「愛犬がいつもより元気がない」「最近粗相が増えた」、と思ったことはありませんか?もしかしたら、それはうつ病の症状かもしれません。
うちの子はいつも元気に遊んでいるから大丈夫と油断していると、思いもよらないところで愛犬にストレスを与えている可能性があります。
この記事では、犬のうつ病の症状と、うつ病にならないために気をつけることを解説します。
この記事の目次
犬もうつ病になるの?
結論からお伝えすると、犬もヒトと同じようにうつ病になります。
ヒトとは異なり会話をすることができないため、正確に診断することは難しいです。しかし、犬も精神疾患を患うこともわかっており、犬のうつ病も珍しいものではなくなりつつあります。
実際、近年では犬のうつ病は増加傾向にあります。さらに、新型コロナウイルスの影響で、飼い主の在宅時間の変化が、愛犬にも大きな影響を与えている可能性があります。
うつ病の主な原因
犬がうつ病になる原因は複合的なものが考えられますが、主な原因は以下の4つが考えられます。
1. 飼い主とのコミュニケーション不足
犬は飼い主と遊ぶことが大好きなため、飼い主とのコミュニケーションが不足すると、犬は不安になりストレスを感じます。
2. 運動不足
運動は身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも影響します。
体を動かす機会が少ないと、ストレスを発散できず、うつ病の原因になります。
3. 住環境が不適切
テレビの横や窓際は騒音によるストレスを受けやすいです。また、照明が明るすぎる、人通りが多いなどもよくありません。
飼い主は問題がないと思っても、犬はストレスを受け続けていることがあります。
4. 環境の変化
引っ越しをしたり、家族や新しいペットが増えたりするなど、今まで住み慣れていた環境がガラッと変わると、飼い主が考えている以上にストレスを受けます。
犬のうつ病の症状
犬のうつ病の症状は、目に見えて変化を感じ取れるものと、普段から愛犬のことを見ていないとわからないものがあります。
わずかな愛犬の変化にも気づけるよう、健康なときこそ愛犬とのコミュニケーションをとり、よく観察してあげてください。
1. 元気がなくなる
以前は元気だったのに、最近は元気ないと感じることがあったら、それはうつ病かもしれません。
遊びに興味を示さなくなる、眠ってばかりいる、人目を避けて隠れるなどの症状がみられます。また、しょんぼりとして悲しそうな目をする子もいます。
2. 攻撃的になった
うつ病になると、気質が変わる子もいます。今まで大人しかった子が急に攻撃的になったり、攻撃的だった子が急に大人しくなったりもします。
3. 痩せてきた/太ってきた
食欲がなくなり体重が減少することがあります。逆に、ストレスを発散しようとして食べる量が増し、体重が増加することもあります。
4. 粗相をするようになった
今までトイレの失敗をしなかった子が、頻繁に粗相をするようになったと感じた時は注意が必要です。
5. 同じような行動を繰り返す
同じ行動を長時間繰り返す「常同行動」が見られたら、ストレスを感じている証拠です。
足を長時間舐め続けたり、しっぽを追いかけるようにぐるぐると回るなどの行動が見られます。
愛犬がうつ病にならないようにするには
1. 一緒に遊ぶ時間を増やす
犬がうつ病になってしまう原因の多くは、飼い主さんからの愛情不足です。どんなに忙しくても、毎日の散歩は最優先に行い、一緒に遊ぶ時間を確保しましょう。
たまには、ドッグランなどに連れて行き、思いっきり運動をさせてあげてください。
2. 住環境を見直す
犬はヒトと比べて聴覚や嗅覚が優れているため、周囲の環境には敏感です。
今の住環境に問題がないか、改めて確認しましょう。
- 一人になれる場所があるか
- 照明が明るすぎないか
- 室内の温度、湿度が適切か
- テレビなどの音がうるさくないか
- 寝床とトイレが近くないか
- 人が頻繁に通る場所にケージがないか
3. 引っ越しや家族が増える場合は慎重に
住み慣れた環境が変わると、犬には大きなストレスがかかります。
引っ越しをした場合は、犬が落ち着ける場所を確保し、使い慣れた毛布やおもちゃを使ってあげてください。愛犬のグッズを新調するのは、新しい家に慣れてきてからにしましょう。
また、家族や新しいが増える場合は、いきなり会わせるのではなく、少しずつ慣らしながら距離を縮めていきましょう。
コロナ後のことは考えている?
新型コロナウイルスの影響で、在宅ワークをする機会も増えており、愛犬とのコミュニケーションの時間を十分に取れているという飼い主さんも多いかもしれません。
しかし、在宅ワークが減り家にいない時間が増えると、急な変化に犬は戸惑ってしまいます。帰宅後にたくさん遊んであげ、どうしても家を空ける時間が長い場合は、ペットシッターや犬の幼稚園などを利用して、寂しい思いをさせないように工夫しましょう。
また、家にいる時間が長くなったせいで、過度なコミュニケーションがストレスに繋がることもあります。愛犬のことをよく観察し、適切な距離感を保ってあげてください。
まとめ
ヒトのうつ病は広く知られるようになってきており、病院に通う、適切に休むなどして治療できるようになってきました。しかし、犬のうつ病はまだ知名度が低いのが現状です。
愛犬との適切な距離感を保ちつつ愛情をしっかり注ぎ、ストレスがかからないような住環境を整えてあげてください。
もし、元気がないなと感じたり、粗相が増えるようなことがあれば、動物病院を受診しましょう。