日当たりが良くてゆっくりできるところでカートをとめ、しばらく日光浴をさせると良いです。
カートがあると動物病院に連れて行く際にも便利なので、足腰が弱ってきたら少しずつカートに慣れさせておくと良いでしょう。
3. 室内で日当たりの良いところを選ぶ
小さい頃から、お家の中で日向ぼっこをするのが好きだという犬も多いでしょう。
老犬になったら、愛犬にとっての日向ぼっこスペースの環境を見直してあげましょう。
例えば、段差や障害物がある場合は、自力でたどり着きやすいように工夫してあげましょう。
また、同じところで寝そべっている時間が増えた場合は、床ずれを防ぐために、弾力のあるマットなどを敷いてあげましょう。
老犬に日光浴をさせる時の注意点
1. 室内での日光浴はカーテンを開けて
UVカット加工されたカーテンや遮光カーテンだと、日光浴の効果が十分に得られません。
日光浴をさせる際は、少しカーテンを開けて、日光が十分に差し込むようにしてあげましょう。
2. 夏場の日光浴は熱中症に注意して
特に夏場は、日中ずっと日光浴をしていると暑すぎてしまい、熱中症になる恐れがあります。
老犬は暑くても自分で移動することができない場合があるので、飼い主さんが日光浴の時間をコントロールしてあげる必要があります。
できれば日差しの強すぎない時間帯を選び、飼い主さんがそばで付き添って愛犬の様子を観察してあげながら日向ぼっこをさせましょう。
3. 急な温度変化に注意して
寒い時期に、暖かい部屋から急に温度の低い室外へ移動すると、心臓などに負担がかけり「ヒートショック」を起こしてしまいます。
冬の散歩はできるだけ暖かい時間帯を選び、外に出る前に少しドアを開けて外気を取り込むなどして、外の温度に体を慣らしてから出かけましょう。
まとめ
老犬になり、足腰が弱くなって散歩になかなか行けなくなっても、日光浴は毎日させてあげたいものです。
できればカートなどを使って家の外に連れて行くことも心がけつつ、家の中の日当たりの良いところも上手に活用して、老犬の日光浴をサポートしてあげましょう。