猫・犬の多頭飼育崩壊や殺処分問題など、心を痛めるニュースを見ることもまだまだあります。
この問題について、根本の原因から解決しようと取り組んでいる人たちがいます。
様々な報道がされる陰で、様々な活動をされている方がいます。そのような知っておいて頂きたい活動とその人々について、ご紹介します。
この記事の目次
ねこけん動物病院について
東京都杉並区にある「ねこけん動物病院」は、猫・犬の不妊手術を無料で行っています。
こちらの病院では、「刹処分ゼロ・野良猫ゼロ・多頭飼育崩壊ゼロの社会を実現する」という目標を掲げています。
この「不妊手術無料の動物病院の設立」は、クラウドファンディングによって、述べ560名の方々からの支援があり実現されました。
また、この理念を理解してくださるスポンサー企業の力もあって、現在も運営が続いています。
支援期間は終了していますが、このプロジェクトのクラウドファンディングページを見ることはできます (2018年10月現在)。
https://a-port.asahi.com/projects/nekoken560/
このクラウドファンディングでは、最終的に880万円以上のお金が集まりました。
根本の問題解決方法
猫と犬の不妊手術を無料で行う動物病院を作った、NPO法人ねこけんは、現在年間400匹もの猫を、新しい家族の家に送り出しているそうです。
これまでも、TNR(Trap/捕獲し,Neuter/不妊去勢手術を行い,Return/元の場所に戻す)活動をしてきましたが、NPO法人ねこけんの設立者である溝上さんは、あることに気がつきました。
それは、「保護猫の多くが、実は家の中で生まれている」ということです。
猫に避妊や去勢の手術を受けさせることができない家庭から、多頭飼育崩壊が起きていました。増えすぎて飼えなくなってしまい、最後には外に放したりといった状況になっていました。
このように、飼い猫が捨てられてしまったり、多頭飼育崩壊の猫が外へ出てしまうと、外で繁殖をしてしまいます。いくら多くの人が必死に保護・譲渡の活動をしても、終わらないイタチごっこになってしまいます。
なんで「無料」が大事なの?
こちらの病院では、猫も犬も、予約制で不妊手術を無料で行っています。飼い猫であっても、無料で受け付けています。
野良猫であっても、室内で飼われている猫であっても、不妊手術を怠ったことにより大量に増え続けると、不幸な最後を迎えることになってしまうことがあります。
ご存じの方も多いかもしれませんが、猫はねずみ算式に増えていきます。猫は一度に3〜5匹を出産します。
また、猫は数ヶ月で妊娠可能な体になります。つまり、とても速いスピードで猫が増えていってしまうということです。
譲渡会や里親を募集するなどの方法で、殺処分となる猫を減らす努力をしている活動家の方もいます。
しかし、譲渡されて幸せに生きる道を見つけられる猫ちゃんが全てではないというのも事実です。
無料で避妊手術を受け付ける
避妊手術は、多くの動物病院で受けることができます。しかし一般的には、手術を受けるためにはある程度のお金が必要となります。
病院によって金額が変わりますが、日本獣医師会の調査によると下記の通りとなっています。
-
猫の去勢手術 12,652円
猫の避妊手術(卵巣切除)19,833円
猫の避妊手術(卵巣子宮切除)20,986円
家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)より
諸事情によりこれらのお金を用意することができない、という理由から起こる多頭崩壊もあります。
「手術はお金がかかるから」といって、そのままにしている人もいます。捨て猫をゼロにするためには、飼い猫に不妊手術をするということが必要です。
詳細について教えて!
料金は?
料金形態は、先ほどからお話しているとおり、不妊・避妊手術は無料となっています。
他にも、ワクチンやウイルス検査、マイクロチップの埋め込みなども行っています。こちらは、1,000円〜2,500円ほどかかりますが、一般の動物病院で行うよりもとても低価格で行うことができます。
送迎も行っている
別料金となりますが、送迎のサービスもあります。
-
¥2,000(税抜):杉並区・練馬区・中野区・武蔵野市・三鷹市
¥3,000(税抜):渋谷区・新宿区・豊島区・板橋区・世田谷区・調布市・小金井市・西東京市・和光市(埼玉)・新座市(埼玉)
(※片道の料金になります。頭数の制限はありませんが、多頭の場合は連絡が必要になります)
「病院まで連れて行くのが大変」というご家庭にも優しいですよね。
申し込み方法
手術や検査は、完全予約制となっています。予約は、電話で行うことができます(2018年10月時点)。
当日の予約については、枠が空いている場合は、対応可能となっているようです。
電話番号:03-6383-2270
問題の根本を解決することの重要さ
世界初と言われている、不妊手術を無料で行なう動物病院の設立。
悲しい思いをする猫・犬を減らすために、いつか殺処分という言葉がなくなるようにと、活動をされています。
様々な事情があって、飼い猫の手術費用の出費が難しい方にとって、とても嬉しいサービスです。
加えて、人間の無責任な考えによって繁殖し、悲しい思いをする猫が1匹でも少なくなる素晴らしいサービスでもあります。
そして、クラウドファンディングによって、このような社会的な活動が進んで行くことも、未来を考える上でもとても有意義なことです。これから先、クラウドファンディング等の新しい仕組みを使って保護活動が発展していくのは喜ばしい事ではないでしょうか。
動物保護に関するクラウドファンディングについて興味のある方は、こちらもご覧ください。