意外と身近な問題だった!多頭飼育崩壊はなぜ起こるのか?

意外と身近な問題だった!多頭飼育崩壊はなぜ起こるのか?

ニュースなどで「多頭飼育崩壊」という言葉を耳にしたことはあるでしょう。狭い部屋に身を寄せ合い何の動物なのかわからないほどの痛々しい姿を見て、胸を痛めている方も多いはずです。

悪徳ブリーダーによる多頭飼育崩壊は絶対に許せませんが、悪意はないものの知識不足が原因で動物が増えてしまい手に負えなくなってしまったというケースも少なくありません。

今回の記事では、多頭飼育崩壊が起こってしまう原因と、多頭飼育崩壊を見かけたときに行うべきことなどについてご紹介します。

この記事の目次

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多頭飼育崩壊とは

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多頭飼育崩壊とは、文字通り、動物を過剰に多頭飼育し、無秩序な飼い方による異常繁殖の結果、飼育が不可能になってしまうことです。英語では「アニマルホーディング」ともいいます。なお、厳密な定義はなく、複数の動物を飼っていても動物の健康状態に問題なければ多頭飼育崩壊とはいいません。

多頭飼育崩壊を防止するため、2019年の法改正により、適正飼育が困難な場合は避妊・去勢手術等を行い繁殖を防止することが義務化されました。

動物の愛護及び管理に関する法律
第三十七条 犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない。

もし仮に、多頭飼育崩壊により動物を傷つけたり、みだりに殺した場合、同法律により以下の罰則が設けられています。

第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。

これまでは2年以下の懲役または200万円以下の罰金でしたので、罰則はかなり強化されたといえるでしょう。

多頭飼育崩壊が起こる原因

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多頭飼育崩壊は、無責任な繁殖を繰り返す悪徳ブリーダーだけでなく、もともと動物が好きで大切に飼っていた人や、捨て猫を保護していた人が起こしてしまうことも珍しくありません。では、多頭飼育崩壊はなぜ起こってしまうのでしょうか?

無計画な繁殖

多頭飼育崩壊の根本的な原因として、動物の個体数がコントロールされていないことが挙げられます。

避妊・去勢手術を行わないまま飼育を続けていると、知らない間に交配が行われて繁殖してしまいます。特に、猫やウサギは交尾による刺激で排卵が起こる「交尾排卵動物」であり繁殖力がとても強いため、対策を行わないとあっという間に増えてしまいます。

金銭的な問題

動物が繁殖して増えすぎてしまうと、居住場所を清潔に保つことやエサを与え続けることが困難になってくることがあります。そして、手に負えなくなっても、その現状から目を逸らしてしまい、誰かに手を差し伸べられるまで改善できない場合が多いようです。

飼い主の高齢化

飼い主の高齢化により、動物の世話が疎かになってしまうこともあります。こちらの場合も、飼い主の体力がなくなり運動などにも行けなくなる上に、個体数がコントロールされていないため十分な世話が行き届かず、多頭飼育崩壊を引き起こしてしまう可能性があります。

多頭飼育崩壊の問題

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では、多頭飼育崩壊が起こるとどのような問題があるのでしょうか?あらためて多頭飼育崩壊で起こる問題点を見てみましょう。

動物の適切な飼育が行われていない

動物の飼育頭数が増え適切な世話ができなくなると、居住場所の衛生状態が悪くなり病気になってしまいます。犬も猫も本来はきれい好きな動物ですので、精神的なストレスも相当なものでしょう。

また、餌の不足により共食いが発生してしまうことも珍しくありません。

近親交配が繰り返される

限定的な空間内で繁殖が繰り返されることにより、奇形の子が生まれてきてしまう可能性が高くなります。奇形の子は生命力が弱く、生まれてすぐ亡くなることも多いです。

近隣住民とのトラブル

多頭飼育崩壊が起こっている家では、いわゆる「ゴミ屋敷」であったり、異臭や騒音が原因で近所の人とトラブルに発展することもあります。場合によっては飼い主の精神的なケアや保護が必要になるケースもあるでしょう。

多頭飼育崩壊を見かけたら

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ニュースになるような多頭飼育崩壊は、すでにたくさんの動物が傷つき悲惨な状態である場合が多いです。そうならないためにも多頭飼育崩壊の可能性を感じたら早めの対応が大切です。

「多頭飼育崩壊かもしれない」と思ったら、まずは地域の保健所や動物愛護センターに相談しましょう。警察では柔軟に動けないことが多々ありますが、最初に行政に相談することで、その度合いによって警察と連携を取りながら対応してくれるはずです。

また、住人が高齢や病気などで動物の世話ができないような状態のときは地域の福祉局などに相談するのもいいでしょう。

いずれにせよ、個人で動物の救出などを行ってしまうと、住居侵入罪や窃盗罪などに問われる可能性もありますので、まずは公的機関に相談してください。

まとめ

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多頭飼育崩壊を防ぐためにもっとも効果的なのが、避妊・去勢手術をすることです。手術に抵抗がある方もいるかもしませんが、多頭飼育崩壊が起こってしまったら苦しい思いをするのは動物たちだということを理解しましょう。

悪意なく多頭飼育崩壊が起こってしまっている場合、飼い主がそれを自覚できていないケースもあります。

もし、身近に多頭飼育崩壊が起こっていそうな家があったら、まずは行政に相談しましょう。テレビのニュースに取り上げられるような大規模なケースはごく一部で、実際には誰にも知られず、それは静かに起こってしまっているのです。不幸な動物たちが少しでも減るよう、自分の周りにも目を配ってみてください。

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