長野県南部の駒ヶ根市にある光前寺は、伝説の犬「早太郎」を祀るお寺として知られています。早太郎の伝説とは一体どのような物語なのか、実際に愛犬を連れて現地へ行ってきました。
この記事では、霊犬早太郎の伝説や光前寺の魅力、周辺のおすすめスポットについてご紹介します。
この記事の目次
光前寺とは
「宝積山 光前寺(ほうしゃくざん こうぜんじ)」とは、長野県駒ヶ根市にある天台宗のお寺です。開祖である本聖上人は、比叡山での修行後に太田切黒川の滝の中から不動明王の像を授かり、貞観2年(西暦860年)に光前寺を建立しました。ご本尊は不動明王で、7年に1度のご開帳の時にのみ拝める秘仏です。
近年では、人気漫画やアニメの舞台としても知られ、ファンによる巡礼地となっています。
公式ウェブサイトにはペット同伴の可否は掲載されていませんでしたが、念のため職員さんに許可を頂きました。また、職員さんによると犬を連れた参拝客も多く訪れているとのことです。
霊犬「早太郎伝説」とは
およそ700年前、光前寺では屈強な山犬「早太郎」が飼われていました。その頃、遠州府中(現在の静岡県磐田市)の見付天神社では、田畑を守るために神への生け贄として娘を捧げる悲しい習わしがありました。
ある年、見付村に「一実坊弁存(いちじつぼうべんぞん)」という旅の僧が現れ、この悲しい習慣を止めるべきだと考えました。祭りの夜、彼は怪物が娘をさらう光景を目撃し、怪物が信州の早太郎を恐れていることを知りました。
弁存は早太郎を探し当て見付村に連れて行き、早太郎が怪物を退治して村を救いました。早太郎は傷つきながらも光前寺まで帰り着き、その後息を引き取りました。
現在、光前寺には早太郎のお墓があり、早太郎の供養のため弁存が書写した「大般若経」も大切に保管されています。
光前寺のおすすめスポット
ここからは、光前寺の見どころをご紹介いたします。
自然豊かな境内
光前寺の境内では、美しく豊かな自然を満喫できます。特に、仁王門から三門へ続く参道に立ち並ぶ樹齢300以上の杉の大木や境内の数多くの樹木、そして至るところに流れる小川や池が、訪れる人々の心を癒やしてくれます。
また、木々の多さから日陰も多く、愛犬と一緒に境内をゆっくり散策できます。
三重塔と早太郎像
南信州唯一の三重塔は長野県の県宝に指定され、その荘厳な佇まいは多くの参拝客を魅了しています。その横には早太郎の像が厳かに鎮座しています。
光苔
光前寺参道の石垣の石と石の間には光苔が生えています。光苔とは暗い場所でもわずかな光で反射する苔のことをいいます。光の反射により見え方に差があるため、丁寧に探せば見られるかもしれません。光苔が見られるのは、4月中旬から10月下旬まです。
本堂と早太郎像
本堂にはご本尊の不動明王が祀られており、参拝するとすぐ横には迫力ある早太郎の木彫り像が鎮座しています。
延命水
光前寺本堂の脇には裏山から引かれた清水が流れており、冷水により命も延びると言われるようになり「延命水」と呼ばれています。
早太郎のおみくじ
石像や木彫りの早太郎は、屈強な風貌の山犬でしたが、おみくじの早太郎は非常に可愛らしい顔つきをしています。
しだれ桜ともみじ
光前寺は、春はしだれ桜、秋はもみじの美しい名所として知られています。しだれ桜は4月中旬から下旬に見頃を迎え、もみじは10月下旬から11月上旬に美しく色づきます。また、ライトアップイベントが行われ、幻想的な雰囲気を味わえます(ライトアップの詳細日程は公式ウェブサイトでご確認ください)。
「光前寺」基本情報
【住所】
長野県駒ヶ根市赤穂29(Googleマップ)
【アクセス】
中央自動車道「駒ヶ根インター」より約3分
【公式ウェブサイト】
http://www.kozenji.or.jp/
周辺情報①ランチは「くらすわ」へ
(画像はイメージです)
光前寺から車で約10分の場所に、養命酒駒ヶ根工場があります。その敷地内にある「くらすわ」のカフェでは、テラス席のみペットの同伴が可能です。
約20種類の焼き立てのパンや挽き立てのオリジナルブレンドコーヒー、信州十四豚カレーなどのランチメニューが楽しめます。
以前は、広大で自然豊かな敷地内を犬と一緒に散歩ができましたが、現在は工事中のようです。しかし、2024年の秋には、自然に触れる喜びを感じ、素材にこだわったおいしい料理が楽しめる「くらすわの森」がオープンする予定です。
「くらすわ」基本情報
【住所】
長野県駒ヶ根市赤穂16410
【アクセス】
中央自動車道「駒ヶ岳スマートインター」より約5分
中央自動車道「駒ヶ根インター」より約15分
【公式ウェブサイト】
https://www.clasuwa.jp/shops/komagane/
周辺情報②遊び足りない時は「駒ケ岳SAのドッグラン」へ
光前寺の境内の散策はいい運動や気分転換になりますが、活発なタイプの犬の場合はまだ元気が余っているかもしれません。そんな時は、「くらすわ」から約5分の場所にある、駒ヶ岳スマートインターを経由してすぐの「駒ケ岳サービスエリア」内にあるドッグランで遊んでから帰路につくことをおすすめします。
このドッグランには「小型犬専用」と「全犬種用」のエリアがあり、小型犬でも安心して利用できます。給水スペースやウンチを捨てられるゴミ箱など、犬連れの旅行には嬉しい設備も整っています。広さも十分なので、大型犬でも満足して遊べるでしょう。
まとめ
霊犬早太郎に思いを馳せながら、南信州の旅を楽しんできました。今回旅をした駒ヶ根市は東京から車で約3時間、名古屋からは2時間ほどの距離に位置しています。興味をもたれた方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。
伝説の犬を敬いつつ、愛犬との旅行を楽しんでみてください。