犬はとても賢い動物です。すぐに様々なことを覚えます。しかし、犬がモノゴトの良し悪しを判断できるわけではないので、良いこともすぐ覚えますが、悪いこともすぐに覚えるのです。
飼い主の何気ない行動が原因となっていることも多いため、一つ一つの行動の意味を考えながら行うことで、覚えてほしくないことは覚えさせないこともできるのです。また、一度覚えてしまった行為であっても、消去することができます。ここでは、そんな何気ない行動を3つ取り上げて、犬の気持ちを解説していきます。
この記事の目次
飼い主が食事中に食べ物を与える
「うちでは、そんなことしません!」と思われるかもしれませんね。でも、カワイイ目をして近寄ってきたら、「少しだけなら…」と、ついつい与えてしまうこともあるのではないでしょうか。
この行為、1回でもしてしまったら、人間の食べ物の味を覚え、飼い主が何か食べているとすぐに近寄ってくるようになります。これを嫌と思わない方は、犬に食べさせてはいけない食べ物にさえ気をつければ、特に問題はありません。
しかし、飼い主さんの具合が悪い時、来客があった時、ペットホテル等で預かってもらった時にも、犬は同じことをしてしまうため、「しつけの悪い犬だなぁ」と思われてしまうかも…。場合によっては、人間の食べ物の方が美味しいことがわかってしまい、ドッグフードを食べなくなってしまうことも。
また、人間の食べ物には塩味や甘味が付けられていることが多く、多くを摂取してしまうと病気のモトになってしまうため、できることなら犬用の食べ物以外は与えないようにしたほうが良いでしょう。
犬の気持ち
一度、人間の食べ物を与えたところ、食事中にテーブルに座っていると犬が飛びついてくるようになった場合の、犬の気持ちです。
- お!なにこれ、超うまいんだけど!!普段のドッグフードよりうまいわー
- 飼い主さんが何か美味しそうなもの食べてるから、飛びついてみよう
- しつこく飛びついたら、美味しい食べ物をくれたから、またしつこく飛びついてみよう
止めさせるには
例え、米粒1つも与えないようにしなくてはいけません。絶対にあげない強い意志が必要です。
上記のように、完全に悪いクセが付いてしまった場合も、絶対にあげてはいけません。食事中は目も合わせない、どんなにしつこくされても話しかけない、手で払う等もせずに、完全に無視することで矯正することができます。
家を出かける前に犬に話しかけ、帰ってきたらすぐに犬の元へ行く
お留守番させる時、ついつい可哀想になって話かけてしまったりするのではないでしょうか。でも、実はこれ、犬の悲しい気持ちを煽っていることになるのです。
また、外出先から帰ってきたら、すぐに犬のもとへ駆け寄っていたりしませんか?これも犬の気持ちを煽っているため、「嬉ション」させる原因にもなりかねません。もし、嬉ションで困っている方がいたら、これをやめるだけで改善することもあるのです。
上記の記事でも説明していますが、これを繰り返すことで、外出する前に異常なほどに吠えるようになってしまったり、鳴くようになってしまったりすることがあります。さらに、外出前だけでなく、外出してからもずっと吠え続けるようになってしまうこともあるのです。
犬の気持ち
外出する際に、吠えてしまい、しばらく鳴き続けてしまう場合の、犬の気持ちです。
- えー、置いていくの?イヤだー!ワンワン!!
- ワンワンしていたら、行くの止めてくれている!それなら、もっとワンワンしよう!
- 置いて行かれたけど、ワンワンしていたら戻ってきてくれるかも!
止めさせるには
出かけるとき、「犬に気づかれないように出かける」を目指して、静かに出かけてください。
また、犬は数十分ほどで心の変動が落ち着くといわれているので、帰ってからすぐに愛犬に会いに行くことはせずに、バッグを置いたり、荷物の整理をしてから愛犬に会いに行く方が良いでしょう。
犬が「かまってー」している時に「いやだ!」などと話しかける
愛犬が游んで欲しい時、先程のケースのように、何か食べたいとおねだりしてくる時などは、人に飛びついてきたり、吠えたり、足を噛んできたりしませんか?
この時、「ダメ!」と話かけたり、手で追い払ったりすると、実はその行為を助長しているかもしれません。特に、愛犬が游んで欲しいと思っている時は、その可能性が高いでしょう。
話しかけられることで、犬は嬉しいと感じます。また、手で払われたりすることで、手で游んでもらっていると思います。そのため、かまっているわけではないのに、犬からするとかまってもらっていると思い、もっとしてくるようになるのです。
犬の気持ち
游んで欲しい時に、飼い主に飛びついている場合の、犬の気持ちです。
- 暇だから游んで欲しいし、ちょっと飛びかかってみよう
- 何か言われているけど、よくわからないから、もっと飛びついてみよう
- おー、飛びついたら手で游んでもらえる、やったー
止めさせるには
これに関しても、どんなにしつこくされても話しかけない、手で払う等もせずに、完全に無視することで矯正することができます。
悪いクセは取り除ける
全ての行為は、一度悪いクセが付いてしまっても、必ず取り去ることができます。すぐに学習して、どうすれば良いのかを覚えてしまうということは、逆も然りです。意味がないということがわかれば、すぐにしなくなります。
どのケースも「完全に無視すること」が重要です。完全に無視するとは、その場に犬がいなかったかのように振る舞うことです。クセがなくなる前に、かなりしつこくしてくることがありますが、ここで折れては飼い主の負けです。これを乗り越えれば、比較的早い時間で、悪いクセは取り除くことができます。
もし、これらの行為に困っている方がいらしたら、一度チャレンジしてみてください。