もうすぐ初詣の時期。犬の飼い主さんの中には、「犬の健康も神様に祈願したい!犬も初詣に連れて行きたい!」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、果たして犬を神社に連れて行っても良いのでしょうか?その答えは、基本的にはNGです。その理由は、宗教的な理由、マナー的な理由、犬への負担など、様々な理由があります。
大切な家族の一員として犬を初詣に連れて行きたい気持ちはよくわかりますが、今回は、なぜ初詣に犬連れで行くのがよくないのか、その理由を考えていきましょう。この記事の最後には、ペットの同伴が可能な神社もご紹介していますので、ぜひご参照ください。
この記事の目次
1. 宗教上の理由でNG
4足歩行の「獣」は「不浄」という考え方
神道では、犬などの4足歩行の動物は、「穢れている・不浄である」と考えられてきました。そのため、犬に限らず、獣が神社に入ることは禁止されているところも多いようです。
神様の動物と相性が悪い
犬は、その神社で祀られている動物と相性が悪いという理由からも、避けられてきました。
例えば、稲荷神社では、狐が神様の使いであり、犬と相性が悪いとされています。狐が犬を警戒し、怖がるからと言われています。日吉神社・日枝神社では、「猿」が神様と人間をとりもつ存在として大切にされています。犬と猿は「犬猿の仲」で有名なぐらいですから、相性がよくありません。
ですから、どんなにお行儀の良い犬でも、そもそも犬が神社に入ること自体に宗教的な問題があるのです。
2. 人混みがトラブルの原因になるのでNG
そもそも人混みは犬にストレス
お正月シーズンの神社は大変混み合います。犬にとって、慣れない人混みはとても大きなストレスになります。人が多く、誤って踏まれてしまったり、ぶつかってしまう危険性もあります。
たくさんの知らない人、混み合った慣れない場所、出店や鐘の音のような大きい音などは相当なストレスになってしまい、咬傷事故に繋がる可能性もあります。お正月からトラブルは避けたいところです。
また、初詣で怖い経験をしてしまった犬は、それがトラウマで攻撃的になったり、散歩嫌いになってしまうかもしれません。場合によっては、恐怖から何かの拍子で逃げてしまい、そのまま迷子になってしまうなんてことも。犬の幸せを祈ろうと来た初詣でそんなことになってしまっては元も子もありません。
誤飲・誤食の恐れもある
人混みの中では、下に何が落ちているかもわかりません。お正月シーズンは屋台が出ていることも多く、犬が落ちている食べ物や飲み物を口にしてしまう可能性もあります。
焼き鳥についているようなネギ、焼きそばなどに入っている玉ねぎなどのネギ類やビールや日本酒などのアルコール類まで。初詣では、犬が口にすると最悪の場合、死に至る危険性がある食品が扱われていることも多いため、連れて行く場合は十分に注意しなくてはなりません。
3. 公共のマナー問題からNG
排泄の問題
普段外で排泄をする犬はもちろん、普段室内でしか排泄をしない犬も、慣れない環境に興奮して排泄をしてしまう可能性があります。近年では、犬が室外で排泄をすることに関して様々な議論がありますが、特に神社の境内で排泄してしまうのはマナー的によくないでしょう。
犬が苦手な人もいる
全員が犬が好きというわけでもないという点も理解しましょう。犬好きだと忘れてしまいがちなのですが、昔追いかけ回されたなどのトラウマがあり、犬へ恐怖心を抱く人もいます。また、犬アレルギーを持っている人もいます。
どんなにおとなしい犬だとしても、犬が怖い人からしたら恐怖の対象でしかなく、犬を連れてこないでほしいと感じるでしょう。一人のマナーの良い犬の飼い主として、全員が快く参拝できるように配慮をすることが、犬を愛する立派な愛犬家ですよね。
犬連れOKの神社もある!祈祷してくれるところも
それでも愛犬と一緒に初詣に行きたい
以上のことを理解した上で、それでも愛犬を初詣に連れて行きたいのなら、必ず犬連れOKな神社に行きましょう。都内にもいくつかありますので、犬の飼い主の方はぜひチェックしてみてください。
愛犬への祈祷をお願いできる神社も!?
愛犬と一緒に初詣に行くのであれば、「犬同伴可能」なだけではなく、「犬が祀られている」「犬に祈祷をしてくれる」神社も存在しているので、思い切ってそういったところに行くのも良いでしょう。
神社にもよりますが、お守りをもらえたり、犬の健康祈願をしてくれたりするところもあります。お正月や七五三シーズンでは、袴・晴れ着を着た犬がいる事もあるので、せっかくの機会に衣装を用意して行ってもいいかもしれませんね。
犬連れOKな神社にペットと初詣に行く際のマナー・準備
犬連れOKな神社であっても、愛犬家としてのマナーはきちんと守りましょう。境内で排泄をしないように、前もってトイレを済ませてから連れて行くようにすることも大事です。また、他の人や犬に迷惑がかからないように、絶対にリードは離さないよう注意してください。
特に、お正月シーズンは、人が多く訪れ犬にもストレスがかかるので、長時間の滞在は避けることをおすすめします。誤って他の参拝者に蹴られてしまうことも考えられるので、小型犬は人混みでは抱っこしている方が良いでしょう。
また、愛犬の様子を常に観察し、怯えたり怖がっていたりするようであれば、諦めて帰るようにすることも大事です。
自分だけの基準で判断しないこと!
今や愛犬や愛猫などのペットは大切な家族の一員です。とはいえ、初詣に犬連れで行くのにはどのような問題があるのかを考えました。
神社側の宗教上の問題、マナーの問題だけでなく、日常生活ではあまり遭遇することのない人混みは、どうしても犬にストレスを与えてしまいます。神社に犬連れで行って良いかは、自分だけの考えや周りもやっているからといった理由だけで判断しないほうが良いでしょう。
どうしても犬連れで初詣に行きたい方は、神社が犬同伴可能かどうかをよく確認し、排泄や誤飲などのトラブルが起きないように十分注意して行くようにしましょう。