家族の一員として犬や猫を迎えようと考えた時、皆さんはどのような選択をするでしょうか?ペットショップやブリーダーさんから購入?あるいは、知り合いからの譲渡や、保護犬・猫を受け入れるという選択肢もあります。
今回は、保護団体さんからの譲渡について、飼い主さんが取るべき行動や準備すべきことについてまとめました。
この記事の目次
まずは調べよう
一口に保護団体と言っても、様々な場合があります。個人単位で行っているケースもあれば、大規模なシェルターで多くのわんちゃんを保護しているケースもあります。
まずは近隣の保護団体について調べてみましょう。保護団体にもよりますが、実際に「この家庭に譲渡しても大丈夫なのかな?」と、家まで訪ねてくる場合もあります。また、譲渡後も、様子を見に来てくれたり、連絡を取ったりすることもあります。
遠方の場合は、保護団体の方に負担をかけてしまうこともありますので、少し注意したいところです。
どうやって探す?
ほとんどの団体がホームページを持っています。まずは、GoogleやYahoo等のインターネットの検索サービスを使って調べてみましょう。例えば、以下のようなキーワードが良いかもしれません。
東京 保護犬 譲渡 団体
東京 譲渡会 NPO
あまりにも遠いと、譲渡が難しい場合があります。同じ都道府県内の団体であれば、地域を理由に断られることは少ないと考えられるため、近隣の団体から探して見ましょう。
都道府県の動物愛護センター
最近では、各自治体の動物愛護センターでも、譲渡に関する情報を積極的に発信しています。中でも東京都と横浜市は積極的で、譲渡会の開催日程等も公開されています。まずは、動物愛護センターのサイトを調べてみるのも良いでしょう。
ただし、動物愛護センターは、譲渡をする場ではなく、一時的に迷い犬や猫を保護する場でもあります。そのことを忘れないようにしましょう。
東京都動物愛護センター
http://wannyan-tokyo.jp/
横浜市動物愛護センター
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/hokenjo/genre/douai/
保護犬猫の検索サービス
現在、様々なベンチャー企業が、積極的に保護犬猫の譲渡を促進するためのサービスを開発しています。以下のサービスが代表的なものになります。ここを取っ掛かりにして、まずは譲渡を考えている犬や猫が近所の団体や個人が保護していないか探してみるのも手です。
ペットの里親募集情報 :: ペットのおうち【月間利用者150万人!】
http://www.pet-home.jp/all/
保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)
https://omusubi-pet.com/
ペットの命|可愛い犬・猫の里親募集&迷子情報サイト
https://satooya.wancat.info/
実際に会いに行こう
近くの保護団体で気になる場所が見つかったり、譲渡を受けたいという犬猫がいた場合、実際に見に行ってみましょう。
シェルターに会いに行く
保護団体の場合は、直接メール等で連絡を取り、日時の調整をすれば、シェルターを見に行くことが出来る場合があります。団体によって、規定が異なりますので、必ずホームページで調べてから連絡するようにしましょう。
いきなり行くことは避けるようにしましょう保護団体は、ボランティアの方々だけで運営していることが多く、ギリギリの人数で切り盛りしていることがほとんどです。そのため、連絡のない、突然の訪問は迷惑になってしまいます。
譲渡会に参加
直接、団体への訪問が許可されていない場合でも、譲渡会への参加は自由なことが多いです。譲渡会の日程は、各団体のホームページに記載されていることがほとんどです。半月前くらいには掲載されていることがほとんどのため、今月、来月の予定を予め確認することができます。
大規模な譲渡会の場合、動物愛護センターのウェブサイトでも公開されていることが多いので、こちらも併せてチェックすることをオススメします。可能であれば、家族全員で参加した方が良いでしょう。
