皆さんは、飼い主に連れられていない、いわゆる「野良犬」や「迷子犬」を見つけたら、どのように対処しますか?
「かわいそうだから保護してあげよう」と思うでしょうか、それとも、「怖いからそのままにしておこう」と思うでしょうか。
野良犬を見つけたら、必要な情報を把握した上で、公的機関に電話することが重要です。
今回の記事では、野良犬を見つけた際に、安全に犬を保護するための適切な対処法を解説します。
この記事の目次
「野犬」と「野良犬」の違いは?
「野良犬」とは、飼い主がいない犬のことを言います。一般的に、もともとは人間に飼育されていた犬が、捨てられる、脱走する、災害などで飼い主とはぐれてしまうなどした場合の犬です。
対して「野犬」は、野山で繁殖した野生の犬のことで、多くの場合人間に飼育された経験は持ちません。そのため、人間に対して強い警戒感を示すことが多いようです。
野良犬は迷子犬の場合もある
先述した通り、野良犬はもともと人間に飼育されていた犬なので、脱走などが原因で迷子になってしまった可能性も考えられます。
ですから、「野良犬」と言っても、飼い主がいる場合もあるのです。
野良犬を見つけたらどうする?
野良猫に比べて野良犬はあまり見かけなくなりましたが、野良犬は迷子犬の場合もあるので、見つける可能性はゼロではありません。
では、実際に野良犬を見かけたら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
まずは犬の状態をチェック
野良犬を見つけたら、むやみに近づいたり触ったりしようとせず、まずは犬の特徴などを把握します。
次のような事項をチェックし、メモに取りましょう。
- 大きさ(小型犬、中型犬、大型犬)
- 色
- 被毛の長さ
- 犬種(分かれば)
- 首輪・リードの有無や色
- ネームプレート・犬鑑札の有無
- ケガをしていないか、苦しそうにしていないか
- 場所
- 日時
- その場から犬が離れたら、移動した方向
また、スマートフォンなどを持っていれば、写真を撮影しておくのも良いでしょう。
公的機関へ電話を
野良犬の状態が確認できたら、公的機関へ連絡をします。その際、先ほどチェックした犬の状況や場所などの情報をできるだけ詳しく伝えるようにしましょう。
- 警察(地域の警察・交番の番号を調べて連絡しましょう)
- 地域の保健所
- 近くの動物愛護センター
SNSで拡散すれば飼い主が見つかるかも?
公的機関へ連絡をした上で、さらに犬の写真や特徴などをSNSに投稿すると、飼い主が見つかりやすいです。
また、迷い犬専門のサイトもあります。いくつかご紹介するので、参考にしてみてください。
「ハピわん!」
https://www.hapiwan.jp/missingdogs
「Doggo.com」
https://www.dogoo.com/cgi/maigo/lostdog.cgi
マイクロチップが鍵を握る?
先日の法律改正により、マイクロチップの埋め込みが義務化されましたが、マイクロチップが入っていることによって飼い主の元に戻ってくる可能性が高まることは、データでも証明されています。
これからは飼い主のいない野生の犬なのか、飼い主がいた迷い犬なのかの判断がマイクロチップの有無によって行いやすくなるかもしれません。
野良犬は保護されたらどうなる?
まずは飼い主探しをする
野良犬は保護されると、まず、飼い主から捜索願が出ていないか、公的機関で照会が行われます。
そこで飼い主が見つかった場合は、無事飼い主に返還されます。
飼い主が見つからなかったら
一方、もしも飼い主が見つからなかった場合は、保健所や動物愛護センターへと移送されます。
規則に基づいて一定期間収容された後、里親探しが始まり、譲渡会などに出されます。
野良犬を見つけた際の注意点
なるべく近寄らない
上記のように、犬の特徴などは重要な手がかりになりますが、むやみに近づくと咬まれたりする可能性があるため注意が必要です。
特に、野良犬は狂犬病のワクチンを摂取していない恐れがあり、咬まれると大変危険です。
勝手に飼うのはNG
野良犬は迷子になった飼い犬である可能性が高いため、「お世話をしてくれる人がいなくてかわいそうだから」という理由で勝手に飼うのはNGです。
保健所や動物愛護センターなどで保護された後、飼い主が見つからなければ里親探しが始まるので、もし飼いたければその時に手を挙げると良いでしょう。
また、動物愛護センターや保健所に連絡をする時に、「飼い主が見つからなかったら引き取りたい」という旨をきちんと伝えておくと、良いでしょう。
まとめ
今回は、野良犬を見つけた際の適切な対処法についてご紹介しました。
野良犬はそう多くはありませんが、脱走してしまった迷子犬などに遭遇することはあるかもしれません。
その際、むやみに近づいたり、勝手に保護して飼ったりするのはNG。飼い主がいる可能性が高いことや、攻撃されてケガをする恐れがあることを頭に入れて、適切に対処しなければなりません。
少し離れたところから犬の特徴やケガの有無、日時や場所などを確認し、できれば写真を撮って公的機関に連絡しましょう。
今の時代、TwitterなどのSNSや、迷子犬専用のサイトで飼い主が見つかることもあるので、可能であればそういったところからも情報を発信し、飼い主探しができると良いですね。