「犬を飼いたい!と思ったはいいものの、どの子がいいのかわからない……」そんな方も多いのではないでしょうか。
それぞれの犬種には特徴があります。そこで今回は、「飼いやすさ」をテーマに、5犬種をピックアップしました。
なお、ここでご紹介する性格の傾向や病気のなりやすさは、あくまで犬種全体の一般的な特徴です。
実際には、個体の性格や健康状態、生まれ育った環境や日々の飼育方法によって大きく左右されることもあるため、参考程度にとどめておいてください。
この記事の目次
初心者でも飼いやすい室内犬①トイ・プードル
明るい性格で人懐っこいプードル。とても賢く、学習能力が高いため、しつけがしやすい犬種として広く知られています。個体差はありますが、総合的に初心者にも飼いやすいとされる犬種です。
トイ・プードルが飼いやすい理由
- 賢い:賢く、しつけやすい犬種だとされています。
- 抜け毛が少ない:下毛のないシングルコートのため、抜け毛が少なく、室内でも清潔に保ちやすい犬種です。
- 体臭が少ない:比較的体臭が少ない犬種です。
- 友好的な性格: 一般的に明るく、遊び好きで、人懐っこい性格をしています。
トイ・プードルを飼う前に知っておきたいこと
- 被毛の手入れ:毛玉になりやすいため、こまめなブラッシングが必要です。
- 定期的なトリミング:毛が伸び続けるため、月に1回程度の定期的なトリミングが必要です。
- 体温調節が苦手:シングルコートの犬種のため、特に寒さに弱く、暑さにも注意が必要です。
初心者でも飼いやすい室内犬②シー・ズー
鼻ぺちゃで大きな目と長い被毛が特徴のシー・ズー。愛情深く、穏やかな性格の傾向があるため、子供や高齢者にも慣れやすい犬種です。
シー・ズーが飼いやすい理由
- 抜け毛が少ない:ダブルコートの犬種ですが、被毛が伸び続けるタイプのため、抜け毛は比較的少なめで、室内に毛が舞いにくいとされています。
- 体臭が少ない:適切なお手入れをしていれば、体臭は比較的少ない犬種とされています。
- 比較的運動量が少ない:他の犬種より必要な運動量が少ない傾向があります。
- 穏やかでフレンドリー:人懐っこく甘えん坊な子が多く、抱っこされたり撫でられたりするのを好む傾向があります。
シー・ズーを飼う前に知っておきたいこと
- 被毛の手入れ:毛玉になりやすいため、こまめなブラッシングが必要です。
- 定期的なトリミング:毛が伸び続けるため、月に1回程度の定期的なトリミングが必要です。
- 暑さに弱い:短い鼻を持つ「短頭種」であるため、体温調節が苦手で、特に夏の熱中症には注意が必要です。
- かかりやすい病気がある:目のトラブルや歯周病にかかりやすいため、こまめなケアが必要です。
初心者でも飼いやすい室内犬③キャバリア
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(以下、キャバリア)は、大きな丸い瞳とゆるいウェーブの長い被毛、大きな垂れ耳が特徴の小型犬です。バランスのよい体型で、被毛カラーは4種類。やさしく愛らしい表情が魅力です。
キャバリアが飼いやすい理由
- 無駄吠えが少ない:愛玩犬として改良されてきた歴史があり、比較的吠え癖が少ないとされています。
- 友好的で愛情深い性格:人懐っこく、甘えん坊で、攻撃性が低く、他の犬や猫、子供に対してもフレンドリーに接することができます。
- 順応性が高い:引越しやライフスタイルの変化にも順応しやすい傾向があります。
- 適度な運動量:活発で遊び好きな性格ですが、過度な運動量は必要なく、毎日の散歩と室内遊びで満足しやすい犬種です。
- しつけがしやすい:賢く、飼い主に従順なため、基本的なしつけを比較的早く覚えることができます。
キャバリアを飼う前に知っておきたいこと
- 遺伝性疾患のリスクが高い:僧帽弁閉鎖不全症や膝蓋骨脱臼(パテラ)、眼疾患などにかかりやすいとされています。
- 抜け毛が多め:ダブルコートの被毛を持つため、特に換毛期には抜け毛が増えます。
- 暑さに弱い:寒さには比較的強いですが、暑さには非常に弱い犬種です。
- 太りやすい:食欲が旺盛な子が多く、肥満になりやすい傾向があります。
初心者でも飼いやすい室内犬④パピヨン