もし、譲渡を考えている犬猫が決まっている場合は、譲渡会に行く前に、団体へメール等で確認をしておきましょう。譲渡会にどの犬猫を連れて行くかは、その日の犬猫の状態によって決めることがあります。譲渡会に参加しない犬猫もいますので、受け入れを考えていることを事前に伝えておいたほうが、譲渡会当日に会える確率が高まります。もし、インターネット上のサービスを使っている場合は、そちらでやり取りしている方の指示に従います。
注意したいこと
受け入れたい犬・猫を決めてから譲渡会に行く場合には、事前に以下の事を済ませておきましょう。
- 家族全員で話し合い、合意しておく
- 日々、長時間の留守番がないように計画する
- マンション等の場合は、飼えるかどうか確認する
- 経済的な余裕があることを確認する
- 何があっても最後まで飼う決心をする
実際に、犬や猫と触れ合い、譲渡を希望した段階から、審査が始まります。生き物であることをよく考え、天変地異や病気など、どんなことがあってもきちんと最後まで飼えるように、ありとあらゆる事に気を配る必要があります。一時的な感情で譲渡を希望することは、保護団体の方にも迷惑をかけてしまいます。そして何より、その犬や猫が、幸せになるはずの譲渡を遅らせることにもなるのです。
また、この頃から保護団体の方と頻繁に連絡を取り合うようになってきます。これ以降、話が進んで行った段階でお断りすることはできないと言っても過言ではありません。
トライアル
ほとんどの場合、2週間から1か月程のトライアル期間が設けられています。譲渡を希望し、保護団体との話し合いや契約が済んだら、実際に一定期間、一緒に住むことになります。この期間に、自分たちの生活に溶け込めるか、犬や猫自身が安心して落ち着いて暮らすことができるか の確認をします。
このトライアル期間は、犬や猫たちに、私たち飼い主自身も審査されているのです。とは言え、犬好き、猫好きの方なら、愛情持って普通に生活していれば、気にすることはないでしょう。特に、先住犬がいたり、小さな子どもがいる場合は、その子たちとうまくやっていけるかどうかを確認する期間でもあります。
購入ではなく、寄付
トライアルが上手く行けば、晴れて譲渡が決定します。その日から、その愛する犬や猫たちは、あなたの大切な家族の一員となります。寄付金(譲渡金)の額は設定されている場合とされていない場合がありますが、去勢・避妊手術、予防接種、トレーニングにかかる人件費などを含め、だいたい3〜4万円が相場とされています。
特に、ブリーダー崩壊や悪徳業者の現場から救出されたような犬猫の場合は、大きな病気にかかっていたり、怪我、極度に人間を怖がっていたりすることがあります。保護団体から犬猫を引き取るのは「タダ」だと思っている方も多いかもしれませんが、譲渡ができるようになるまでには、相当な時間と労力、そしてお金がかかっており、それらは全て寄付で賄われています。元気な犬猫を引き取れるのは、先に寄付をした方々のおかげでもあり、今後保護される犬猫のためにも寄付金は重要な役割を果たすことをふまえて、寄付金の支払いに理解を求めてもらえるよう、多くの団体が呼びかけています。
個人的な意見にはなりますが、少し多めの金額を寄付してあげると良いと思います。病気や年齢の問題もあり、譲渡の段階まで進めない犬や猫達も数多くいます。少しだけ多くの寄付をすることで、その子達の生活費に充てることができます。
迷惑をかけないために
もしかしたら、ペットショップに行き、一目惚れで犬や猫を飼う方が簡単かもしれません。「譲渡」という選択肢は、購入に比べると、少し多くの手間がかかります。何故なら、保護団体の人たちは「この先、もうシェルターに来る必要がない、そんな幸せな生活をずっと送ってほしい」と心の底から思っているからです。
その分、私たち飼い主に、覚悟が求められます。でも、本来、動物を飼うということはそういうことではないでしょうか。
よく考え、検討した末であれば、保護団体の側も間口を広げて、待ってくれています。もし、犬や猫を飼おうと真剣に考えている方がいるなら、譲渡を選択肢の一つに加えてみてください。幼犬や幼猫ばかりではないかもしれませんが、愛情深く育てることで、より幸せな生活が待っていると思います。