冬の時期は寒さから外に出たくないという人も多いでしょう。そんな時期に特に気をつけたいのがヒートショックです。
ヒートショックは人間で起こるイメージが強いですが、実は犬でも起こってしまう危険があることを知っていますか?
今回の記事では、犬がヒートショックを起こしやすいシチュエーションと、ヒートショックを起こさないための対策法をご紹介します。
この記事の目次
ヒートショックとは
ヒートショックは、急激な温度変化により血圧や脈拍が大きく変動する現象で、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを引き起こします。
入浴時のヒートショック
人間の場合は、特に冬場の入浴時に発生することで知られており、冬の溺死や転倒死の原因として知られています。
入浴時には、暖かい部屋から寒い風呂場に移動するため、熱が奪われないように血管が縮み血圧が上がります。そして、暖かいお湯に浸かることで、血管が広がり急激に血圧が下がります。
このように、血圧が何度も変動することで体に負担がかかり、ショック症状を起こしてしまいます。
ヒートショックの症状
犬がヒートショックを起こした場合、以下のような症状が見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- ふらつき
- 貧血
- 脈が早くなる
- 呼吸困難
もし犬にヒートショックが疑われるような症状が表れたら、まずは呼吸数や脈拍数を確認し、普段より大きく増減していないかチェックしてみてください。また、貧血を起こしている場合は、歯茎や舌などの色がいつもより白くなることがあります。
ヒートショックは命に関わることですので、少しでも様子がおかしいようであればすぐに動物病院に連れて行きましょう。
なお、ヒートショックは寒いところに出た直後ではなく、暖かいところから寒いところへ行き、その後寒いところからまた暖かいところに戻った直後に起こります。そのため、散歩などから帰ってきたときには特に注意が必要です。
ヒートショックを起こしやすい犬
ヒートショックはすべての犬で発生する可能性がありますが、以下の場合は特に注意した方がいいでしょう。
- 子犬
- シニア犬
- 持病がある犬
- 肥満な犬
- 痩せすぎな犬
これらの犬と生活している飼い主さんは、特にヒートショック対策をしてあげてください。
ヒートショックの起きやすいシチュエーションと対策法
人間の場合は、10℃前後の寒暖差でヒートショックが起こるといわれており、犬も同様の寒暖差でヒートショックを起こすと考えられます。そのため、ヒートショックを起こさないためには寒暖差を小さくすることが大切です。
具体的にどのようなシチュエーションでヒートショックが起こり、どのような対策をすればいいかをそれぞれ見ていきましょう。
シチュエーション①寒い日の散歩
暖かい部屋から寒い屋外に出ると、急激な気温差で心臓に負担がかかりヒートショックが起こりやすくなります。また、急激な運動も体に負担がかかります。
(1)玄関で数分、寒さに慣らしてから散歩へ
寒い日はいきなり外に連れ出すのではなく、玄関で数分間過ごして寒さに慣らしてからお散歩に連れて行ってあげましょう。
愛犬がどうしても外に出たがる場合は、おやつをあげたり、軽くマッサージをしたりして気を紛らわしてあげてください。
(2)服を着せる
犬に服を着せることは賛否両論あると思いますが、服で防寒することで寒さに弱い犬でも快適に散歩ができ、寒暖差を和らげることができます。
(3)急に走らせない
寒いところで急に走るのもよくありません。愛犬が走りたそうにしていても、体が寒さに慣れるまでは軽い運動を心がけましょう。
シチュエーション②シャンプー
人間と同様に、部屋が暖かく浴室が寒いとヒートショックを起こしやすくなります。
(1)浴室を事前に温めておく
ヒーターなどが付いていれば、事前に浴室を温めておきましょう。
ヒーターがない場合は、入る少し前にシャワーからお湯を出すだけでも効果的です。
(2)シャワーの温度とかけ方を工夫
シャワーは熱過ぎず、冷た過ぎない温度で、なるべく心臓から遠い部分からかけてあげましょう。
シャワー後は体が冷えないよう、しっかりと乾かしてあげることも大切です。
(3)シャンプーの時間は日中に
日中の暖かい時間にするよう心がけましょう。特に寒くなる朝晩は避けた方が望ましいです。
シチュエーション③暑い日に冷たい川にいきなり飛び込む
ヒートショックは冬場に起きると思われがちですが、急激な寒暖差があれば夏でも起こる可能性があります。特に、夏の暑い日に川やプールなどの冷たい水に突然入った場合は危険です。
(1)足からゆっくり入る
人間も同じですが、冷たい水に慣れるように、まずは足からゆっくり水に浸かるようにしましょう。
最後に
人間のヒートショックは毎年冬になると注意喚起されますが、実は犬もヒートショックを起こす可能性があります。
犬はほぼ毎日散歩をしますので、ヒートショックの危険は常に隣り合わせです。知らなかったという人も、寒い日は意識的に気をつけるようにしましょう。
犬は人間よりも地面に近い位置で生活しており、地面や床からの冷気をより感じやすいため、飼い主さんが思っているよりも愛犬は寒い思いをしているかもしれません。愛犬も飼い主さんも寒さ対策をしっかりして、寒い冬を乗り切りましょう!