みなさんは犬の唇が何色をしているか、すぐに答えられますか?
正解は「黒色」です。
犬種に関わらず、多くの成犬の唇の色は黒色をしています。一方、人の唇はもちろん赤色ですが、どうして赤色なのかを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、犬の唇が黒く、人の唇が赤い理由、そして口元から読み取れる犬の気持ちについて解説していきます。犬と人の違いを知ることで、より犬への理解を深めてくださいね。
この記事の目次
犬の唇が黒い理由
犬の唇が黒い理由は白い歯を見えやすくするためです。
言葉を喋らない犬にとって、口元や歯は感情を相手に伝える大切な部分です。そのため、相手から口元の動きや白い歯がしっかり見えやすいように、唇が黒くなっているといわれています。
ちなみに、唇には毛と汗腺はないものの、解剖学的には皮膚とほぼ同じだそうです。
人の唇が赤い理由
人の唇が赤い理由は、皮膚が薄く血管が見えているためです。
人もずっと昔は黒い唇だったそうですが、言葉を喋るようになり、唇を自由に動かすことが必要になりました。その結果、皮膚が徐々に薄くなり、今日のような赤い唇になりました。
犬と人の歯に違いはある?
犬と人の口周りの違いという点では、歯も大きく異なります。具体的には、本数、歯の形、歯の役割といった、様々な面で犬と人では違いが見られます。
犬と人の歯の本数はそれぞれ以下の通りです。
犬:42本(上20本 下22本)
人:32本(上16本 下16本)※親知らず4本を含む
また、歯の形状も異なり、犬の歯は鋭くとがり、獲物を捕まえた後にとどめを刺せる構造をしています。さらに、大きな骨でも噛み砕き、切断して食べられるようになっています。
一方で、雑食である人の歯は、犬歯などがある点は犬と共通しているものの、馬や牛などの草食動物に見られるような平坦な形の歯が大部分を占めています。このような歯は、小さく嚙み切る、噛み砕く、すり潰しやすいという特徴があります。
口元から読み取る犬の気持ち
犬は言葉をしゃべらない分、体のあらゆる部分を使って、自分の感情を表現します。前述のとおり、口元もその一つです。
では、犬が口元で表している気持ちにはどのようなものがあるでしょうか。詳しく見ていきましょう。
犬も笑う?
犬も人から見ると笑っているような表情をすることがありますね。では、実際に犬は笑うことはあるのでしょうか?
解剖学的には犬は人のように笑うことができないとされています。
犬は他の動物よりも顔の表情が豊かで怒り・恐れ・攻撃・痛みなど自分を守る表情をすることはできますが、楽しい、うれしいなどのポジティブな感情を笑顔で表現するという研究結果は現時点ではまだありません。
しかし、実際は笑っていなかったとしても、愛犬が笑っているように見えたり、幸せそうな穏やかな表情をしているときはたくさんありますよね。愛犬と心から飼い主さんが楽しんだり喜んだりしていれば、きっと愛犬も笑顔になっていると筆者は思っています。
犬も怒る
上唇を吊り上げ、鼻にもシワが入るくらいに歯をむき出しにすることがあります。この際、唸り声も併せて出していることが多いでしょう。これは攻撃行動に出る前のサインです。食べ物や物を守ろうするときや、嫌いな体の場所を触られたとき、近づいて欲しくないときなどに見られやすい行動です。
怒るという感情というよりも、基本的には自分を守るための威嚇や恐れから来ていると考えられます。
犬が口角を上げる意味
前述のとおり、犬はうれしいや楽しいという喜・楽の感情による笑顔は作っていないことはわかりましたが、口角が上がっている時は、どのような感情なのでしょうか。
口角が上がる時、口は半開きのように少し開くことが多いです。この時、下側の歯が少し見えることがありますが、威嚇の表情とは異なり、鼻にシワもなく、友好的な感情のことが多いです。遊びに誘ったり、誘われたりする時にもこの表情が見られることがあります。
意図的な笑顔でなかったとしても、見ている飼い主さんからすると、これは紛れもなく楽しい、うれしい笑顔ですよね。
まとめ
犬の唇が黒いのにはしっかりと理由がありました。進化の過程で生きるために、体の様々な部分が変化したり、逆に現状をキープしていると思うと、非常に不思議であると感じます。
歯の本数や構造からもわかるように、人と犬はたくさんの違いがあり、その違いにも理由があります。それらを理解し、その違う生き物同士がどうやって生活していくと、お互いに幸せに過ごせるのかを考えていくことも必要だと改めて感じます。
他にも犬と人の違いを見つけ、その違いの理由を見てみるのも面白いかもしれませんね。