大きな耳と長毛が美しく、優雅な雰囲気のあるパピヨン。賢く、その頭脳は小型犬の中でもトップクラスだと言われています。活発な性格ですが、訓練性が高いため、しっかりとしつけをすれば飼いやすい犬種です。
パピヨンが飼いやすい理由
- 抜け毛が少ない:抜け毛は比較的少なめと言われています。ただし、個体差や季節によっては抜け毛が目立つこともあります。
- 体臭が少ない:適切なお手入れをしていれば、体臭は比較的少ない犬種とされています。
- 高い知能と学習能力:賢く、物覚えが良い犬種として知られています。
- 友好的で社交的な性格:飼い主や家族に深い愛情を示し、初対面の人や他の犬にも比較的友好的に接することができます。
パピヨンを飼う前に知っておきたいこと
- 被毛の手入れ:飾り毛を美しく保ち、毛玉防止のためにも毎日のブラッシングが推奨されます。
- 活発で運動欲求が高い:非常に活発で、好奇心が旺盛なため、毎日の散歩だけでなく、室内での遊びや頭を使う遊びも積極的に取り入れる必要があります。
- 警戒心が強く吠えやすい:賢く友好的な一方で、見知らぬ人や物音に対して警戒心が強く、吠えやすい傾向があります。
- 体温調節が苦手:シングルコートのため、寒さにはあまり強くありません。また、夏の暑さにも注意が必要です。
初心者でも飼いやすい室内犬⑤フレンチ・ブルドッグ
鼻ぺちゃの顔やシワ、大きな目がコミカルな雰囲気を醸し出す、フレンチ・ブルドッグ。しっぽは短く、体はがっしりとしていて、意外にも筋肉質です。この独特の外見は、親しみやすく愛嬌のある表情と相まって、多くの人から人気を集めています。
フレンチ・ブルドッグが飼いやすい理由
- 無駄吠えしにくい:個体差はありますが、一般的に無駄吠えが少なく、吠える声も比較的低めで、響きにくいとされています。
- 適度な運動量:活発な一面はありますが、激しい運動は得意ではありません。毎日短時間の散歩と室内での遊びで、十分な運動量を確保できます。
- 友好的で愛情深い性格:人懐っこく、家族に深い愛情を示し、子供や他のペットにも穏やかに接する社交的な犬が多い犬種です。
- 室内飼育に適した大きさ:中型犬に分類されますが、比較的コンパクトな体格なので、都市部のアパートやマンションでも飼育しやすい犬種です。
フレンチ・ブルドッグを飼う前に知っておきたいこと
- 暑さに弱い:鼻が短い「短頭種」と呼ばれる犬種のため、気道が狭く、湿度と暑さに弱いため、熱中症のリスクが高い犬種です。
- シワのお手入れが必要:顔や体にあるシワの間に汚れや湿気が溜まりやすいため、こまめにお手入れし、清潔に保つ必要があります。
- 遺伝性疾患のリスクが高い:椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)、アレルギーなどにかかりやすい傾向があります。
- よだれやいびき:短頭種のため、他の犬種に比べてよだれが出やすく、いびきもかきやすい傾向があります。
- 太りやすい:食欲が旺盛な子が多く、食事管理を怠ると肥満になる可能性があります。
【番外編】成犬を引き取る
「自分に合った子を選ぶ」という観点からすると、成犬を引き取るということもおすすめです。
子犬のうちはトイレや甘噛みなどのしつけが必要ですし、性格もまだはっきりとは見えてこないことがあります。
成犬であれば、成長期を過ぎて性格が安定していることが多いため、自分のライフスタイルに合っているかどうかを見極めやすくなります。
また、譲渡団体によっては、トライアルとして数日間一緒に過ごすことが可能な場合もあるため、しっかりと確かめたうえでベストパートナーを選ぶことができるでしょう。
最後に
犬が飼いたい!と思っても、どの犬種も可愛くて、なかなか選ぶことが難しいのが本音のところ。「どの子にしようかな」と悩んだときには、飼いやすさの観点から選ぶのも一つの方法です。
ただし、どんなに飼いやすい犬種でも、基本的なしつけやトレーニングやお手入れは欠かせません。愛犬とのより良い関係を築くためにも、きちんと向き合う覚悟は必要です。
「この子が飼いたい!」と本気で思ったなら、たとえ飼いにくいと言われている犬種でも飼い続けるはず。なぜ飼いたいのか、この子と一緒に住み続けることが本当にできるのか、などを熟考した上で、みなさんがベストパートナーと出会えることを願っています。